歯周病はキスで感染るって本当?大切な人を守るための5つの予防法

歯周病はキスで感染るって本当?大切な人を守るための5つの予防法

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。
鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

キスは、もっとも分かりやすいノンバーバルコミュニケーションです。でも、もしそのちょっとした「チュッ」で大切な人に歯周病が感染ってしまったとしたら…パートナー子ども、お孫さんを歯周病から守るためにも、この記事で歯周病の「感染」について知っておきましょう。

この記事がおすすめな人
    • 歯周病はキスでもうつると聞いたことがあるけど本当なの?と思っている。
    • 恋人に歯周病をうつすのもうつされるのもイヤ!
    • 大切な我が子や孫を歯周病から守りたい。
    • 歯周病をうつさないためにはどうすればいいの?と思っている。
    • 歯周病を予防する方法を知りたい。
INDEX
  1. キスするだけで歯周病が感染るって本当?
    1. 親子で感染りやすい「垂直感染」
    2. 夫婦や恋人間で感染りやすい「水平感染」
    3. キスはしないほうがいいの?
  2. 歯周病を予防する5つの予防法
    1. セルフメンテナンスをしっかりとする
      1. 正しい歯周病予防の歯磨き方法
      2. 歯周病予防に効果的なうがい方法
    2. 唾液量を増やす
    3. 殺菌作用のある食べ物・飲み物を利用する
    4. 免疫力を強化する
    5. 歯科医院で定期検診を受ける
  3. 歯周病を予防してスキンシップを楽しもう

キスするだけで歯周病が感染るって本当?

本当です。歯周病は唾液で簡単にうつる感染病だからです。例えば生まれたばかりのかわいい赤ちゃんにはついチュッとやりたくなってしまいますよね。しかし、口にキスした場合は赤ちゃんに歯周病菌を渡しているかもしれません。また、あなたのパートナーが歯周病菌を持っている場合、おはようのキスであなたが菌を受け取ってしまっている可能性もあるのです。

歯周病は中高年以上の人の病気というイメージがありますが、実は検出される年齢や部位によって、以下のように分類されています。

    • A.a菌:子どもなど若年層の歯周病患者から検出される
    • P.g菌:成人の重度歯周病患者で、進行が早い部位から検出される
    • P.i菌:症状が進行した歯周病患者からP.g菌と一緒に検出される
    • B.f菌:主に歯周組織が激しい部位で検出される
うさぎさん

子どもも歯周病になるんですね。

杉田先生

はい。ただ、良い菌も伝播されるのであまりにも過敏になる必要はありませんが、中度以上の歯周病がある人は注意していただきたいです。

親子で感染りやすい「垂直感染」

親子間で感染するのは「垂直感染」と呼びます。大人から子どもへの縦のラインでの感染です。感染するのはA.a菌で「侵襲性歯周炎」と言われており、10代〜20代の若い時期に発症します。

赤ちゃんを出産した時、保健所から大人と同じスプーンやコップで食事をあげないように指導されると思いますが、それは親から子へ歯周病や虫歯がうつるのを防ぐためです。赤ちゃんの生活に関わる全ての大人全員が配慮する必要があります。

杉田先生

赤ちゃんの口の中は良い菌がとても多く病気から守られています。

うさぎさん

へぇー、そうなんですね。

夫婦や恋人間で感染りやすい「水平感染」

夫婦や恋人間など、横のつながりで感染る歯周病を「水平感染」と呼びます。感染するのはP.g菌で、夫婦や恋人のうちどちらかが歯周病だと、相手も歯周病になっている可能性があります。

杉田先生

歯周病を治療すると相手のためにもなります。

うさぎさん

そうよね。思いやりよね。

キスはしないほうがいいの?

キスは愛情を確認するための大切なスキンシップのひとつです。歯周病が怖いからキスをしないというのは、精神面ではあまりよくはないでしょう。もし歯周病の疑いがあるなら、口腔ケアを丁寧にすることで細菌の量を減らし、感染するリスクを軽減することができます。

また、キスや食器を共有したとしても、必ずしも歯周病になるわけではありません免疫力が強ければ歯周病にならない場合もあります。免疫力を低下させるのは、ストレスや疲労、栄養不足、喫煙などです。

杉田先生

特にタバコは歯周病になりやすく、進行も早めます。

うさぎさん

健康でいれば感染のリスクも下げられるんですね。

歯周病を予防する5つの予防法

大切な人にキスで感染さないための、歯周病を予防する方法は以下の5つです。

1.セルフメンテナンスをしっかりとする

セルフメンテナンスとは、歯磨きうがいです。毎食後きちんと歯磨きしていても、間違った方法でやっていると効果も半減してしまいます。

歯周病菌は歯と歯ぐきの間の歯周ポケット炎症を起こします。炎症の原因はお口の中の汚れ食べカス。食べカスや歯垢を歯磨きと歯間ブラシやデンタルフロスでしっかりと除去することで、歯周病を予防できます。また、歯磨きは歯ぐきのマッサージ効果もあります。血行を良くして歯茎を引き締め、歯周ポケットが広がるのを防ぎます

