【歯科医監修】虫歯を予防するならフッ素コーティングがおすすめ!

虫歯を予防するにはフッ素コーティングがいいと聞いたことがある人は多いでしょう。昨今では、「予防歯科」もだいぶ浸透し、個人の歯に対する予防の意識も高まってきました。ただ、どこで、どのようにという具体的なことについては、あまり知らないという人もいるかもしれません。この記事では歯科医院でやるフッ素コーティングの詳細と、自分でできるフッ素コーティングの方法についてご紹介します。
- 歯医者さんでフッ素コーティングをしていると聞いたけど、フッ素コーティングって何?と思っている。
- フッ素コーティングはいくらくらいでできるのか知りたい。
- フッ素コーティングって具体的にどんな施術なの?と思っている。
- 自分でもフッ素コーティングができる方法があれば知りたい。
- 子どもは何歳からフッ素コーティングができるのか知りたい。
フッ素コーティングとは

フッ素コーティングとは、字のごとく歯の表面全体にフッ素をコーティングすることを指します。お口の中の歯をまるごとコーティングすることで、虫歯の原因菌が歯の内部に入り込むのを防いでくれる効果があります。
フッ素について簡単にお話しておくと、元々は火山活動によって産出された化合物で、マグマに由来します。そのため海・雨・空気・土とあらゆるところに存在している物質です。特に日本は水資源が豊かなことと、海産物を多く食べる国民性から、フッ素を摂取する機会が多いといえます。
ただし、フッ素を虫歯予防に役立てるには、食事や通常の生活から摂取するだけでは難しく、一定以上の量を歯に塗布する必要があります。

フッ素コーティングは歯磨きが苦手な小さいお子さんなどに特におすすめです。
あ〜、うちの子もやりたいです〜。
フッ素コーティングのすごい効果
フッ素の虫歯予防効果は、WHO(世界保健機関)、FDI(世界歯科連盟)、FAO(国連の食糧農業機関)、国際栄養学会、英国王立医学協会といった世界中の数多くの専門機関や学会で認められ、推奨されています。
フッ素を歯にコーティングすると、以下のような効果が期待できます。
虫歯ができにくい口内環境にする

フッ素はお口の中を中性にする働きがあります。食べ物を食べると、口の中は酸性に傾きます。酸性の口の中では虫歯の原因菌が活発に活動しやすく、歯も酸によって溶けやすいという状況です。しかし、フッ素コーティングをしておけば、飲食をしても中性に戻りやすくなるため、虫歯ができにくい環境を保てます。

唾液も中性に保つ効果がありますが、フッ素はそれをさらに強化します。
正直、おやつの後なんかは歯みがきできないから助かりますね〜。
虫歯菌の活動を抑制する

フッ素には抗菌・殺菌作用があり、虫歯の原因菌が出す酵素によって酸が作られるのをブロックする働きがあります。継続してフッ素ケアをし続ければ、虫歯ができにくいお口の状態を保てます。
虫歯菌が活躍できなくなるんですね。

そのとおり。
虫歯になりかけた状態を治す

フッ素は、歯の再石灰化を助ける効果があります。歯は食事をするたびに歯の表面のカルシウムやリンが溶け出し、唾液に含まれるミネラルを取り込んで溶けた部分を修復することを繰り返しています。これを再石灰化といい、ごく初期の虫歯なら再石灰化で元に戻る可能性が高いのです。

フッ素は飲食後から歯みがきまでの時間を守ってくれる唾液の補佐役みたいなものです。
なるほど〜。
知覚過敏の症状を抑える

フッ素は歯をコーティングするとともに強くするので、知覚過敏の症状も緩和することができます。歯は表面にエナメル質、その下にある象牙質という構造です。エナメル質が薄くなると、神経に刺激を伝える象牙質が刺激してしまいます。
知覚過敏が抑えられるのはいいですね!

