子どもの歯が黒いと感じたら!虫歯じゃなくても黒くなる4つの理由

ふと気がついたら子どもの歯が黒かったらビックリしますね。「いつのまにか虫歯が!」と不安になると思いますが、実は虫歯ではないかもしれません。歯が黒くなるのには、4つの大きな理由があります。ここでは、それぞれの理由やどのように黒く見えるかについて、詳しくご紹介していきます。
- 気がついたら子どもの歯が黒い
- 歯が黒いのに痛がっていない
- 1本だけ黒い歯がある
- 歯の裏が全体的に黒い
- 歯に黒っぽい点や線がある
乳歯が黒くなる4つの理由
歯が1本だけ黒ずんでいる、あるいは黒い点が見えるなど、乳歯が黒くなるのは4つの原因があります。
1.神経が通っていない

歯全体が黒ずんでいる場合、その歯に神経が通っていないと考えられます。黒くなるのは1本だけ、または数本にまたがっている場合がありますが、何らかの理由で神経に異常が生じています。
最近、お子さんが転んだりぶつかったりして歯を強く打ちませんでしたか?打った衝撃で、歯の根にある神経が死んでしまっている可能性が高いです。神経が死んでしまうと、血流や栄養が歯に行き渡らなくなるので、灰色〜黒っぽく変色します。

神経が死んでいると痛みも感じないので、変色してはじめて気づくケースが多いんです。
あ、そっか。神経がなければ痛まないから…。
2.着色汚れ

歯の表面に茶色や黒っぽいものが付着している場合、着色汚れの可能性があります。着色汚れは、言ってみればコーヒーカップの内側などに茶渋がつくのと同じ現象です。大人ならワインや緑茶など心当たりがみつかりやすいですが、子どもがよく食べるチョコレートや麦茶の他、受動喫煙でも着色することがあります。
麦茶や果物でも着色汚れになるなんて、ちょっと意外ですね。

そうですね。歯の磨き残しは同じ場所で起こることが多くて、着色汚れがだんだんたまってひどくなってしまうんですよね。
3.虫歯治療の薬によるもの

小さなお子さんの虫歯治療でまだ削るのが難しい場合は、サホライドという虫歯の進行を止める薬を塗ることがあります。サホライドは虫歯の部分だけに吸着して虫歯が進むのを止めてくれますが、薬に反応した部分が黒くなってしまうという特徴があります。幼稚園や学校の検診で虫歯と間違われることがあるので、サホライドの処置をした場合は事前に連絡しておきましょう。

まれに、サホライドを塗っていても虫歯が進行してしまうことがあります。早期発見が難しくなるので、定期的に歯医者さんで診てもらいましょう。
そうなんですね。虫歯みたいに黒くなるのはちょっと抵抗がある人もいますよね。他に方法はないんですか?

最近ではフッ素塗布の方が主流になりつつあります。
あ、フッ素塗布なら聞いたことがあります!フッ素なら無色透明だからいいですね。
4.虫歯が進行している

乳歯の虫歯が進行すると、歯のてっぺん(中央)から黒くなっていきます。また、歯と歯の間も虫歯で黒くなりやすいです。黒い点や溝に沿って黒い線がある場合は、虫歯が進行している可能性が高いでしょう。乳歯は永久歯よりもエナメル質の層が薄いので、虫歯になるとすぐに象牙質に達して痛みを感じます。仕上げ磨きの時などに黒くなっていると感じたら、すぐに歯医者さんに連れていきましょう。

痛みを訴える頃には、相当虫歯が進んでいます。
乳歯は虫歯の進行が早いんですね。
乳歯が黒くなったときの対処法
乳歯が黒くなった時は、放置せずに速やかに対処します。治療や処置によって白い歯を取り戻すことができますよ。
1.歯医者さんで治療や処置をする

歯が黒くなった原因が虫歯の場合には、歯医者さんでの治療が早急に必要です。最近では痛くない虫歯治療を行っている歯医者さんや、削らずにレーザーを当てる治療法も普及してきています。小児歯科には小児専門の歯科医師がいるので、もし近くに小児歯科があればおすすめです(一般歯科でも小児を扱っています)。
着色汚れの場合には、歯医者さんでホワイトニングしてもらえます。自宅で研磨剤入りの歯磨き粉で落とそうとすると、歯の表面にあるエナメル質を傷つけてしまう可能性があります。歯医者さんのホワイトニングは特殊な光を当てたり薬剤を使ったりするので、歯を傷つけずに白くすることが可能です。
子どもの歯もホワイトニングってできるんですね。

ホワイトニングというと美容のイメージが強いですが、お子さんも多いですよ。仕上げにフッ素塗布などもできるのでおすすめです。
2.色の濃い食べ物や飲み物を控える

着色汚れになりやすい場合は、日頃から色の濃い食べ物を控えるのも一つの方法です。例えばチョコレート、ココア、カレー、ハヤシライス、紅茶などです。もしも色の濃い飲食物を摂ったら、食後すぐにブクブクうがいをさせると着色汚れを防ぐことができます。もちろん、毎日の歯磨きや仕上げ磨きも見直してみましょう。
生まれ持った歯の質は、着色汚れになりやすいかどうかが関係あるんですか?

そうですね。象牙質の色の濃さも関係しますよ。これは大人になっても同じです。着色汚れを防ぐには、食後の歯磨きが一番有効です。
あ、それはそうですね!
子どもの歯を黒くしないための予防法

歯を黒くしないためには、歯医者さんで定期検診を受けることです。日頃から信頼できる顔なじみの歯医者さんであれば、なにかあった時にお子さんも抵抗なく治療できるでしょう。
もちろん、事故などで歯をぶつけた、虫歯の可能性があるという時は、すぐに歯医者さんに診てもらってください。特に活発なお子さんは、遊んでいる中で前歯をぶつけてしまうというのはよくあることです。乳歯の段階で神経が死んでしまうと、うまく永久歯に生え変わらないことがあります。また、乳歯が虫歯になり重症化すると、歯の根に問題が残って永久歯の発達にも悪影響が出てしまいます。
着色汚れになりやすい場合は、生活を見直すことで黒くなるのを防げます。色の濃い飲食物に加えて気をつけなければならないのが、歯を溶かす食べ物や飲み物です。炭酸や柑橘類などは歯の表面が酸で溶けやすくなります(う蝕)。歯の表面が溶けて凸凹になると着色汚れがつきやすいですし、虫歯にもなりやすくなります。
乳歯が黒くなっても永久歯に生え変わるから大丈夫というわけではないんですね。

そうなんです。乳歯は永久歯にとても影響するので、なにかあったらすぐに歯医者さんを受診してください。
わかりました。
歯の黒ずみの原因が分からないときは歯医者さんへ!
子どもの歯が黒くなるのは、虫歯以外にも色々な原因があることが分かりましたね。お子さんが自分で言ってきたり、仕上げ磨きなどで黒くなっているのを見つけたりしたら、すぐに歯医者さんを受診しましょう。特に原因が分からない時は、放置せずにできるだけ早く連れて行ってください。
- 歯全体が灰色から黒っぽくなっているのは神経が死んでいる可能性が高い
- 磨き残しから着色汚れから茶色や黒色になることがある
- 虫歯治療でサホライドを塗布すると虫歯部分が黒くなる
- 虫歯が進行しすると黒い点や線ができる
- 神経の問題や虫歯の場合はできるだけ早く歯医者を受診する
- 着色汚れは歯医者でのホワイトニングや色の濃いものを食べないことで予防できる