正しい歯周病予防の歯磨き方法

    • 歯ブラシは柔らかめで毛先が細いものを使う
    • 軽く持ち、力を入れずに1本ずつ細かく磨く
    • 歯と歯ぐきの境目には斜め45度にブラシを当てて磨く
    • 歯と歯の間は歯間ブラシを使用してしっかりと汚れを落とす
    • 就寝前の歯磨きは特に丁寧に行う
    • 歯磨き粉は歯周病専用の薬用を使う
杉田先生

これだけしっかりやっても落とせる汚れは60%です。

うさぎさん

へぇー、そうなんですね。だから歯間ブラシが必要なんですね。

歯周病予防に効果的なうがい方法

    • 少量の水を口に含み、上の歯の裏に強く当てるように水を動かす
    • 10回ほどやったら、一度吐き出す
    • 同様に、下、右、左も行う

コツはクチュクチュと音が出るくらい速く動かすことです。こうすることで、お口の中の汚れや細菌を剥がれやすくします。ただし、歯磨きの代わりにはならないので注意しましょう。

2.唾液量を増やす

唾液にはお口の中を清潔に保つ2つの働きがあります。

    • 水分で口内の汚れを押し流す
    • 唾液に含まれる殺菌・抗菌物質で細菌を抑制する

唾液には複数の殺菌・抗菌物質が含まれています。また同じく唾液に含まれる免疫グロブリンは、細菌に対抗する作用があります。唾液を増やすとこれら自然の有効成分がお口の中で働き、細菌が増殖するのを防ぐことができます。

唾液を増やすには、よく噛んで顎を動かすこと、こまめに水分を摂って口の中を絶えず潤しておくこと、唾液腺をマッサージするなどが有効です。唾液腺マッサージは、顎のつけ根(耳の下あたり)の出っ張った骨の下のくぼみに親指を軽く入れて上に押し上げます。

うさぎさん

あら本当だ、唾液が出てきた。

杉田先生

(笑)キシリトールガムを噛むのもおすすめです。

3.殺菌作用のある食べ物・飲み物を利用する

飲食物には殺菌作用のあるものがあります。意識的に摂れば、自然と歯周病を予防することができます。

殺菌作用のある食べ物・飲み物
    • ロイテリ菌ヨーグルト
    • 緑茶・烏龍茶・紅茶・ほうじ茶
うさぎさん

お茶はどれでもいいんですか?

杉田先生

上記に挙げたような茶カテキンが入っているものならOKです。ただし、砂糖が入っていないものに限ります。

4.免疫力を強化する

全身の免疫力を高めると、歯周病菌に感染しにくくなります。そればかりか風邪やインフルエンザなど、ウィルス性の病気やガンなどにもなりにくくなります。

免疫力を高める習慣
    • 栄養バランスのとれた食事
    • 適度な軽い運動
    • 質の良い睡眠
    • ストレスをためない・解消する
    • 体を冷やさない
    • よく笑う
    • 緑茶を飲む
うさぎさん

体を冷やさないって大切ですよね。

杉田先生

その通り。女性だけでなく男性でも隠れ冷え性の人がいます。

5.歯科医院で定期検診を受ける

歯科医院で定期的に検診してもらうと歯周病を早期発見でき、早めに対処することが可能です。

免疫力を高める習慣
    • 受け方:個人で予約する
    • 内容:専門機器を使用したクリーニング、虫歯や歯周病、歯並びなどのチェック、歯磨き指導など
    • 通う頻度:年に3〜4回程度
    • 費用:保険適用内。3割負担の場合は1回2000〜3000円程度
うさぎさん

セルフメンテナンスと定期検診をしていれば安心ですね。

杉田先生

そうですね。歯周病になる前に異変を見つけることができます。

歯周病を予防してスキンシップを楽しもう

歯周病は唾液で感染する病気ですが、感染るのが心配でキスをすることができないなんて悲しいですよね。日頃から歯周病を予防し、心置きなくキスができるように口内の健康を常に保ちましょう。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 親子間は「垂直感染」、パートナー間は「水平感染」
    • 歯周病菌を増殖させなければキスしても感染らない
    • セルフケアは一番大事
    • 唾液量を増やすと菌が増殖しにくい
    • 茶カテキンの殺菌力を利用する
    • 定期検診を受けると予防と早期発見ができる