口呼吸が及ぼす悪影響とは?歯並び、口臭、成長、病気、成績にも!?

口で呼吸をする人が増加しています。誰でも一度くらい「口呼吸はやめたほうがいい」と聞いたことがあるのではないでしょうか。じつは、口呼吸にはたくさんのデメリットがあります。身体機能だけでなく容姿にも関係してくるので、特に成長過程の人は要注意です。ここでは、口呼吸による弊害と改善方法についてご紹介しています。口呼吸をしている人はぜひ参考にしてみてください。
- 口呼吸の癖はなぜ治したほうがいいの?
- 口呼吸のデメリットを知りたい
- 口呼吸を治す方法ってあるの?
口呼吸にはデメリットしかない!
口呼吸による弊害は多岐にわたります。人間は進化の過程で口でも呼吸ができるようになりましたが、本来、哺乳類は鼻でしか呼吸をしません。鼻は口とは器官が異なるので、口で呼吸をすると体にとって想定外の事態が起きてしまうのです。
歯並びが悪くなる

長年口呼吸を続けていると、口周りの筋肉が衰えて歯並びが悪くなる可能性があります。正常な舌の位置は上顎についている状態ですが、口呼吸をしていると舌が下顎に落ちてしまうので舌の重みで下顎が下がり、ますます口呼吸になりやすくなります。
舌が落ちていると、前歯が押し出されて出っ歯になる、頬や顎の筋肉が落ちて頬や顎がたるむなど、見た目にも影響が出ます。特に子どもは顎や歯の発達にも影響するので、早いうちに治したほうが良いでしょう。
口呼吸は歯並びだけじゃなくて美容にも関係があるんですね!

そうなんです。口呼吸のせいで歯並びの悪さやたるみができるなんて、残念ですよね。
虫歯や歯周病の原因になる

口呼吸をすると口が乾きますね。唾液には抗菌作用があり、虫歯や歯周病の原因菌が活発になるのを抑制しています。しかし、口呼吸で唾液の量が減ってしまうと、虫歯や歯周病になりやすくなってしまうのです。

唾液には重要な働きがあるんです。
唾液が少ないと虫歯になるって、ちょっと前にメディアなんかでよく言われてましたよね。
口臭の原因になる

口呼吸で口内の唾液量が減ると、細菌が増殖してしまいます。特に虫歯や歯周病の原因菌には悪臭があり、口臭の原因になります。
唾液って口臭も抑えてくれてたんですね!

そのとおり。ドライマウスの人は、口臭で悩んでいる人が多いですよ。
風邪や病気にかかりやすくなる

口呼吸を常にしている人は、風邪や病気にかかりやすくなります。
鼻呼吸の場合には、外からの空気を粘膜を通すことで適度に湿らせ、温度を高めます。また、鼻毛がフィルターの役割をして器官や肺を保護してくれています。しかし、口呼吸では冷たく乾いた空気や異物が体内に入ってきてしまうのです。

それこそ新型コロナウイルスなどの予防には、鼻呼吸にすることが重要です。
手洗い、うがい、鼻呼吸ですね!
アレルギーになりやすい

口呼吸をしていると、空気中に浮遊しているアレルギー物質も器官の中にダイレクトに入ってきます。そのため花粉症や皮膚アレルギー、ハウスダストなどのアレルギー体質になりやすくなります。
口呼吸でアレルギーになるなんて、思いもよらなかったなぁ!

そうですね。口呼吸だとほこりや動物の毛なども気道までストレートに入っちゃいますからね。
姿勢が悪くなる

口呼吸をして頬や顎の筋肉が衰えた状態で目線を前に向けるために、顎が前に突き出して後頭部が下がり、猫背になりやすくなります。口を開けたまま前をむこうとすると、気道が閉まって首に不要な力がかかってしまうためです。
あ!本当だ!そのままだと首が苦しい…猫背にすると首が楽ですね。

そうなんです。口を閉じていれば、首も苦しくありません。
睡眠不足や不安症になる

口呼吸をしていると睡眠時にも舌が後方に落ちてしまい、気道を圧迫します。そのため睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群になるリスクが高まります。
口呼吸って睡眠不足の原因にもなってたんですね!

