乳歯の虫歯の4つの特徴とは?見分け方や虫歯が成長に及ぼす悪影響

乳歯の虫歯は大人の虫歯と特徴が異なるのをご存知でしょうか。子どもの虫歯は早く発見できればできただけ、治療も軽くて済みます。ここでは、乳歯の虫歯の特徴や見分け方をご紹介します。ぜひ、この記事と照らし合わせてお子さんの口をチェックしてみてください。
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乳歯の虫歯の4つの特徴
乳歯の虫歯には、大人の虫歯とは違う4つの特徴があります。
1.白っぽい

大人の虫歯は黒くなるものが多いですが、乳歯の虫歯は白っぽいのが特徴です。大人の虫歯は慢性的なものが多く、歯の表面が何度も破壊されて雑菌が入ったりタンパク質が分解されたりして黒くなります。これに対して乳歯はまだ生まれたてなので、歯の表面が削れても白いのです。

虫歯になった部分は濁ったような白色になります。
色が白いと虫歯になっても気づきにくいですね。

そうなんです。ですから、毎日の仕上げ磨きの時にチェックするのがおすすめです。
2.できやすいのは歯と歯の隙間や溝

乳歯の虫歯ができやすい部分は、歯と歯の隙間や歯の咬み合わせ部分にある溝などです。生えたばかりの乳歯は小さく、歯と歯の間に隙間ができやすいです。生え変わり時期に永久歯が生えるまですきっ歯になることも、虫歯になりやすい原因です。

生えたばかりの永久歯も2〜3年は柔らかいので、虫歯になりやすいんです。
生え変わり時期は色々と注意しなきゃならない場所が多そうですね。
3.進行がとても早い

乳歯の虫歯は進行がとても早いですが、それには3つの理由があります。ひとつは、乳歯がとても柔らかいということ。2つめは、乳歯は永久歯に比べて歯髄までのそれぞれの層が薄いということです。3つめは、永久歯に比べて歯髄が成長段階にあり大きいということです。こういった理由から、乳歯の虫歯は薄いエナメル質と象牙質を破壊して突き進み、容易に歯髄に達してしまいます。歯髄がむき出しになると痛みが生じるので、そこで初めて虫歯だと気づきますが、その時にはすでに黒く穴があいてしまっているのです。

虫歯の進行に気が付かず、子どもが痛いと言い出してはじめて気づくケースが多いです。
でも、痛みが出るくらいの時は、結構重症になっているということなんですよね?

そのとおり。そうなる前に歯医者さんに行ってほしいです。
4.痛みに気づきにくい

子どもの痛みの感じ方は大人ほど発達していません。痛みを訴えたかと思えば、翌日には痛みが消えて本人はケロリとしていることも多いです。そのため、本人から「気のせいだったかも」と言われれば、親も見過ごしてしまうことがよくあります。

虫歯そのものの痛みより、虫歯であいた穴に食べ物が詰まって腫れて痛がるというケースが多いです。
それは本当に痛そうですね…。
乳歯が虫歯になると起こる悪影響
乳歯はどうせ抜け替わるのだから、虫歯になっても特に何もしなくても良いのでは?と思う人もいるでしょう。しかし、乳歯の虫歯を放置しておくと、以下のような様々な悪影響が及ぼされます。
1.偏食になりやすい

虫歯の部分で噛むと痛いので、虫歯の歯を避けて食べ物を噛むようになります。そのため固いものやよく噛まなければ飲み込めないものは食べたがらなくなり、偏食になりやすいという傾向があります。
これは栄養面でも問題ですね。

そうですね。育ち盛りなのに偏食だと心配になりますね。
2.歯並びが悪くなる

虫歯になってうまく噛めなくなると、顎を使う頻度が落ちて顎の発達が遅れます。また、乳歯が早い段階で虫歯になってなくなってしまうと、両隣の歯がスペースを埋めようとして倒れてくるので、歯並びが悪くなります。
乳歯のときに歯並びが悪くても、永久歯がちゃんと生えてくれば問題ないのでは?

