歯周病の予防はお茶でできる!お茶の正しい飲み方、間違った飲み方

「毎日の歯磨きはきちんとしているけれど、食べたり飲んだりする暮らしの中で、自然に歯周病の予防ができないかなぁ‥‥」
そんな人におすすめしたいのが、お茶です。緑茶には、歯周病の原因となる細菌を殺菌する有効成分が豊富に含まれています。
ここでは、効果的に歯周病予防をするために、予防効果のあるお茶の種類や正しい飲み方・間違った飲み方をお伝えします。
毎日の暮らしの中で、無理なく、楽しみながら歯周病を予防しませんか?
- お茶が歯周病の予防に効くと聞いた。効果があるお茶の種類を知りたい。
- 少しの工夫で簡単に歯周病を予防できるなら、やってみたい。
- 歯磨き以外に、取り入れやすい歯周病の予防法があれば知りたい。
- お茶で歯周病の予防をするためには、どんな飲み方をすればいいのか知りたい。
- 歯周病によくない飲み物・飲み方を知って、日常的に気を付けたい。
お茶で歯周病を予防できる理由

先生、お茶で歯周病の予防ができる理由が知りたいです!ぼく、健康に関する雑学が好きで!

いいことですね。歯周病に良いお茶は緑茶です。緑茶に含まれるカテキンが強い抗菌・殺菌作用をもっているからですね。
やっぱりカテキンですかー!カテキンって色々な細菌を抑える効果がありますよね!

そうなんですよ。食中毒や肺炎、胃がんの原因菌も抑制効果が期待できますね。
それ知ってますー!茶葉の産地で有名な静岡県では、癌による死亡率が低いというデータもありますよね!

さるくん、よくご存知ですね。
へへっ、ぼく、健康情報と早押しが得意なんですー!(照)詳しくなりたいので、色々教えてください!

(笑)わかりました。では、カテキンが抗菌できるとされる細菌を紹介します。
- 歯周病菌
- 虫歯菌
- 食中毒O157
- マイコプラズマ肺炎の原因菌
- 胃がんの原因であるピロリ菌
- 水虫の原因となる白癬菌
- そのほか、さまざまな細菌・ウイルス
カテキンは、さまざまな細菌やウイルスにも高い抵抗力を発揮します。
ウイルスは、それぞれ違う型になっていて、細胞にとりついて感染していきます。薬では、1つのきまった型にしか対応できません。ところがカテキンの場合は、どんな型のウイルスにも対応し、感染を予防する働きがあるのです。
つまり歯周病の原因菌は1つではなく、多数の種類があって型もいろいろです。カテキンは、それぞれに対し抗菌効果を作用させ、歯周病を予防することが期待できるのです。
歯周病を予防できる!お茶の種類

歯周病の予防にいいお茶って緑茶が有名ですけど、他のお茶はどうですか?

他にも歯周病にいいお茶、ありますよ。
あるんですね!ほうじ茶ですか?それとも紅茶?ウーロン茶は健康にいいイメージがありますよね!?

(笑)では、それぞれのお茶の特徴と、歯周病の予防効果についてお話ししましょう。
お願いします!早く聞きたいー!
緑茶

緑茶に含まれるカテキンは、先ほどもお伝えした通り細菌やウイルスの抑制作用があります。虫歯菌「ミュータンス菌」や、歯周病菌「ジンジバリス菌」などの繁殖を抑制します。
紅茶・ウーロン茶

緑茶は基本的に蒸し(日本式)、釜炒り(中国式)で作られますが、紅茶やウーロン茶は、それとは別の製法で作られます。
どちらも発酵させるのですが、紅茶が茶葉を酸化させた発酵茶であるのに対し、ウーロン茶は半発酵茶です。いずれも抗菌作用に優れたポリフェノールが含まれています。
さらに紅茶やウーロン茶には、それぞれ特有のタンニンが含まれています。有名飲料メーカーの研究によると、紅茶やウーロン茶のタンニンは、歯周病菌が繁殖するためにタンパク質を分解しようとする力を80%も阻止すると報告されています。
番茶・ほうじ茶

番茶・ほうじ茶に似たイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、製法が異なるお茶です。しかし、どちらもカテキンが入っているので歯周病を予防する効果があるとされています。
カフェインの含有量が緑茶や紅茶よりも少ないので、胃の負担を少なくしたい方や妊娠中の方には、番茶やほうじ茶がおすすめです。
香ばしくてさっぱりしていますが、緑茶に比べるとカテキン、アミノ酸、カフェイン、ビタミンCなどが少ないお茶です。高級茶ではありませんが、飲みやすいお茶として親しまれています。
【番茶】新芽ではない茶葉、二番茶・三番茶を使用してつくられる、つまり普段使いのお茶です。下級煎茶とも呼ばれます。
地域によって製法が異なるのも特徴で、京番茶はほうじ茶より少し薄い茶色系ですが、静岡・関東エリアでは、煎茶に似た緑色系が主流ですが、いずれも成分は同じです。
コーヒー

