【医師監修】歯周病を予防できる4つの栄養素と唾液を増やす食品

歯周病を普段食べているもので予防できるとしたら、知りたいと思う人は多いのではないでしょうか。この記事では、歯医者さんに聞いた歯周病予防が期待できるおすすめの食品をご紹介します。いつもの食卓に意識的に取り入れて、歯周病を予防しましょう。
- なるべく普段の生活で歯周病を予防したいと思っている。
- 習慣の改善で歯周病を抑えられるならやってみたい。
- 歯周病予防に良い具体的な食材を知りたい。
- 歯周病予防にはどんな栄養素が必要なのか知りたい。
歯周病を予防する4つの栄養素
まずは歯周病が予防できる、以下の4つの栄養素から説明していきます。
1.カルシウム

カルシウムが含まれる食品
普通に暮らしていてカルシウムが不足してしまうなら、積極的に摂りましょう。カルシウムを効率よく摂れるのは断然牛乳です。しかし、牛乳アレルギーや苦手な方は以下の表を参考にして、他のもので補いましょう。100gあたりの摂取量 | カルシウム含有量 | |
---|---|---|
牛乳 | コップ1杯約200g | 約220mg |
干しエビ | 10g | 710mg |
ししゃも | 3尾60g | 198mg |
プロセスチーズ | 1切れ25g | 158mg |
小松菜 | 100g | 140mg |
高野豆腐 | 20g | 126mg |
ヨーグルト | 1個100g | 120mg |
チンゲン菜 | 100g | 100mg |
乾燥わかめ | 5g | 39mg |
上記の食品を少しずつ組み合わせて摂ることで、必要なカルシウムが摂取できます。牛乳は過剰摂取するとアレルギー症状を引き起こす場合があるので、多くても1日コップ2杯までにしておきましょう。
また、カルシウムの吸収を助けるのはビタミンDです。ビタミンDは日光浴などをすると体内で作られる栄養素です。食品から摂る場合はうなぎや鮭、干し椎茸、きくらげなどがおすすめです。

お酒のおつまみに小魚などを選ぶといいですね。
お酒を飲むついでに歯がつよくなるなんていいなぁ。
2.ビタミンA

ビタミンAの主要成分であるレチノールには、粘膜の保護や免疫力を高める働きがあります。また、緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは、摂取すると体内でビタミンAに変わるのでビタミンAの仲間に分類されます。
ビタミンAが含まれる食品
ビタミンAの量は、レチノール活性当量(㎍)という単位で表されます。
100gあたりの摂取量 | ビタミンA含有量 | |
---|---|---|
豚レバー | 100g | 17,000㎍ |
鶏レバー | 100g | 14,000㎍ |
豚レバーペースト | 12g | 4,300㎍ |
味付け海苔 | 1人分3g | 2,700㎍ |
焼き海苔 | 1枚2g | 2,300㎍ |
うなぎの蒲焼 | 1串100g | 1,500㎍ |
銀だら | 1切れ130g | 1,500㎍ |
ホタルイカ | 1ぱい6g | 1,500㎍ |
モロヘイヤ | 1束100g | 840㎍ |
ニンジン | 1本150g | 720㎍ |
有塩バター | 大さじ1杯12g | 520㎍ |
卵(卵黄) | 1個15g | 480㎍ |
春菊 | 1束200g | 380㎍ |
干しひじき | 大さじ1杯2g | 360㎍ |
ほうれん草 | 1株20g | 350㎍ |
ビタミンAは脂溶性なので、油と一緒に摂ることで吸収率が高まります。βカロテンを豊富に含む緑黄色野菜は、炒めものなどにすると良いでしょう。
レバーと魚介類かぁ
3.ビタミンC

