歯がない乳児期からの口腔ケアを習慣づけると、歯磨き嫌いにならない?

「赤ちゃんって、歯磨きはどうするの?」「何歳から虫歯になるの?」「乳児期の口腔ケアって必要?」
まだ歯がない乳児期の口腔ケアは、大人とは明らかに違うケアが必要なはず。しかしながら、正しい方法を知る機会はなかなかありません。
初めての赤ちゃんを授かって、不安でいっぱいになっている方もいらっしゃることでしょう。
そこで今回は乳児期の口腔ケアは、どのように行うと良いのか、乳歯に詳しい歯科医にお話を聞いてみました。
- 虫歯予防のために、乳児期からの予防法を知りたい方。
- 乳児期の正しい口腔ケアについて知りたい方。
- 乳児期は何のために口腔ケアが必要なのか疑問な方。
- 歯磨きを嫌がらない子供にに育てる方法を知りたい方。
- 虫歯予防に効果的なおやつの与え方を知りたい方。
1歳半健診でおよそ5%に虫歯が見つかる!

1歳半健診は、お住まいの自治体の保健センターなどで行われている定期検診です。心身の発達や疾患などの状況をチェックします。
その中で虫歯の予防についての指導も行われていて、現在では、およそ100人中5人の子供に虫歯が見つかっているといいます。
1歳半くらいの小さな子供って、やっぱり虫歯になりやすいんでしょうか?

そうですね。甘い飲物などを口にするようになる子供も多い時期ですが、まだ歯磨きが上手くできないので、虫歯になるリスクが高いですね。
イヤイヤ期が始まる頃だから、歯磨きを嫌がって泣いちゃう子もいるんですよね…。どうすればいいんでしょう?

1歳半の健診の後になって急にお口のお手入れをしようとしても難しいので、できれば乳児期から口腔ケアに慣れるようにするといいですね。
そうなんですねー。乳児期から…乳児期って何歳ですか?

0歳~1歳頃ですね。
赤ちゃんの頃からお口のケアが大事っていうことですねー。
歯がない頃から口腔ケアを習慣づけよう!

乳児期の口腔ケアは、将来の歯磨きのためのトレーニング。この時期は唾液の自浄作用で口腔内が清潔に保たれます。
衛生環境を守るためのケアはそこまで必要ではないのですが、口腔内に触れられる練習をしておくと、その後のケアがスムーズです。
歯は、生後6カ月くらいで生えてきますが、歯が生える前から口腔ケアの習慣をつけると、歯磨きなども嫌がらずに行えるようになります。
口の中をガーゼで拭く「ガーゼ磨き」
歯が生える前~前歯が生え始める頃までのケアは、清潔なガーゼを使ったガーゼ磨きがおすすめです。
滅菌ガーゼをぬるま湯でしめらせて、口腔内を優しく拭いてあげましょう。

乳児期の口腔ケアは、お口を開けることを楽しみながら慣れさせることが目的です。
歯磨きを始めるための準備ですね?

その通りです。遊び感覚で、楽しく行ってあげてください。
ガーゼ磨きの上手なやり方や、ガーゼ磨きを効率よくできる便利なアイテムについては、下記の記事で紹介しています。
歯が生えてきたら指で口の中を触って刺激に慣れる
生後5~6カ月くらいになると、乳児の下の前歯が生えてきます。乳歯の萌出には個人差がありますので、少しくらい時期がずれてもそれほど心配はいりません。
この時期になると、なめらなポタージュのような状態の離乳食がスタートします。
この時期の口腔ケアは、口の中にガーゼを巻いた指を受け入れることに慣れるのが目的です。そうすることで、次の段階である歯ブラシでのケアにスムーズに進めます。

乳歯が生えてきたら、指で唇を抑えて、ガーゼを巻いた指で歯を1本ずつ丁寧に磨いてください。
どんなことに気を付けてガーゼ磨きをするといいですか?

上の前歯の裏側や側面に唾液が行き渡りにくく、虫歯ができやすいので、しっかり歯の裏側まで磨くようにしてください。
子供用の歯ブラシで安全に楽しく歯みがき
前歯4本が生え揃ったら、乳歯用の子供歯ブラシを使って磨いてあげましょう。
この時期になると、甘いジュースなど、糖分を口にする機会が増えるので、虫歯リスクが高まります。
仰向けに寝かせて唇を押え、1本ずつ細かく磨きます。

乳児期からの口腔ケアで慣させておくことで、虫歯リスクが高いこの時期にしっかり歯磨きできるようになります。
乳児期から準備をしておくことが役立つんですねー。

はい。短時間でサッとすませるのも嫌がらずに歯磨きできるコツです。
乳児期から嫌がらずに歯磨きする方法については、下記の記事でも紹介しています。参考にしてみてください。
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歯ブラシはこまめに交換しよう
古い歯ブラシには、多くの細菌が付着しています。
虫歯の原因となる細菌を増やさないためにも、歯ブラシはこまめに交換するようにします。
また、毛先が広がってしまうとブラッシング効果が半減します。そうなったら早めに取り替えてください。もし1カ月もせずに毛先が広がってしまうようなら、強く磨き過ぎている可能性があります。
歯を傷めてしまいますし、子供が痛みを感じて歯磨き嫌いになってしまう恐れも。できるだけ優しく磨いてあげましょう。
ダラダラ食べは虫歯のもと!

ダラダラと甘い飲物を与え続けていませんか?
乳児期、幼児期の子供に、野菜や果物100%のジュースを哺乳瓶に入れて与えておくと大人してくれるからといって、いつも持たせているケースがありますが、虫歯の原因になります。
スポーツ飲料や野菜ジュースも危ない
野菜や果物100%のジュースは健康に良さそうなイメージがありますが、虫歯にならないわけではないのです。
ジュースの種類にもよりますが、角砂糖に換算すると約1~5個分の糖が含まれているものが多いのです。
炭酸飲料になると、10個以上の角砂糖が含まれています。
虫歯になりにくいおやつを選ぼう
歯にくっつきやすいもの、口の中に長く残っているもので糖を含む食品は、虫歯になりやすい特徴があります。
おやつは、歯にくっつきにくく、すぐに食べ終わるものを選びましょう。
できれば甘いものよりも、栄養たっぷりの、おにぎりやサンドイッチ、野菜ステック、焼いも、お好み焼きなどを用意できるのが理想です。
奥歯が生えたら1日1回以上、きちんと歯磨きを!


奥歯が生えたら、噛む面の溝に汚れが溜まりやすくなります。歯磨きが苦手なお子さんも、1日1回以上はしっかりと磨いてあげるようにしてください。
1日1回でもいいんですか?

1日1回、丁寧な歯磨きをする場合は、就寝前に行ってください。
就寝中は、1日のうちで最も虫歯菌が活発になるタイミングです。
1日1回、丁寧な歯磨きをするなら、寝る前がおすすめです。口の中をスッキリさせて、虫歯菌を少しでも減らしてから就寝してください。
もちろん、毎食後に歯を磨けるのがベストですが、難しい場合は、うがいを何度もする習慣をつけるようにしましょう。
- 乳児期から口腔ケアをすると、歯磨きを嫌がらない子供になる。
- 歯が無い乳児期は、ガーゼで口に触れることに慣れるのが大事。
- 歯が生えてきたらガーゼ磨き。口内に触れられるトレーニングを。
- おやつをダラダラ飲み食いするのは虫歯のもと。時間を決める。
- 野菜ジュースやスポーツ飲料を水代わりにすると虫歯になりやすい。