意外と盲点なんですよね。不眠気味の人も舌の位置をチェックしてみてくださいね。
漠然とした不安やうつを引き起こす

口呼吸で睡眠の質が下がると、自律神経失調症や常に漠然とした不安が起こりやすくなるほか、うつの原因になるともいわれています。
口呼吸が精神面にも悪影響があるなんて、驚きです!

そうですね。睡眠はとても大事で、良質な睡眠を取るためには鼻呼吸が必要なんです。
集中力が落ちる

鼻呼吸で取り組む酸素量に比べて、口呼吸で取り込む酸素量は低いです。そのため脳や血管が酸素不足になります。酸素不足になると眠くもないのに頻繁にあくびが出たり、頭がボワンとして集中力も落ちてしまいます。

集中力が落ちるということは、作業効率が落ちるということです。勉強や仕事にも集支障をきたしてしまいます。
それは、全国のお父さんお母さんにとっても切実な問題ですね〜。
ADHDになる可能性も

近年の研究では、ADHD(注意欠如・多動症)の患者さんの多くに口呼吸が見られるということが分かってきています。

ADHDは脳にばかり注目されてきましたが、口呼吸も影響があることが分かってきたんです。
やっぱり、睡眠障害とかと関係があるんでしょうか?
口呼吸を治す方法
口呼吸を治すには、まずは何が原因になっているかを明確にする必要があります。
鼻詰まりを治す

アレルギーなどで慢性的な鼻炎になっている場合は、鼻詰まりを治すことが口呼吸を治すことにつながります。ハウスダストや花粉症、食物アレルギーなどがあるかどうか、耳鼻科で調べてみましょう。

寝ているときにいびきをかく人や、いつも鼻声の人は、鼻に炎症が起こって気道が狭くなっている可能性があります。
鼻炎が治れば鼻で呼吸ができますね!
睡眠時はテープで改善

もしも口呼吸が癖になってしまっているなら、睡眠時にサージカルテープなどを口に貼って寝るのも効果的です。
サージカルテープってどのテープですか?

包帯を留めるときに使う紙テープなどのことです。睡眠時用の口テープも売っていますよ。
口周りの筋肉を鍛える

唇、舌、頬などの口周りの筋肉を鍛えることで舌が本来の正しい位置に戻り、口呼吸を改善することができます。口や舌の体操などがおすすめです。

小さいお子さんの場合、舌の位置が治ると歯並びが悪くなるのも防げます。
口呼吸が治って歯並びも予防できるなんて、一石二鳥ですね!
歯並びを治す

歯並びが凸凹していたり、出っ歯や受け口になったりしている場合は、歯並びを矯正することで顎や舌の位置が戻り、口呼吸を改善することができます。

歯並びが悪い原因が顎骨にある場合には、保険適用で治療することもできるので、歯医者さんに相談してみてください。
そうなんですか〜。保険が使えるといいですよね!
口呼吸をやめて健康になろう!
口呼吸はただ単に口で息を吸うということでなく、身体機能や精神面など様々なところに悪影響を及ぼします。百害あって一利なしの口呼吸は悪癖といっても良いでしょう。ご紹介した方法で口呼吸を治し、心身の健康を取り戻しましょう。
- 口呼吸は歯並びが悪くなる
- 口呼吸は虫歯や歯周病、口臭の原因になる
- 口呼吸は風邪や病気にかかりやすくなる
- 口呼吸はアレルギーになりやすい
- 口呼吸は姿勢が悪くなる
- 口呼吸は睡眠障害が起こる
- 口呼吸はうつや不安を引き起こす
- 口呼吸は集中力や仕事のパフォーマンスを低下させる
- 口呼吸を治すには、まずは耳鼻科を受診する
- 自宅でやるなら口テープや口周りのトレーニングがおすすめ
- 歯科で歯並びを矯正すると口呼吸が改善することがある