そうですね。痛みから開放されますね。
フッ素コーティングの料金・時間・頻度
歯医者さんでフッ素コーティングを行う場合の具体的な内容についてご説明します。
料金

気になるフッ素コーティングの料金は、歯の治療の一環として施す場合には保険内でできますが、予防目的で行う場合は保険が適用されません。
とはいえ1回1000円程度なので、小さな子どもの場合には無料にしている歯医者さんもあります。また、自治体が補助金を出しているケースもあるので、お住いの地域で調べてみると良いでしょう。

地域の歯医者さんに聞いてみるといいですよ。
さっそく聞いてみます!
施術にかかる時間

フッ素塗布を浸透させる時間はおよそ3分程度です。まずは歯の表面を掃除し、エアーなどを当てて歯を乾燥させてからフッ素材を塗布します。塗布の方法はピンセットで綿をつまんで塗布したり、フッ素剤が入ったマウスピースを歯にはめたり、コーティング剤を塗布してから特殊な光を当てて固めたりと様々です。
小さな子どもに無料で塗布する場合は数十秒で終わる場合がありますが、そこまで高い効果を期待できません。きちんと効果を出すのなら、有料でフッ素塗布を行っている歯医者さんを選ぶことをおすすめします。
歯医者さんによって違うみたいだけど、そんなにかからなさそうね。
頻度

フッ素塗布を受ける頻度は、年に3〜4回くらいです。個人のお口の中の状態によっても変わりますが、だいたい季節ごととおぼえておくと良いでしょう。

自治体による無料の場合は年2回程度が多いようです。
フッ素コーティングに適する年齢

フッ素塗布は子どもによく推奨されますが、先も挙げたように知覚過敏を緩和したい人や、虫歯予防をしたい大人も行う人は多いです。

特に決まった年齢はありません。
誰でも受けられるんですね。

はい。お年寄りや授乳中のお母さんもできます。
自分でできるフッ素コーティング
自宅で気軽にフッ素塗布したいと思う人もいるでしょう。そんな人には以下の方法がおすすめです。
市販のフッ素コーティング剤を使用する
フッ素剤は市販のものもあります。インターネットなどで販売しているフッ素ジェルや、高濃度フッ素歯みがき剤などがこれにあたります。

歯医者さんでも取り扱っているコンクールなどは有名です。
あ〜、緑のですね!
フッ素を残す歯みがき法を実践する

通常の歯みがき粉にも、フッ素は含まれています。歯みがき後にフッ素を多く残すには、2度磨きがおすすめです。
他にも歯みがき後に水ですすぐ場合には軽く1回だけにするのも良いでしょう。お口の中に歯みがき剤が残っていても心配ありません。むしろ、残っている方がフッ素の効果を高められます。

スウェーデンでは水ですすがずにフッ素を残すみがき方が浸透しています。
へぇ〜、そうなんですね。
セルフなら就寝前のフッ素コーティングがおすすめ

虫歯の原因菌が増殖するのは主に寝ているときです。寝る前にフッ素コーティングをしておけば、虫歯予防の効果をアップできます。

理想の歯みがき回数は、毎食後と寝る前の計4回です。
フッ素の力で虫歯を予防しよう!
フッ素は虫歯予防にとても効果的です。毎回の歯みがきでフッ素を残すことを意識するだけでも、かなり違うでしょう。自分で歯を磨けない小さなお子さんなどは、歯医者さんで定期的にフッ素コーティングをするのがおすすめです。
- フッ素は口内の酸を中和する
- フッ素は虫歯菌の活動を抑制する
- フッ素は虫歯になりかけた状態を治す
- フッ素は知覚過敏も緩和する
- 歯医者さんでのフッ素コーティングは1回1000円程度
- 歯医者さんでのフッ素コーティングは季節ごとが目安
- 市販のフッ素コーティング剤もある
- 歯みがきのしかたを変えるとフッ素コーティングに似た効果を残せる
- フッ素を残すタイミングは寝る前がベスト