歯と睡眠時間との関係は?歯痛、歯周病から無呼吸、糖尿病まで

歯と睡眠時間との関係は?歯痛、歯周病から無呼吸、糖尿病まで
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睡眠不足になると、歯が痛むことはありませんか?実は、歯と睡眠は切っても切れない深い関係があるのです。

睡眠は、歯周病や高齢になったときの残歯数と関係があります。睡眠中に呼吸が一定時間止まる無呼吸症候群はよく知られていますが、歯科の領域でもあることはあまり知られていません。

ここでは、歯と睡眠の関係について、詳しくご紹介してきます。

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    • 歯と睡眠時間って何か関係があるの?
    • 睡眠不足で歯が痛くなることってある?
    • 睡眠不足で歯周病になることがあるって本当?
    • 睡眠時無呼吸症候群って歯となにか関係があるの?
INDEX
  1. 高齢者の歯数には睡眠時間が大きく関係していた
  2. 虫歯でもないのに睡眠不足で歯が痛くなる「非歯原性歯痛」とは
  3. 睡眠不足は虫歯や歯周病になるリスクが高くなる
  4. 無呼吸症候群による睡眠不足は歯並びが原因の可能性も
  5. 睡眠不足、歯周病、糖尿病には深い関係がある
    1. 5-睡眠不足は糖尿病を引き起こす
    2. 5-歯周病があると糖尿病が悪化しやすい、またその逆も
    3. 5- 歯周病を治療すると糖尿病が改善する
  6. 睡眠時間をコントロールして歯を守ろう

1. 高齢者の歯数には睡眠時間が大きく関係していた

近年では、歯の噛み合わせが健康寿命に大きな影響を及ぼすことが分かっています。実は高齢者の歯の数と睡眠時間もとても深い関係があることが明らかになりました。

2018年に東北大学大学院歯学研究科が発表した研究では、睡眠は多すぎても少なすぎても残存歯数に影響があることを証明しています。

歯が20本以上ある人たちと比較して、歯が全くない人では短時間睡眠(4時間以下)のリスクが1.4倍、長時間睡眠(10時間以上)であるリスクが1.8倍と、両極端な睡眠時間のリスクが高いことがわかりました。
」より引用
さるくん

へぇー、睡眠は長いほうがいいと思ってたけど、違うんですね!

柿木先生

そうですね。睡眠もほどほどがいいということですね。

ちなみに、健康な歯をもっとも多く残せる睡眠時間は、7時間とされています。

2. 虫歯でもないのに睡眠不足で歯が痛くなる「非歯原性歯痛」とは

虫歯があるわけでもないのに睡眠不足だと歯が痛くなることがあります。これは非歯原性歯痛のひとつで、非歯原性歯痛とは歯以外のところに原因がある歯の痛みです。

睡眠不足で起こる非歯原性歯痛の原因は、免疫力の低下です。体の免疫力が低下すると、血中に含まれるカテコールアミンという物質が増加します。これにより歯のまわりの血管に悪影響が与えられ、歯が痛くなってしまうのです。

さるくん

歯って、虫歯とか歯周病以外でも痛くなることがあるんですね。知らなかったなあ!

柿木先生

そうですね。睡眠不足だけでなく、ストレスが溜まった時にも起こりやすいですよ。

3. 睡眠不足は虫歯や歯周病になるリスクが高くなる

睡眠不足になると免疫力が落ちるとお伝えしましたが、免疫力が落ちると当然口内の悪い細菌も活発になります。悪い細菌とは虫歯や歯周病の原因菌です。

つまり、睡眠不足が続くと虫歯や歯周病になるリスクが高まるので、注意が必要です。

柿木先生

例えば忙しくて睡眠時間が取れないと疲れが溜まりますよね。そんな時に、疲れて歯磨きしないまま寝たりすると、虫歯や歯周病になるリスクがより高まります。

さるくん

なんだか悪循環ですね。睡眠って色んな意味で大切だなあ。

4.無呼吸症候群による睡眠不足は歯並びが原因の可能性も

無呼吸症候群にかかると、眠りが浅くなり睡眠不足に悩まされます。

睡眠時に呼吸が一定時間止まる理由は、舌が気道を塞いでしまい呼吸ができなくなるからです。舌が気道を塞ぐ原因には肥満により気道のまわりの脂肪が厚くなる事が多いですが、それ以外には歯並びの悪さから舌が気道の方に落ちてしまうこともあります。

柿木先生

歯並びの悪さや骨格が原因で舌が正しい位置にない場合ですね。

さるくん

無呼吸症候群の原因って肥満だけじゃないんですね!

