子どもの受け口は幼児からの予防で改善できる!今すぐできる8つの予防法

子どもの受け口は幼児からの予防で改善できる!今すぐできる8つの予防法

この記事の監修医師一覧

杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。

子どもの歯並びの悪さで外側からでも分かりやすいのが、受け口です。子どもの受け口は、歯だけでなく骨も成長期にあるため、幼児期に対処すれば改善できます

今回は、今すぐできる8つの予防法をご紹介します。

受け口を放っておくことによる弊害

受け口

受け口は見た目だけでなく、以下のような弊害があります。

    • 顎が出て見た目がしゃくれた感じになる
    • 前歯でうまく噛むことができない
    • 飲み込みにくくなる
    • 虫歯になりやすい
    • サ行・タ行の発音がしにくい
    • 顎関節症になりやすい
    • 口が閉じにくくなる

正常な噛み合わせの前歯は、上前歯が下前歯より2〜3mm程度重なっている状態です。しかし、受け口は下前歯が上前歯より出ているため、うまく噛み合わせることができません。前歯で噛みちぎることが難しくなり、その分奥歯に負担もかかります。十分に咀嚼できないため、胃腸にも負担がかかります。

また、噛み合わせが正常ではないため飲みにくくなったり、歯ブラシが届きにくくなり虫歯になりやすくなったりします。発声にも問題が生じるケースが多く、サ行やタ行がうまく発声できずに舌足らずのような印象になります。

さらに、顎の関節に負担がかかるので顎関節症になりやすく、口が閉じにくくなってドライマウスにもなる可能性も高いです。

子どもが受け口になる3つの原因

3本指

受け口は、「反対咬合」「骨格性下顎前突」の2種類があります。受け口の種類によって、原因も異なります。

骨格の問題

骨格の問題でなる受け口は、「骨格性下顎前突」です。歯そのものではなく、下顎の骨が上の前歯よりも出ている場合や、下顎が大きいなど、生まれつきの骨格が原因で生じます。

日常的なクセ

頬杖をつく際に下顎を押し出したり、乳幼児期の指しゃぶりや舌の癖などでも受け口になります。

顎の発達が十分でない

上顎の発達が十分でなく上顎が小さい場合、または下顎が大きい場合に、受け口の原因となります。

子どもの受口を予防する8つの方法

リスト

子どもの受け口を防ぐには、以下の8つの方法が有効です。

1.食べ物をよく噛ませる

加工食品や骨抜きの魚など、現代の食生活は柔らかい食べ物がたくさんあります。しかし、顎の成長は噛むことが何より大切です。食べ物はよく噛んで食べることを基本とし、ゆで野菜を少し固めにしたり、歯ごたえのあるリンゴやおせんべいなどをおやつにするなど、食べ物を工夫してみるのがおすすめです。

2.口呼吸をやめさせる

口呼吸が癖になると、口をしっかりと閉めなくなるので顎の発達が十分でなくなり、噛み合わせが悪くなって受け口の一因となります。また、口呼吸は口の中が乾燥して唾液を減らし、口の中の細菌を増殖させて虫歯を作りやすくもします。

口呼吸は無意識にしていることがほとんどですが、鼻で息がしづらいなどの原因がある場合もあるので、一度耳鼻科で診てもらうことをおすすめします。

また、口呼吸は口周りの筋肉をトレーニングすることで改善する場合もあります。

3.指しゃぶりをやめさせる

指しゃぶり

指しゃぶりは乳児期から数年間という長い間していると、指を吸う際に上顎に力がかかり、上顎が狭くなって受け口になる可能性があります。同時に噛み合わせが悪くなるケースが多いため、指しゃぶりは永久歯が生え変わる前にはやめさせたいものです。

4.頬杖をやめさせる

頬杖は、手で下顎を押し上げるため、下顎が徐々に前に出てきてしまう他、顎の関節にもダメージを与え続けています。また、右や左どちらか片方のみで頬杖をつくため、噛み合わせがずれる他、顎の骨が歪んでくる可能性もあります。

子どもは親の癖を見て真似する場合があるため、もしお母さんや近くの大人が頬杖の癖がある場合は、大人がやめると子どもも自然にやめることがあります。

5.うつぶせ寝や横向き寝をやめさせる

うつぶせ寝や横向き寝は、片方の顎に力が常にかかり続けるため、顎関節症になる可能性が高いです。また、うつぶせ寝や横向き寝は歯や顎だけでなく、体全体を歪ませる原因にもなるため、仰向けで眠る習慣をつけさせたほうが良いでしょう。市販の横向き防止の枕などを使用するのも一つの方法です。

6.爪を噛むクセをやめさせる

爪噛みは前歯で固い爪を噛むため、前歯に負担がかかり噛み合わせを悪くします。歯列のバランスが崩れたり、顎に歪みが生じたりするなどです。また、食べ物を前歯のみで噛む癖があると、奥歯ではなく下顎で細かく噛み砕こうとするので、下顎が出て受け口になる可能性があります。

爪の中にはばい菌もたくさん潜んでいるため、爪噛みの癖は早めに直したいものです。

7.虫歯を放置しない

乳歯が虫歯になっても、生え変わって永久歯になるから大丈夫と、子どもの虫歯を治療しないで放置している人がいますが、それは誤った認識です。乳歯の虫歯が進行すると、早めに抜けてスペースが空き、他の歯が傾いて歯並びが悪くなったり、下に控えている永久歯にも菌の影響が及んだりすることもあるからです。

乳歯は永久歯より厚みが薄く虫歯の進行が早いため、仕上げ磨きする時にチェックしたり、定期的に歯医者さんに通うことをおすすめします。

8.舌の位置を改善させる

舌の正しい位置は、上前歯のやや後方です。もし、舌が正常よりも低い位置にあると、受け口や出っ歯、歯並びがガタガタになる叢生などになる可能性があります。

舌の位置は素人ではなかなか判断しにくいため、歯医者さんでチェックしてもらうのが一番です。

豆知識|母乳やおしゃぶりと受け口の関係

赤ちゃんと母乳

母乳は栄養面で優れていることから、母乳が出る人は母乳で育てることを推奨されますが、母乳は赤ちゃんの口の発達にもとても効果があります。母乳は赤ちゃんが舌を使って吸うことによって出るしくみですが、吸う力が赤ちゃんの顎の骨を発達させるのです。顎の骨が正常に発達することで、受け口になりにくくなります。もし、ミルクを哺乳瓶で与える際には、母乳と同じように吸う力を使えるような、哺乳瓶を逆さまにしても垂れないものを選びましょう。

おしゃぶりは口をポカンと開けたままになることを防ぐ効果があります。口を開けっ放しにすると顎の発達が未熟になり、受け口になりやすくなるのは先述のとおりです。

哺乳瓶の吸口やおしゃぶりも多種多様な製品があるので、赤ちゃんの舌の位置が正常に来るように設計されているものや、赤ちゃんの相性に合ったものを選びましょう。

子どもの受口は幼児のうちに改善しよう

子どもの受け口は、以下の方法で幼児期から予防・改善することができます。

    • 食べ物をよく噛ませる
    • 口呼吸をやめさせる
    • 指しゃぶりをやめさせる
    • 頬杖をやめさせる
    • うつぶせ寝や横向き寝をやめさせる
    • 爪を噛むクセをやめさせる
    • 虫歯を放置しない
    • 舌の位置を改善させる

日頃の生活の中でどうしても直らない場合には、早めに歯医者さんに行って相談するのがおすすめです。