歯ブラシの選び方で虫歯予防の効果も変わる!自分に合った選び方

歯ブラシはどのように選んでいますか?歯ブラシにはいろいろな種類があり、年齢や磨きたい場所に合わせて選ばないと、せっかく歯磨きしても効果が半減してしまいます。また、正しい方法で磨くことも大切です。この記事では、自分に合った歯ブラシの選び方と、正しい歯の磨き方をご紹介します。
- 自分に合った歯ブラシの選び方を知りたい。
- 子どもの歯ブラシはどんなものを選ぶと一番いいのかといつも悩む。
- 介護用に使う歯ブラシにはどんな物が適しているのか知りたい。
- 歯ブラシ選びのポイントを知っておきたい。
- 自己流ではなくちゃんとした歯みがき法を習得したい。
歯ブラシ選びのポイントは5つ!

歯ブラシ選びのポイントは、次の5つです。
- 毛の硬さ
- 毛先の長さ・太さ・形状
- 毛の材質
- ヘッドの大きさと形状
- 柄の形状
歯みがきの目的は、プラーク(歯垢)を削ぎ落とすことと、歯みがき剤のフッ素を歯の表面に塗ることです。プラークは粘着性があるので、しっかりとブラシでこすらなければ除去することは出来ません。プラークを残すと細菌の巣窟となり、そこから虫歯ができやすくなります。
また、フッ素は歯の再石灰化を助け、歯をコーティングして虫歯から守ってくれますが、きちんと歯磨きできていないとフッ素を歯に残せません。自分に合った歯ブラシを使わないと、プラークの除去とフッ素を残すという2つの大事な役割を果たせないというわけです。
1.毛の硬さ

大抵の歯ブラシには、「ふつう」「やわらかめ」「かため」という表示があります。好みで選ぶ人が多いと思いますが、基準としては以下のように考えます。
- ふつう:一般的に歯垢を落とす
- やわらかめ:歯ぐきが弱い人、歯周病の人
- かため:歯をみがくのが上手な人
大人はふつう・かため、赤ちゃんや子ども、高齢者はやわらかめがおすすめです。特に歯肉炎にかかっている人や歯ぐきが弱い人は、歯ぐきを傷つけない柔らかめがおすすめです。ただ、時々出血する程度の人なら、ブラシでマッサージするうちに出血が止まることがありますので、出血が止まったらやわらかめからふつうに変えるなど、臨機応変に対応しましょう。

ただし、上記はあくまでも目安なので、使っていて不快でないものを選んでくださいね。
たしかに、不快だと歯磨きしたくなくなりますよね!
2.毛先の長さ・太さ・形状

毛先は歯の大きさに応じて長さと太さを選びます。例えば子どもの歯は小さいので短いもの、大人の歯は大きいので子ども用より長めが適しています。ただし、あまりに毛先が長いと細かく動かしづらいので、毛先は10mm以下のものがおすすめです。高齢者や歯周病にかかっている人は、歯ぐきの境目までよくみがける毛先が細いものを選んでください。
また、毛先がギザギザになっているブラシや段差があるブラシは歯ブラシに掛かる力が均一になりません。毛先はフラットで均一になっているものがおすすめです。
毛の量が多いのはどうなんですか?

それは口の大きさによります。ヘッドのところで詳しく説明しますね。
3.毛の材質

一般的な毛の材質はナイロンですが、ブタや馬など動物の毛で作られているものもあります。しかし、動物の毛はタンパク質で出来ているため、細菌が付着しやすく乾きにくいので、あまりおすすめしません。
また、カラフルなナイロンの毛の歯ブラシもありますが、製品によっては色素の成分で弾力性が落ちるものもあります。おすすめなのは透明なナイロンの毛の歯ブラシです。ただし、ナイロンも吸水性があるため、1ヶ月に1回は交換して清潔を保ちましょう。
毛先が広がるまでと思ってたけど、細菌が増えちゃうならまめに変えなきゃなあ!
4.柄の形状

柄の形状は、握って持ちやすいもの、磨きやすいと感じるものを選ぶのが一番です。ユニークな形状やデザインが凝ったものなどもありますが、目的は歯を隅々まで磨くことなので、持ちにくければ本末転倒です。また、親指を置く位置に突起があるものや、大きく湾曲しているものは一見使いやすそうに見えますが、かえって磨きにくい可能性があります。
基本的には柄がまっすぐで断面が楕円形のものがよく、装飾がないシンプルなものがおすすめです。

柄が湾曲していると上の奥歯が磨きづらいんです。
あ〜、たしかにそうかも!
5.ヘッドの大きさと形

ヘッドの大きさは植毛の本数によって異なりますが、ヘッドが大きすぎると奥歯が磨きにくく、反対にヘッドが小さすぎると1本を磨くのに時間がかかりすぎてしまいます。
基本的には植毛が縦に3列並んでいて、横幅が自分の親指の横幅と同じか、人差し指の第一関節までの長さが適正サイズの目安と言われています。植毛が多い歯ブラシは乾きにくく、場合によっては雑菌が繁殖しやすくなるのでおすすめできません。
なるほど、大きすぎても小さすぎてもダメってことですね!

