子供の”お口ポカン”は治さないと歯並びが悪くなる!原因と対策

子供が無意識に口をポカンと開けていると、見た目がよくないので注意するという親御さんは多いでしょう。しかし、ただ単にクセで開いているのではない場合もあります。原因をしっかりと知って対応することで、”お口ポカン”は治せます。ここでは、その原因と対策法をご紹介します。
- 子供がいつも口をぽかんと開けているのが気になっている
- 子供の”お口ポカン”は放っておくとよくないの?
- 子供の”お口ポカン”の原因が知りたい
- 子供の”お口ポカン”は自宅で治せる?
”お口ポカン”の原因
”お口ポカン”の原因としては、大きく以下の4つが考えられます。
- 鼻詰まり
- 口周りの筋肉が弱い
- 歯並びや顎の形が原因
- 扁桃肥大(へんとうひだい)
上記のようなことがあると、なぜ”お口ポカン”になってしまうのか、詳しく説明していきます。
鼻詰まり

まず考えられるのは、鼻詰まりです。鼻が詰まっていては、口を閉じると息がうまく出来ないので、自然と口を開けた状態になってしまいます。1日のうちで鼻詰まりになっている時間が多いほど、口を開けていることが多いでしょう。
鼻が詰まっていたら、口で呼吸をするしかないのは当然ですね。

そうですね。アレルギー体質だと、花粉症や慢性鼻炎などになっている可能性があります。
鼻詰まりはボーッとなったりして大人でも辛いですもんね。
口周りの筋肉が弱い

口周りの筋肉とは、頬、唇、舌、下顎を持ち上げる筋肉などを指します。これらの筋肉が弱っていると、口が開いて口呼吸になりがちです。
口周りの筋肉が弱る多くの原因は、噛まなくても良い柔らかい食事です。噛む回数が少なくなると、口周りの筋力を使わなくても飲み込めるので、徐々に弱ってしまうのです。
食事が関係していたなんて…。

噛むという行為は、思いがけず色々な筋肉を使っているんですよ。
そうなんですね。つい柔らかい食事ばかりにしがちだけど、よく噛んで食べる食事も必要ですね。

その他、テレビや動画などを見る遊びが中心になると、姿勢も悪くなってお口周りの筋力も落ちてしまがちです。
姿勢もなんですね!
歯並びや顎の形が原因

生まれつきや幼い時の指しゃぶりなどのくせが原因で、口呼吸になってしまうこともあります。例えばもともと出っ歯や受け口気味の子どもは唇が閉じにくいので、口呼吸になりがちです。
歯並びが原因ということもあるんですね。

そうなんです。でも、幼いうちに矯正を始めれば、成長段階で自然に歯並びを整えることができますよ。
具体的には何歳くらいからですか?

3〜4歳くらいから小学校低学年くらいまでには開始すると良いでしょう。
扁桃肥大(へんとうひだい)

扁桃肥大とは、喉の奥の両側にある扁桃が通常より大きくなってしまう状態です。扁桃肥大になると鼻から空気が流れにくくなり、口呼吸になります。
扁桃は口から入ってきた細菌やウイルスをブロックするところなのですが、抵抗力が弱い子どもはよくなることがあります。扁桃肥大のピークは10〜12歳で、それ移行は自然に小さくなります。
自然に戻るなら、心配いらないということでしょうか?

基本的には経過の様子を見る形になりますが、気になるようなら耳鼻咽喉科に相談してみてください。
”お口ポカン”の治し方
”お口ポカン”の原因が鼻や喉にあるようであれば、まずは耳鼻科へ行きましょう。鼻や喉が原因ではない場合は、以下のような治し方があります。
口の筋肉を使う遊び

日々の中で口の筋肉を鍛えるには、お口を使った遊びが効果的です。
- にらめっこ
- シャボン玉
- 吹き戻しのおもちゃ
- ハーモニカ
小学校低学年以上なら、風船を膨らますというのもおすすめです。親が楽しそうにやっていると子どもも真似したがるもの。親子で楽しく遊びながら、お口周りも鍛えてしまいましょう。

親が積極的に遊んでいれば、自然な形でやらせることができますよ。
「やりなさい」ではなく、ということですね。
噛む回数を増やす

よく噛んで食べると、顎や頬、唇の筋肉が鍛えられます。また、唾液も多くなって飲み込みやすくなり、消化を助けることにもなります。噛む回数を増やすには、以下のようなことが効果的です。
- 野菜を固めに茹でる
- 和食のメニューを多くする
- 一口では噛み切れないサイズに調理する

唾液量を多くすると、虫歯にもなりにくくなりますよ。
そうなんですね。おやつでおすすめのものはありますか?

