【歯科医監修】歯ブラシだけじゃ不十分!歯間ケアこそ虫歯予防の要

オーラルケアの意識が高い人は、毎日歯磨きを一生懸命していると思います。しかし、歯磨きだけで口内の汚れを落としきるのは、かなり難しいことであるのをご存知でしょうか。もちろん歯磨きは虫歯予防の基本です。ですが、歯ブラシが届かない歯と歯の間や細かい隙間にこそ、虫歯の原因がひそんでいます。
ここでは、歯科医監修による歯間ケアの正しい方法やケアアイテムをご紹介します。今まで歯磨きだけのセルフケアでやってきたという人は、ぜひご一読ください。
- 毎日歯磨きしているのに虫歯になってしまった!
- 歯磨きだけでは不十分って聞いたけど本当?
- 歯医者さんが教える本当の歯のケアを知りたい。
- 歯間ブラシって形状がいくつかあるけど選び方は?
- 歯間ブラシとデンタルフロスはどっちがいいのかわからない。
歯ブラシできれいになるのは全体の60%

現在、歯ブラシだけでのケアでは、お口全体の60%の汚れしか落ちないことが分かっています。しかも、60%という数字はしっかりと時間をかけて丁寧に磨いた場合です。
虫歯の最初の原因は微量な食べカスですが、これらは歯ブラシが届きにくいところに残ります。また、食べカスをエサとする細菌は、空気が届かない場所が大好き。一般的な歯ブラシのヘッドは大きすぎて、虫歯になりやすい場所に届かないことが多いのです。
歯ブラシ選びに迷ってたけど、そもそも歯ブラシだけっていうのが間違いだったんですね。

そうですね。どんなにいい歯ブラシでもそれだけでは不十分です。
虫歯になりやすい場所ベスト3
虫歯予防は、虫歯になりやすい場所を知ってこそ。まずは虫歯になりやすい場所を把握しましょう。
1.歯と歯の間

もっとも汚れが溜まりやすいのは「歯と歯の隙間」です。歯間の間隔は、年を経るごとに広くなる傾向があります。歯と歯の間に食べカスなどの微粒子がたまっていると、細菌が食べカスに含まれる糖を原料にして白くてネバネバした「歯垢」を作り出します。
歯垢はただネバネバしているだけではなく、細菌の巣窟。細菌は歯垢を拠点にしてどんどん増殖するのです。
歯と歯の間はやっぱり歯間ブラシですよね?

そうですね。デンタルフロスも有効です。のちほど選び方も詳しく説明しますね。
2.歯の根元

歯と歯ぐきの境目である「歯の根元」も、歯垢が溜まりやすい場所です。この場所は歯周ポケットといわれる場所で、細菌が入り込むと歯垢を作りながら炎症を起こしたりします。歯と歯ぐきの境目は、毛先が細く柔らかい歯ブラシで、境目に斜め45度にあてると歯周ポケットの中まで磨きやすくなります。
ただし、歯周ポケットの奥底に溜まった歯垢はしっかりとかき取ることができません。歯科医院でプロケアをするのがおすすめです。
プロケアってなんですか?

歯科の専門器具や薬剤などでクリーニングすることです。
へぇ〜、やってみたいなぁ!
3.詰め物やブリッジでできる隙間

昔治療した跡の詰め物やブリッジとの境目、歯列矯正などの器具の隙間などにも、歯垢は溜まりやすいです。詰め物やブリッジなど外せないものがお口の中にある場合は、器具に沿って念入りに磨き、定期的に歯科医院でクリーニングするのがおすすめです。

人工物は経年劣化によって隙間ができると、その下で虫歯になる可能性も高いです。
えー!それはヤだなぁ!

引っかかりや浮いた感じなど違和感がある場合は歯医者さんに相談してください。
虫歯予防にはデンタルフロスや歯間ブラシが必須
虫歯を防ぐためには、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってしっかりと汚れを落とすことが重要です。歯磨き時には歯ブラシと併用して、自分のお口の状態に合ったケアアイテムを使いましょう。デンタルフロスや歯間ブラシは1日1回以上は併用し、15〜20分かけて丁寧に行います。
おれっち歯ブラシだけで10分やってたけど、歯間ブラシも使ったほうがいいのか〜。

