歯が痛いのは精神的ストレス!?”ストレス歯痛”の原因と対策

虫歯でもないのに歯が痛くなることはありませんか?実は、歯痛はストレスが大きく関係しているのです。「心と歯って関係があるの?」と不思議に思うかもしれませんね。ここでは、ストレスと歯痛の関係について、詳しくご紹介していきます。対策方法もしっかりとお伝えしますので、ぜひチェックしてみてください。
- 虫歯がないのに時々歯が痛くなることがある
- けっこうな激痛があるのに虫歯ではないと診断された
- 鎮痛剤を飲んでも歯痛が治らない
- とにかく歯の痛みを和らげたい!
精神的なストレスで歯が痛くなる理由

ストレスで歯が痛くなるときの主な症状は、以下のようなものです。もしも思い当たる症状があれば、虫歯ではなくストレスが原因の可能性が高いです。
- 急に歯が痛くなる
- 一度歯が痛くなると痛みが持続する
- あれほど痛かったのに急に痛みが消える
- 寝不足が続いた時に起こりやすい
- 歯が痛いときはたいてい頭痛もしている
- 歯が痛いときはたいてい眼精疲労もある
- 歯が痛いときは肩こりや首のこりがひどい
- 歯磨き時に出血がある
- 歯茎が腫れる
ストレスがたまり体調が優れないと、口内の免疫力が弱まって菌が繁殖しやすくなります。軽度の歯肉炎や歯周病がある場合も、日頃は落ち着いていてもストレスのせいで痛みが増すことがあります。

治療跡が痛むという場合も多いです。
治療跡でもですか!虫歯はもう治ってるのに?

治療跡は完全に元の状態に戻るわけではありません。人工物を入れているので虫歯は完治していても神経が関係して痛みを感じることもあります。
古傷が痛む感じかな…。
ストレスで歯が痛くなる理由
精神的なストレスで歯痛が起こるのには、以下の2つの原因が考えられます。
- 免疫力の低下
- 関連痛によるもの
免疫力の低下

風邪を引いたり疲れが溜まったりすると気持ちまで鬱々としてきますが、身体の中でも免疫力の低下ということが起こっています。また、なんらかの精神的ストレスを抱えている時にも、免疫力の低下は起こります。
なぜなら、ストレスは自律神経に関係があり、ストレス過多になると自律神経が乱れてしまうからです。自律神経には交感神経と副交感神経があり、両方が適度なバランスを保つことで心身の健康を維持しています。しかし、ストレスが多くなるとこのバランスが崩れ、免疫細胞にも影響してしまうのです。
免疫細胞は、体内のあらゆる血中に存在していて、歯や歯茎にも存在します。免疫力が下がると血中のカテコールアミンという神経伝達物質が過剰に分泌されて、頭痛や歯痛が起こることが分かっています。

カテコールアミンは副腎から分泌されるドーパミンやアドレナリン、ノルアドレナリンの総称です。
つまり、それらの分泌が異常になっちゃうってことですか?

そのとおり。他にも高血圧や過度な発汗が起こることもあるんです。
関連痛によるもの

関連痛とは、痛みがある場所とはまったく別のところで痛みが生じるという状態です。例えば首がこっている場合、頭痛も起きやすいという人は多いでしょう。身体は一見別々の場所のように思えますが、神経や筋肉、皮膚、骨でつながっています。歯痛が起こる関連痛の原因で多いのは、頭痛、肩こり、首こり、眼精疲労などです。
これはすごくよく分かります!

関連痛は誰でも一度くらいは経験がありますよね。それが歯の痛みとなって表れてしまうということです。
ストレス性の歯痛への対処法
ストレスで起こる歯痛は基本的には一時的なものですが、数日にわたって痛みが続く場合には、早めになんとかしたいですね。以下に、ストレス性の歯痛への対処法をまとめみました。
ストレスの原因を取り除く

一番良いのはストレスの原因を取り除くことです。ストレスは精神的なものと身体的なものがあります。精神的なストレスの原因を取り除くのは容易なことではないかもしれませんが、ストレスを解消することによって、自律神経やホルモンの分泌も正常になります。また、風邪などの身体的なストレスの場合は、早めに風邪を治す、肩こりや首のこりを改善するといったことで、歯痛もよくなっていきます。
鎮痛剤を飲むのはどうですか?

