矯正治療の同意書で注意すべき点と確認しておきたいこと!

矯正治療の同意書で注意すべき点と確認しておきたいこと!

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

矯正治療は、保険外治療なので十万円以上する高額な治療です。そのため治療が開始される前には「同意書」にサインが必要となります。

ですが、契約書の内容をよく読んでも、「こんな場合はどうするのだろう?」という疑問がたくさん生まれてくると思います。

そこで、この記事では同意書にサインする際に確認するポイントや、よくあるトラブルについて説明します。

矯正治療の流れ

口元を気にする女性

矯正治療は、まずはお悩みを聞いて綿密な検査を行ってから、その人に合った治療法を決めていきます。

矯正治療の大まかな流れ
    • 問診・カウンセリング
    • 精密検査
    • 分析・診断
    • 治療計画を立てる
    • 説明
    • 治療開始

矯正は顎の骨や組織などの専門的な知識と技術が必要になるため、矯正歯科の専門医に行ってもらうことが望ましいです。

問診では噛み合わせや歯並びだけでなく、虫歯などの病歴や、子どもなら体の成長状態などを詳しく聞いていきます。精密検査は、口内の状態や顎の動きなどを知るため、X線撮影など様々な角度から行います。その後、検査内容を専門家が分析し、やっと治療方針が決められるのです。

今回のテーマである同意書は、治療方針を説明する際にサインします。

同意書を書く際に確認すべきポイント

それでは、具体的に同意書を書く際に歯医者さんに確認しておきたいポイントをご紹介します。

もし治療が中断してしまったら? 費用や再開はできる?

治療場面

矯正治療中、妊娠・出産などでやむなく治療を中断せざるを得ない状況もあります。すでに治療費を払っている場合、治療が何らかの原因で中断されたときやキャンセルしたときは、治療していない分が返金される場合があります。途中で治療を中断する場合は、いくら返金があるのか歯医者さんに質問することが賢明です。

もし、中断した際に契約書に記載してある返金項目と一致しない場合は、医療専門の弁護士などに相談することをおすすめします。

また、治療を中断した後で治療を再開する際には、まず継続治療が可能かどうかの判断がなされます。治療途中で放置した期間が5年以上など長期に渡る場合には、歯が治療前に戻ってしまっている可能性があります。そのため、改めて治療をしなければならないかもしれません。

もし、数ヶ月程度の期間なら、再診料のみで続行できるケースが多いです。やむを得ず治療を中断し、再診する場合には、費用はどうなるのかを、質問してみましょう。

なお、妊娠中の治療に関しては、こちらに詳しく書いていますので、興味のある方はお読みください。

妊娠中に歯の矯正はできる? 矯正中に妊娠した場合は?

妊娠中に歯の矯正はできる? 矯正中に妊娠した場合は?

毎回の治療でお金はかかるの? それとも最初に一括?

診察費用

矯正治療にかかる費用は自由診療のため、各医療機関によって設定が異なりますが、大体の相場は以下のとおりです。

    • 問診・カウンセリング: 5千円
    • 検査料:2万〜5万円
    • 分析・診断料:3千〜5千円
    • 治療費(子どもの場合3万円〜50万円)
    • 治療費(大人の場合50万円〜)
    • 処置費:1回6千円
    • 歯磨き指導:1回4千円

このうち、主な治療費は、治療費と処置費・歯磨き指導費用などですが、歯医者さんによって2つのタイプがあります。1つは「矯正治療費」の他に、毎回5千円程度の施術費がかかるタイプ、もうひとつは「矯正治療費」の中に全ての費用が含まれているタイプです。治療費が全て含まれているタイプなら、毎回の支払いはありません。

さらに、治療終了後の再診料も、1年間は無料というところもあれば、毎回必要なところもあります。トータル費用がかなり異なるため、事前に確かめるのが賢明です。

また、初回カウンセリングは無料で行っている歯医者さんも多いです。予約する前に、インターネットのホームページや電話などで確認することをおすすめします。

分割払いはできる?

