【歯科医監修】中学生に多い口臭の原因と8つの改善・予防方法

中学生頃からは、友達や他人の目が人一倍気になる人が多くなります。口臭を含む体から発せられるニオイも悩みのひとつ。中学生は心身がだんだんと大人に近づき、体にも様々な変化が現れます。特に口臭は発生しやすくなるので、原因を理解した上でしっかりと改善や予防をするのがおすすめです。
- 友達に口が臭いと思われてないか不安。
- 自分の口臭が気になり勉強や部活に集中できない。
- 口臭が気になって大きな口を開けられない。
- 口臭が気になって内向的になってきたように思う。
- 口臭をなくすちゃんとした方法を知りたい。
中学生の口臭を改善・予防する8つの方法
まずは口臭の改善や予防ができる方法をお伝えします。すべて頑張る必要はありません。できることから始めてみましょう。
1.正しく歯磨きをする

歯磨きは小学校のときに習ったと思いますが、いつの間にか自己流になっているかもしれません。ちょっと見直してみましょう。
- 歯ブラシはエンピツ持ちで軽く持つ
- ゴシゴシこすらず軽い力で1〜2本を振動させるように磨く
- 歯の表面にはブラシを直角に当てる
- 歯と歯ぐきの間にはブラシを斜め45°に当てる
- 歯磨き後は水でゆすがない。ゆすいだとしても1回程度
歯磨きをするタイミングは毎食後ですが、いちばん大切なのは「夜寝る前」。口の中の細菌は寝ている間にもっとも繁殖するので、寝る前に丁寧に磨いておくと、細菌の繁殖を防ぐことができます。
また、舌磨きをしている人は、歯ブラシを兼用しないで舌専用のブラシを使いましょう。ゴシゴシこすると舌を傷つけてかえって口臭が強くなる可能性があります。舌ブラシは奥から手前に優しくさするようにし、1日1〜2回程度に留めましょう。
それって歯磨きもゴシゴシやると歯ぐきを傷つけるってことですか!

その通りです。こびりついた歯垢は軽い力で細かく磨けば取れますよ。
2.食事で噛む回数を増やす

誰でも「よく噛んで食べなさい」と言われた経験があると思いますが、よく噛むと消化が良くなるだけでなく、唾液もたくさん出て口臭予防になります。
唾液には口臭の原因菌を抑える殺菌成分が入っているので、よく噛むと顎がたくさん動いて唾液が出るのです。
顎を動かすことと唾液が出ることって関係あるんですか?

はい。顎の下あたりには大きな唾液腺があるんです。
3.口呼吸を治す

この10年くらい、10代20代には口呼吸が多くなっていると言われています。口呼吸をすると口の中が乾いて唾液の量が少なくなるだけでなく、空気中の雑菌やウィルスなども取り込んで口臭の原因になります。
口呼吸は姿勢や歯並び、鼻炎などが関係しています。思い当たることがあれば意識的に直し、必要なら治療をして鼻呼吸にしましょう。
妹もたしか口呼吸してなかったかな?

姿勢も歯並びが原因の場合があるので、鼻炎がなければ一度歯医者さんに相談するといいですね。
4.夜ふかしをやめる

夜ふかしをすると生活のリズムが崩れて体全体の免疫力が下がります。免疫力の低下は口臭の一因。夜ふかしをしている人はできるだけ生活リズムを改善しましょう。夜に受験勉強をしている人は、朝型にするのがおすすめです。
また、スマートフォンを寝る前に見ていると、ついつい寝るのが遅くなりがちです。遅くまで動画を見ていたり、友達とのSNSがつい長引いてしまったり。口臭を改善するためには、寝る前はできるだけスマートフォンを使わないように工夫して、早めに寝るように心がけましょう。
免疫力が落ちると口臭の原因になるのはどうしてですか!

免疫力は体に有害なものをやっつける力だからです。唾液にも免疫力を含む物質が含まれているんです。
5.水分をこまめにとる

水分をこまめにとると、唾液が出るのを助けたり唾液を口の中の隅々まで行き渡らせてくれたりします。口の中がたえず潤っていると、口臭が起きにくくなるのです。水分はガブガブ飲むと利尿作用が働いて、かえって体内の水分を出してしまうので、ちょこちょこと少量をこまめにとることが重要です。
それってスポーツドリンクもありですか?

