歯茎はなぜ下がる?加齢だけじゃない歯茎下がりの7つの原因と治療法

「最近なんだか歯が長くなったような気がする」
「写真に写った笑った自分の口元に違和感があってびっくりした」
そんな経験はありませんか?それは歯茎が下がって歯の根の露出が起こっているからです。歯茎下がりの原因は加齢と思っている人も多いと思いますが、実はそれだけではありません。ここでは、歯茎下がりの様々な原因についてご紹介します。軽症の場合には改善できますので、ぜひチェックしてみてください。
- まだそんな年じゃないはずなのに歯茎が下がってきた
- 歯茎下がりの原因は?
- 歯茎下がりを阻止する方法ってないの?
- 歯茎は下がったら元に戻らない?
歯茎が下がる7つの原因とは
年を重ねると、誰でも自然に歯茎が下がってきます。しかし、それ以外にも歯茎下がりを早めてしまう原因があります。
1.歯周病

歯茎下がりの多くの原因は歯周病です。歯周病菌は歯茎に炎症を起こし、さらに奥に進んで歯を支えている骨を溶かしてしまうのです。骨が溶かされると骨を覆っている歯茎も痩せていきます(退縮)。
また、歯周病がより重症化すると、根尖病巣(こんせんびょうそう)が発生することがあります。根尖病巣とは、歯の根に到達した歯周病の毒素が膿となり、袋状にたまってしまうことです。根尖病巣は内側から炎症を起こして歯茎を痩せさせます。

歯の神経が死んでいる虫歯の治療跡でも起こることがあって、放っておくと副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症になることもあります。
えっ、治療跡でも?知らないうちに膿みがたまるなんて怖いなぁ。
2.口腔ケアが不十分

口腔ケアが不十分だと、プラークがたまって歯石となり、歯茎が下がってしまいます。歯石が長くついている状態が続くと、歯茎が炎症を起こして退縮してしまうのです。こういった状態の歯石を除去すると、歯石が取れた部分に隙間があいています。
歯石が歯茎に取って替わってたってことですか?

イメージ的にはそんな感じです。歯茎は一度下がるとなかなか戻りにくいですけど、マッサージである程度改善することができます。
3.強すぎるブラッシング

歯ブラシを歯に強く押し当ててゴシゴシ磨いていると、歯茎が傷ついて退縮してしまいます(擦過傷:さっかしょう)。歯みがきは毎日するものなので、間違った方法でしている人は今日からでも正しいブラッシングを覚えましょう。
正しいブラッシング法を教えて下さい!

それじゃ、この記事でしっかりマスターしてくださいね。
4.乱れた咬み合わせ

歯の咬み合わせが乱れていると、一部分だけ強く咬み合わさって歯茎がダメージを受け続けていることがあります。過度の力が継続してかかると歯茎が痩せる原因となり、歯の根元が見えてきてしまうのです。
咬み合わせが乱れてるって、歯並びがよくないってことですか?

そうですね。でも、一見歯並びがいいように見えても、咬み合わせが乱れていることもあるので、心配な人は一度歯医者さんでチェックしてもらいましょう。
5.食いしばり・歯ぎしり

食いしばりや歯ぎしりのクセがある人も、過度の力がかかっている可能性が高いです。歯にかかった強い圧力は、歯茎にもダメージがかかります。夜間だけ食いしばりや歯ぎしりのクセが出る人もいるので、家族などに聞いてみると良いでしょう。

歯ぎしりや食いしばりが強いと、噛む部分がすり減って知覚過敏になることもありますよ。
歯茎が下がった上に知覚過敏!それは避けたいっすね〜。
6.喫煙によるもの

タバコを吸っていると、歯茎下がりの原因となる歯周病になりやすくなります。タバコのヤニは歯に着色汚れを起こしてプラークをつきやすくし、歯茎の血行を悪くするため歯周病を引き寄せやすいのです。
そういえば親戚のおじさん、昔ヘビースモーカーだったけど、歯茎の色が悪いし歯茎下がりもすごいなあ。

歯茎下がりはなかなか戻りにくいんですよね。
地道なマッサージが必要なんですね。
7.ホルモンの変化

女性は思春期や妊娠時、更年期などのタイミングで、ホルモンバランスが急激に変化します。ホルモンバランスの急激な変化があると、歯茎が腫れたり退縮したりすることがあります。
ホルモンバランスが変化するとどうして歯茎が下がるんですか?

