【歯科医監修】歯周病予防ができる重曹水の作り方と使い方

重曹で磨くと歯が白くなるというのが一時期流行りましたが、重曹を利用すると歯周病の予防にもなります。しかし、使い方を間違えるとかえって歯を傷つけることになりかねません。そこで、ここでは歯周病予防ができる重曹の正しい使い方について、簡単にご説明します。
- 重曹を使って歯周病予防をしたいと思っている。
- おすすめの効果的な使い方があれば知りたい。
- どんな重曹を使えばいいのか選び方を知りたい。
- 重曹でなぜ歯周病が予防できるのだろうと思っている。
- いつ重曹ケアをすればいいのか知りたい。
歯周病予防に使う重曹の選び方

まずは、重曹の正しい選び方です。重曹には工業用やホームクリーニング用、食用がありますが、うがい用はお口の中に入れるため、迷わず「食用」を選びましょう。工業用やホームクリーニング用は純度が低いのでお口のケアには適していませんが、食用なら安全です。重曹はスーパーやホームセンターなどで、手軽に購入することができます。
重曹って何売り場に売ってるんですか?

製菓売り場や漬物コーナーにあります。
あ〜。おれっちそういうところあんまりいかないもんなぁ。
歯周病を予防する重曹水うがい
重曹水でうがいをすると、お口の中に付着している汚れを取り除いて歯周病を作りにくくしてくれます。
重曹水の作り方

ではさっそく、重曹水の作り方を説明していきましょう。
- 食用の重曹 3g
- 500mlのペットボトル
- 水
- ペットボトルの水に重曹を入れる
- フタをして1分ほどよく振る
重曹水は1週間から10日程度で使い切ってください。

紙を半分に折った上に重曹を乗せてペットボトルに入れるといいですよ。
粉薬を飲む時の要領ですね!
重曹水うがいのコツ

重曹水でうがいをする際に重曹が底に沈んでいたら、使う前にペットボトルを振ってから使ってください。また、1回にうがいする時間は30秒ほどです。お口の中全体に行き渡るように、ブクブクうがいをします。
うがいをした後は重曹が口の中に残らないように、念入りに水でゆすぎましょう。
はやく試してみたいなぁ!
重曹水うがいをするタイミング

重曹水でうがいをするのに良いタイミングは食後です。できれば毎食後にすると良いでしょう。食後のお口の中は酸性に傾いています。すぐに重曹でうがいをすることで、酸性に傾いている時間を少なくすると歯周病になりにくくなります。

なぜ酸性だと良くないのかは、あとで詳しく説明しますね。
分かりました〜。
外出先でもお口サッパリ!おすすめのアイデア

毎食後に重曹水でうがいをしたくても、会社や外出先などにまでペットボトルを持参するのはなかなか大変です。しかし、市販の携帯容器に移し替えれば持ち歩くことができます。最近では様々なタイプの携帯容器が売っているので、使いやすいものを選びましょう。

100円ショップで手軽に買えますよ。
あ〜、旅行用のミニボトルですよね。帰りに買っていこう!

(笑)
重曹はなぜ歯周病予防に効果的なのか
重曹でうがいをすると歯周病に効果的なのは、以下のような理由があります。
口内のpH値を中和するから

重曹は弱アルカリ性なので、酸性に傾いたお口の中を中和する働きがあります。歯周病は、口内細菌が歯と歯ぐきの間に入って炎症を起こす病気ですが、お口の中が酸性に傾いていると細菌が活発に活動しやすくなります。
しかし、弱アルカリ性の重曹でうがいをすれば、酸性に傾いたお口の中を中和して、細菌が活動するのを抑制できるのです。

細菌は歯垢も作り出すので、虫歯や口臭の原因にもなります。
口の中が酸性になるといいことなしですね。
歯の石灰化を促すから

重曹を水に溶かすと「重炭酸ナトリウム(重炭酸塩)」という成分になりますが、これは唾液の中にも含まれている成分で、歯の石灰化を促します。
お口の中が酸性に傾くと、歯の表面のエナメル質が酸によって溶かされる「脱灰」が起こりますが、通常は唾液の力によって30分ほどで「再石灰化」されて元通りになります。再石灰化は歯の修復工事のようなもので、脱灰と再石灰化は食事ごとに繰り返されています。
しかし、唾液の量が少ないと十分に再石灰化が行われず、虫歯や歯周病になってしまいます。これを補えるのが重曹水うがいです。

重曹を水に溶かして使うことで、再石灰化を強化できます。
重曹ってそんな優れた力があったんですね。
重曹の研磨力がお口の中をきれいにするから

重曹は掃除に使われるほど、強い研磨力があります。水に溶けた重曹は、その強い研磨力で歯の表面や粘膜に付着した汚れを除去してくれます。そのため重曹水で含みうがいをすれば、お口の中がサッパリとするのです。
いいなぁ!想像するだけでもサッパリするなあ。
要注意!こんな重曹の使い方はNG

重曹が歯周病に良いといっても、誤って使うとかえって歯にダメージを与えることになります。
- 重曹を直接歯につけて磨く
- 重曹水うがいを歯磨き代わりにする
重曹は市販の歯磨き粉よりも高い研磨を持ちます。したがって、そのまま歯につけてこすったりすると、歯の表面を傷つけてしまうのです。特に歯周病になりやすい歯はもろく、重曹の粒子でこすられてエナメル質を削ぎ落としてしまう可能性があります。すでに歯周病になっている場合は、症状を悪化させてしまいかねません。
また、重曹水うがいはあくまで食後のお口の中を中和させるためのものです。歯垢は粘着性が強いので、しっかりとブラッシングしないと落ちません。

歯が白くなるというのは研磨されて白くなるからです。
なるほど、そういうことですね。
重曹水うがいで歯周病を予防しよう

重曹は上手に使えば歯周病を予防できます。
さっそく今日から試してみます!
重曹水でうがいをすれば、口内に付着している汚れを除去することができ、細菌の活動を抑えて歯周病予防につながります。今回ご紹介した方法は簡単にできるので、ぜひ試してみてください。
- 重曹はうがい水として使うと歯周病が予防できる
- 1回30秒程度でしっかりゆすぐ
- 歯磨き前にするのが効果的
- 重曹は口内のpH値を中和して細菌を抑える
- 重曹は再石灰化を促し、歯を強くする
- 重曹は食用を選ぶ
- 歯周病の人には重曹歯磨きは向かない