【歯科医監修】あなたは大丈夫?虫歯になりやすい悪習慣チェック!

歯みがきは毎日一生懸命やっているから心配ない…そう思っていても、生活習慣が原因で虫歯になってしまう人は意外に多いものです。特に繰り返し虫歯になってしまう人は要注意。虫歯になりやすい習慣とは?虫歯をできにくくするには?そんな疑問を持つ人に向けて、今回は生活の中での虫歯になりやすい習慣と改善方法を取り上げました。
- どんな生活習慣だと虫歯になりやすいのか知りたい。
- 自分の生活習慣は虫歯になりやすいのかどうか心配。
- もしかしたら自分は虫歯に良くない生活をしているかもしれないと思っている。
- 子どもが虫歯にならないようにやるべき生活習慣を知りたい。
- 虫歯予防のために生活習慣を見直したい。
虫歯になりやすい生活習慣チェック!

虫歯になりやすい生活習慣を大きく分けると、デンタルケア、口内環境、食習慣・嗜好品の3つの分野での原因があります。それぞれの分野を詳しく説明していきましょう。
「デンタルケア」編の理由と予防法
虫歯予防の基本は、やはり歯みがきです。基本の歯みがきは正しい方法やするタイミングなどをしっかりと押さえていれば、虫歯をかなり予防できます。
寝る前は歯磨きをしない

虫歯菌は夜寝ている時に一番繁殖します。寝ているときは体の水分が失われやすく、口が乾きがちになるため、唾液の自浄作用がうまく機能しないからです。また、日中は飲食や会話などで唾液が口の中にまんべんなく循環しますが、寝ているときは唾液自体が少なくなるので、余計に口の中に広がりません。
寝る前は時間をかけて丁寧に歯みがきをし、細菌が増殖するのを抑えましょう。
歯みがきの効果は知ってるつもりでしたが、具体的に聞くとより重要性を実感しますね。

そうですね。特にお口の中にフッ素を残すことで虫歯を予防できます。
歯磨きをすると時々血が出ることがある

歯みがきをした時歯ぐきから血が出るのは、歯ブラシが合っていないか歯ぐきが腫れていることが原因です。合っていない歯ブラシは歯ぐきを傷つけてしまいます。また、歯ぐきの腫れは歯周病の初期症状です。
まずは少し柔らかめの歯ブラシにして、歯と歯ぐきの境目や奥歯の裏までしっかりと磨いてみてください。継続して磨くうちに、歯ぐきが引き締まって出血しなくなります。
歯をみがくと出血がひどくなるような気がするんですが。

そうですよね。でも、ほどなく歯ぐきが引き締まってくるので大丈夫ですよ。
デンタルフロスは使っていない

デンタルフロスはすべての人にぜひ使ってほしいアイテムです。虫歯の原因の多くは歯間にたまった汚れですが、歯ブラシだけでのケアでは60%程度の汚れしか落ちないといわれています。デンタルフロスを使って、歯間の汚れまでスッキリと落としましょう。

いくら歯みがきを丹念にしても、汚れが残っているとそこから細菌が増殖してしまいます。
ほーう、そういうことですね。
前回歯ブラシを取り替えたのは数ヶ月前

古くなった歯ブラシは、毛先が開いたり乱れたりして、きちんと歯の汚れが落とせません。特に、虫歯菌は歯と歯のすき間や歯の根元などに潜んでいますが、毛先が開いていては毛先がすき間に入りません。歯ブラシ自体に細菌が付着している可能性もあるので、1ヶ月を目安にして新しいものと交換しましょう。
この前替えたのいつだったかなぁ。

思い出せないほどならすぐ替えたほうがいいですね(苦笑)
歯並びがよくない

歯と歯が重なる部分やねじれて生えている歯などがあると、歯ブラシが届きにくくなります。食べものが歯に挟まりやすく、汚れが溜まりやすくもなり清潔を保てません。
歯の矯正は見た目だけでなく、歯の清潔を保つためにも必要です。歯列矯正は歯が子どもの柔らかいうちからするのが理想的ですが、ご高齢でも健康な歯を保つために始める方がいらっしゃいます。矯正治療は基本的には何歳からでも始められるので、歯医者さんに相談してみましょう。

たった1本ねじれていても、時が経つほど他の歯に影響して全体の歯並びが悪くなってしまいます。
早く矯正したほうが治療期間も少なくて済むってことですね。
「口内環境」編の理由と予防法
次はもう少し視点を広げて、口内環境が虫歯になる原因です。
歯に昔の詰め物・被せものがある

歯の治療で使う詰め物や被せものは、どうしても経年劣化が起こります。口の中はたえず唾液や飲食物にさらされ続ける過酷な環境。いくら精密に治療したとしても、長年の経年劣化によって目に見えないほどの小さな段差や傷ができてしまうのです。虫歯菌はほんの少しのすき間から侵入します。気づかないうちに銀歯の下で虫歯が進行しているケースもあります。
自分では発見しにくいため、詰め物や被せものに違和感がある人は、一度歯医者さんで診てもらいましょう。

