入れ歯の安定剤の選び方は?種類別メリット・デメリット、歯科医おすすめ5選

入れ歯が少し合わない気がする、ガタつく……そんなとき、入れ歯の安定剤を使うことになって、お店に行ってみると色々な種類があることに驚かされます。ご家族に「入れ歯の安定剤を買ってきて」と頼まれたものの、どれを購入していいのかさっぱりわからなくて困った、という人もいるのではないでしょうか。
これまで入れ歯が合わずにガタついていたのは、安定剤の選び方が間違っていたせいかもしれません。
そこで今回は、入れ歯の安定剤の種類や選び方について解説します。
入れ歯をしっかりフィットさせて快適に使うために、参考にしてみてくださいね。
- 入れ歯を作ったが、なんだか馴染まなくて困っている。
- 入れ歯が最近ガタつくようになった。安定剤を変えた方がいい?
- 入れ歯の安定剤を購入しようとしたら、種類がたくさんあって驚いた。
- 入れ歯が口にぴったりフィットする安定剤の選び方を知りたい。
- 入れ歯の安定剤の種類別のメリット・デメリットを知りたい。
入れ歯の安定剤は歯ぐきに固定する方法で選ぶ

入れ歯の安定剤って、色々な種類があるけど、どうやって選べばいいんですかね?

入れ歯の安定剤は、歯茎に固定する方法の違いで種類が分かれています。口の中で唾液の水分を含んで粘着力を発揮するタイプと、クッション性のある素材で吸着させるタイプです。
ほう、そうなんですね。自分がどっちを選べばいいのか選び方はどうすれば解りますかね?

どれくらい、入れ歯とのゆるみや隙間があるかを把握して選ぶといいですね。入れ歯を作って間もない頃は粘着タイプ、入れ歯が古くなってガタつきが大きくなるとクッションタイプですね。
入れ歯の安定剤は、歯茎への固定方法によってタイプが別れます。
唾液などの水分を含んで粘着力を発揮するタイプ(クリームタイプ、パウダータイプ、シートタイプ)と、クッション性のある素材で入れ歯を安定させるタイプ(クッションタイプ)があります。
入れ歯の安定剤の種類、メリット・デメリット
ほう、そうすると、入れ歯が古くなって合わなくなってきたら入れ歯の安定剤を変えてみるのもひとつの手段というわけですか?