スポーツドリンクの糖分は口臭の原因になるので、水かお茶がおすすめです。
6.トイレを我慢しない

トイレを我慢すると体内に毒素がとどまり、口臭の原因になります。特に大便は、腸の中で悪臭のあるガスを発生させます。大便を排出しないとどんどんガスがたまり、ガスは血液に乗って息や汗として体の外に出されるのです。授業中や部活中はトイレに行きにくいので、休み時間や休憩時間には忘れずにトイレに行き、我慢しないようにしましょう。
ガスっておならのことですか!

腸と口はつながっているので関係があります。
うへぇ!
7.適度な運動で汗を流す

汗をかかないと、体内にニオイ成分がとどまり口臭や体臭となります。特に中学生になると脂質が多く分泌されるようになるので、臭いも強くなりがちです。また、中学生になると部活や友人関係、進路などいろいろな悩みも増えて、ストレスがたまり自律神経も乱れやすくなります。適度な運動は汗をかくだけでなく、自律神経を整えたりストレスを発散したりできるので、口臭が改善されやすくなります。
自律神経とかストレスも口臭と関係あるってことですか!

その通り。両方とも唾液の量を減らします。
8.専門家に相談するのもアリ

口臭の専門家とは、口臭外来や口腔専門病院、歯医者さんなどのことです。インターネットで口臭外来と調べると、自分の住んでいる地域にある機関を見つけることができます。また、歯医者さんでは口臭の相談に乗っています。口臭の原因には虫歯や歯周病、歯並びの悪さからくる口呼吸などがあるからです。一度親御さんに相談してみてはいかがでしょうか。説明が難しければ、この記事を見せるのもおすすめです。
それって虫歯じゃなくても歯医者さんに行っていいってことですか!

もちろんです。歯医者さんでは色々なお口のトラブルを取り扱っています。
中学生が口臭になる4つの原因
中学生が口臭になりやすい原因は、大きく4つあります。
1.第2次性徴期によるホルモンバランスの乱れ

第2次性徴期とは、心身が大人に近づくための成長期のことです。この頃にはひげや体毛が生え月経が始まるなど、急激な成長に伴ってホルモンバランスが大きく乱れます。ホルモンバランスは口内環境にも大きく影響があるため、中学生くらいの年齢から口臭が強くなる人が多いのです。
それってもしかして、ある意味正常に成長してるってことですか!

そうとも言えますね。
2.生活サイクルの乱れやストレス

受験や部活動、塾などで忙しい中学生は、生活サイクルも乱れて免疫機能が低下しがちになります。また、第2次性徴期には精神的にも様々な悩みが出てきます。そうした心身にかかるストレスが、口臭を引き起こす一因となります。
中学生の時に知ってたらなあ!

そうですね。私もです(笑)
3.腸内環境の悪化

中学生では便秘や下痢に悩む人が意外と多くいます。食事の時間や睡眠時間など生活リズムが乱れると、腸内環境も安定しません。また、心の問題は消化や腸内環境にも影響を及ぼします。腸内環境を整えるには、リラックスしたり悩みは信頼できる誰かに相談するなど、心身ともにスッキリすることがおすすめです。

毎朝トイレに行く時間を決めると便秘が改善されることが多いです。
4.アレルギー性鼻炎や蓄膿症

近ごろはアレルギー体質の人が増えていますが、慢性的な鼻詰まりがあるとどうしても口呼吸になり、口臭を引き起こします。また、蓄膿症は臭いが強いばかりでなく頭痛などで集中力もそがれるため、早めに治療することをおすすめします。アレルギー性鼻炎や蓄膿症は耳鼻科で治療できます。
集中できないってことは成績も下がるかもってことですか!

そういうことです。早めに治療したいですね。
口臭をなくして楽しい中学生活を送ろう!
口臭があると友人関係や異性などの目が気になり、性格も内向的になりがちです。口臭を改善・予防して楽しく中学生ライフを過ごしましょう。
- 歯磨きや舌磨きを見直す。夜寝る前の歯磨きは特に重要
- よく噛むと唾液がたくさん出て殺菌できる
- 口呼吸を治すと口臭が改善される
- 夜ふかしは免疫力を下げ口臭を引き起こす
- こまめな水分補給は唾液を行き渡らせる
- トイレを我慢すると口臭が強くなることがある
- 運動で汗をかきストレスも口臭も改善
- 口臭外来や歯医者さんに相談するのもアリ