歯並びの矯正例|あなたはどのタイプ?症状タイプ別の矯正方法をご紹介します

歯並びの矯正例|あなたはどのタイプ?症状タイプ別の矯正方法をご紹介します

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

矯正には様々な治療方法があり、担当する医師の方針や症状によって治療法が異なります。歯医者さんで歯並びを矯正したいけれど、具体的にどんな方法で矯正治療するのかわからないと不安ですよね。

そこで、この記事では歯並びの一般的な矯正例をタイプ別に挙げて説明します。これから矯正治療を受ける人にとって目安になるでしょう。

まずは矯正方法の種類を簡単に説明します

治療

歯並びの矯正は、大人と子どもでは少々異なります。子どもの場合は顎の骨が発達段階である上、歯も乳歯と永久歯の混合である場合が多いのに対し、大人の歯は骨も含めて成長が止まっているからです。

子どもの場合は乳歯と永久歯の混合歯の治療を「1期治療」、永久歯に生え揃った場合の治療を「2期治療」と呼んで分けています。「1期治療」では歯だけでなく骨の成長も含めて考えます。「2期治療」は大人の歯の治療内容とほぼ変わりません。

では、矯正治療にはどんな方法があるのかを簡単に説明していきます。

ブラケット矯正

ブラケット矯正とは、歯の1本1本にブラケットという器具をつけ、そこにワイヤーを通して歯の全体に圧をかけ、歯を移動していく従来の方法です。

ブラケット矯正について詳しく知りたい方は、併せてこちらもお読みください。

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リンガルブラケット(裏側)矯正

舌側矯正

リンガルブラケットは、歯の裏側に矯正装置をつける治療法です。歯の裏側に取り付けるため目立たないというメリットがある一方で、喋りにくいなどのデメリットもあります。裏側矯正、舌側矯正とも呼ばれています。

マウスピース矯正

マウスピース

自分専用のマウスピースを歯医者さんで作り、何度か作り変えてマウスピースを取り替えることで歯を動かし、理想の歯並びに近づけていく方法です。

マウスピース矯正は透明な素材なので目立たずに矯正でき、ワイヤーを使わないため、口内にワイヤーが当たる心配もありません。

部分矯正

ブリッジ

最後に部分矯正ですが、文字通り部分的に矯正する治療法です。部分矯正はブラケット矯正・リンガルブラケット矯正・マウスピース矯正などほとんどの治療法で可能です。

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このほか、人工歯を使用するブリッジ矯正インプラント矯正などもあります。

症状タイプ別の矯正例

矯正の治療方法が分かったところで、症状のタイプ別の矯正例をご紹介します。

八重歯

乱杭歯

八重歯とは、叢生(そうせい)と呼ばれる凸凹の歯(乱杭歯)のことで、正常な位置からずれて生えている歯を指します。前歯4本を挟むように並ぶ犬歯が凸凹になりやすいので、これを八重歯と勘違いする人も多いです。

八重歯は歯が正常な向きに並べるスペースが足りないため、重なって生えたりねじれたりすることがほとんどです。治療法としては、歯が正常に並ぶ充分なスペースを作るため、噛み合わせに影響の少ない第4臼歯あるいは第5臼歯(前から4・5番目)を抜歯します。抜歯して出来たスペースを埋める形で歯の向きや角度などをコントロールしながら理想的な歯並びに近づけるのです。

最近は、抜かずに八重歯を治せますという歯医者さんも多く見受けられます。確かに歯を抜かずにマウスピースなどで矯正すると、歯を失うこともなく痛みも少ないです。しかし、抜歯せずに矯正すると、歯が元の位置に戻りやすく、保定期間が長くなる可能性があります。

MEMO
最近「口腔機能発達不全症」が保険適応になりました。「口腔機能発達不全症」とは、うまく噛んだり飲み込んだりすることができない、発声に異常がある、口呼吸するなどの症状です。子どもの「口腔機能発達不全症」による出っ歯・受け口や上下の歯が噛み合わない場合は、一期治療でのトレーニングなどで改善することが理想です。「口腔機能発達不全症」の検査やトレーニングも保険対象に含まれます。

すきっ歯

空隙歯列

すきっ歯で代表的なのが、両前歯の中央が広く開いてしまうタイプです。すきっ歯の原因は、生まれつき歯が小さい、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖がある、噛み合わせが深い、歯周病によるものなどです。

すきっ歯を治すには、ブラケット矯正・リンガルブラケット矯正・マウスピース矯正などのほかに、ダイレクトボンディング法ラミネートベニア法、被せものをする</クラウンなどの方法があります。

ダイレクトボンディング法は歯と歯の隙間にプラスチック製の素材を入れて、隙間をなくす治療法で、ラミネートベニア法は板状の人工歯を歯の表面に貼る治療法です。

ただし、成長期の子どもの場合には、顎の骨の大きさが今後も成長するため、歯の隙間をプラスチックや人工歯で埋めるダイレクトボンディング法やラミネートベニア法は採らないのが通常です。

出っ歯や口元が突出している場合

前突

出っ歯は上の歯が下の歯より突き出している状態です。また、口元が突出している状態は「上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)」といい、口元が前に突き出している症状を指します。