定期検診はお口の様々なトラブルを早期発見できるのでおすすめです。
鼻ではなく口で呼吸する

口をぽかんと開けるクセがある人は、口呼吸をしているかもしれません。通常は鼻呼吸により、空気中のウィルスや細菌が体内に入るのを防いでいます。しかし、口呼吸だとウィルスや細菌が口から体内に入ってきてしまう上、口内も乾くので唾液のパワーもうまく働きません。そうすると、虫歯だけでなく風邪やインフルエンザなどにもかかりやすくなります。
口呼吸は慢性鼻炎、歯並び、姿勢などが関係しています。耳鼻科や歯科などしかるべきところで受診し、鼻呼吸に戻しましょう。
そういえば口呼吸の人って顎を突き出してる人が多いかも

歯並びが悪いと無意識に呼吸しやすい体勢をとって、姿勢が悪くなる人もいます。
寝ている時に歯ぎしりをしているようだ

寝ている時に歯ぎしりをしていたと言われたことがある人は、要注意です。歯ぎしりや食いしばりをする時に歯にかかる圧は100kgを超えるといわれています。歯に強い力がかかると詰め物などが取れやすくなる、歯が削られるなどして虫歯菌が侵入しやすくなります。
歯ぎしりのクセがある人は、歯医者さんで就寝用のマウスピースをつくって治すことが可能です。

歯ぎしりや食いしばりは無意識でやってしまうので、自力で治すのは難しいです。
実は口臭で悩んでいる

ひそかに口臭に悩んでいる、気になるという人は、虫歯が進行している可能性があります。虫歯は菌が出す酸によって作られるので、食べカスが発酵して悪臭を発するのです。症状がさらに進むと患部が化膿してドブ臭のようにもなります。口臭が続いている人は、早急に歯医者さんで診てもらいましょう。
口臭が虫歯のサインだったとは!

別の原因も考えられますが、まずは歯科でトラブルがないかどうかチェックすると安心です。
舌がざらついていることが多い

舌がざらついているのは、舌苔ができているからかもしれません。舌苔とは細菌や口内の古い角質が固まってこびりついたもの。通常は唾液などで自然になくなりますが、常に舌のザラつきが気になるのであれば、歯みがき時に舌ブラシで磨きましょう。舌磨きは1日1〜2回、舌の奥から手前に軽くこする程度で汚れを落とせます。

強い力でこすると舌を傷つけて細菌がたまりやすくなるので、軽い力でやってください。
ほーう、逆効果なんですね。
「食習慣・嗜好品」編の理由と予防法
最後は食習慣や嗜好品についてです。自分の意志で改善できる分野なので、ぜひ見直して虫歯予防をしましょう。
甘いものが好きで1日に何度も食べる

甘いものが虫歯に悪いのは、糖分が虫歯菌のエサになるからです。口の中に糖分が長時間あると、エサを与え続けている状態になります。甘いものを飲食したあとは歯をみがく、含みうがいをするなどで口の中の糖分をなくしましょう。水分補給には糖分フリーの緑茶や烏龍茶がおすすめです。

緑茶や烏龍茶には殺菌作用の強いカテキンが含まれています。
ほーう、それは知りませんでした。
好き嫌いが多い・インスタント食品をよく食べる

栄養バランスの偏った食事やインスタント食品を頻繁に食べる人は、虫歯になりやすいです。栄養バランスの偏った食事は免疫力が下がり、病気になりやすくなるからです。また、インスタント食品にはリンが多く含まれており、カルシウムの吸収を阻害します。その結果、歯がもろくなり虫歯になりやすくなります。

免疫力を高めるには、野菜のビタミンや酵素を摂ることです。
野菜かぁ(遠い目)
タバコを吸っている

タバコに含まれるニコチンは、歯ぐきの血行を悪くし、体全体の免疫力も弱めます。虫歯や歯周病になりやすくなるのでできるだけ控えることをおすすめします。

受動喫煙でも虫歯や歯周病のリスクも高まるため、周囲の人のためにも吸わないのが賢明です。
ストレスがたまりやすい、疲れやすい

ストレスや疲労は自律神経を乱し、免疫力を低下させます。良質な唾液の分泌も行えなくなるため、ストレスをためないようにし、規則正しい生活を心がけましょう。
ほーう、ストレスまで虫歯に関係があるんですね。

そうなんです。
生活習慣を見直して虫歯を予防しよう!
あなたはいくつ当てはまるものがありましたか?ひとつでも当てはまるものがあったら、さっそく改善して虫歯予防に努めましょう。歯みがきの後は水で口をゆすがない、歯みがきした後30分以内は飲食しないという、スウェーデン式のフッ素を残す習慣もおすすめです。
- 一番効果があるのは寝る前の歯みがき
- デンタルフロスを併用するのが効果的
- 歯ブラシ交換は月に1回
- 歯並びが悪いなら矯正しよう
- 口呼吸や歯ぎしりは虫歯になりやすい
- 口臭や舌苔は虫歯菌がいる可能性大
- 甘いものを飲食したら即歯みがき!
- 偏食・喫煙・疲労は虫歯になりやすい
- 免疫力が落ちると虫歯になりやすい