そうですね。それで噛みやすくなるケースもあります。
ほーう、では、粘着タイプにも3種類あるようですし、それぞれの特徴を知りたいですね。

では、入れ歯の安定剤の種類別メリット・デメリットについて説明しましょう。ご自身の入れ歯に合った安定剤を選ぶ参考にしてくださいね。
唾液などの水分を含んで粘着力を発揮するタイプ(クリームタイプ、パウダータイプ、シートタイプ)と、クッション性のある素材で入れ歯を安定させるタイプ(クッションタイプ)の4種類について、どんな入れ歯に適しているのかという基本情報と、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
クリームタイプ
- 総入れ歯(プラスチック床)
- 総入れ歯(金属床)
- 部分入れ歯
クリームタイプは、唾液などの水分を含んで粘着力を発揮する安定剤です。
部分入れ歯にも、総入れ歯にも使えます。
入れ歯をよく拭き取り、水分を取り除いてから安定剤を付けるようにします。
入れ歯を口に入れる前に、口内を水でゆすぐと密着力が高まります。
クリームタイプのメリット
チューブから直接入れ歯につけられるので、便利です。少量を伸ばして使うため、1本のチューブでも長持ちします。
クリームタイプのデメリット
入れ歯の接着部からはみ出した安定剤が口内につくと、取り除くのに時間がかかる時があります。やわらかい毛先の歯ブラシなどで、優しく取り除きましょう。
クリームタイプの入れ歯安定剤「新ポリグリップ」
極細ノズルなので、つけたいところに薄く広がり、部分入れ歯もぴったり固定できるのが特徴です。無香料なので食事の味がほとんど変わらず楽しめます。
クリームタイプの入れ歯安定剤「タフグリップ」
歯と歯茎を接着させ、入れ歯のゆるみを改善する入れ歯安定剤です。
口内で唾液を吸収するほど、粘着力を増していきます。無香料なので、食べ物の風味を損ないません。
パウダータイプ
- 総入れ歯(プラスチック床)
- 総入れ歯(金属床)
パウダータイプは、唾液などの水分を含んで粘着力を発揮する安定剤です。
総入れ歯のみに使える安定剤ですが、まだ歯茎とのすき間が小さめの方や、入れ歯は新しいが少し違和感が出てきたという方に向いています。
入れ歯をキレイに洗い、パウダーを均一に振りかけます。多過ぎる粉は振り落としてから口の装着し、数秒間おさえて安定させます。
パウダータイプのメリット
パウダータイプの入れ歯安定剤は、パウダーなので薄づきにしやすく、口内でも違和感が少ないのが特徴です。
口をゆすぐだけで安定剤を除去できるので、簡単に使えます。
パウダータイプのデメリット
入れ歯に違和感が出始めたばかりの頃など、初期の入れ歯が合わない症状に適していますので、入れ歯のずれが大きい症状には向いていません。
パウダータイプの入れ歯安定剤「新ファストン」
天然原料カラヤガムが主成分の、パウダータイプの入れ歯安定剤です。
唾液などの水分を含むと、粘着力を発揮し、入れ歯を固定させます。
入れ歯を外した後の違和感が少なく、口をゆすぐだけでスッキリするので便利です。
テープタイプ
- 総入れ歯(プラスチック床)
- 総入れ歯(金属床)
テープタイプは、唾液などの水分を含んで粘着力を発揮する安定剤です。 上顎用、下顎用があります。
テープタイプのメリット
テープなので、1~2回分を小分けにして持ち歩きしやすいのが特徴です。
テープタイプのデメリット
テープが水分を含んで歯茎全体に広がるのですが、うまく広がらず密着力に影響がでることがあります。
テープタイプ入れ歯安定剤「シーボンド」
シートを約1秒ほどサッと水に浸し、入れ歯にはめこんで使用します。口内の唾液で歯茎に密着し、入れ歯を1日中しっかりとフィットさせます。金属床の入れ歯も固定できます。
クッションタイプ
- 総入れ歯(プラスチック床)
- 部分入れ歯
クッションタイプは、ガムのような弾力のある素材で入れ歯を安定させます。
入れ歯と歯茎の隙間を埋めてしっかりフィットさせます。密着力が強いので、入れ歯を作ってから3~5年ほど経って、隙間が広がってきた、ガタつきが気になりだした、というタイミングで使用するとよいでしょう。
クッションタイプのメリット
クッションタイプというだけあって、入れ歯が歯茎に当たる痛みを緩和する働きがあります。
このタイプは、クリープタイプやシートタイプとは異なり、熱い飲食物を口に入れても溶け出すことがないので食べ物の味が変わりません。
クッションタイプのデメリット
強い吸着力があるのですが、そのぶん、装着の際に歯茎に当たる入れ歯の床の部分に指で塗り広げたり、はみ出たところを取り除いたりしなければなりません。
扱いに慣れるまで、少し時間がかかる人もいます。
クッションタイプの入れ歯安定剤「ポリデント」
歯科先進国、北欧フィンランド製の入れ歯安定剤です。
小豆の大きさほどのわずかな量の薬剤で、入れ歯と歯茎をしっかりと安定させ、隣の残存歯にかかる負担を軽減します。
入れ歯をフィットさせるだけでなく、今ある天然歯を長持ちさせることにも注力した入れ歯安定剤です。
入れ歯に合った安定剤を選べばぴったりフィット!

入れ歯を作ったばかりの頃は、どれを選べばいいですかね?

作りたてでお口に馴染みにくい入れ歯にはパウダータイプ、1年くらいたってゆるんできた入れ歯にはクリームタイプがおすすめですね。テープタイプは携帯にも便利ですよ。
ほう、最初はパウダータイプから始めるとフィットしやすいと。それを知っていれば、ドラッグストアや薬局で迷わず入れ歯の安定剤を選べそうですね。

入れ歯を作ってから時間が経ったら調整が必要です。定期的に歯科で検診・調整してくださいね。その方が、長く使えますよ。
ほーう、入れ歯も我々の歯と同じで定期検診が役立つんですね。
- 入れ歯の安定剤の選び方は、歯茎に固定させる方法を確認する。
- 入れ歯の安定剤の選び方は、ズレの大きさよって決めるとよい。
- 入れ歯を作ったばかりの違和感は、パウダータイプがおすすめ。
- 入れ歯を作って1~2年経った頃のズレはクリームかテープタイプ。
- 古くてガタつくならクッションタイプ。合わなくなったら歯科で調整を。