クレジットカード

矯正治療は費用が高額になるため、ほとんどの歯医者さんでは分割払いを取り扱っています。治療費の支払いは、大きく「一括払い」と「分割払い」に分かれます。さらに分割払いは、「クレジットカードの分割払い」「デンタルローン分割払い」があります。

「クレジットカードの分割払い」「デンタルローン分割払い」は、クリニックによっては取り扱っていないこともあり、さらに、クリニック独自の分割方法を設定していることもあります。どんな支払い方法があるかはとても重要なので、質問事項に入れておくのがおすすめです。

ちなみに「デンタルローン」とは、「歯科治療費」に特化したローンのことで、信販会社や銀行などで取り扱っています。

矯正器具が取れてしまったときの料金は?

いろいろな矯正方法

矯正器具が外れたら、歯医者さんにすぐに連絡して対応してもらいます。その際、ただ外れたものを再設置するだけなら、費用はかからない場合が多いです。

ただし、矯正器具が破損しているなどで再注文しなければならない場合は、別途費用がかかります。これも、クリニックによって異なるため、確認しておいたほうが良いでしょう。

治療中にトラブルが発生した場合は別料金?

治療中によくあるトラブルとしては、「フェネストレーション」「歯根吸収」「新しく虫歯ができた」などです。

「フェネストレーション」とは、歯の根っこの先端が骨から飛び出ることで、神経が死んでいても痛みや違和感を覚えることがあります。「フェネストレーション」で痛みが出た場合、歯の根の治療ではほぼ治らず、歯の根の切除が必要となる場合があります。治療中に「フェネストレーション」が見つかった場合はどう対処するのか、費用は別途かかるのか、聞いておくと良いでしょう。

「歯根吸収」は、歯の根っこが吸収して極端に短くなることで、多方向から力が加わることで歯が動き、その期間が長い時に起こりがちです。歯を移動する矯正治療中にはしばしば起こるリスクですが、起こった場合どのように対処するのか聞いておく必要があります。

最後に、よくあるトラブルとして挙げられるのが、矯正治療中に新たに「虫歯」ができた場合です。虫歯を作らないように日頃からケアすることが大前提ですが、それでもできてしまった場合には、一般の歯科で治療を行います。場合によっては矯正治療を中断しなければならず、虫歯の治療が終わった後、矯正前の状態に戻ってしまうこともあります。戻った分の治療費は追加されるのか、それとも治療費内で行えるのかを確認しておくことをおすすめします。

治療が終わったあと後戻りしてしまったときの保証は?

後戻りを気にする女性

せっかく矯正治療が終わったのに、時間が経つと矯正前の状態に後戻りしてしまうことがあります。矯正したばかりの歯はまだ不安定で、移動しがちだからです。矯正治療では、保定期間といって、後戻りを防ぐためリテーナーという装置を装着する期間があります。保定期間のほとんどは治療期間と同じくらいの期間を要し、最初の数カ月は1ヶ月〜数ヶ月毎、終了間際は半年に1回などの通院になります。

保定期間の治療費は、全体の治療費に含まれていることが多いですが、治療費や装置代金などは別費用なのか、一応確認しておくに越したことはありません。

また、保定期間を過ぎて後戻りしてしまった際は、全額負担になることが多いようです。同意書には治療契約終了後の再治療について書かれている箇所があると思うので、よく確認してみてください。

まれに、後戻りの再治療の一部負担や、5年保証などを設けている歯医者さんもあるようです。保証制度については、ぜひ質問してみましょう。

治療中に先生が変わることもあるの?

歯科医師

原則として、矯正の担当医は最初から最後まで交代せずに一貫して行うのが通常です。ただし、転勤ややむを得ない事情で担当医が交代する場合もあります。

稀なケースですが、担当医が保定期間中に辞めてしまい、一般医師に引き継がれてトラブルになった例があります。このようなことは本当に稀だと思いますが、万が一のために、担当医が変わる場合には、信頼のおける別の矯正専門医を紹介してもらえるかなど、確認しておくのがおすすめです。

同意書を書く際はよく確認してからサインを!

同意書は、難しいことが書いてあるので読むのが面倒だという人も多いですが、トラブルが発生した場合などのことについて、詳しい取り決めが書いてあります。同意書の内容は、よく確認してからサインしたいものです。

また、治療に際してよくあるトラブルは、以下のようなものです。

    • 治療が中断してしまった場合の費用や再診料
    • 初回費用と毎回の治療費
    • 分割は可能か
    • 治療中にトラブルが発生した場合の費用
    • 治療中の医師の交代について

同意書にサインする際に不明点があれば、遠慮せずに質問してみることをおすすめします。