歯医者さんの「8020運動」って何?高齢になっても歯を残すメリット

歯医者さんの「8020運動」って何?高齢になっても歯を残すメリット
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歯は高齢になるほど減ってしまうもの、総入れ歯にならなければめっけもの…多くの人は歯に対して、そのようなイメージを持っているのではないでしょうか。しかし、8020運動が始まってからは、その概念が覆されつつあります。ここでは、8020運動について詳しくご紹介していきます。高齢になっても自分の歯で生活できるようになるためのヒントも挙げていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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    • 8020運動ってよく聞くけどなんのこと?
    • 8020運動の目的やメリットは?
    • 8020運動はいつから始まったの?
INDEX
  1. 8020運動とは?
  2. 歯を残すことのメリットとは
  3. 8020運動の成果
  4. 高齢になるとなぜ歯を失ってしまうの?
  5. 8020達成のためにできること
  6. セルフケア
    1. 自分に最適な歯ブラシや道具を使う
    2. 正しい歯磨き法をマスターする
    3. 効果のある歯磨き粉を使う
    4. 最適なタイミングで歯磨きする
    5. タバコや生活習慣を見直す
  7. 歯医者さんで受けるプロケア
    1. PMTC
    2. 定期検診
  8. 80歳まで20本の歯を残し健康を保とう

8020運動とは?

8020運動とは、平成元年(1989年)に厚生労働省と日本歯科医師会が合同で提唱した「80歳になっても自分の歯を20本以上保とう」という運動です。自治体や歯科医院を中心に進められました。ちなみに、80という数字は、平成元年当時の平均寿命です(男性75.8歳、女性81.8歳)。

柿木先生

20本以上の歯が残っていれば、ほとんどの食べ物を噛み砕くことができるとされています。

さるくん

永久歯は28本だから、義歯を上下4本ずつに留めるってことですね!

柿木先生

そのとおり。20本あれば、何でも美味しく食べられます。

歯を残すことのメリットとは

自分の歯を20本以上残し、ほとんどのものを噛んで食べられることのメリットは、栄養摂取や食べる楽しみだけではありません。噛むと唾液が出ることや、顎を動かすと脳にも刺激が送られ、以下のような様々な効果があります。

噛むことのメリット
    • 消化を助ける(唾液の効果)
    • 食べ物を飲み込みやすくなる(唾液の効果)
    • 虫歯や歯周病の予防になる(唾液の効果)
    • 免疫力を高める(唾液の効果)
    • 認知症予防になる(脳の活性化)
    • うつの予防になる(自律神経のバランスが整う)
    • ダイエット効果(脳への刺激)
    • 小顔効果(顔の筋肉を動かす)
さるくん

歯を使うって、こんなにいっぱい効果があるんですね〜!

柿木先生

そうなんです。想像以上でしょう?

8020運動の成果

8020運動がスタートした平成元年では、達成している人が10人に1人にも満たない状態でした。しかし、それからどんどん成果を上げ、4年に一度の調査で最新の平成28年では、75〜84歳の51%が達成していることが分かっています。

柿木先生

医療先進国のスウェーデンの2013年の数字では、80代の残歯の平均は男性19.2本、女性18.8本で、日本もやっと追いついてきたような状態です。

さるくん

さすが歯科大国ですね。まだまだ見習うことがありそうですね!

柿木先生

そうですね。スウェーデンは予防が義務化されていて、日本でも予防歯科が浸透してきています。

高齢になるとなぜ歯を失ってしまうの?

高齢になると歯がなくなっていってしまう多くの原因は、歯周病です。歯周病は歯茎に炎症を起こして歯や骨を溶かし、歯茎下がりを起こして歯をぐらつかせます。

もう一つの原因は、日本の歯科治療にあるかもしれません。虫歯になると患部を大きく削って詰め物をしますが、詰め物の劣化によって虫歯が再発・進行すると、今度は根管治療を行います。神経を抜くと歯が弱くなるので結局は歯がなくなり、ブリッジや部分入れ歯になります。しかし、ブリッジや部分入れ歯は他の健康な歯を支えにするため、ダメージを受けて次々に歯が悪くなっていくという現状があるのです。

柿木先生

もちろん、詰め物が長くもつ場合もあります。

さるくん

それって歯の質とか生活習慣が関係ありますか?