ビタミンCは歯ぐきなどの粘膜を作るコラーゲンを生成するために必要な栄養素です。コラーゲンは細胞と細胞をつなぐ働きがあるので、歯の健康にも必要不可欠です。ビタミンCは体内では作れないため、意識して摂る必要があります。
ビタミンCが含まれる食品
100gあたりの摂取量 | ビタミンC含有量 | |
---|---|---|
アセロラ | 1個6g | 1,700mg |
グァバ | 1個100g | 220mg |
赤ピーマン | 1個100g | 170mg |
ゆず | 1個100g | 160mg |
黄ピーマン | 1個100g | 150mg |
キウイフルーツ | 1個80g | 140mg |
菜の花 | 1束50g | 110mg |
ブロッコリー | 1株250g | 120mg |
カブ(葉) | 1個80g | 82mg |
ピーマン | 1個30g | 76mg |
生牡蠣 | 1個150g | 70mg |
イチゴ | 1個15g | 62mg |
レモンは果汁にすると1個のビタミンC含有量が50mgで、意外にもイチゴよりも少ないです。ビタミンCは加熱すると水に溶け出してしまうので、水で湯がくより電子レンジでの調理がおすすめです。

ビタミンCは過剰摂取しても排出されてしまうため、基本的にはたくさん摂っても大丈夫です。
気にしないで食べられるのはありがたいなぁ。
4.ビタミンE

ビタミンEは強い抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぎます。歯ぐきの中に流れる血管や骨の老化防止に役立ち、歯周病を予防できます。
ビタミンEは過剰に取りすぎると骨粗鬆症のリスクを高めるなどの健康障害が見られるため、以下の上限が定められています。ただ、ビタミンEは体内に蓄積しにくい栄養素なので、通常の食事での摂取量であれば問題ないとされています。
ビタミンEが含まれる食品
100gあたりの摂取量 | ビタミンE含有量 | |
---|---|---|
アーモンド | 10粒14g | 30.3mg |
ピーナッツ | 10粒25g(殻付き) | 11.4mg |
ひまわり油 | 大さじ1杯12g | 38.7mg |
オリーブオイル | 大さじ1杯12g | 7.4mg |
うなぎ | 1尾150g | 7.4mg |
たらこ | 1腹50g | 7.1mg |
モロヘイヤ | 1束100g | 6.5mg |
ニジマス | 1切れ150g | 5.5mg |
カボチャ | 1個1kg | 4.9mg |
ブリ | 1切れ80g | 4.6mg |
銀だら | 1切れ80g | 4.6mg |
赤ピーマン | 1個100g | 4.3mg |
ビタミンEは光に弱いので、ナッツ類や油を保存する際は直射日光を避けましょう。

緑黄色野菜をオリーブオイルで炒めてナッツをトッピングすると最強ですよ。
ほーう、それいいですね。
その他の歯周病予防におすすめの食品
上記以外にも、まだまだ歯周病予防におすすめの食品があります。
1.よく噛んで食べる食品

歯周病を予防するには、唾液の量を増やすことが重要です。なぜなら、唾液には歯周病菌を抑えてくれる抗菌・殺菌作用があるからです。
唾液量を増やせる食べ物は、よく噛んで食べる食べ物。よく噛んで食べるものは顎を動かす回数が多く、唾液腺が刺激されます。良く噛んで食べる食べ物は、以下のようなものがおすすめです。
ほかに食物繊維が豊富な野菜ってどんなものがありますか?

レタス、セロリ、ごぼうなどです。果物ではリンゴや柿などもおすすめですよ。
2.殺菌力が強いお茶

お茶類には茶カテキンという強い殺菌成分が含まれています。カフェインが気になる人は、ほうじ茶や番茶がおすすめです。

砂糖は細菌のエサとなるので、ノンシュガーのものを選んでください。
バランスの良い食事と効果的な食材で歯周病を予防しよう
歯周病予防が期待できる栄養素はカルシウム、ビタミンA・C・Eですが、つまるところバランスの良い食事を心がけていれば、自然に摂れるものばかりです。また、カテキンが含まれるお茶を常飲することでも歯周病が防げます。生活の中で工夫して、歯周病を予防しましょう。
- 日本の水に少ないカルシウムは食品で補う
- ビタミンA・C・E は口内の免疫力を上げる
- 噛みごたえのある食品で唾液を増やす
- お茶の殺菌力で歯周病菌を防ぐ