子どもの歯並び、上顎前突(出っ歯)の対処法は?矯正を始める年齢別に解説

子どもの歯並び、上顎前突(出っ歯)の対処法は?矯正を始める年齢別に解説
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子どもの歯並びがよくない、出っ歯になりそうと気付いたものの「この程度なら、治療するほどでもない?」「大人になってから矯正した方がいいのかな?」などと考えていませんか?

実は、子どもの歯並びの矯正は、早くから始める方がたくさんのメリットがあるのです。

そこで今回は、上顎前突(出っ歯)の対処法について、子どもの年齢別の方法を紹介。子どもの矯正に詳しい歯科医が、それぞれの治療法について解説します。

この記事がおすすめな人
    • 子どもの歯並びが悪くて気になっている方。
    • 子どもの上顎前突(出っ歯)の対処法について知りたい方。
    • 子どもの上顎前突(出っ歯)は何歳から治療すべきか悩んでいる方。
    • 子どもの歯並び矯正は、早くから始める方がいいと聞いたが本当?
    • 小さい子どもに矯正治療をさせると、負担が大きいのではと心配な方。
INDEX
  1. 子どもの歯並び「上顎前突(出っ歯)」とは?
  2. 子どもの歯並び「上顎前突(出っ歯)」の対処法とは?
  3. 6歳くらいまで
    1. マウスピース(プレオルソ)
  4. 8歳くらい以降
    1. プレート(取り外し式)
    2. 拡大急速拡大装置(固定式)
    3. マウスピース(取り外し式)
    4. ヘッドギア(取り外し式)
  5. 12歳くらい以降
  6. 子どもの歯並び「上顎前突(出っ歯)」の対処は早いうちに!

子どもの歯並び「上顎前突(出っ歯)」とは?

うさぎさん

上…?これって「出っ歯」のことですよね?これ、なんて読むんですか?

鈴木先生

上顎前突は、「じょうがくぜんとつ」と読みます。いわゆる出っ歯のことです。下の歯列よりも上の歯列が前へ過剰に飛び出している状態です。

うさぎさん

どうして上顎前突(出っ歯)になるんですか?遺伝ですか?

鈴木先生

骨格に原因があるケースは遺伝からきている可能性が高いですね。指しゃぶりや舌クセといった日常的な習慣が要因になっているケースもあります。

上顎前突(出っ歯)は、歯並びの乱れ「不正咬合」の中でも、特に日本人に多い歯並びです。

上の前歯だけが前方へ反り返るように出ているタイプと、上顎の骨格そのものが前へ突き出しているタイプがあります。

大きく口を開けて笑った時、上の歯茎がたくさん見える「ガミースマイル」の症状を伴っていることが多いのも、その特徴です。

子どもの歯並び「上顎前突(出っ歯)」の対処法とは?

うさぎさん

子どもが上顎前突(出っ歯)だったら、どうしたらいいですか?見た目を気にするようになる前に治した方がいいでしょうか…?

鈴木先生

上顎前突(出っ歯)は、早めに治療を始めればキレイに治せる可能性がありますよ。

うさぎさん

そうなんですねー。何歳くらいから始めるといいでですか?

鈴木先生

それでは年齢に応じた上顎前突(出っ歯)対処法がありますので、紹介します。

子どもの上顎前突(出っ歯)を放置していると、見た目の問題の他にも色々な弊害が出てきます。まず、転んで歯を折るというケガが、多発することが挙げられます。

口を閉じづらいほど歯が前に出ている場合は、口呼吸になりやすいため、「感染症にかかりやすい」「虫歯や歯周病になりやすい」というリスクがあります。滑舌が悪くなって「発音しにくい」、また「口臭が強くなる」という問題も出てきます。

子どもの心身の健康に、さまざまな弊害が出てくる前に早期に治療を始めましょう。

早く治療を始めれば、子どもの歯並びの乱れ「上顎前突(出っ歯)」は、キレイに治せる可能性があるのです。

6歳くらいまで

鈴木先生

6歳くらいまでの小さなお子さんなら、プレオルソというマウスピースでの治療から始めます。

うさぎさん

でも、どうして小さい頃から矯正を始めるんですか?あまり小さいとかわいそうかな、とも思っちゃうんですけど…。

鈴木先生

プレオルソは、日中1時間と、寝ている間だけ装着するマウスピースです。いかがでしょうか?

うさぎさん

え、たったそれだけでいいんですか?

骨格に原因がある上顎前突(出っ歯)の場合、小さい頃から始めると、その原因から治すことができます。

さらに、抜歯せずに矯正できる可能性が上がります。

大きくなってから始めると顎の成長が終わっていますから、歯を抜かなければいけない可能性が高くなります。

けれども小さい頃から始めると、骨格が理想的に発育していくよう促す治療を行えます。歯がキレイに並ぶスペースをつくれるように、矯正器具で発育を促していくのです。

マウスピース(プレオルソ)

装着時間は、日中1時間以上と、睡眠中だけ。つける時間が短いので、6歳くらいの子どもにも負担が少ない矯正装置です。

取り外しできるので、食事や歯磨きへの影響もありません

痛みがほぼないので、小さい子どもも嫌がらず続けやすいのが特徴です。

8歳くらい以降

鈴木先生

7~8歳頃のお子さんなら、顎が正しく成長するため矯正治療を始めます。

うさぎさん

え、顎…?歯に関係あるんですか?

