歯医者さんが教える口腔機能発達不全の予防法と対処法

子どもの慢性的な口呼吸は、脳の発達や虫歯・歯並びの悪さなど、様々な悪影響をもたらします。口呼吸は主に口腔機能発達不全という病気が原因です。ただし、これは赤ちゃんの頃から予防することができます。ここでは、妊娠時から乳幼児期にかけてできる口腔機能発達不全の予防法・改善法について、ご紹介します。
口腔機能発達不全とは?

口腔機能発達不全とは、お口ポカンや常に口呼吸をしている状態です。これは病気の一種で、クセなどではありません。
口腔機能発達不全は、鼻詰まりや先天的な口や舌の異常が原因です。
口呼吸の予防法
鼻で呼吸することは、とても大事なことです。口呼吸が慢性化すると、脳に酸素が行き渡らなくなり、脳や頭蓋・顎骨・歯の成長を阻害してしまうのです。子どもの口呼吸を予防するには、以下のようなことに気をつけましょう。
妊娠時の食事で気をつけたいこと

子どもの口呼吸を予防するには、なんと妊娠時から気をつけることが大切といわれています。ママが口にするものは、間接的に赤ちゃんに影響するからです。
- 食品添加物
- マーガリン(リノール酸、トランス脂肪酸)
- 牛乳
- 魚(水銀)
- 食品保存材
- 農薬を使っているもの

牛乳は絶対ダメということではありません。とりすぎに注意すれば大丈夫です。
おすすめの食材はありますか?

調理する時は、アマニ油など良質な油がおすすめです。
なるほど、料理全般で油を変えるといいんですね〜。
離乳食〜手づかみ時で気をつけたいこと

離乳食は流動食とは違います。栄養面に気をつけながら、歯で噛むことも自然に身に着けさせることが重要です。歯が生えてきたら、大人の食事から取り分けるのがおすすめです。赤ちゃんは大人と同じものを食べたがります。大人と同じものなら、食事の楽しさもより味わうことができるでしょう。
- 味の薄いもの、硬すぎないもの
- 前歯で簡単に噛み切れる程度の柔らかさとサイズ
- 塩分が多すぎないもの
- 加工品ではなく素材から調理したもの
赤ちゃん用に用意しなくてもいいから楽ね。
食べる時の姿勢も大事

自分で椅子に座って食べるようになったら、食べる時の姿勢も重要です。ポイントは、床に足の裏がピッタリとついていること、背中が背もたれにしっかりと付いていることです。

足がブラブラしている状態では、しっかりと噛んだり飲み込んだりすることができません。
たしかに、大人でも足がブラブラしていると食べにくいですね。
先天的な問題がある場合

先天的に舌小帯異常や上唇小帯異常がある場合は、治療が必要です。軽度ならマッサージなどで徐々に改善することができます。4〜5歳くらいからは局所麻酔での手術も可能です。

手術でくっついている部分を切り離すと、口呼吸が治ります。
口腔機能発達不全を予防して子どもの健全な成長を促す

保健所や小児科が行う食事指導は、喉につかえないことや栄養面を優先しています。しかし、お口や歯の健康からも考える必要があります。この記事を監修している小児歯科では、歯医者さんの立場から、食事やおやつ、マッサージ方法などについて、月1回講座を設けて詳しく指導しています。
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