妊婦さんに歯科検診が必要な理由!費用や受ける時期について

平成24年から母子手帳が改訂され、歯科検診が盛り込まれるようになりました。どうして歯についての項目が加えられたのか、検診はどこで受けられるのかなど、疑問に思っている人もいるかも知れませんね。そこで、ここでは妊婦さんに必要な歯科検診について、詳しくご紹介します。
- 妊娠したら歯科検診に行かなきゃダメ?
- 虫歯がないのに歯科検診に行く理由が知りたい
- 歯科検診を無料で受けるには?
- 何ヶ月くらいに受ければいいの?
妊娠したら歯科検診が必要な理由
妊娠すると、ホルモンの分泌の急激な変化によって、お口の中でも様々な変化があります。下記の順に分かりやすく説明していきますね。
- 赤ちゃんの歯はママの口内環境が影響する
- 妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい
- 妊婦さんが重度の歯周病だと早産のリスクがある
1. 赤ちゃんの歯はママの口内環境が影響する

赤ちゃんの歯は、妊娠7週目くらいから歯胚という歯の元のようなものが形成され始めます。4〜5ヶ月頃には歯の準備がすべて整い、噛むことのできる硬い歯(石灰化)になります。

つまり、ママのお口の環境が赤ちゃんの歯の形成にも影響するということです。
妊娠中からすでに歯の質が決まるということでしょうか?

そのとおり。ですので口内環境のチェックが必要なんです。
2. 妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい

妊娠すると、女性ホルモンの分泌が爆発的に多くなり、身体は出産の準備へと向かっていきます。女性ホルモンは口内にも分泌されていますが、良くないことに虫歯や歯周病の原因菌はこの女性ホルモンが大好物。つわりや食事回数が多くなることによって口内ケアが行き届きにくくなり、ますます原因菌にとっては絶好の環境になってしまいます。

元々虫歯や歯周病がある人は、悪化しやすくなります。
妊娠してない時より原因菌が活発になりやすいということですね。

そうなんです。
3. 妊婦さんが重度の虫歯・歯周病だと早産のリスクがある

妊娠中のママに重症化した虫歯や歯周病があると、身体に炎症を抱えたまま出産することになります。こういった状況では、早産や低体重児出産のリスクが高いことが分かっています。

特に歯周病菌は血液に乗って体内を巡ってしまうという性質があるんです。
歯周病が糖尿病とか脳梗塞に関係があるって聞いたことがありますけど、出産にも関係があったんですね。
歯科検診はいつ受けるのがいいの?

歯科検診は、つわりなどが落ち着いた妊娠中期(5〜7ヶ月くらい)に受けるのがおすすめです。それ以降になると、今度はお腹が大きくなって仰向けになるとお腹が圧迫されるので、診察を受けづらくなってしまうでしょう。
安定期に入ったらすぐと覚えておくといいですね。

そうですね。体調や気分がいい時に受けるのがベストです。
妊娠中に歯科検診を受けるときのポイント
自治体によって、クーポンが届いたりお知らせがあったりと形は様々です。
診察時に気をつけることは、母子手帳を提示すること、産婦人科から注意されたことを伝えることです。楽な姿勢で受診するようにし、気分や体調が悪い時は我慢しないで申し出ましょう。
保険証と母子手帳は必ず持って行くということですね。

そうですね。忘れずに持っていきましょう。
歯科検診が受けられる場所

歯科検診は、各自治体が定めた歯科クリニックで受けることができます。自分で歯科クリニックに予約を入れて受診します。分からなければ、お住まいの市区町村のホームページで確認できるでしょう。

歯医者さんは街のあちこちにあると思うので、近いところ、受けやすいところを選ぶのがおすすめです。
なるべく移動が少ないほうがいいですね。
歯科検診の費用

妊婦さんは、妊娠中に1回無料で歯科健診を受けることができます。2回目からの定期検診や歯科治療に関しては有料になるので注意しましょう。

安定期に入ってから検診を受けて、問題がなければ出産後まで受けなくても大丈夫です。
安心のためにも早めに受けたほうがいいですね。

そうですね。ただし、毎日の歯磨きはしっかりとしてくださいね。
妊娠中に歯磨きができない時の対処法
妊娠中はつわりで歯磨きをしようとしても吐き気を催してしまい、歯磨きができないことがあります。また、お腹が大きくなるにつれて1回に食べる量が少なくなり、食事回数が増えたりして口内が不衛生になりがちです。
虫歯や歯周病になりやすい状況で歯を守るためには、様々な工夫が必要になってきます。
マウスウォッシュを使う

歯ブラシを口に入れると気持ち悪くなって歯磨きができないつわりの時期は、マウスウォッシュを使うのがおすすめです。食事後はとりあえずマウスウォッシュで口をすすいでおき、落ち着いたら歯磨きをしましょう。
マウスウォッシュはどんなものがいいんですか?

殺菌・抗菌の薬用成分が入ったものを使ってください。
香りで口臭を抑えるだけのものじゃなくて、殺菌とか抗菌作用があるものですね。
気分がいい時にこまめに口内ケアをする

歯磨きは食後や朝昼晩というイメージがありますが、妊娠中に関しては気分がいい時に含みうがいや歯磨きをするようにしましょう。

いつも口内を清潔にするように意識すると良いでしょう。
気がついたらうがいや歯磨きをするような感じですね。
妊婦さんは歯科検診を受けましょう
妊娠中は、歯茎が腫れたり出血する人も多くいます。虫歯や歯周病を放っておくと、お腹の中の赤ちゃんにも影響するので、歯科検診はぜひ受けるようにしましょう。
- 赤ちゃんの歯はお腹の中ですでに形成され始める
- 妊娠中は虫歯や歯周病になりやすい
- 妊娠中は虫歯や歯周病が悪化しやすい
- ママが虫歯や歯周病だと早産や低体重児出産の恐れがある
- 歯科検診は安定期に入ったらすぐに受けるのがおすすめ
- 各自治体で受けられる歯医者さんを公表している
- 妊娠中は歯科健診を1回無料で受けられる
- 体調や気分がいい時に受ける
- 歯磨きができない時はマウスウォッシュを活用する
- こまめにうがいなどをするのがおすすめ