こんなにすごい!唾液の役割は持つ人間が生きるのに必要な11の力

唾液が少なくなると喉が乾いて飲み物を飲みたくなったりしますが、唾液は単に口を湿らすだけのものではありません。唾液の99%は水分ですが、残り1%には抗菌、免疫、消化など、生きるのに必要な物質が含まれています。ここでは、唾液のすごいパワーについて詳しくご紹介します。
- 唾液ってただの水分じゃないの?
- 唾液が多い人は虫歯になりにくいって本当?
- 唾液が少ないとどうなるの?
- ドライマウスはなぜ危険なの?
唾液のすごい11個のパワー
生まれたばかりの赤ちゃんは、ものすごい量の唾液を持っていますね。唾液はその成分で、まだ体の機能が育っていない赤ちゃんを、様々な病気などから守っているのです。ここからは、唾液の重要な11の働きを紐解いていきましょう。
1.口内を洗浄する

水分で、歯の表面や歯と歯の間、粘膜についた食べカスを洗い流して口内をきれいにします。
うがいをするまでもなく、口の中だけですでに洗浄してるってことですか?

うがいは強い水流ができるので、より細菌や汚れを除去することができますよ。
2.口内のpH値を整える

唾液は口内のが常に中性になるようにバランスをとっています。もし酸性に傾くと、虫歯の原因菌が活発に動き出し、虫歯を作ってしまうからです。

飲食をすると口の中は酸性に傾いてしまいますが、唾液によって中性に戻る仕組みになっています。
へぇ〜、唾液って便利ですねー!
3.抗菌する

唾液の質は水分量によって変化しますが、水分量が多いときはサラサラの唾液、水分量が少ないときはネバネバの唾液になります。サラサラの唾液には抗菌物質が複数含まれていて、口の中の細菌が増えるのを防いでいます。

口の中には500種類もの常在菌がいて、唾液が繁殖を防いでいるのは悪さをする悪玉菌です。
それって虫歯とか歯周病とかの原因になる細菌ですか?

そのとおり。
唾液って、なんか頼もしい兄貴みたいですね!
4.歯の再石灰化を促す

飲食をすると、歯の表面のエナメル質に含まれるカルシウムやリンが溶けて出ていってしまいます(脱灰)。唾液はエナメル質を修復し、カルシウムやリンを戻す働きがあるのです。これが、歯の再石灰化です。

食べ物や飲み物の多くは酸性なんですよ。
それで溶け出していっちゃうのかー!
5.歯や粘膜を保護する

唾液にはムチンという物質が含まれていて、歯や粘膜が傷つかないように保護しています。ムチンがあるおかげで発声もスムーズにできますし、せんべいなどの硬いものを食べても歯や歯茎が傷つきません。
ムチンって、うなぎとかのネバネバと同じ成分ですね!

さすがさるくん、物知りですね。ムチンは人の体にもあるんですよ。
6.粘膜を修復する・胃酸を抑える

唾液腺には上皮成長因子や神経成長因子といった成長ホルモンを作り出す働きがあり、粘膜にできた傷を修復したり、胃酸を抑制したりします。
神経成長因子は、アルツハイマー型認知症の機能改善に関係があるとされています。
よく、昔の人が「唾つけときゃ治る」って言いますけど、あながち嘘じゃないですね!

本能的に分かっていたんでしょうね。
7.”噛む・飲み込む”を補助する

唾液は食べ物を柔らかくしたりなめらかにしたりして、飲み込みやすくします。パサパサのパンやご飯の塊も、口に入れると食べやすくなるのは唾液のおかげです。
これは水分の働きってことですよね?

そうですね。食べ物を唾液と混ぜて、食べやすくしているんです。
あー、なるほど!
8.消化を助ける

唾液には酵素アミラーゼが含まれていて、デンプンを分解して消化を助けます。
飲み込むのを助ける働きにちょっと似てますね。

そうですね。水分と酵素アミラーゼが一緒に働いて飲み込みやすくして消化を助けるといった感じですね。
9.味覚を助ける

唾液は味を感じさせる働きがあります。唾液が少ないと味覚障害になることがあります。

唾液は味物質を溶かして舌の味を感じるところに運ぶ役割があるんですよ。
味蕾ですね!

そのとおり。舌が味を感じるには、唾液に運んでもらわないといけないんです。
10.がんを抑制する

唾液中に含まれるペルオキシダーゼという酵素は、食べ物に含まれる発ガン性を抑える働きがあります。
もう、口の中だけの話じゃないんですね!

そうですね。唾液は咀嚼によってたくさん出ますから、噛むって本当に大切なんですよ。
11.不安を抑える

唾液腺からはBNDF(脳由来神経栄養因子)が作られることが近年発見されています。BNDFには抗不安作用があります。
ひょー!唾液って心にまで関係があるんですね!

本当に、唾液の偉大さには驚きますよね。
唾液の豆知識

- 唾液腺は舌下腺、耳下腺、顎下腺の大きな3箇所と、小さい腺が歯と歯茎以外のいたるところに無数にある
- 唾液は1日に1〜1.5リットル出ると言われている
- 睡眠中は唾液がほとんど出ない
- リラックス時はサラサラ唾液、緊張時にはネバネバ唾液が出る
- 人間や動物は唾液が出なくなった時に死を迎える
- 唾液には若返りホルモンと呼ばれるパロチンが含まれ、アンチエイジングに役立っている
唾液に含まれるホルモンってすごくたくさんあるんですね!

そうですね。身体を色々な角度から保護してくれてるんですよね。
唾液は全身を守る大切なものだった!
唾液には、実に様々な働きがあることが分かりましたね。口内を守ったり修復したりするだけでなく、体全体の健康にも大きく関与しています。唾液量は噛むことで増やすことができます。集中して勉強や仕事をしていると唾液量が少なくなりがちです。机の傍らに水やお茶を置いてこまめに口に含んだり、ガムを噛んだりするのがおすすめですよ。
- 唾液は水分で口内を洗浄する
- 唾液は口内のpH値を整える
- 唾液中の抗菌物質が口内の細菌が繁殖するのを防いでいる
- 唾液は歯の再石灰化を促す
- 唾液は歯や粘膜を保護する
- 唾液は粘膜を修復する・胃酸を抑える
- 唾液は”噛む・飲み込む”を補助する
- 唾液中の酵素アミラーゼが消化を助ける
- 唾液は味物質を溶かして味覚を助ける
- 唾液は食べ物に含まれる発がん性を抑える
- 唾液には精神の不安を抑える物質が含まれている
