タバコが歯に与える影響とは?歯がなくなるリスクが高いだけじゃない!

タバコが歯に与える影響とは?歯がなくなるリスクが高いだけじゃない!
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タバコを長年吸っていると、ヤニが歯について茶色っぽくなってしまうことはよく知られています。しかし、タバコが歯に及ぼす影響は着色汚れだけではありませんもっと深刻な事態を招くこともあるのです。ここでは、タバコが歯に及ぼす影響について、詳しくご紹介します。

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    • タバコは歯によくないと聞くけど具体的には?
    • 歯医者さんが禁煙を勧めるのはなぜ?
    • タバコの歯への影響ってヤニがつくだけじゃないの?
    • タバコを吸っていると歯茎が下がるって本当?
INDEX
  1. タバコに含まれる有害物質
    1. ニコチンがもたらす歯周組織への影響
    2. ニコチンがもたらす免疫機能への影響
  2. 歯周病になるとどうなる?
  3. タバコの成分が歯へ影響を及ぼすまで
    1. 歯茎から吸収される
    2. 歯茎の血管が酸素不足になる
    3. 歯周ポケットで細菌が増殖する
    4. 細菌が歯を溶かす
  4. 喫煙者は歯周病のサインが現れにくい!
  5. 受動喫煙でも同じことが起こる
  6. ニコチン依存性という病気
  7. タバコは歯を蝕みます

タバコに含まれる有害物質

タバコの煙には、約4,000種類もの化学物質が含まれています。そのうちの約200種類は有害物質で、発ガン性物質は70種類ほどといわれています。これらの物質が、歯にも色々な悪さをするのです。

ニコチンがもたらす歯周組織への影響

ニコチンタールはタバコの中でも代表的な成分ですね。人の皮膚にはコラーゲンを作る働きや修復機能をもつ線維芽細胞があります。ニコチンは、この線維芽細胞が増えて付着するのを抑制し、コラーゲンが作り出される働きを低下させてしまいます。

コラーゲンは肌の水分量を調節し、弾力性を発揮する大事なものです。もしもコラーゲンが不足すると、歯茎が痩せて歯茎が下がり、歯周病になりやすくなります。また、口内の粘膜が弱くなり、炎症や傷の治りも遅くなってしまうのです。

鈴木先生

線維芽細胞は身体の皮膚全般にあって、歯茎を健康に保つのに必要不可欠なものです。

さるくん

たしか、歯茎って大半がコラーゲンでできてるって聞いたことがあります。

鈴木先生

そうです。歯茎の主成分は、肌と同じコラーゲンなんです。

さるくん

やっぱり!コラーゲンがなくなるってことは、口の中から老化が始まるってことですか?

鈴木先生

そうともいえますね。

ニコチンがもたらす免疫機能への影響

ニコチンは、口内の免疫機能も低下させます。身体の中にはマクロファージというものが存在します。マクロファージは異物から身体を守ってくれる免疫機能です。また、体中の粘膜の中には免疫グロブリンA(IgA)免疫グロブリンG(IgG)があり、細菌やウィルス、薬物などから人体を守っています。ニコチンは、これらの免疫機能の働きを低下させてしまうのです。

鈴木先生

口内の免疫機能の働きが弱まれば、当然虫歯や歯周病などにもかかりやすくなります。

さるくん

へぇ〜、ニコチンってラスボスみたいだなあ。

鈴木先生

そのとおり。さるくんうまいこといいますね^^

歯周病になるとどうなる?

ニコチンによって歯茎が下がり、免疫機能が低下して歯周病になると、歯周病菌は歯周ポケットから歯や骨を溶かし、血液に入り込んでしまいます。血液に入り込んだ歯周病菌は、脳や心臓にもまわってしまい、心筋梗塞や脳梗塞を起こすことが分かっています。

さるくん

え!歯周病って心臓病や脳梗塞とかの原因なんですか?

鈴木先生

原因のひとつになります。だから、歯だけでなく、全身の健康も脅かす怖い病気なんですよ。

さるくん

もはや歯とか口の中だけの問題じゃないんですね!

タバコの成分が歯へ影響を及ぼすまで

タバコの成分や煙が、歯にどうやって影響を及ぼすのか、順を追って詳しく説明していきます。

1.歯茎から吸収される

タバコを吸うと、まずは成分や煙が歯茎や粘膜から吸収されます。

さるくん

ニコチンとか有害物質ですね!