夜寝る前が一番効果的なので、ゆっくりと時間を取るのがおすすめです。
デンタルフロスの種類と選び方

デンタルフロスは大きく分けて「糸巻きタイプ」と「ホルダータイプ」の2種類があります。糸巻きタイプは経済的ですが、初心者には少し使い方が難しいかもしれません。ホルダータイプは柄がついているので、握りやすく使いやすいでしょう。
小林製薬 糸ようじ
4本のなめらかな糸が汚れを絡め取り、後部についたピックで歯の裏などの取りにくい食べカスなども取り除けます。歯ブラシでは取りにくい40%の歯垢もしっかりとキャッチします。
おしりについてるピック、気が利いてますね。

そうですね。ただし、無理に歯間に入れると傷つけるので注意しましょう。
クリニカ デンタルフロスY字タイプ
Y字型のホルダーが奥歯の歯間にも入りやすい、歯科医が推奨する歯間ブラシです。120本のミクロ繊維フロスにたるみをもたせ、歯面を広く覆って汚れを落とします。強度があるので洗って繰り返し使えるのも経済的です。

初心者には使いやすい形状です。
柄の部分が特徴的な形ですね。
リーチ デンタルフロス
こちらは糸巻きタイプのデンタルフロスですが、ワックス加工がしてあり歯間に入りやすいので、初心者にも使いやすいフロスです。初心者向けタイプ・頑固な歯垢を絡め取るタイプ・歯間の狭い人向けなど、ラインナップも豊富です。

パッケージの裏に使い方が書いてあるので安心です。
それはいいですね!
歯間ブラシの種類と選び方

歯間ブラシには以下のような形状があります。歯間の大きさはすべて同じではないので、歯間の大きさに合わせて数種類使い分けると、よりきめ細やかなケアができます。
- ブラシ部分:金属製、シリコンゴム製
- 毛先の形状:円筒形、逆三角形、楕円形
- 持ち手:ストレートタイプ、カーブタイプ、L字タイプ
- サイズ:0.5mm(4S)から2.0mm(LL)まで7段階程度
小林製薬 やわらか歯間ブラシ
毛先がシリコンゴムでできた柔らかい歯間ブラシです。歯ぐきに優しく、ゴムが歯間に密着するため食べカスや歯垢をキャッチしてかき出しします。

歯ぐきを傷つけないので初心者にぴったりです。
なるほど、力加減もフォローしてくれるんですね。
ライオン DENT.EX歯間ブラシ
ワイヤータイプの歯間ブラシです。110度のアングルネックと85mmホルダーの設計で使いやすく、ワイヤーの耐久性が強いのが特徴です。サイズが7段階に分かれているので、歯間の広さに応じて使い分けて効果的に歯垢を除去できます。

歯間ブラシに慣れてきたらこちらもおすすめです。
使い分けとか、うずうずするなぁ!

(笑)
ガム・ソフトピック カーブ型
奥歯にも届きやすい、ユニークなカーブ型の歯間ブラシです。まっすぐな歯ブラシでは届かない場所にも、スムーズにアプローチします。柔らかいゴムタイプなので、歯ぐきや歯のエナメル質を傷つけずに歯垢を除去しながら歯ぐきもマッサージします。
面白いなぁ。使ってみたいなぁ!
スイス発の機能歯ブラシ「CURAPROX」

スイスで誕生した歯間まで磨ける機能的な歯ブラシです。通常歯ブラシの毛量は300〜500本ですが、「CURAPROX」は3倍以上の5960~7600本の毛量があり、超極細にすることで圧倒的な毛先の柔らかさを実現。従来の歯ブラシでは不可能だった歯間ケアや歯ぐきマッサージも可能にした画期的な歯ブラシです。
さすが予防歯科先進国!
メンテナンス&定期検診で徹底予防!
歯ブラシに歯間ブラシやデンタルフロスなどを併用すると、お口の中の汚れの約80%は落とせるといわれています。ただし、残り20%はセルフケアではどうしても落としきれません。歯科医院で行っているプロケアを定期的に受けて、虫歯のない歯を長く残しましょう。
- 歯ブラシできれいになるのは全体の60%
- 歯と歯の間、歯の根元、詰め物などがある場所は歯垢が溜まりやすい
- デンタルフロスは糸巻きタイプとホルダータイプの2種類
- 糸巻きタイプは経済的だが扱いにはコツが必要なので、初心者にはホルダータイプがおすすめ
- 歯間ブラシには金属製とゴム製がある
- 歯間ブラシは様々なサイズがあるので歯間の広さに合わせて選ぶ