干し芋やおせんべい、皮付きのリンゴなど、歯ごたえのあるものが良いでしょう。
歯医者さんで治療する

耳鼻科に行ったり、生活習慣を工夫したりしても改善しない時は、歯医者さんに相談しましょう。歯並びや顎の骨格を整えていけば、口呼吸も治ります。
歯医者さんでは色々な種類の装置を使った矯正治療を行っています。ワイヤーを使わない幼児専用の矯正方法もありますので、ぜひ相談してみてください。
ワイヤーを使わない子ども専用の矯正ってどんなものなんですか?

口腔筋機能療法といって、寝る時だけマウスピースをつける方法です。痛みもないですし、寝ている間だけなので、嫌がることも少ないですよ。
口呼吸で起こるリスク
”お口ポカン”は、見た目がだらしなく見えるというだけではありません。口の外から細菌やウイルス、ゴミなどが入りやすくなり、お口の中も乾きがちになってしまいます。どんなリスクがあるのか具体的に説明していきますね。
虫歯になりやすくなる

唾液は、虫歯の原因菌をやっつける免疫力などが備わっています。口呼吸をしていると、唾液量が少なくなって、唾液の自浄作用がうまく働きません。そのため、虫歯になりやすくなってしまうのです。
唾液があるって重要なことなんですね。

そうですね。そのためにも、口呼吸をやめさせることが大切です。
歯並びが悪くなる

口呼吸を続けていると、頭が後ろに倒れ、猫背になったりしがちです。また、下顎を支える筋力が弱まると下顎が狭くなり、上顎が出っ歯になってしまうことがあります。
口呼吸だと歯並びが悪くなるだけじゃなくて、姿勢も悪くなっちゃうんですね。

そうなんです。口呼吸の子どもは姿勢が悪くなったり歯並びが悪くなったりする可能性が高いということですね。
風邪を引きやすくなる

口呼吸をしていると、空気中の細菌やウイルスを一緒に吸い込んでしまいます。口から入った細菌やウイルスは、唾液が少なくなって免疫力が落ちた身体に入りやすくなってしまうのです。

口呼吸をしている子どもは、風邪も引きやすいという特徴があります。
風邪だけじゃなくて、色々な病気にもかかりやすくなりそうですね。

そのとおり。口呼吸は早く治すに限ります。
集中力が低下する

常に口呼吸をしていると、集中力が低下することが分かっています。これは科学的にも証明されていて、鼻呼吸より口呼吸のほうが酸素を取り込む量が少ないからです。脳に十分な酸素が供給されなければ、集中力も落ちてしまいます。
これはっ!成績にも関係してくるなんて。

そうですね。成績だけでなく、何をするにもぼんやりとした状態になってしまうので、注意が必要です。
ぼんやりしているから口を開けているんじゃなくて、口を開けているからぼんやりしちゃうんですね。
”お口ポカン”は子供の努力では改善できないこともある

”お口ポカン”は、鼻や歯、顎といった器官が原因で起こることが多いため、子ども自身がいくら努力しても改善できない場合もあります。お家で色々工夫してもダメな時は、歯医者さんや耳鼻科に相談しましょう。
- ”お口ポカン”は
- ”お口ポカン”の原因の多くは鼻詰まり
- 口周りの筋肉が弱いと”お口ポカン”になる
- 歯並びや顎の形が原因の場合もある
- 扁桃肥大(へんとうひだい)は様子を見る
- 口を使った遊びを親子で楽しむと、口周りの筋肉が自然に鍛えられる
- 調理方法や食べ物を工夫することで噛む回数を増やせる
- それでも改善しなければ歯科で相談を
- 口呼吸を放置しておくと虫歯や病気になりやすくなる
- 口呼吸を放置しておくと歯並びが悪くなることがある