牛乳で虫歯予防できるって本当? 牛乳に秘められた優れたパワーを解説

牛乳は、カルシウムがたっぷり。エネルギー源にもなって効率よく栄養が摂れるので、子どものおやつにも適しています。
さらに牛乳には、虫歯の予防効果まであるのです。積極的に摂るべき食品と推奨されていることにも納得ですね。
ただし、牛乳にも乳糖が含まれているため、虫歯にならない飲物というわけではありません。
含まれている栄養が虫歯予防に有効なのです。寝る前に飲んだら、歯を磨きましょう。
そういった勘違いも起こしやすいので、ここでは、牛乳が歯にどんな良い効果をもたらすのか、その理由と、おすすめの摂り方などを紹介します。
正しい摂り方を知って、牛乳を虫歯予防に役立てましょう。
- 簡単に摂取できる食べ物で虫歯予防に効くものがあれば知りたい。
- 牛乳、チーズ、ヨーグルトで虫歯予防できるなら、楽だと思う。
- 牛乳が虫歯予防に良いと聞いた。それはカルシウムが豊富だから?
- 牛乳が虫歯予防の効果があるなら、チーズやヨーグルトも効く?
- 虫歯予防のために牛乳や乳製品を食べる時、正しい摂取法を知りたい。
牛乳・乳製品は、虫歯予防の効果あり!

牛乳ってカルシウムが豊富だから歯にいいんですよね?

そうですね。不足しやすいカルシウムが効率よく摂れることは牛乳の優れたポイントですが、虫歯予防の効果につながる理由は他にもあるんですよ。
えっ、他にも?てっきりカルシウムが虫歯に効く理由だと思ってました~。

では、一つひとつ解説しましょう。
牛乳や乳製品が持つ虫歯予防の効果は、WHO(世界保健機構)からも公式に報告されています(WHO Technical Report, 2003より)。
まろやかな甘みを感じる優しい飲物「牛乳」で、どうして虫歯を予防できるのか、どんな効果があるのか、これから詳しく見ていきましょう。
①歯を守る
食事をすると口内環境が酸性に傾き、歯の表面のエナメル質を構成するリン酸カルシウムが溶け出します。
牛乳や乳製品を摂ると、口内環境を中和させることができます。そして歯の成分の溶け出しを食い止め、歯を守ります。
②細菌の繁殖を防ぐ
牛乳や乳製品には、虫歯菌の繁殖を抑えたり、口内環境を改善したりする力があります。
虫歯の原因となる細菌の温床「歯垢」の形成防止ができるのです。
やがて、虫歯になりにくい口内環境ができあがります。
③歯を強くする
牛乳や乳製品にはリン酸カルシウムが含まれています。
食事のたびに溶け出した歯の表面のエナメル質を修復する作用「再石灰化」のパワーアップにも役立ちます。
④抗菌パワーをもつ唾液を増やす
唾液には抗菌作用をはじめとする、さまざまな健康効果が秘められています。虫歯予防にも、唾液をたっぷりと出すことが有効です。
乳製品の中では、特にヨーグルトがおすすめ。唾液の分泌を増やします。1日100g程度、毎日食べる習慣をつけると良いでしょう。
効果アップを狙うなら、夜寝る前に食べるのがおすすめ。睡眠中に体内で効率よく作用するからです。ただし、糖分が多く入ったものは避けて、プレーンタイプを選ぶようにしてください。
もし糖が入ったものを食べてしまったら、しっかり歯磨きをしてから寝るようにしましょう。
牛乳・乳製品に含まれる虫歯予防の有効成分

牛乳ってカルシウムが豊富なのは知っているけど、他にはどんな栄養が入っているんですか?子どものおやつにしてもいいんでしょうか。

牛乳にはカルシウムはもちろん、タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン類、ミネラルが、優れたバランスで含まれているんですよ。
へぇー、すごい、栄養たっぷりですね。