乳歯のときに歯が倒れると、永久歯が生えてくるスペースがなくなって、永久歯も重なったりねじれたりして生えてきてしまうんですよ。
ええ!乳歯の歯並びの悪さってそのまま永久歯に持ち越されてしまうんですか?

そういうことになります。
3.虫歯が神経に達すると激痛が続く

虫歯が歯髄にまで達してしまうと、神経がむき出しになるので激痛が生じます。激痛は波があり、食事している・いないにかかわらず起こります。

耐え難い痛みですし、子ども用の鎮痛剤は効き目も弱めです。すぐにでも治療しなければなりません。
それじゃ勉強どころじゃありませんね。
4.永久歯が虫歯になりやすくなる

虫歯は感染病です。放置していると、口の中で虫歯の原因菌が増え続けて永久歯も虫歯になってしまうリスクが高まります。
生えたての永久歯は柔らかいから、虫歯にもなりやすいですよね。

そのとおり。虫歯は繰り返すので、一度虫歯になったらその後も虫歯になりやすい歯になってしまいます。
5.性格が内向的になる可能性がある

虫歯のせいで乳歯がなくなったり歯並びが悪くなったりすると、容姿が気になって口を開くのが恥ずかしくなる子どももいます。また、コンプレックスから自己肯定感が低くなり、内向的になる場合も多いです。
子どもは無邪気だから他の子から指摘される事も考えられますね。

そうですね。ちょっとしたからかいでも、本人はとても傷ついてしまうことがあります。
乳歯を虫歯から守る方法
乳歯の虫歯は上記のような、思わぬ弊害を色々と生み出します。乳歯を虫歯にしないようにするには、以下のようなことを心がけしましょう。
歯磨き習慣をつける

1日のうちで歯磨きをするタイミングを決めて、習慣にするようにしましょう。毎食後や夜寝る前がおすすめです。特に夜寝る前の歯磨きは重要なので、お風呂上がりや寝る前に家族全員で行うなど、家族の習慣として定着させてしまうのが理想的です。

寝ている間が一番虫歯の原因菌が増える時間帯なので、寝る前に時間をかけてしっかり磨いておけば虫歯を予防できます。
どのくらい時間をかければいいんですか?

ふつうは2分程度だと思いますが、夜だけは10分以上かけてじっくりと磨くのがベストです。
仕上げ磨きをしっかりと行う

お子さんは自分ではしっかりと磨いたつもりでも、磨き残しが出てしまいます。8歳程度までは大人の仕上げ磨きが必要です。
8歳まで仕上げ磨きが必要なんて、ちょっと意外ですねー。

8歳になるとほとんどのことは何でもできますが、歯に関しては意外と磨けていないことが多いんですよ。
甘いものの与えすぎやダラダラ食べをさせない

砂糖は虫歯の原因です。砂糖をたくさん使った甘いお菓子やジュースは与えすぎないようにしましょう。また、ダラダラと食べ続けるのもよくありません。食事やおやつは時間を決めて、口の中に飲食物が入っている時間が続かないようにしてください。

ダラダラ食べると唾液の自浄作用が追いつかなくなって、虫歯になりやすくなるんです。
そうなんですねー。
子どもの乳歯を虫歯から守ろう!
乳歯が虫歯になると、後から生えてくる永久歯や歯並びに大きな影響が出てしまいます。一旦虫歯になると進行が早いので、痛みがひどくなるのもかわいそうですね。日頃から家族全員で歯に対する意識を持ち、虫歯になりにくい環境を作りましょう。
- 乳歯の虫歯は濁った白色
- 歯と歯の間や歯の上部の溝が虫歯になりやすい
- 乳歯の虫歯は大人の虫歯より進行が早い
- 子どもは虫歯の痛みに気づきにい
- 虫歯になると偏食や激痛、歯並びが悪くなるなどの悪影響がある
- 虫歯を予防するには規則正しい食生活や歯磨き習慣、仕上げ磨きが重要