【歯科医監修】起床時の口臭を予防するための7つの習慣

朝起きた瞬間の口の臭いは、自分ではなかなか気づくことができません。でも、家族やパートナーからそれとなく指摘されるとショックですよね。気遣われるとその分「相当前から臭ってたのかな?」と気になるものです。起床時に口臭が発生している人は、実はたくさんいます。家族やパートナーに不快な思いをさせないためにも、この記事をチェックして起床時の口臭を予防しましょう。
- 最近寝起きに口臭があると気になっている。
- どうして起床時の口臭が強くなるのか気になっている。
- パートナーの起床時の口の臭いが不快なので治したい。
- どんな条件が揃うと口臭が強くなるのか知りたい。
- 専門家がすすめる口臭をなくす方法を知りたい。
起床時の口臭を防ぐための7つの習慣
起床時の気になる口臭を防ぐためには、以下のような方法があります。
1.寝る前の歯磨きは1日のうち一番丁寧に行う
寝る前の歯磨きは、起床時の口臭をなくすのにもっとも効果的です。なぜなら、口の中の細菌は寝ている間にもっとも増殖するからです。細菌が増殖するのを防ぐには、口内を細菌が増殖しにくい環境にしてから寝るのが効果的です。

歯間ブラシなども併用してプラークをしっかり除去するのがおすすめです。
ふむふむ。歯磨きだけでは不十分なんですね。
2.寝る前に水分補給をしておく
寝る前にはコップ1杯分の水分補給がおすすめです。寝ている間にかく汗の量は、約コップ1杯分。体内の水分量が減ると口内も乾きがちになり、細菌が増えやすくなります。寝る前に水分補給をしておくと口が乾きにくくなり、口内細菌の増殖も抑えることができます。
あたくし、夜中トイレに起きてしまうかも…。

その場合は、飲む量を減らしてくださいね。
3.リラックスしてから布団に入る
寝る前にスマホやパソコンなどをつい見てしまう人は多いと思いますが、集中したり視神経が活発に使われたりするため、脳はリラックスできません。脳が集中状態にある時は、口が乾いて唾液量も減ります。すると、口内細菌も増えやすくなります。寝る前はできるだけリラックスしてから布団に入るのが良いでしょう。

寝る前に軽いストレッチをしたり、好きなアロマを焚くのもおすすめです。
ふむふむ。アロマはいい香りでぐっすり眠れそうですね。
4.お酒を飲んだまま寝ないようにする
お酒を飲むと気持ちよくなってついそのまま寝てしまう人もいると思いますが、お口にとってはよくない状態です。口内にアルコールの糖分が残っている上に、アルコールの利尿作用により唾液も少なくなっていて、細菌が増殖しやすいからです。
たとえおつまみを食べていなくても、アルコールの糖分が口内に残ります。糖分は細菌の大好物。お酒を飲んだ後は必ず歯磨きをしてから寝るようにしましょう。
ということは、当然寝酒もよくないんですか?

もし寝酒を飲んでも、布団に入る前は歯磨きしてください。
そのまま寝るのが良くないんですね。
5.口テープで口が乾くのを抑える
寝ている間に口呼吸の癖がある人やいびきをかく人は、口で息を吸ったり吐いたりするので口の中が乾きます。また、空気中のウィルスや雑菌を口から体内に取り込むリスクも高くなります。
口呼吸やいびきを改善するには、市販の口テープを使うのがおすすめです。口呼吸は歯並びが原因になっていることもあるため、口テープで改善しないようなら歯医者さんに相談しましょう。また、鼻詰まりで口呼吸になっている人は、耳鼻科で治療を受けることも必要です。

ご家族などと同居している人はチェックしてもらうといいですね。
あらあら、さっそくチェックしてもらわなくちゃ。
6.朝起きたらまずは歯磨き
就寝前の丁寧な歯磨きは重要ですが、朝一番の歯磨きも忘れずにしましょう。寝る前に丁寧に歯磨きしたとしても、細菌の増殖をゼロにすることはできません。

