歯が全滅?奥歯が1本抜けたままだと、どうなる?奥歯の虫歯予防が大切!

奥歯が1本くらいなくても困らないからと、抜けたまま放置していませんか?
そのままにしていて、本当に大丈夫なのでしょうか?
放置している期間が長くなると、顔がゆがむ、老化が進むといったさまざまなトラブルにつながります。
そして、怖ろしいことに、早くから歯が全滅するリスクが高まります。
ここでは、奥歯1本を失うことによって起こる問題と、奥歯の虫歯を予防する方法についてお伝えします。
- 奥歯を1本抜けたままにしているけれど、特に問題ないと思っている。
- 奥歯を1本抜けたままにしていいるが、このままで大丈夫なのか知りたい。
- 奥歯が1本抜けたままだと、どんなリスクやトラブルが起こるのか気になる。
- 奥歯を虫歯で失いたくない。効果的な虫歯の予防法を知りたい。
- 歯磨きを毎日しているけれど、虫歯の予防はそれだけでいいのか知りたい。
奥歯を1本失うとどうなる?

奥歯ってそんなに大事ですかねぇ?奥歯が1本くらいなくても見えないし、食べるのにも困らないけどなぁ。

軽く考えていると危ないですよ。歯を早くから全滅させるリスクが高まります。
えーっ、全滅ですと!?奥歯1本失くしたくらいで、どうしてそうなるんです?

奥歯1本には、歯列そのものを支える大事な役割があるんですよ。
- 歯並びが悪くなる。
- 噛み合わせのバランスが崩れる。
- 噛む力・咀嚼力が下がり、胃腸が疲れる。
- 他の歯がグラつき、抜けやすくなる。
- 肩こり・腰痛が悪化する。
- フェイスラインが変わり、顔がゆがむ。
- 虫歯や歯周病になりやすい。
- 発音に影響がでる。
- 老化が加速する。
- 認知症のリスクが高まる。
親知らず4本以外の28本の歯には、1本1本、それぞれの役割があります。抜けたままにしておいて良い歯はありません。
親知らずも、特に問題がなく正常に生えているようでしたら残しておくとよいでしょう。
それでは、奥歯1本が抜けたままにしておいた場合、起こる可能性が高い問題について、一つひとつ見ていきましょう。
歯が全滅するリスクが高まる

奥歯には、食べ物を噛み砕くだけではなく、噛み合わせのバランスや歯列そのものを支える役割があります。
奥歯は、歯やお口周りの骨格を維持するための、いわば要といえます。虫歯などで奥歯を1本失って抜けたままにしていると、歯が支えられず前歯がグラつくことがあります。
そのグラつきの影響で歯周病の進行が早まり、歯の寿命を縮めることがあるのです。
歯並びが乱れる

歯列に空いたスペースができると、歯の性質上、隣接している歯が空いている空間へ倒れていきます。
その結果、いつのまにか歯並びがデコボコになっていることがあります。
虫歯や歯周病が悪化しやすい

奥歯が1本なくなると、隙間に食べカスが溜まりやすくなり、歯垢がつくられやすい口内環境になりがちです。そして、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
抜けたままになっている時間が長いほど歯並びが悪化していくため、さらに虫歯や歯周病が進行しやすい口内環境になります。
顔が歪む

歯は骨格とも密接なつながりがあるため、奥歯が1本無いだけでも、フェイスラインに影響が出てきます。
鏡を見て、「あれっ?顔が歪んできた?」と異変を感じるようになって、初めて「大変なことになった!」と気づく人もいます。
認知症になりやすい

歯と認知症の関係は、さまざまな専門機関で研究が進んでいます。
歯が丈夫であれば認知症を発症しにくい、とされていて、厚生労働省の健康情報サイトe-ヘルスネットでも「口腔機能の健康への影響」として、歯を抜けたままにしていると認知症の引き金になることが指摘されています。
老化が加速する

奥歯が1本抜けていると噛む力が弱まり、口の周りの筋肉を動かしづらくなりますので、ほうれい線が目立つ、肌のハリが失われる、顎がたるんで二重あごになるといった見た目に変化が表れることがあります。
噛む機能が弱まると脳を活性化するパワーが低下するため、驚くほど若々しさが失われる人もいます。
また、噛み合わせのバランスが崩れると発音にも影響が出てくるケースがあります。会話しにくくなって、人とコミュニケーションをとるのがおっくうになり、引きこもりがちになってしまうことも…。
奥歯の虫歯を予防する方法

奥歯を1本失ったままににしておくと、怖ろしい事態を招きそうですなー。思いもよりませんでした…。

そうなんですよ。抜けたままにしておかず、入れ歯やインプラントで補うようにしてくださいね。
イヤイヤー、おいら、まだ奥歯は全部ありますから!失わなくて済むよう予防したいですよ。

その通りですね。では、奥歯を虫歯にしないための効果的な予防法を紹介しましょう。ぜひ実践してみてくださいね。
シーラント
特に子どもの虫歯予防に推奨されている「シーラント」は、奥歯の噛む面の溝に歯科材料のプラスチック樹脂を流し込んで平らな状態に整え、虫歯菌が繁殖しないように予防する方法です。
子どもの奥歯は溝が深く、大人よりやわらかいため、とても虫歯になりやすいのです。
特に生え変わりたての「6歳臼歯」といわれる初めての永久歯は、そこから虫歯に侵されて全体に広がることが多いので、シーラントでの予防がおすすめです。
フッ素塗布
虫歯予防のためにフッ素を使うことは、世界的にも有効と認められています。
歯科予防の先進国スウェーデンでは、歯科医院でのプロケアがあたりまえのように行われていて、フッ素を使った予防が推奨されています。
スウェーデンでは高齢者も歯が丈夫で、80歳で残せている自分自身の天然歯の本数は、日本よりも平均して8本多いことが報告されていますから、高い予防効果がうかがえます。
デンタルフロスを使う

虫歯は、歯と歯の隙間から発生しやすいことがわかっています。
1日1回以上は、デンタルフロスや歯間ブラシなど、歯間ケアができる補助清掃器具をプラスした念入りな歯磨きを行いましょう。
どれくらい丁寧に磨くかというと、お口全体をすみずみまで丁寧に磨くと、20分以上かかるのが目安です。
キシリトールガムを食べる

キシリトールガムは歯磨きの代わりにはなりませんが、予防のサポートに噛むのはおすすめです。
選ぶ時は、キシリトールの含有量が50%~100%のガムにしてください。それでなくてはキシリトールの効果が得られません。
噛むタイミングは、食後すぐがベターです。
キシリトールガムを噛んだ時に出る唾液はすぐに飲み込まず、お口全体にゆきわたらせて、効果を浸透させてしてください。
とりかえしがつかなくなる前に。歯科医院で定期検診

ふふーん、さっそくデンタルフロスとガムを買ってきます。

虫歯予防のためには毎日の歯磨きが大切ですが、セルフケアだけでは磨き残しが蓄積していきまよ。
えっ、どうすればいいですか?

定期的に歯科で検診とクリーニングを受けるようにするといいですよ。
ほーう、セルフケア+プロケアで、予防を徹底ですな。
- 奥歯は、歯列そのものや顔の骨格を維持するための重要な要。
- 奥歯1本を抜けたままにしていると、歯並びが乱れ顔が歪むことも。
- 奥歯1本を抜けたままにしていると、歯が全滅する速度が速まる。
- 奥歯はとても虫歯になりやすい場所。歯科検診に通って予防を徹底。
- 1日1回以上はデンタルフロスを使った念入りな歯磨きを行うこと。