親知らず抜歯後に起こる痛み・腫れ・しびれなどへの対処法

親知らずは根っこがしっかりしていることが多く、抜いた後に様々なトラブルが起こることがあります。抜歯直後の麻酔が切れた後の少々の痛みや腫れは誰にでもありますが、それがいつまでも続く場合や別の症状がある場合は、この記事を参考にして適切な対処をしましょう。
- 親知らずの抜歯後の痛みがとれない
- 親知らずの抜歯後の腫れがひかない
- 親知らずの抜歯後にしびれがある
- 親知らずを抜いた後1週間経っても痛みが消えない
- 親知らずを抜歯した後、白いものが見える!
親知らずの抜歯後に起こることがあるトラブル

親知らずの抜歯後に起こるトラブルとして考えられるのは、以下のようなものがあります。
- 痛みや腫れ
- ドライソケット
- 下唇のしびれ
- 口が開かない
- 喉が痛い
ひとつずつ詳しく説明していきます。
痛みや腫れが残る

抜歯後には生体反応として、痛みや腫れが起こります。抜歯後に一番痛むのは抜歯をした翌日です。腫れは抜歯から2日後くらいにやってくることがあります。痛みや腫れには個人差がありますが、通常は3〜4日、遅くとも1週間もすれば自然に引いていきます。
痛みや腫れが残る時の対処法
痛みがひどい場合には、鎮痛剤を飲んで様子をみましょう。腫れている時は冷やすのが効果的なので、頬の外側から布に包んだ保冷剤などを当てておきます。
痛みや腫れが起こるのは当たり前ってことですか?

そうですね。抜歯をすると大きな穴があいて傷ができる状態になります。多かれ少なかれ痛みや腫れが起こって当然なんです。
なるほど、血が出るし、傷ができたって思えばいいんですね。
出血が止まらない

親知らずの抜歯後は、出血があります。通常は30分〜1時間程度ガーゼを噛んでいれば収まってきますが、何度かガーゼを取り替える必要がある人もいます。だんだん収まってきて、多少血の味が残るくらいなら問題ありません。
出血が止まらない時の対処法
何度かガーゼで圧迫しても出血が止まらない場合や、口の中が出血でいっぱいになってしまうような場合には、歯科医院に連絡してください。なお、出血は自然治癒力によって治るので、抜歯をした2、3日は強くうがいをするなどを避け、指や歯ブラシなどで触らないようにしてください。

抜歯後翌日の消毒や1週間後の抜糸の時に相談すると安心ですよ。
そうか、抜歯後も何度か通院するんですね。
ドライソケットになる

ドライソケットとは、抜歯後の穴がうまく塞がらず、骨に細菌感染が起こることです。抜歯後は血が固まってかさぶたのようになり、自然治癒が進みます。しかし、強いうがいや何度も舌や指で触る、喫煙などを繰り返すと、ドライソケットになる可能性があります。
ドライソケットの症状は、2週間以上に渡る激しい痛みがあり、耳のほうまでその痛みが広がってしまうこともあります。痛みは耐え難いほどのもので、生活に支障をきたすことがあり、口臭が強くなる人もいます。
ドライソケットの対処法
出血が止まらない場合や激しい痛みが続く場合は、できるだけ早く歯科医院を受診する必要があります。予防策としては以下のようなことが挙げられます。
- 頻繁にうがいをしない
- ストローを使わない
- 喫煙は控える
- 抜歯した穴に食べカスが入っても無理にとらない
こういうことをすれば、ドライソケットを防げるんですね。でも、どうしてタバコはダメなんですか?

タバコの成分は傷口の治りを遅らせてしまうんです。ですから、抜歯後は傷口が落ち着くまでは禁煙するのが望ましいです。
下唇にしびれが残る

親知らずの抜歯後は、一時的に唇、顎、舌に軽いしびれ(知覚麻痺)が起こることがあります。しびれはだんだん弱まってきますが、24時間以上続く場合は担当医に連絡しましょう。
下唇にしびれが残る時の対処法
しびれが長引く場合には、神経を深く傷つけてしまった可能性があります。しかし、歯科医院でビタミン剤を投与するなどの対策を行えば、たいていは症状が収まります。

まれに、しびれが数カ月続く人もいます。
え!そんなに?それって大丈夫なんですか?

担当医が様子を見ながら治療をします。ただ、不安な場合には、セカンドオピニオンを利用するのもおすすめです。
口が開きづらい場合

まれに、の筋肉が硬直して口が開きづらくなることがあります。これは、外科手術をした際に起こる反応のひとつで、10日ほどすれば自然になおります。
口が開きづらい時の対処法
抜歯した反対側の奥歯でガムを噛むと、筋肉が柔らかくなって症状が軽くなることがあります。また、イブプロフェンが含まれる鎮痛剤を飲むのも効果的です。
鎮痛剤って痛くないのに飲んでもいいんですか?

担当医に相談すれば、処方してくれると思いますよ。
喉に痛みがある場合

親知らずは口の中でも一番喉に近い部分なので、喉に痛みが起こった場合は、炎症や腫れを起こしている可能性があります。2〜3日もすれば自然に収まりますが、続くようであれば担当医に連絡しましょう。
喉に痛みがある時の対処法
飲み込む時に喉に痛みがあるような場合、しばらくは様子を見てみましょう。炭酸や辛いものなどの刺激のある飲食物は、抜歯した場所にもよくないので避けるようにします。
普通にしていれば治るってことですね。

そうですね。ただ、気になるようなら担当の歯医者さんに相談してみてくださいね。
抜歯後に注意すること

親知らずの抜歯後に注意することを、以下にまとめました。
- 抜歯直後は1時間ほどガーゼで圧迫する
- 出血がひどい時はガーゼを交換する
- 痛みや腫れが激しい場合はアイスパックなどで外から冷やす
- 痛みや腫れが激しい場合は痛み止めを飲む
- 水分をたっぷり摂る(ストローは使わない)
- 湯船に浸かる入浴、喫煙、うがい、運動をしない
- 食事はできるだけ柔らかいものを

抜糸した後は、他の外科手術後と同じように考えるといいですよ。
特に気をつけることはありますか?

やはり喫煙です。治りを遅らせてしまうので、歯や骨によくありません。
親知らずの抜歯後は担当医の指示を守ってトラブルを回避しよう
親知らずの抜歯後の出血や痛みや腫れは、だんだんに引いていくものです。気になるようであれば、ご紹介した症状の項目にある対策を試してみてください。しかし、対策をしても改善しない場合や症状がひどくなっていくようであれば、自分でなんとかせずに歯科医院に相談してくださいね。
- 痛みや腫れは鎮痛剤や保冷剤で対応する
- 出血が止まらない・口の中がいっぱいになるような時は医師に連絡
- ドライソケットはビタミン剤などの投薬が必要
- ドライソケットはうがい・喫煙などを控えることで予防できる
- 下唇のしびれが残る場合は医師に相談
- 筋肉が硬直して口が開きづらくても徐々に治っていく
- 喉の痛みは2〜3日たてば軽減していく
- 上記の症状がひどくなる、あまりに長引く場合には医師に相談する