コーヒーはお茶とは異なりますが、日常的に好まれる飲み物ですので、言及しておきたいと思います。
コーヒー自体を摂取することで歯周病になりにくくすることはボストン大学の研究結果でも明らかにされていますが、一方で、さまざまな難しい面も抱えています。
コーヒーには、歯周病を悪化させる原因のひとつである活性酸素の活発化を抑える働きがあります。つまり、歯周組織の破壊を食い止めるために役立ち、歯周病の進行を抑制します。
ところが、コーヒーの飲み方に問題があります。ブラックコーヒーだけを飲むという人は問題ないですが、多くの人は砂糖がたくさん入った缶コーヒーを中心に摂取するのではないでしょうか?
そうなると、逆効果です。砂糖入りの缶コーヒーをダラダラ飲んでいると口の中に糖が長時間滞在することになりますので、歯周病に悪い飲物になってしまいます。
コーヒーを歯周病の予防に役立てたい場合は、飲み方への配慮が必要ですね。
歯周病になりやすい飲み物

- 糖分が入った飲み物…ジュース、炭酸飲料、お酒
- 酸っぱい飲物…柑橘系のジュース、ワイン、お酢ドリンク
先生、砂糖入りの缶コーヒーに要注意ということは、糖分が入っている飲み物が歯周病になりやすいんですよね?

その通りです。糖分は、細菌が歯垢のかたまり「バイオフィルム」を形成する材料になるからです。
先生、果汁100%のジュースはどうですか?フルーツジュースは身体にいいですよね?

果汁100%のジュースもにも果糖やブドウ糖が含まれますから、虫歯や歯周病になりますよ。栄養価が高くて身体にいい=虫歯や歯周病にならない、というわけではないですからね。
なるほど、そういうことですねー!
砂糖や歯周病になりやすい人工甘味料が入ったドリンクや炭酸飲料、アルコールは要注意です。
そして酸っぱい飲み物も、歯周病にはよくありません。口内のpH値を酸性に傾け、歯が溶けやすい環境にするからです。例えば柑橘系のジュース、ワイン、お酢ドリンクなどです。
歯によくないから飲んではいけないのではなく、飲み方に気を付けて飲みましょう。
ダラダラと口の中に滞在する状態がよくないため、時間を決めてサッと飲みきれば問題ありません。
口をゆすいだり、同時に水やお茶を飲んで唾液の分泌量を増やすように心がければ、口の中が中和されます。
正しいお茶の飲み方で歯周病を予防しよう

- 80℃以上の高温で淹れるとカテキンがたくさん抽出できる。
- 蒸らし時間を10~15秒くらいに短くすると、苦味を抑えられる。
- 急須の中のお茶は、残さないで注ぎきること。
- 1回の口に含む量は少量に。チビチビと飲むといい。
- 食後に飲むと、より効果的。
緑茶って60℃くらいで淹れるのがおいしいっていうけど、歯周病の予防には80℃が適温なんですねー!

高温なら多くのカテキンが抽出できるんですよ。蒸らし時間を短くすると苦味を抑えて殺菌効果が上がります。さるくんも、ぜひ実践してみてくださいね。
うーん、ぼく緑茶はあんまり…。

えっ、もしかすると炭酸飲料ばかりのんでいませんか?炭酸飲料には糖分が含まれていますから歯によくない影響が……
ぼく、いつもミネラルウォーターを飲んでます。水分補給には水が一番ですよね。

水で水分補給は悪くない、むしろいい選択ですね。さすが健康情報に目がないさるくん。ぜひお茶の予防効果も試してみてください。ほうじ茶なら苦味はほとんどないですよ。
そうですね、せっかくなんで、ほうじ茶から始めてみますー!
お茶は一度に大量に飲まないように気を付けて、ちびちび少しずつ口に含んで飲みましょう。
水分補給が目的なら、お茶よりも水がおすすめです。
- お茶に含まれるカテキンが、歯周病の予防に有効な成分。
- 最もカテキンが多いのは緑茶。番茶・ほうじ茶・紅茶・ウーロン茶でも可。
- 高温の方がカテキンを多く抽出できる。蒸らし時間を短くして苦味を抑えよう。
- お茶の効果的な飲み方は、少量ずつ口に含んでチビチビ飲む。がぶ飲み厳禁。
- 胃弱、妊婦さん、苦味が苦手ならカフェインが少ないほうじ茶・番茶がおすすめ。