そうなんです。自分の指で測って買いましょう。
年代別の歯ブラシの選び方
歯ブラシは年代別に選部のがおすすめです。ただし、ご紹介するのはあくまでも目安ですので、使いやすさや歯と歯ぐきの状態に応じて選んでください。
赤ちゃん用

乳歯が生えるまでは、ガーゼなどを濡らしてやさしく拭う程度にケアします。乳歯が生えてきたら、赤ちゃん用の毛の短い歯ブラシを使いはじめます。
僕はやってもらってたかなあ?
子ども用

子ども用の歯ブラシは、6歳くらいまでは年齢刻みに販売されているものを選びます。まっすぐな柄のスタンダードなものがおすすめですが、好きなキャラクターや好きな模様を選ばせると、歯みがきタイムを楽しく過ごせます。
6歳以上は大人用と同じ歯ブラシになりますが、生えたばかりの永久歯はやわらかいため、ヘッドが小さく毛先がやわらかいものがおすすめです。

可能なら一緒に買いに行くといいですね。
自分で選んだものを使うのって子どもはワクワクしますよね!
大人用

大人用は、健康な歯ならふつう〜かためを選びます。歯肉炎や歯周病が気になる人は、やわらかめの歯ブラシを選びましょう。
歯の小さな女性や、奥歯まできっちりと磨きたい人は、ヘッドが小さなものがおすすめです。また、奥歯だけしっかりと磨きたい人は、毛束がまとまって筆のようになっているタフトブラシもおすすめです。

タフトブラシを補助的に使う人も多いです。
そんな歯ブラシがあるなんて知りませんでした!
高齢者用

高齢になるにつれて、歯ぐきは弱くなっていきます。そのため高齢者にはやわらかめの歯ブラシがおすすめです。電動歯ブラシを使うのも良いでしょう。交換用ヘッドはやわらかめのものを使ってください。

電動歯ブラシは手をこまめに動かさなくていいから楽です。
じいちゃんに教えてあげよう!
用途別の歯ブラシの選び方
プラークは、磨きにくい場所にこそ残りやすいものです。そういった場所のケアをしっかりとすることで、虫歯になりにくい歯を目指せます。
1.歯と歯のすき間をみがきたい時

歯ブラシが届かずプラークが残りやすい歯と歯のすき間には、歯間ブラシやデンタルフロスを用います。歯間ブラシは広いすき間のケアに適し、デンタルフロスは細いすき間が得意です。ただし、歯ぐきまでギュッと押し付けてしまうと歯ぐきを傷つけてしまう場合があります。前後に動かしながらゆっくりと下におろしていきましょう。
歯間ブラシもデンタルフロスも、形状のバリエーションがあります。できれば歯医者さんに歯や歯ぐきの状態にあったものを選んでもらうのがおすすめです。

歯医者さんに相談すると、正しい使い方も教えてくれます。
それはいいですね!
2.奥歯までしっかりとみがきたい時
奥歯は歯ブラシが届きにくく、磨きにくい場所です。しっかりと磨くならタフトブラシを使いましょう。タフトブラシは毛先が短く、真ん中に行くほど毛先が長く尖った小さな歯ブラシです。毛先はコシが強く、柄の部分に角度がついているため、奥歯の裏までしっかりとみがけるように作られています。

ふつうの歯ブラシと併用して使ってください。
3.歯周ポケットをしっかりみがきたい時
歯周病は歯周ポケットにたまった汚れが原因となります。歯周ポケットをしっかりとケアするなら毛先が細い歯ブラシでみがくと良いでしょう。また、ポケットクリーナーもおすすめです。ポケットクリーナーはタフトブラシよりも薄く、歯周ポケットをより磨きやすくした歯ブラシです。
歯ブラシっていろいろあるんだなぁ!
正しい歯みがきの5つのポイント
最後に、正しい歯みがきの方法をご紹介します。
これを知らなきゃ始まりませんね!

そのとおり。
1.歯ブラシの当て方
歯ブラシは、歯の表面と歯と歯ぐきの境目では、ブラシの当て方が異なります。
■歯の表面:歯ブラシを90°に当てる

■歯と歯ぐきの境目:歯ブラシを斜め45°に当てる

2.歯ブラシの持ち方

歯ブラシは親指と人差指でペンを持つように軽く持ちます。位置は真ん中よりややヘッドよりです。余分な力が入らずに歯や歯ぐきを傷つけません。
3.歯ブラシの動かし方
歯ブラシは小刻みに動かします。動かすというよりは毛先を震わすようなイメージです。
4.磨きにくい場所のみがき方
前歯の裏や奥歯の溝は、以下のようにして磨きます。
■ブラシを縦に動かす

■ブラシを回転させる

■前歯の裏は掻き出すように

5.歯みがきをするタイミング

歯みがきは、基本的に食事をした後と就寝前にするのが理想的です。食事をしたあとは口内が酸性に偏り、虫歯ができやすい環境になっています。そこに食べカスが残っていると、細菌は虫歯を作り始めてしまいます。
また、就寝中は細菌が最も増殖する時間帯。寝る前に丁寧に歯みがきをすることで、就寝中の細菌の増殖を防げます。
毎食後と寝る前か!
正しい歯ブラシを選んで虫歯予防はバッチリ!
虫歯や歯周病は自分に合った歯ブラシを使ってケアすると、かなりの確率で防げます。今回ご紹介した内容をもとに、年齢や歯茎の状態などを考慮して自分に合った歯ブラシをみつけてください。
- 歯ブラシの選び方のポイントは毛の硬さ・毛先・材質、柄、ヘッド
- 歯ブラシは年齢に適したものを選ぶ
- 目的や用途に応じて歯ブラシの種類を変える
- 歯ブラシの当て方は直角と斜め45度
- 歯ブラシは力を抜いて軽く持つ
- 歯ブラシを動かすときは小刻みに
- 磨きにくい場所はみがき方を工夫する
- 歯みがきは「食べたらすぐ」が肝心