矯正で生じるブラックトライアングルは治るの?4つの改善方法と予防策を徹底解説

矯正で生じるブラックトライアングルは治るの?4つの改善方法と予防策を徹底解説

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

「矯正したらブラックトライアングルができてしまった……」というのは意外とよく聞く悩みです。ブラックトライアングルとは、歯と歯の間の根元側にできてしまう隙間です。外からは黒い三角形のように隙間が開いて見えるのでこう呼ばれます。

ここでは矯正後にブラックトライアングルができてしまう原因と、改善方法について解説していきます。

矯正でブラックトライアングルができる原因

日本人女性の口元

歯は一般的に根元に向かって細くなっているため、歯の形や並び方によってはどうしても隙間ができてしまいます。特に矯正によってブラックトライアングルができてしまう理由としては以下の2点が挙げられるでしょう。

    • 重なっていた歯が一列に並んだことで隙間が生まれる
    • 歯茎が下がる

矯正で歯並びが整うことで今まで見えていなかった隙間が生じることがあります。特に前後に重なっていた歯をキレイに並べたときに起こることが多いでしょう。また、矯正で歯を動かすことによって歯茎が下がってしまうリスクがあり、これによってブラックトライアングルができてしまうケースもあります。

MEMO
矯正以外にも、加齢や歯周病などが原因でブラックトライアングルができてしまうことがあります。

ブラックトライアングルを改善する4つの方法

ブラックトライアングルは以下のような方法で改善できるケースもあります。

    • 歯の側面を削って寄せる(ディスキング)
    • セラミッククラウン・ラミネートベニアで形を整える
    • コンポジットレジンで隙間を埋める
    • 歯周病の治療をする

歯の側面を削って寄せる(ディスキング)

ディスキング (ストリッピング)と呼ばれる方法で歯の両側面を削り、歯を台形のような形に整えて寄せることでブラックトライアングルを埋める方法です。歯をやすりのような器具で削るので不安に思う方もいるかもしれませんが、外側のエナメル質をわずかに削るだけなので基本的に大きなデメリットはありません。

ディスキング後に歯を寄せるために再度矯正が必要になるケースがあります。また元々歯が小さい場合は効果が薄いことが多いので注意が必要です。

セラミッククラウン・ラミネートベニアで形を整える

歯科医院でホワイトニングをする女性

白いセラミックの被せ物で形を整えることで隙間を埋めます。一般的にブラックトライアングルが気になるのは前歯なので、歯の表面にだけ薄いセラミックを貼り付けるラミネートベニアという方法もとれるでしょう。

思った通りの形に整えやすい方法ではありますが、健康な歯を削らなければならないことがデメリットです。

コンポジットレジンで隙間を埋める

虫歯の治療にも使われるコンポジットレジンという樹脂で隙間を埋める方法です。比較的手軽にできる方法ではありますが、歯の色によっては埋めた部分が逆に目立ってしまいます。また、コンポジットレジンは変色・劣化しやすいのもデメリットです。虫歯の治療とは違い、ブラックトライアングルを埋めるためのレジン治療は保険適用外となるので注意してください。

歯周病の治療をする

OKサインをつくる歯科医師

歯茎が下がってしまったことが原因でブラックトライアングルができたのであれば、歯周病を治療して歯茎を正常化することで改善することもあります。ただし、これで良くなるのはかなり軽度なケースでしょう。むしろ、歯周病で腫れた歯茎が引き締まることでブラックトライアングルがより目立つということも考えられます。

矯正で起きるブラックトライアングルを防ぐ方法

矯正ではどうしても歯茎が下がってしまう(歯肉退縮)のリスクがありますが、以下のような方法で予防できることもあります。

矯正中に歯周病にならないようにケアする

歯磨きする女性

歯周病にかかっていると、矯正で歯茎が下がってしまうリスクが上がるといわれています。矯正の前には歯周病の治療を行うのが一般的ですが、歯周病は再発しやすいのが厄介なところ。とくに矯正中は装置の周辺に細菌が溜まりやすい上に歯磨きがしづらいので、虫歯や歯周病になりやすいのです。矯正中もしっかりとケアするのが大事といえるでしょう。

セルフライゲーションブラケットで矯正する

矯正によって歯茎が下がるのは、歯を動かすための圧力を加えることで歯茎に負担がかかるからだといわれています。セルフライゲーションブラケットはワイヤーを完全に固定しない構造により、より少ない力で効率的に歯を動かす装置。歯茎への負担を最小限にできるので、歯茎が下がるリスクを軽減することが期待できるのです。

ブラックトライアングルは治すべき?

歯並びや健康上の問題は基本的にない

ブラックトライアングルは見た目には気になることもありますが、健康上のデメリットは基本的にありません。矯正によってブラックトライアングルができたことで「失敗したのでは……」と心配する方も多いですが、適切に歯並びを整えてもどうしても生じてしまうケースがあるのです。

食べかすが詰まりやすくなることも

口内炎が痛い

隙間に食べかすが詰まりやすくなることは考えられるでしょう。歯ブラシや歯間ブラシでしっかり清掃すれば、特に虫歯や歯周病のリスクが上がることは考えにくいですが、不快感や見た目の面で悩みを抱えるケースもあるかもしれません。

発音しづらくなるリスクもある

隙間から空気が漏れることで特定の音が発音しにくくなることもあります。ただし、これはよほどブラックトライアングルが大きなケースでしょう。発音の仕方や舌の使い方に問題があることもあるので、まずは歯科医師に相談することをおすすめします。

矯正は事前にリスクやデメリットもしっかり理解しよう

ブラックトライアングルは健康上のデメリットはほとんどありませんが、矯正ではどうしても生じてしまう可能性があります。矯正治療によって起こり得るリスクやデメリットは他にもありますので、事前にしっかり理解した上で治療を検討してください。