プラークとは?プラークの種類や歯石との違いを詳しく説明!

誰でも歯みがき粉や歯ブラシのCMで「プラークコントロール」という言葉を聞いたことがあるでしょう。しかし、「プラーク」とは何なのかを明確に把握している人は少ないかもしれません。ここではプラークについて、詳しく説明していきます。プラークについて知れば、正しいプラークコントロールができますよ。
- プラークって歯石のことじゃないの?
- プラークと歯石の違いを知りたい
- プラークにも種類があるの?
- プラークができるとどうなるの?
- プラークコントロールってなに?
プラークとは

プラークとは歯垢のことです。白くてネバネバしていて、歯の表面や歯と歯の間、歯と歯茎の間などにこびりついています。うがいなどでは取れませんが、ブラッシングや歯間ブラシなら簡単に落とすことができます。
プラークは細菌の塊!
プラークの中には、口の中で増殖したたくさんの種類の細菌がたくさんいます。1gのプラーク中に潜む細菌はおよそ1億個以上。プラークは細菌の巣窟なのです。

そのたくさんの細菌の中に、虫歯や歯周病のもとになる菌がいるんです。
うわ〜、想像しただけで気持ち悪いなあ…。
プラークができるまで

- 歯の表面に細菌が付着する
- 細菌が定着し、集まって成長する
- 様々な種類の細菌が次々に取り込まれる
- さらに増幅してどんどん成長する

プラークは、唾液の中の糖タンパク質と反応して歯にくっつくんです。
じゃあ、唾液の中に糖タンパク質がなければいいんですね。

そのとおり。それを叶えるのが歯磨きなんです。
おお〜。

プラークは、付着する場所によって呼び方や種類が変わるんですよ。
白いネバネバ「歯肉縁上プラーク」

目で見て分かる部分、歯の表面や歯と歯の間などにくっついているプラークを「歯肉縁上プラーク」といいます。

特に、歯と歯茎の境目のプラークは歯周病の原因になります。
あ!それが進むと歯周ポケットが深くなっちゃうんですね。

そのとおり。「歯肉縁上プラーク」は歯と歯茎の境目に深く侵入していきます。そのときに炎症を起こして歯茎や歯根を溶かしていくんです。
歯周ポケットに潜む「歯肉縁下プラーク」

歯周病が進んで歯周ポケットの中につくプラークを「歯肉縁下プラーク」と呼びます。歯周病菌は酸素を嫌うので、酸素が少ない歯周ポケットに好んで生息するのです。
歯周病の進行具合だとどれくらいですか?

中度から重度の歯周病です。目には見えなくても、歯周ポケットの中で毒素を発して確実に進行しています。
毒素!明らかに悪そうなやつですね!
歯石はプラークが変化したもの

歯石は、プラークが唾液中のカルシウムやリンと結合して石灰化したものをいいます。歯石の表面はザラザラしているので、さらに上からプラークが付着しやすくなります。
プラークが歯石になって、その上からプラークができてさらに歯石になって…放っておくと地層みたいにどんどん大きくなっちゃうんですね。

そのとおり。だからプラークの段階でしっかりと取り除くことが大事なんです。
プラーク・歯石が原因で起こるリスク
プラークや歯石を放置しておくと、虫歯、歯周病、口臭のリスクが高まります。どのようにできるのか、1つずつ説明していきます。
虫歯

歯は、常に脱灰と再石灰化を繰り返しています。脱灰は飲食によって口内が酸性に傾き、カルシウムやリンが溶け出す現象です。ただ、唾液の修復作用によって、酸性だったのが中性に戻されたり再石灰化が行われたりして、元の健康な状態に戻ります。
しかし、プラークが歯に長期間ついたままだと、唾液の修復作用が邪魔されてしまいます。酸性になったままの口の中では虫歯の原因菌が活発になり、歯を溶かして穴をあけてしまうのです(う蝕)。
先生、食べ物ならなんでも酸性になっちゃうんですか?

糖分が含まれているものは酸性になりやすいです。砂糖とか。
あ〜。だから砂糖は虫歯になるっていわれるんですね。
歯周病

プラークは歯と歯茎の隙間から酸素がない場所を求めて奥へ奥へと侵入し、歯周ポケットを深くしていきます。
歯の表面は硬いエナメル質で覆われているので、エナメル質上で脱灰と再石灰化を繰り返せますが、歯周ポケットができる歯の根部分はエナメル質がありません。そのため柔らかい象牙質は歯周病菌が作り出す毒素によって溶かされ、奥深くまで進んだ歯周病菌は歯を支える骨まで溶かしてしまうのです。これが、歯周病です。

歯周病は歯や骨を溶かすだけじゃなく、もっと危険なことがあるんですよ。
どんなことですか?

歯周病菌が血液にまで侵入すると、血液にのって心臓や脳にまで達して心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性があるんです。
えっ!

それだけじゃありません。血糖値を下げるインスリンの働きを阻害して糖尿病を悪化させたり、誤嚥すると気管支から肺に入ったりすることもあります。
それ、すごく怖いじゃないですか〜。

そうなんです。だから、歯周病は歯だけじゃなく全身の病気にも関係するんですよ。
へぇ〜。またひとつ賢くなっちゃったな!
口臭

プラークは細菌の巣窟ですが、細菌を繁殖すると同時に毒素も出しています。その毒素は強烈な悪臭で、口臭の原因となります。
虫歯とか歯周病の人の口臭がひどくなるのって、プラークが原因なんですね。

プラークも、です。プラークが口の中にあるとそれだけで口臭の原因になるし、虫歯や歯周病にもそれぞれ強烈な臭いがあるんですよ。
プラークを除去するには「歯磨き」

口臭、虫歯、歯周病を予防するには、毎日毎食後の歯磨きが一番有効です。原因となるプラークを除去してしまえば、口臭や病気になる元を断つことができます。プラークはしっかりブラッシングしたつもりでも、歯と歯の隙間などに残っています。歯間ブラシやデンタルフロスなども使って、細かい部分までしっかりときれいにしましょう。

正しい歯磨きをしないと歯茎下がりの原因にもなってしまうので、正しい歯磨き法もマスターしましょう。
歯石除去は歯医者さんでしかできない

歯石はとても硬く、ブラッシングでは落とせません。かといって硬いもので無理に落とそうとすると、歯や歯茎を傷つけてしまうので、歯石は歯医者さんで除去してもらいましょう。

歯石は放っておくと成長してしまうので、小さいうちに除去するのがおすすめです。
そもそも歯石になる前に歯磨きでプラークをなくしちゃえばいいんですよね。

そのとおり。
正しい歯磨きでプラークを予防しよう!
プラークは虫歯や歯周病など、様々な病気の根源となるものです。しっかりと歯磨きをして、虫歯や歯周病を予防しましょう。歯磨きのタイミングは毎食後だけでなく、寝る前がもっとも効果的です。寝る前の歯みがきは時間をかけて、歯と歯の間や歯と歯茎の間まで丁寧に行うのがおすすめです。
- プラークとは歯垢のこと
- プラークの中は細菌の巣窟。しかも増殖している
- プラークは歯周病のもと
- 歯周病菌は心筋梗塞や脳梗塞の起因要素になる
- 歯周病菌は糖尿病を悪化させる
- 歯石はプラークが唾液中のカルシウムやリンと結合して石灰化したもの
- プラークはブラッシングで除去できる
- 歯石は歯医者さんで除去できる