エネルギーにもなるし、栄養もしっかり摂れるので、子どものおやつにはおすすめです。ぜひ、毎日飲む習慣をつけてください。
はい、そうしてます。それを聞いて安心しましたー。
①歯や骨を強くする「カルシウム」
牛乳は、カルシウムを非常に効率よく摂れる食品です。
カルシウムの含有量だけ見ると、桜エビや干しひじきなどの方が豊富ですが、それらは一度に大量に食べることができません。
その点、牛乳なら、コップ1杯で1日に成人が必要とするカルシウム量の3分の1を摂ることができるので、とても効率が良いのです。
とはいえ、飲み過ぎには注意してください。牛乳にも糖分が含まれていますので、たくさん飲みたくても1日コップ2杯までにしておきましょう。
②身体を作り、修復する「タンパク質」
特に牛乳に含まれるタンパク質は良質で、骨や歯をつくる基礎となります。
タンパク質の代謝を助けるパントテン酸も豊富なので、効率よく吸収できるのも優れたポイントといえます。
もちろん栄養素には、「これだけ摂ればよい」という万能なものはなく、すべてが協力しあって吸収を助ける仕組み。バランスよく、多くの栄養素を摂取することが大切です。
牛乳は、多くの栄養素がバランスよく含まれている優れた食品です。毎日飲む習慣をつけると良いでしょう。
③体調を整える「ビタミン」
牛乳には、ビタミンも豊富に含まれています。
疲労回復効果があり、抵抗力を高めるビタミンB2や、 良質なコラーゲンを維持して骨や歯ぐきを健やかにするビタミンB12などが豊富なので、虫歯菌の予防にも悪化防止にも役立ちます。
虫歯予防に効果的な牛乳の飲み方

虫歯予防のためには、牛乳を1日どれくらい、どんなタイミングで飲めばいいですか?

では、おすすめの牛乳の摂り方を紹介しますね。
1日コップ1杯(200ml)くらい飲む
1日に飲む量は、コップ1杯(200ml)程度で十分です。牛乳がいくら優れた栄養食品といっても、同じものばかり大量に摂っては栄養が偏ってしまいます。
ただし妊婦さんは、カルシウムの推奨摂取量が増えますので、1日コップ2杯くらい飲むと良いでしょう。
食事のシメに飲む
牛乳を飲むおすすめのタイミングは、食事のシメです。食事をして酸性に傾いた口内環境を中和させる働きが得られます。
虫歯菌などの細菌の感染に負けない抵抗力を高めるためには、質の良い睡眠が大事ですね。
快眠のためには、朝のうちに牛乳を飲むのがおすすめです。
牛乳に含まれるトリプトファンから幸せホルモンともいわれるセロトニンがつくられ、夜になる頃にはメラトニンという睡眠ホルモンに変化します。
睡眠ホルモンのためなら、体内で生成されるまで時間がかかるので、お昼までに飲むのがおすすめです。
夜、寝る前にホットミルクを飲むと、自律神経を整える効果に期待できます。
心身をリラックスさせることは、抵抗力を高めて虫歯菌への感染・悪化を予防するために大切です。
ただし、寝る前に牛乳を飲んだら歯を磨くことを忘れないでください。
その他のおすすめ乳製品
牛乳だけでなく、乳製品でも虫歯予防にいいんですか?例えばチーズとか、ヨーグルトとか。

もちろん、いいですよ。健康のために、毎日乳製品を食べる習慣をつけたいですね。
チーズの虫歯予防効果

食事の後にデザート感覚でチーズを食べると、虫歯の予防効果が期待できます。
口内環境を中和させて歯を溶けにくくし、チーズに含まれたリン酸カルシウムが、歯の表面を修復する再石灰化をサポート。歯の強化に役立ちます。
ヨーグルト習慣で虫歯予防

ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、虫歯や歯周病の予防に活躍します。
最近注目されている乳酸菌「ロイテリ菌」は、口内の善玉菌を増やし、悪玉菌である虫歯や歯周病の原因菌を減少させます。
ヨーグルト習慣を続けることで、虫歯や歯周病になりにくいように、口内環境を改善していきます。
歯磨きは虫歯予防に欠かせない

牛乳や乳製品が虫歯予防に役立つことがわかりましたー。でも、甘みがあるのに、虫歯の原因にはならないんですか?

なりますよ。牛乳にも乳糖という糖分が含まれています。
えー、なるんですねー。

牛乳や乳製品を摂ってそのまま寝てしまうと、お口の中に残った糖の成分から、虫歯が発生することになるんですよ。
そうなんですね。聞いておいてよかったー。

虫歯予防に効果がある食品を摂っているからといって安心せず、毎日の歯磨きはきちんと続けるようにしてくださいね。
歯磨きのタイミングは、食事の後すぐと、夜寝る前に行うと虫歯予防に効果的です。
わかりましたー。本当に聞いておいてよかったですー。牛乳習慣と歯磨き習慣、子どもと一緒に、両方続けますね。
- 牛乳や乳製品は、虫歯予防に役立つ栄養価の高い食品。
- 牛乳や乳製品は食後に摂ると、虫歯予防に効果的といえる。
- 牛乳は1日1杯程度で十分に効果アリ。摂りすぎに注意。
- 牛乳にも糖が含まれているので、飲んだあとは歯を磨こう。
- 虫歯予防には、食後すぐと寝る前の歯磨きを大事にしよう。