マウスウォッシュを使う人は、朝食後にも歯磨きしてくださいね。
ふむ。マウスウォッシュしたら歯磨きしなくていいのかと思っていたわ。

よく勘違いされますが、代用にはなりません。
7.朝食を抜かない
朝は忙しいので朝食をパスする人もいると思いますが、お口のためには朝食を摂るほうが効果的です。食べ物を噛むと唾液がたくさん出て、細菌の活動を抑制してくれるからです。何も噛まないでいると、唾液を多く分泌できずに昼食まで過ごすことになります。朝食をコーヒーなどの飲み物だけで済ませている人は、噛んで食べる朝食にするのがおすすめです。
朝は食欲がない人はどうすればいいのでしょう。

そういう人は、夕食を軽めにすると良いですよ。
そうですか。少なめに食べればいいんですね。
口臭が寝起きにひどくなる理由
寝起きに口臭がひどくなるのは、就寝時に口内細菌が増殖するからです。口内細菌は1日のうちで就寝時にもっとも増殖します。起きている間は食べたり飲んだり人と会話したりしていますが、細菌は唾液や歯磨きなどによって流れてしまうのであまり増殖しません。しかし、寝ている間はこれらの活動がすべてストップするため細菌がどんどん増殖し、朝には口の中に細菌がたくさんいる状態になっているのです。
細菌の増殖を防ぐためには、寝る前に丁寧な口腔ケアをして口内を清潔にすることが重要です。
唾液が減少するから
唾液には水分が多いサラサラ唾液と水分が少ないネバネバ唾液があり、サラサラ唾液は口内細菌の活動を抑制する働きが、ネバネバ唾液は体の外からの異物を体内に入れない働きがあります。
2種類の唾液の分泌は、自律神経が大きく関係しています。集中している時や脳が活発に動いている時は自律神経の交感神経が優位になり、水分の少ないネバネバ唾液が多く分泌されます。反対に、リラックスしている平常時には、副交感神経が優位になるのでサラサラ唾液が多くなるのです。
一般的に唾液量が減るというのはサラサラ唾液が少なくなることを指します。唾液量が少なくなると、口内細菌を抑制する力が弱くなるため、口臭がきつくなります。
唾液の質 | 口内細菌 | |
---|---|---|
交感神経 | ネバネバ | 増殖しやすい |
副交感神経 | サラサラ | 抑制される |

唾液は楽しんだりリラックスしたりするとたくさん増えます。
ふむふむ。食事も楽しんで食べなきゃですわね。
口の中に食べカスが残っているから
口内に残る食べカスといってもごく微量で、食べ物がすり潰されて砕けた粉のことです。食べカスは、歯と歯のすき間や粘膜にこびりついています。口内細菌はこの微量な食べカスに含まれる糖分やタンパク質を餌として、プラークを作り出します。プラークは細菌が糖分やタンパク質を酸化(腐敗)することで作られますが、この時に発生するガスが口臭の原因です。細菌はプラークを棲家としてどんどん増殖するため、プラークが口の中にある限り口臭は消えません。
口臭をなくすためには、プラークを除去することが重要です。そのためには、食後の歯磨きの徹底が必要不可欠なのです。

プラークはどうしてもできてしまうものなので、除去することが重要です。
できないようにすることはできないんですね。
歯周病があるから
歯周病には独特のイヤな臭いがあります。口臭の原因のトップは歯周病といわれているほどです。歯周病は歯肉に炎症が起きることから発生しますが、炎症の原因は口内細菌です。もし色々な方法を試しても口臭が改善されないようなら、歯周病にかかっている可能性があります。歯周病は歯磨きなどで悪化や進行を遅らせることはできますが、治すことはできません。そのため歯科医院でしっかりと治療をすることが重要です。

痛みを感じるなら、かなり進行している状態です。
ふむふむ。そうですか。それは怖いですわね。
就寝前の口腔ケアで朝の息を爽やかに!
就寝時は口内細菌が増殖するので朝起きた時の口臭もきつくなりがちです。寝る前の丁寧な歯磨きや唾液量を増やすなどして、口臭を予防しましょう。

歯周病がある人は治療することも肝心です。
- 1.寝る前の歯磨きは1日のうち一番丁寧に行う
- 2.寝る前に水分補給をしておく
- 3.リラックスしてから布団に入る
- 4.お酒を飲んだまま寝ないようにする
- 5.口テープで口が乾くのを抑える
- 6.朝起きたらまずは歯磨き
- 7.朝食を抜かない