子どもの受け口は幼児からの予防で改善できる!今すぐできる8つの予防法

子どもの悪い歯並びの代表的なものが下顎前突症、いわゆる「受け口」です。
受け口は見た目でも解りやすいので、歯並びの悪さが目立ちます。子どもの歯並びをキレイにするためには、幼児期の予防が効果的です。
ここでは、お子さんが受け口になる理由と、すぐにできる簡単な予防法を紹介します。
- 子どもの受け口になるのは、どうしてなのか、遺伝するのか、知りたい。
- 子どもの受け口は予防できるのか、予防法があれば知りたい。
- 母乳やおしゃぶりが、子どもの歯並びや受け口に関係があるのか知りたい。
子どもの「受け口」を放置していると、どうなる?

子どもが受け口ぎみなので気になっているんです。将来、面接なんかの第一印象にも関わりますよね…?

受け口は、見た目の印象だけではない弊害があるんですよ。
ええっ、そうなんですか!?どんな弊害があるんでしょうか?

代表的な問題に、うまく噛めない、飲み込みにくい、虫歯になりやすい、発音しにくい、顎関節症になりやすい、口を閉じにくいなどがあります。
わぁ、けっこうたくさん弊害がありますね…!
正しい噛み合わせは、上の前歯が下の前歯に2〜3mmくらい重なっている状態です。ところが受け口の場合は、上の前歯よりも下の前歯が出っ張っているため、噛み合わせがうまくいきません。
咀嚼がしっかりとできなかったり、前歯で噛みきれなかったりしますので、胃腸や他の歯に負担がかかります。
子どもが受け口になる3つの原因

どうして子どもが受け口になってしまうんでしょうか?やっぱり遺伝…?

遺伝の影響は否めませんが、それだけではありません。それでは3つの原因を見ていきましょう。
骨格の問題
生まれつきの骨格が原因で受け口になるケースは多いでしょう。
下の顎が大きい、下の顎が前歯より前に出ているといった骨格そのものの問題です。遺伝による影響は否めませんが、親の生活習慣や日常的な癖を受け継ぐ、環境的な遺伝が原因になるケースもあります。
日常的なクセ
幼少期の骨の柔らかい時期に指しゃぶりの癖があったり、頬杖をついたり、舌で歯を押す癖などからも受け口になることがあります。
たかが癖と思うかもしれませんが、歯はずっと動いていますので、大人でも加齢とともに出っ歯になることもあるくらいです。特に成長期のお子さんの場合は長期間の癖による影響は大きいです。
鼻詰まりや口呼吸など
口呼吸がクセになっていると、受け口になるリスクが高まります。アレルギー性鼻炎などで鼻づまりが慢性化すると、口呼吸がクセになってしまい、受け口になりやすい状態に。
子どもの受け口を予防する8つの方法
日常的なクセでだんだん受け口になることもあるんですね~!怖…!先生、子どもの受け口を予防するにはどうすればいいですか?

お子さんの受け口の予防法は、主にクセの改善ですね。下記をご覧ください。
厚生労働省の調査によると、3歳児歯科検診では全体の4~5%の子どもが受け口と診断されています。
そんな子どもの頃の受け口が、大人になるまでに成長とともに自然治癒するケースは、全体の約6%程度というデータもあるため、放置しておいても治ることは、ほぼ期待できないといえるでしょう。
子どもがまだ小さいなら、これから受け口にならないよう予防することが大切です。
1.食べ物をよく噛ませる

受け口になる原因は、硬いものをあまり噛まない、現代の食生活にも潜んでいます。
やわらかく食べやすいものばかりを与えるのではなく、野菜や果物など、噛み応えのある食事のメニューを工夫してみましょう。
2.口呼吸をやめさせる

鼻づまりなどで口呼吸がクセになってしまうと、なかなか鼻呼吸に戻すのが大変です。
お口が乾燥すると、虫歯をはじめとする感染症にかかりやすくなりますので、その点でも注意が必要です。鼻で呼吸がしにくいといった問題がある場合は、耳鼻科を受診してください。
小児歯科では、口呼吸を改善するためにお口周りのトレーニングを受けることもできます。
3.指しゃぶりをやめさせる

赤ちゃんの頃に指しゃぶりがクセになっている子どもがいますが、長く続けていると顎の骨が変形します。
噛み合わせが悪くなったり、受け口になったりする原因となりますので、気付いたらやめさせるようにしましょう。
4.頬杖をやめさせる

骨格がやわらかく成長期の子どもが頬杖を続けていると、下顎を手で押し上げるため、どんどん前に出てきてしまいます。顎の関節に異常がでることもあります。ひどい時には、顔がゆがむことがありますので、注意が必要です。
5.うつぶせ寝や横向き寝をやめさせる

うつぶせや横向きに寝ると、肩頬に圧がかかるため顎関節症になりやすく、噛み合わせや歯並びの悪化だけでなく顔や体のゆがみの原因になります。仰向きに寝る習慣をつけるようにしましょう。
6.爪を噛むクセをやめさせる

爪を噛むクセも指しゃぶり同様、長く続けると前歯に負担がかかって噛み合わせや歯並びに影響します。
前歯で噛むクセがついてしまうと、下顎の発育がよくなって受け口になりやすいといわれています。
7.虫歯を放置しない

乳歯が虫歯になると、後から生えてくる永久歯に大きな影響を与えます。永久歯も虫歯になりやすいのはもちろん、歯並びが悪くなる恐れが非常に高まります。ひどい時には永久歯の発育が悪くなり、生えてこないこともあるのです。
8.舌の位置を改善させる

舌は上の前歯のすこし後ろの位置に控えるのが正しいポジションです。下の前歯を押すのがクセになっていると、受け口のリスクが高まります。かといって、上の前歯の裏に舌を押し付けるようにしていると、出っ歯の原因になりますので気を付けましょう。
小児歯科に定期検診に通って入れば、こうした舌のポジションに関しても正しくできているかチェックして、間違っていれば改善のためのトレーニングを受けられます。
豆知識|母乳やおしゃぶりと受け口の関係
母乳を飲む動作はお口の成長を助ける
母乳は赤ちゃんの栄養補給に優れているため、母乳での子育てが推奨されています。赤ちゃんの身体のためによいのは栄養面だけでなくお乳を吸って飲みこむといった一連の動作で、お口の機能を生育する効果が期待できるのです。歯並びをよくするためにも大切な動きといえます。
おしゃぶりは受け口の予防におすすめ ※注意点あり

おしゃぶりは赤ちゃんの舌の位置を定めるためや、受け口の予防に役立ちます。ただし、2~3歳を超えて使用を続けていると、逆に歯の発育を妨げます。子どもによっても個人差がありますので、かかりつけの歯科医の話をよく聞いて、効果的に使用しましょう。
子どもの受け口は幼児のうちに改善しよう
子どもの受け口は小さい頃からの予防が大切なんですね~!

そうですね。子どもには周りの環境が影響しますので、親御さんの癖を受け継ぐことも多いです。親御さんはまず、ご自身の癖を改善するようにしてください。
ギクッ、親の癖が移っちゃうんですね…!やばい、横向き寝、改めなきゃ…!
- 子どもの受け口を放っておくと、見た目の問題だけでなく、さまざまな弊害がある。
- 子どもが受け口になる原因は、骨格の問題・日常的なクセ・口呼吸など。
- 幼児のうちに日常的なクセを改善すれば、子どもの受け口を予防できる。