鈴木先生

そのとおり。

2.歯茎の血管が酸素不足になる

タバコの有害物質は、血管を収縮して歯茎の血流を悪くします。血液の循環が悪くなると、歯茎が酸素不足になります。

さるくん

新鮮な酸素が行き渡らなくなっちゃうんですね。

鈴木先生

そうですね。それと同時に栄養も行き渡りにくくなります

3.歯周ポケットで細菌が増殖する

歯茎に十分な酸素が行き渡らなくなると、歯周ポケットの中で細菌が増殖しやすくなります。

さるくん

どうして酸素が減ると細菌が増えるんですか?

鈴木先生

細菌は唾液に含まれる酸素が苦手なんです。だから、通常から酸素が少ない歯周ポケットに潜んでいるんです。

さるくん

ってことは、それに加えて酸素不足になると、増えやすい環境が整っちゃうってことですか?

鈴木先生

そのとおり。

4.細菌が歯を溶かす

細菌は毒素を生み出すのですが、毒素は歯周ポケットを溶かしながらさらに深くして、歯を支えている骨を溶かします。歯周病が進行すると歯がぐらぐらし、しまいには歯が抜けてしまうのは、こういったことが起こっているからです。

鈴木先生

これが、タバコと歯周病の関係です。

さるくん

へぇ〜、ほんと怖いなあ…。

喫煙者は歯周病のサインが現れにくい!

歯周病の初期段階の特徴歯茎からの出血ですが、ニコチンは歯茎の血流を悪くするので、タバコを吸っている人は歯周病になっても出血や腫れといった歯周病のサインが現れにくくなります。喫煙者の歯周病が気づかないうちに進行してしまうのは、こうした理由があるのです。

鈴木先生

歯周病は初期ならブラッシングで歯茎をマッサージすれば改善しますが、それができないことも喫煙者が歯周病になりやすい原因なんです。

さるくん

泣きっ面に蜂、弱り目に祟り目ってやつですね。

受動喫煙でも同じことが起こる

気をつけなければならないのが、自分は吸っていなくてもタバコの煙を取り込んでしまう、いわゆる受動喫煙です。受動喫煙でも歯周病は起こります。家族に喫煙者がいる場合、大人だけでなく子どもやペットも歯周病になることがあるのです。

さるくん

えっ、子どもでも?

鈴木先生

そうなんです。父親が喫煙者の13歳や17歳の子どもが歯茎の変色沈着を起こしてしまったという例もあります。

さるくん

え〜、自分は吸ってないのに歯茎がまっ黒くなるなんてかわいそう過ぎるなあ。しかも思春期って一番人の目を気にする時期なのに!

鈴木先生

そうですね。目の前で吸っていなくても、カーテンや服などについたタバコの残留煙</span.でなることも分かっています。

受動喫煙は、布についたタバコの残留物質によっても起こります。さらに、小児や胎児に対する受動喫煙は、気管支喘息、中耳疾患、胎児の発育異常、乳幼児突然死症候群、小児がん、小児の発育・発達・行動への影響、ADHD(注意欠陥多動性障害)などの要因になることも分かっています。(「日本歯科医師会・お口のことなら何でもわかるテーマパーク8020」より)

ニコチン依存性という病気

昔はタバコは単なる嗜好品とされていましたが、近年ではニコチン依存によってタバコがやめられないことが分かってきています。ニコチン依存症は、心理的依存とニコチンという薬物への依存による精神疾患のひとつと分類されています。そのため、ニコチン依存症の禁煙治療は保険診療が可能になっているのです(一定の条件を満たした医療機関)。

鈴木先生

歯科では禁煙支援をしているんですよ。

さるくん

へー、歯医者さんで禁煙治療ができるってことですか?

鈴木先生

そうなんです。喫煙は歯の健康に直接関わるので、積極的に取り組んでいるんです。

さるくん

また新しいこと知っちゃったなあ!

タバコは歯を蝕みます

タバコは昔から”百害あって一利なし”といいますが、その言葉どおり歯や口を通して全身の健康にも悪影響を及ぼします。特に歯周病にかかりやすく、進行もしやすいので注意が必要です。歯の健康を保つことは長生きの秘訣でもあります。これを機会に、喫煙について改めて考えてみてはいかがでしょうか。

記事の重要ポイントをチェック!
    • タバコには約200種類もの有害物質が含まれている
    • ニコチンはコラーゲンの産出を低下させ歯茎下がりを助長する
    • ニコチンは免疫機能を低下させ病気にかかりやすく治癒を遅くする
    • 歯周病菌が血液に入ると筋梗塞や脳梗塞の要因になりえる
    • タバコの煙や成分は歯周病になっても出血しなくさせる
    • 受動喫煙でも喫煙者と同じ現象が起こる
    • ニコチン依存症は病気のひとつと認識されている