柿木先生

さすがサルくん、そのとおりです。なので、同じ治療をしても個人によっても変わってきてしまいます。

8020達成のためにできること

80歳を過ぎても20本の歯を残すためには、予防が一番です。虫歯や歯周病にならないようにするためには、毎日のセルフケアと歯科医院でのプロケアが必要です。

セルフケア

自分で行うセルフケアには、以下のようなことがおすすめです。

自分に最適な歯ブラシや道具を使う

歯ブラシには、柔らかさやヘッドの形状、毛先の形状など様々なものがあります。例えば歯茎が弱っていて歯周病が気になる人は、歯茎を痛めない極細毛で奥歯までしっかりと磨ける小さなヘッドの歯ブラシというふうに、口の状態に合わせて歯ブラシを選ぶことが重要です。

柿木先生

それと、忘れてはいけないのが歯間ケアです。

さるくん

デンタルフロスとか歯間ブラシも使ったほうがいいんですよね!

柿木先生

そのとおり。歯ブラシだけでは半分以下しかきれいになりません。

正しい歯磨き法をマスターする

正しい歯磨きの方法を行うことも大切です。

正しい歯磨きのコツ
    • 歯ブラシは軽くもつ(ペン持ち)
    • 歯の表面は、歯に垂直に当てる
    • 歯と歯茎の境目は45度に当てる
    • 小刻みに震わすように磨く
    • 歯磨き粉をつけすぎない
柿木先生

歯ブラシには雑菌がつくので、1ヶ月を目処に交換しましょう。

さるくん

はーい!

効果のある歯磨き粉を使う

歯磨き粉にもたくさんの種類がありますが、高濃度フッ素IPMP、CMCなどの殺菌・抗菌作用知覚過敏用など、自分に合った歯磨き粉を選びましょう。

柿木先生

泡がたくさん出ると磨いた気になってしまうので、研磨剤フリーのジェル歯磨きはおすすめです。

さるくん

なるほど。泡で磨き残しを見逃しちゃうんですね。

最適なタイミングで歯磨きする

歯磨きのタイミングは毎食後という人が多いと思いますが、細菌がもっとも増えるのは就寝中です。寝る前の歯磨きは特に丁寧に行いましょう。

さるくん

ぼく、夜お風呂に入った時に一緒にやってます!

柿木先生

入浴時の歯磨きは、血行がよくなっているからとてもいいんですよ。

タバコや生活習慣を見直す

タバコは歯茎の血行を悪くし、歯周病にかかりやすくなります。また、ダラダラ食べや栄養が偏るなども、歯の健康にはよくありません。生活習慣を見直して、健康を維持しましょう。

さるくん

へ〜、生活習慣も関係があるんですか!

柿木先生

免疫力とか栄養とか、歯にもいろいろなことが関わっているんですよ。

歯医者さんで受けるプロケア

セルフケアも大切ですが、定期的に歯医者さんでプロのケアを受けると、しっかりとした歯の管理ができます。

PMTC

PMTCとは、専用の機械を使って歯垢や歯石を取り除き、歯間の清掃やフッ素塗布などセルフケアではできないプロのケアを行うことです。

さるくん

専用の機械ってどんなものですか?

柿木先生

手用の道具や高回転の電動歯ブラシです。歯科でしか扱えない薬剤なども使用します。

定期検診

季節ごとや半年に一度のペースで、定期検診を受けるのもおすすめです。定期検診では、虫歯や歯周病を早期発見でき、早期治療につながります。

柿木先生

予防歯科の概念が広まってから、定期検診をする人が増えました。

さるくん

自分で毎日ケアして、定期的に歯医者さんにチェックしてもらえばバッチリですね!

80歳まで20本の歯を残し健康を保とう

8020運動が始まってから約30年、平均寿命も80歳を超えましたが、8020はもはや、高齢になってもほとんどの歯を残すことの代名詞になっています。歯を使って噛むことは、心身の健康を維持する上で本当に重要なことです。セルフケアとプロケアを行いながら、いつまでも健康に過ごしたいものです。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 8020運動とは厚生労働省と日本歯科医師会が提唱する運動
    • 80歳まで20本の自分の歯を保つという意味
    • 噛むことは唾液や脳の働きを促し、全身の健康維持につながる
    • 自分に合った歯ブラシや道具を使い、正しい磨き方で行うことが大切
    • タバコや生活習慣も歯の健康に大きく影響する
    • 歯科の定期検診で予防歯科を実践する