エストロゲンという女性ホルモンが増えると、歯周病の原因菌が一気に増えるんですよ。
それで炎症が起こって歯茎が下がるってことか〜!
歯茎下がりの前兆「フェストゥーン」
フェストゥーンとは、歯茎の縁にロール状に厚みができる状態です。強いブラッシングを続けて擦られた部分の歯肉の縁が盛り上がってしまいます。フェストゥーンがひどくなると、歯の根が露出してしまうので、歯茎下がりの前兆といえるでしょう。

フェストゥーンは、歯茎がちょうど浮き輪をつけたような状態です。
それで、浮き輪の下から象牙質が見えちゃうってことですか!

ひどくなるとそうですね。クレフトっていうんですが、V字型に象牙質が露出した状態です。プラークが溜まりやすいので悪循環です。
それはまずいですね!正しい歯磨き、ちゃんとやらなきゃ!
歯茎下がりの予防法と治療法
歯茎が下がるのを、ただ手をこまねいて待つのはイヤですね。ここからは歯茎が下がりを防ぐ方法と治療する方法をご紹介します。
日頃からの予防法

- 正しいブラッシングをする
- デンタルフロスや糸ようじを使う
- 禁煙を心がける
- 栄養バランスの取れた食事
まずは、なんといっても正しいブラッシングです。力を入れすぎず、軽く歯に当てて小刻みに揺するように磨きましょう。軽度の歯茎下がりなら、ブラッシングによるマッサージでもとに戻すことが可能です。また、ブラッシングだけではどうしても不十分になるので、歯と歯の隙間・歯と歯茎の境目は、デンタルフロスや歯間ブラシを使ってしっかりとプラークを除去します。
タバコを吸っていると歯周病になりやすくなるので、できれば禁煙しましょう。自分が吸っていなくても、家族に喫煙者がいる場合も要注意です。受動喫煙でも歯茎が変色するなどの影響を受けますし、衣服やソファなどについた残留物も同様です。
そして、歯茎の健康を保つには、バランスの取れた食事が重要です。歯茎には細い血管が無数に通っていますが、そこから栄養が運ばれて歯茎や歯を守っています。
歯茎の血管なんて、あんまり考えたことなかったなぁ。

そうですよね。例えばタバコを吸うと、歯茎の血管が収縮して血行が悪くなるんですよ。
それで歯茎の色が悪くなったりやせたりするんですね!そういうしくみかぁ。
歯肉移植で治療する

ブラッシングで改善できないほど下がってしまった歯茎は、歯肉移植などで治療することができます。上あごなどから粘膜を採取し、歯茎に移植する方法です。

歯周病で骨が溶かされている場合には、骨を再生する治療で対応します。
インプラントの時にやった増骨ってやつですね!
正しいブラッシングと生活習慣で歯茎下がりを防ごう
歯茎は硬い歯ブラシのブラッシングでも知らないうちに下がってしまいます。歯ブラシは普通〜やらかめがおすすめです。プラークが長時間ついたままや喫煙によっても歯茎は炎症を起こし、歯茎が下がる原因になります。日頃から正しいブラッシングで歯茎をマッサージし、生活習慣を見直して歯茎の健康を保ち、いつまでも若々しい笑顔で過ごしましょう。
- 歯茎下がりの原因は歯周病が多い
- プラークが残っていても歯周病になる
- 強すぎるブラッシングは歯茎を退縮させる
- 咬み合わせの悪さや歯ぎしり・食いしばりで過剰な力がかかっても退縮する
- タバコは血流を悪くし歯周病になりやすい
- ホルモンバランスの急激な変化は歯茎が影響を受けやすい
- 軽度な歯茎下がりなら正しいブラッシングで改善できる
- 重度の歯茎下がりは歯肉移植で治療できる