柿木先生

歯並びやあごの骨が原因の場合は歯医者で治療します。

5. 睡眠不足、歯周病、糖尿病には深い関係がある

睡眠不足と歯周病、そして糖尿病は、三角形を描くようにお互いに影響しあう関係です。

どんな関係があるのか、詳しく説明していきますね。

5-1.睡眠不足は糖尿病を引き起こす

睡眠不足だと食欲を向上させるホルモンが通常よりたくさん分泌されて、食欲が増します。食べる量が増えると血糖コントロールが不安定になり、糖尿病を引き起こしてしまうのです。

困ったことに、睡眠不足は単純に血糖値を上げてしまうので、このことからも糖尿病のリスクが高まります。

さるくん

糖尿病って、Ⅰ型とⅡ型がありますよね?

柿木先生

そのとおり。Ⅰ型はインスリンを体内で作れなくなってしまうのが原因で、Ⅱ型は体内で作る量が足りないことが原因です。

さるくん

そうだったんですねー!

5-2.歯周病があると糖尿病が悪化しやすい、またその逆も

歯周病は、歯周ポケットの中で炎症を起こして、膿をつくったり歯や骨を溶かしたりする病気です。

悪化すると炎症を起こしている悪い細菌が血液中にも流れ出てしまいます。流れ出た細菌は血液中で悪玉物質に変化し、血糖値を下げるインスリンの分泌を邪魔してしまい、糖尿病が悪化しやすくなります。

柿木先生

これをインスリン抵抗性といいます。インスリン抵抗性があると体がもっと大量のインスリンを出すように頑張ります。

さるくん

ふむふむ。

柿木先生

でも、インスリンを生産する場所が小さいので、キャパオーバーになって枯渇してしまうんです。分解されない糖は、尿に混じって出ることになります。

さるくん

それで糖尿病って言うんですか!

柿木先生

そのとおり。

歯周病があると糖尿病が悪化しやすくなりますが、反対に糖尿病があっても歯周病も悪化しやすくなります

糖尿病にかかると体の免疫力や傷の修復力が落ちてしまいます。また、糖尿病の方は水を大量に欲しますね。これは、口内が乾燥するからです。

免疫力の低下、修復力の低下、口内乾燥。この3つはどれも歯周病になりやすい条件です。実際、糖尿病患者が歯周病になる確率は、健康な人の2倍以上と言われています。

また、血糖コントロールが悪いと歯ぐきの血流も悪くなって、より歯周病にかかりやすくなります。

5-3. 歯周病を治療すると糖尿病が改善する

さるくん

ええと、最初からおさらいすると、睡眠時間が短いと血糖値が上がって、糖尿病になって…。

柿木先生

歯周病があるとその糖尿病がさらに悪化しやすくなるということでしたね。

さるくん

あっ、そうですね!

柿木先生

ただし、歯周病を治すと糖尿病も改善されるということも分かってきているんですよ。

さるくん

へぇ〜、そうなんですか!

先ほど、歯周病が悪化すると、血中に悪玉物質ができてしまう話をしましたね。実は、この悪玉物質は糖尿病のメカニズムでインスリン抵抗性をつくる物質と同じものということが分かっています。

インスリン抵抗性は、肥満により増えた内蔵脂肪によって作られます。内臓脂肪が蓄積すると、悪玉物質が大量に作られてインスリンの分泌を阻害します。この物質が歯周病の悪玉物質の毒素と同じなのです。

つまり、歯周病を治療して血中の悪玉物質を減らせば、糖尿病も改善されるというわけです。

さるくん

そういうことか〜!またひとつ知識が増えちゃったなあ!

6. 睡眠時間をコントロールして歯を守ろう

歯と睡眠時間は、とても深い関係があることがわかりましたね。睡眠は、多すぎても短すぎてもよくありません。質の良い睡眠を習慣づけて、高齢になっても自分の歯で何でも食べられる人生を送りたいものですね。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 高齢になっても自分の歯を守るには7時間睡眠がちょうどいい
    • 睡眠不足で歯が痛くなるのは、免疫力が下がって血管に悪影響をもたらす物質が出るから
    • 睡眠不足で免疫力が下がると虫歯や歯周病になるリスクが高まる
    • 無呼吸症候群による睡眠不足は歯並びが原因のことも
    • 睡眠不足になると血糖値が上がり糖尿病になりやすい
    • 糖尿病になると歯周病になりやすい
    • 歯周病が悪化すると糖尿病になりやすい
    • 歯周病を治療すると糖尿病も改善する