永久歯と乳歯の違いって?色や本数から虫歯になりやすさまで

永久歯と乳歯の違いってなんですか?という質問をよく受けます。永久歯は大人の歯、乳歯は子どもの歯ですが、2種類の歯の違いは単にそれだけではありません。それぞれの違いを知れば、見分け方やどんなケアをすればいいのかも分かりますよ。ここでは、永久歯と乳歯の様々な違いについてご紹介します。
- 永久歯に生え変わったら周りの色と違う!
- 乳歯がない永久歯があると聞いたことがある
- 永久歯は最終的に何本になればいいの?
- 子どもの歯が足りない気がする…
- 乳歯に必要なケアってどんなこと?
永久歯と乳歯の違い

永久歯と乳歯は見た目や構造の厚みなどが異なります。
色の違い
乳歯は色が白いのに対して、永久歯は黄みがかっています。そのため、「永久歯に生え変わったら周りと色が違う!」と焦ってしまう人もいますが、心配いりません。
永久歯が黄色っぽいのは使っているうちに変色しているからだと思ってました。

象牙質の色が反映するんですが、象牙質の色は人によって色が違うので歯の色も様々なんです。
そうなんですね。
大きさの違い

大きさは乳歯よりも永久歯のほうが一回りほど大きいです。歯は内側から歯髄、象牙質、セメント質、エナメル質となっています。乳歯は永久歯よりも象牙質とエナメル質が薄いので、虫歯にもなりやすくなります。
厚みにも違いがあるんですね。

層が薄いと虫歯の進行も早いんです。歯の根っこも違いがあって、乳歯も抜けやすいように短めで、永久歯は長いです。
本数の違い
乳歯は20本、永久歯は28本です。さらに、永久歯は親知らずまで入れると32本になります。

親知らずは生えてくる人とそうでない人がいて、生える人でも4本すべて生える人もいればそうでない人もいます。
顎の大きい人ほど親知らずまで生えるのかしら?

親知らずは退化して生えてこないという説もありますし、歯茎の中に埋もれて出てこないだけという場合もあるんです。
そうなんですね〜。
歯の柔らかさ
乳歯は永久歯よりも柔らかいという特徴があります。歯の硬さは生まれつきの資質もありますが、再石灰化の繰り返しによって強くなっていきます。生えてから2〜3年くらいの若い永久歯もまだ柔らかいので、虫歯に注意しましょう。

乳歯から生え変わり時期までの歯のケアはとても重要です。
子どもが虫歯になりやすいのはこんな理由があったんですね。

もちろん、甘いジュースや砂糖が入ったお菓子の食べすぎにも注意してくださいね。
乳歯の役割

乳歯は食べ物を噛むためだけに存在しているわけではありません。乳歯は身体の成長にとってとても重要な役割があります。
- 食べ物を噛み砕いて栄養分を吸収する
- 噛むことで顎の発達を促す
- 噛むことで脳へ刺激を送る
- 永久歯が正しく生える目印
人間は食べ物から栄養を摂取しますので、健康な乳歯で食べ物をよく噛んで食べることは基本です。また、噛むことで顎の発達を促し、脳へ刺激を送ることで脳の発達も促します。
永久歯は乳歯が押し出される形で生えてきますが、乳歯が正しい位置にないと、永久歯は然るべき位置に生えてくることができません。乳歯は永久歯が生えるための目印になっているのです。
それじゃ、虫歯なんかで乳歯を抜いてしまうとどうなるんですか?

永久歯は目印を失ってしまうので、歯並びが悪くなる原因になることがあります。
はじめての永久歯「6歳臼歯」

六歳臼歯とは第一大臼歯のことで、乳歯の奥に生えてくるはじめての永久歯です。この歯が咬み合わせや歯並びの基本にもなります。しっかりと食べ物を噛み砕けるようになるので、硬いものも食べられるようになります。生え始めは乳歯よりも背丈が低いので磨きにくく、虫歯になりやすいのでしっかりと磨きましょう。
仕上げ磨きのときは特に注意しなきゃいけませんね。

そうですね。子どもはまだしっかりと磨けないので、大人が意識的に磨いてあげてくださいね。
永久歯は何歳くらいまでに生え変わる?

永久歯は一般的に6歳頃に六歳臼歯から生え始めて、最終的に生え揃うのは13歳〜14歳頃です。歯の生え変わりには個人差があるので、1〜2年くらいの誤差はあまり気にしなくて良いでしょう。
生え変わる順番は決まっているんですか?

はい。まず六歳臼歯が生えて、後は前歯から奥に向かって生え変わります。
順番が変わることもあるんですか?

ありますよ。順番や時期には個人差があるので、特に心配しなくても大丈夫です。
永久歯が生えてこない「先天性欠如歯」
生まれつき歯が足りないことを先天性欠如歯といいます。生まれつき1本以上歯が足りない子どもは10人に1人といわれており、乳歯でも永久歯でも可能性があります。
もしも永久歯が生えてこない場合は、乳歯は抜けないんですか?

はい。乳歯を使い続けることになるんですが、虫歯になりやすいので注意が必要です。
虫歯予防は乳歯から

乳歯が虫歯になっていると永久歯も虫歯になったり歯並びが悪くなったりする可能性があります。そのため乳歯からの虫歯予防はとても重要です。毎日の歯磨きは基本ですが、予防をより強化するには、以下のような方法があります。
シーラントやフッ素塗布
シーラントとは、奥歯の溝や前歯の隙間を歯科用のプラスチック樹脂で埋める処置のことです。乳歯にできる虫歯は歯の上の溝から歯の中心部に進行していくので、シーラントを施しておけば虫歯になりにくくなります。
フッ素は歯磨き粉にも含まれていますが、歯磨きが自分でできない小さな子どもには、歯医者さんでフッ素材を定期的に塗布してもらうのが効果的です。

フッ素には、歯を強くし虫歯を寄せ付けない効果があるんです。
フッ素塗布の効果はどのくらい続くんですか?

だいたい3ヶ月程度です。ですので、季節ごとくらいに塗布するのがおすすめです。
乳歯を大切にすると良い永久歯が生えてくる
乳歯は顎の発達や脳の発達にも関係があるので、「どうせ抜けるんだから虫歯になっても大丈夫」ではありません。永久歯が正しく生えるために必要なものなので、将来の歯並びにも大いに影響します。日頃からフッ素入りの歯磨き粉で乳歯を磨き、大切なお子さんの今と将来の健康を守りましょう。
- 永久歯は乳歯に比べて黄色みを帯び、大きさも一回り大きい
- 乳歯は20本、永久歯は28本
- 乳歯や生えはじめの永久歯は柔らかく虫歯になりやすい
- はじめて生える永久歯は六歳臼歯
- 歯の生え変わりの時期や順番には個人差がある
- シーラントやフッ素塗布をすると、より虫歯予防に効果的