鈴木先生

顎の骨格は、歯の土台になっているんですよ。スカル(骸骨)を思い浮かべてみてください。歯が顎の骨格にくっついているでしょう?

うさぎさん

あー、そういわれてみれば、そうですねー。

鈴木先生

顎が小さければ歯が並びきれず、歯並びがガタガタになったり、前歯が前方へ飛び出したりしてしまうんです。すべての歯がキレイに並ぶためには、顎が正しい大きさに発育する必要があるのです。

うさぎさん

そういうことなんですねー。顎の発育を促すっていう意味がわかりましたー!

上顎を正しい大きさに成長するよう促したり、逆に成長しすぎないように抑制したり、子どもの身体の成長を活かした矯正治療を行ないます。

そのために使われる代表的な矯正器具3つを紹介します。

プレート(取り外し式)

拡大床という呼び方が一般的です。プレート状の取り外し式の装置を口内に取り付けます。

この装置では、乳歯から永久歯への生え変わりの時期に、正しい位置へ生え変わりを促し、永久歯の歯並びを整えます。

装置についているネジを定期的に巻くことで顎の横幅の成長を促します。顎が広がっても顔が大きくなることはないので、心配はいりません。

    • 装着時間:1日12時間くらい(睡眠中含む)
    • 装着期間:2~3年
    • 使用方法:定期的にネジを巻く

拡大急速拡大装置(固定式)

上顎用の拡大装置です。1日1~2回ネジを巻き、ハイペースな顎の拡大を狙います。固定式なので、外すことはできませんが、つけたまま食事や歯磨きが可能です。

装着していても外から見てそれほど目立ちませんが、大きな口を開けると前から4番目の歯に固定した部分がチラリとのぞきます。

    • 装着時間:常時つけたまま
    • 装着期間:2~3年
    • 使用方法:1日1~2回ネジを巻く

マウスピース(取り外し式)

マウスピース型矯正装置は透明で目立ちにくく、大人の矯正でも人気です。

その子どもバージョンの「インビザラインファースト」が進化し、乳歯から永久歯への生え変わりの時期でも使用できるようになりました。

目立たないので見た目が気にならない、取り外し式なので食事や歯磨きも普段通りつけたまま遊びやスポーツができる、1カ月半~3カ月ごとくらいの少ない通院回数で済むなど、魅力の多い治療法です。

永久歯の萌出数など使用条件がありますので、詳しくは、かかりつけの歯科で相談してください。

    • 装着時間:1日20時間以上(睡眠中含む)
    • 装着期間:1年半程度
    • 使用方法:2週間ごとに自宅で取り替える

ヘッドギア(取り外し式)

ヘッドギアは、主に重度の上顎前突(出っ歯)の治療に使用される矯正装置です。

帽子のように頭にかぶり、後ろから強い力で歯を引っ張り、歯列を後方へ移動させる治療法です。比較的大きな矯正効果が期待できる方法ですが、装置が大掛かりに見えることがデメリットといえます。

金属の棒などの装置がついているため、装着しているときは静かにしていなければなりません。

ヘッドギアをつけたままとっくみあいの兄弟げんかをして、ケガをした子どももいるので気を付けてください。

    • 装着時間:1日12時間以上(睡眠中含む)
    • 装着期間:6カ月~1年
    • 使用方法:装着時は静かに過ごす

12歳くらい以降

うさぎさん

12歳くらいになると、どうして小さい子どもの頃と対処法が違ってくるのですか?

鈴木先生

歯の生え変わりが終わっていて、顎の成長もほとんど終わっているからです。そうなると、大人の矯正とほぼ同じ方法で矯正することになります。

うさぎさん

そうなんですねー。生え変わりが終わると、大人の矯正になるんですねー。そうなると、歯を抜かないといけないですか?

鈴木先生

その可能性はありますね。ただ、症状によっては治療法を検討すれば、抜歯を回避できることもありますよ。

歯の生え変わりや顎の成長が止まる頃から始める矯正治療は、基本的に大人の矯正と同じです。

ワイヤー矯正やマウスピース矯正から、自分のライフスタイルに合った方法を選ぶことになります。

抜歯したくない場合は、スライス矯正やインプラント矯正といった治療法を検討すれば、症状によっては抜歯せずに済む場合もあります。

ただし、非抜歯矯正が必ずしも歯の健康に良いとは限りませんので、よく検討してから決めるようにしましょう。

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うさぎさん

子どもの歯並びの矯正は、早くからの対処法を選ぶ方が良さそうですねー。

鈴木先生

そうですね。実際に矯正を始めるかどうかは別として、早めに小児歯科へ相談に行くと、より良い治療法を選べますよ。

うさぎさん

早くから歯医者さんに相談しておく方が良いっていうことですねー。うちの子たち、遺伝で出っ歯になりそうだから、早めに歯医者さんへ連れていこうと思いますー。

記事の重要ポイントをチェック!
    • 子どもの歯並びの矯正は、早めに始める方がメリットが多い。
    • 子どもの上顎前突(出っ歯)の対処法は、年齢に応じて異なる。
    • 子どもの頃から矯正を始めると、抜歯しない矯正を目指せる。
    • 上顎前突(出っ歯)になるのは、遺伝や日常的なクセのため。
    • 早めに小児歯科へ相談に行くと、治療法の選択肢が広がる。