【保存版】入れ歯の正しいお手入れ方法と洗浄剤の使用について

健康な人でも、口の中には細菌がたくさん住んでいます。特に入れ歯は、1日中口の中に入れているものなので雑菌がいっぱい。誤ったお手入れを長年していると、汚れが蓄積して破損や変形のリスクも高まります。入れ歯を清潔に長く使うために、正しいケアの方法を知りましょう。
- 入れ歯の正しいお手入れの方法を知りたい
- 入れ歯のお手入れには何を使えばいいの?
- 歯みがき粉を使ってもいい?
- 義歯用の洗浄剤は使っても大丈夫?
- 入れ歯のお手入れのタイミングはいつ?
入れ歯のお手入れの基本

まずは入れ歯のお手入れの基本からです。入れ歯には以下の2つの特徴があります。
- 入れ歯は乾燥に弱い
- 入れ歯は落下や強い圧力などの衝撃に弱い
入れ歯の材質は乾燥に弱く、強い力を加えると変形してしまいます。それを考慮に入れて、お手入れをしましょう。
流水でのお手入れ方法

食後は入れ歯を外し、手のひらに置いて流水で流しながら専用ブラシでこすりましょう。このとき、誤って排水口などや洗面台に落として破損しないように、洗面器に水を張った上で行うのがおすすめです。
入れ歯には、たくさんの凹凸部分があり、金属部分や人工歯と歯茎(床)部分の境目などにも汚れが溜まりやすいです。専用ブラシを使ってしっかり汚れを落としましょう。

義歯用の専用ブラシがあるので、それを使ってください。
義歯用ブラシって普通の歯ブラシと違うんですか?

金属の硬い部分を磨くブラシと歯茎の面を磨く歯ブラシが背中あわせでくっついているような形をしていますよ。ゴシゴシ磨かないで優しく磨いてくださいね。
力を入れすぎると傷がついちゃうってことですか?

そのとおり。特に、歯茎に接する部分は傷つきやすいんです。古い歯ブラシでもいいですが、できれば専用ブラシだと安心ですよ。
入れ歯洗浄剤でのお手入れ方法

1日の終りである就寝時は、義歯洗浄剤を使ってよりきれいに磨きましょう。食後と同じように義歯専用ブラシで磨いた後、義歯用洗浄剤でつけ置き洗浄をします。コップに指定の量を入れて一定時間義歯を入れ、その後浮いた汚れをブラシで落とします(商品の使い方を確認しましょう)。

洗浄剤は部分入れ歯用と総入れ歯用があるので、間違えないようにしましょう。
どんな違いがあるんですか?

金属を使っているかどうかの違いです。総入れ歯用の強い洗浄剤は、金属を傷めてしまいますからね。
そうなんですね!そういうの、あまり知られてないかもしれませんね。
入れ歯まわりのお手入れ方法

部分入れ歯の場合、入れ歯のバネをかける歯の部分や、入れ歯に接する歯の内側部分にも汚れが溜まりやすくなります。こちらは通常の歯ブラシを使って、丁寧に汚れを落としましょう。
入れ歯を取った空間に歯ブラシを横にして入れ、小刻みに動かして磨きます。入れ歯の内側と接する部分は、特にきれいにしておきます。歯茎のブラッシングもしてください。細かい部分は小さめのブラシや綿棒を使うのもおすすめです。

歯茎のブラッシングは、力強くやると痛いし傷がついてしまうので、柔らかめの歯ブラシなどを使うのがおすすめです。
ヘッドが小さめだと磨きやすそうですね。

いいところに気がつきましたね!特に女性は歯が小さいので、小さめヘッドがおすすめです。
入れ歯のお手入れのタイミング

入れ歯のお手入れは、毎食後と就寝前です。毎食後は流水でブラッシングし、就寝前はブラッシングと洗浄剤のダブルで汚れを落とします。就寝中は歯茎を休ませるために入れ歯を外してください。外した入れ歯は、水を入れたコップに浸しておきます。
また、入れ歯洗浄剤は1日1回使うのがおすすめです。
つけたまま寝るのはダメなんですか?