出っ歯や上下顎前突の治療は、抜歯してスペースを作り、歯を動かす矯正方法が一般的です。症状によってはヘッドギアを用いた治療法が採られることもあります。ヘッドギアはおおむね家にいる時間や就寝時に装着する矯正装置で、奥歯を後ろに引っ張ることでスペースを作ることが目的です。子どもだけでなく、大人にも用いられます。

なお、子どもの場合の出っ歯の原因は指しゃぶりなどの習慣によって起きやすいため、癖を治すことで予防できます。具体的には一期治療で行い、アクチバトールなどの顎用矯正器具を用いて顎のバランスを整える、口呼吸をやめるなどで改善します。

受け口・下の歯が上の歯より出ている場合

下顎前突

受け口は、下顎や下の歯が上の歯よりも出ている状態の歯並びです。本来の歯並びは上の歯が下の歯より2mm程度覆いかぶさる形なのですが、これが上下の状態になるので「反対咬合」とも呼ばれます。放置しておくと、噛み合わせがよくないだけでなく、滑舌の悪さや顎関節症の原因、下顎が前にずれることによる姿勢の悪さにも繋がります。

受け口の治療はブラケット矯正が一般的ですが、骨格が原因の場合には口腔外科の歯医者さんで行う外科手術を含む矯正が必要になる場合もあります。

また、乳歯や混合歯がある子どもの場合は、反対咬合専門のマウスピースを用いたり、口周りの筋肉トレーニングやヘッドギアなどを使ったりする場合もあります。

上下の歯がずれている場合

交叉咬合

上下の歯がずれて噛み合わない「交叉咬合(こうさこうごう)」は、歯だけでなく顔も歪んで見えることがある症状です。

交叉咬合の原因は、生まれながらの骨格や指しゃぶりや頬杖などの癖によるもの、事故などでの外傷によるものが考えられます。放置しておくと、噛み合わせが悪いために食べ物がよく噛めずに消化不良を起こしたり、顎関節を痛めたりするほか、長期に渡って重症化してしまうと顔の骨も歪んできてしまいます。

治療にはブラケット矯正やリンガルブラケット矯正、マウスピース矯正などのほか、ネジの力を利用する拡大装置や、顎の内側に取付けたワイヤーの跳ね返す力を用いたクワッドヘリックス、拡大プレート(拡大床)などがあります。また、重症の場合には外科手術が必要になる場合もあります。

下の歯が上の歯に隠れている場合

過蓋咬合

下の歯が上の歯に隠れている症状を「過蓋咬合(かがいこうごう)」といいます。過蓋咬合も骨格が原因の場合は外科手術が必要になることがありますが、多くの場合はブラケット・リンガルブラケット・マウスピースなどの方法で矯正治療が可能です。

放置しておくと虫歯や歯周病、顎関節症、歯茎の炎症などにかかりやすいため、早期に治療するのがおすすめです。

子どもの過蓋咬合は、口周りの筋肉トレーニング専用のマウスピースなどで改善できる場合もあります。

歯茎が出すぎている場合

Gummy Smile

笑うと歯茎が目立つのを、生まれつきだと諦める人もいますが、これも矯正治療で治すことができます。歯茎が出すぎている症状をガミースマイルといい、骨格や歯茎、歯、唇など様々なことが原因となります。

治療できるかどうかは原因にもよりますが、一般の歯医者さんで治療できるのは出っ歯によって歯茎が前に出てしまっている場合などです。健康な歯を抜いたり削ったりして人工歯にする歯医者さんもいますが、健康な歯を傷つけるため、おすすめはできません

その他マウスピース型トレーナーでの筋肉療法やボツリヌス菌の注射で上唇の筋肉を緩める粘膜や歯茎・骨の切除などの治療方法があります。切除などの手術を含む治療は、より専門的な治療ができる口腔外科で行います。

矯正治療を受ける際の注意点

矯正治療は歯が動いた後もとても重要です。動かした直後の歯は元に戻る働きがあるので、矯正治療によって移動した歯を固定する保定期間が必要だからです。

保定期間は数週間から数ヶ月に1度の通院となるため、自己管理が大切になってきます。保定期間中に指示されたとおりにしっかりと保定装置をつけるかどうかで、その後の矯正治療の仕上がりに大きく影響します。

症状タイプ別の矯正例のまとめ

今回ご紹介した症状は、大きく分けて以下の7つです。

    • 八重歯・凸凹な歯並び
    • すきっ歯・前歯に隙間が開いている場合
    • 出っ歯や口元が突出している場合
    • 受け口・下の歯が上の歯より出ている場合
    • 上下の歯がずれている場合
    • 下の歯が上の歯に隠れている場合
    • 歯茎が出すぎている場合

矯正治療の方法は一般的にはブラケット矯正、リンガルブラケット矯正、マウスピース矯正、部分矯正があり、その他外科手術を必要とする矯正や筋肉トレーニングなど多岐にわたります。

症状によって、普通の歯医者さんでできることと、より専門的な口腔外科の歯医者さんですることに分かれるため、歯医者さんでよく相談し、どんな治療が必要なのかを聞くのがおすすめです。