鎮痛剤がきいている間は痛みが収まるかもしれませんが、薬が切れるとまた再発します。できることなら根本原因をなんとかできるといいですね。
ストレスを解消する

ストレスを解消・発散することによって、自律神経の働きを正常に近づけることができます。例えば、仕事で難しい案件を抱えている場合や試験などが近くて緊張している場合は、好きなことに没頭する時間やリラックスする時間を作ることで、緊張状態から解放されますね。自律神経も交感神経が優位になっていた状態から副交感神経が優位になり、ギュッと縮こまっていた血管や筋肉が緩んで、頭痛や歯痛が改善されることがあります。
緊張してばかりいると、身体も心も疲れちゃいますね。

そうですね。一時的にでも心身の力を緩めてあげることで、歯の痛みも和らぐことがあるんですよ。
たっぷりと睡眠をとる

ストレスが溜まっている状態は、身体も疲弊しています。睡眠をたっぷりと取り、脳や身体を休ませることも重要です。十分な睡眠は風邪などの体調不良を治す近道ですし、肩こりや首コリの改善にも繋がります。
また、ストレスはセロトニンという物質が関係していますが、セロトニン不足になるとストレスから歯痛が発生しやすくなります。セロトニンの分泌を促すには、たっぷりと睡眠を取ること、日光をたくさん浴びること、軽い運動をすることなどが効果的です。

歩行などの軽くリズムをとる反復運動もいいと言われていますよ。
へぇー、そうなんですか!じゃあ散歩もいいんですね。

そうですね。気分転換を兼ねて散歩するのもいいですね。
歯痛に効くツボを押す
最後に、歯痛に効くツボをご紹介しましょう。
合谷(ごうこく)

合谷は様々な症状を緩和することで広く知られているツボです。合谷の場所は、人差し指と親指の間で、手を開いた状態で押すと痛みを感じます。ツボを押す時は、2〜3分ほど痛みがある場所を強めにもみ続けます。
合谷って頭痛とか肩こりに効くので有名ですよね。歯の痛みにも効くなんて知りませんでした!

万能ツボとも呼ばれています。どこででもできるので、覚えておくといいですよね。
承漿(しょうしょう)

承漿は歯痛や歯茎の腫れを和らげるツボです。場所は下唇と顎の間にあるくぼみの部分です。自然な状態で口を閉じ、承漿を人差し指や中指で強めに3〜5秒ほど押します。1回につき5セットほどするのがおすすめです。
こんなところにもツボが!

そうなんです。あまり知られていないかもしれませんが、顎まわりには歯や歯茎、首コリのツボが多くあるんですよ。
そうなんですか!今度詳しく調べてみよう!
歯ぎしりや歯茎の腫れがある場合は歯科医院へ
歯痛は虫歯でなくても、精神的なストレスが原因で起こります。今回ご紹介したような方法で改善できますが、歯ぎしりある場合は歯にダメージを及ぼしますし、歯茎の腫れは歯周病の疑いが考えられます。歯ぎしりや歯茎の腫れを伴う歯痛を繰り返すようなら、一度歯医者を受診しましょう。
- ストレスで歯痛が起こる原因は免疫力の低下が関係している
- 自律神経やホルモンの分泌異常によって起こる
- 関連痛でも歯痛が起こる
- 肩こりや頭痛、首のこりなどで起こることが多い
- 解消法としては、ストレスの原因をなくす、ストレスを解消する、睡眠をたっぷり取るなど
- 体調不良の場合には、まずは体調を整えることを考える
- 歯痛を改善するツボは合谷と承漿