歯茎と入れ歯両方を休ませるために、基本的には外します。でも、医師から指示があった場合には、就寝時に使うこともありますよ。
それはつけたほうがいい場合なんですね?

そうですね。入れ歯がお口の状態を保つような場合です。
そもそも、なぜお手入れが必要なのか?

健康な歯でも、毎日の歯磨きをしないと食べカスや細菌が歯の表面や歯と歯の隙間にこびりつき、プラークが発生してしまいます。入れ歯も同じで、表面に汚れがついたままだとプラークが発生してしまうのです。プラークは放置しておくと歯石化します。
また、細かな隙間には、ブラッシングでは落ちない汚れや細菌、真菌などが潜んでいます。そのため、毎日のお手入れは欠かせません。
入れ歯は虫歯にならないから、プラークが少しくらいついてても平気なのでは?

入れ歯にも色素や歯石がついたりするんですよ。それに、口臭や口内炎の原因にもなります。
入れ歯が変色したり、イヤな臭いがしてきちゃうってことですね!

それだけじゃありません。部分入れ歯はバネの部分についたプラークから、他の健康な歯が虫歯や歯周病になる可能性もあるんです。
周りの歯が虫歯とか歯周病になっちゃうんですね!それは入れ歯もきれいにしないとダメですね。
入れ歯に関するQ&A
上記でご紹介した他にも、入れ歯に関するちょっとした疑問にお答えします。
普通の歯みがき粉で磨いてもいい?

入れ歯を通常の歯みがき粉で磨いている人もいますが、これはあまりよくありません。特に研磨剤が入っていると、入れ歯に傷がついて細菌が入りやすくなりますし、破損しやすくなります。ドラッグストアなどに義歯用の歯みがき粉などが売っていますので、そちらを使うようにしましょう。

ほとんどの歯みがき粉には研磨剤が入っています。
ツブツブが入っていなくてもですか?

そうなんです。微粒子にした研磨剤が含まれているので、できれば義歯用を使ってくださいね。
入れ歯を保管するときの水は何を使えばいい?

就寝時に、コップに入れた水に入れ歯を浸しておくと乾燥を防げます。水は、普通の水道水で十分です。洗浄剤に長時間入れておくと、変形する可能性があるので気をつけましょう。
水道水でいいなら経済的ですね。

そうですね。ミネラルウォーターである必要はありません。ただし、清潔なコップを使ってくださいね。
定期検診が必要なのはなぜ?

入れ歯を作った後も定期的な検診が必要なのは、入れ歯がきちんと機能しているかをチェックしたり、咬み合わせの不具合などを調べるためです。きちんと合っていない入れ歯は咬み合わせのバランスが崩れて健康な歯や骨格に影響を及ぼします。もちろん、噛めば痛みが生じることもありますし、なによりきちんと咀嚼できなくなると消化不良や誤嚥などを起こしてしまいます。

入れ歯は口の状態が変化すると合わなくなるので、定期的にしっかりチェックする事が大事なんです。
そうなんですね!急に外れたりするのも合ってないからですか?

そういうこともありますね。
正しいお手入れで入れ歯を長持ちさせよう!
入れ歯は正しくお手入れすることで長く使うことができます。汚れや変形を防いで、長く愛用したいものですね。下記に、入れ歯の正しいお手入れの方法をまとめましたので、ご参考ください。
- 毎食後は流水を当ててブラッシングする
- 洗面器に水を張った上で行う
- 義歯専用ブラシを使う
- 就寝前はブラッシングに加え、専用洗浄剤でつけ置き洗い
- 就寝時は外してコップに水を張った中に入れて保管する
- 専用洗剤をつかう。研磨剤入りの歯みがき粉はNG