インプラントを飲み込んじゃった! 対処法と病院に行くまでの注意点

インプラントを飲み込んじゃった! 対処法と病院に行くまでの注意点

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鈴木志帆美先生
鈴木 志帆美 先生
専門:小児歯科・歯内療法
2015年 神奈川歯科大学卒業

インプラントの治療途中に詰め物を飲み込んでしまった!という人は意外といます。しかし、飲み込んだ時には慌てなくても大丈夫です。インプラント治療中で飲み込んでしまったものは、仮歯であって金属ではありません。金属部分はネジで固定されていて、ネジが緩んだ程度では取れない構造になっています。ただし、就寝中に歯ぎしりなどによって折れる場合もないとは言い切れません。ここでは、インプラントを飲み込んだときの対処法を説明します。

INDEX
  1. インプラントを飲み込んだ時の対処法
    1. 飲み込んだ後特に違和感などがない場合
    2. 飲み込んだ後喉に違和感がある場合
    3. 飲み込んだ後胃にむかつきがある場合
    4. 飲み込んだ後体調不良が起こった場合
  2. インプラントで仮歯が必要なワケ
    1. スペースの確保
    2. 細菌感染の防止
  3. 仮歯を入れる期間
  4. 仮歯を入れている時の注意
    1. 手術直後の食事は柔らかいものにする
    2. 硬すぎるものを噛まない
    3. 歯磨きは優しく丁寧に
    4. 歯ぎしり・食いしばりを改善する
  5. インプラントを飲み込んだ際の対処法のまとめ

インプラントを飲み込んだ時の対処法

インプラントを飲み込んでしまったらびっくりしますね。しかし、そんな時は慌てずに、以下の対処をしてください。

飲み込んだ後特に違和感などがない場合

多くの場合は仮歯を飲み込んでしまったケースです。しかし、インプラント治療から経年後の場合は外れた人工歯を誤って飲み込むといったケースもあります。どちらの場合も、飲み込んだ後なんともない場合は、特に何もせずにいて大丈夫です。飲み込んだものは胃に入り、腸に移動してやがて排出されます。

ただ、仮歯は必要があって一定期間入れているものですし、人工歯が取れた場合も細菌感染の恐れがあります。治療中の歯科に連絡して飲み込んでしまったことを言いましょう。

飲み込んだ後喉に違和感がある場合

飲み込んだ後、喉がつっかえる感じがする、違和感があるという場合は、気管に引っかかっている可能性があります。まずは喉の奥に指を入れて嘔吐してみてください。また、咳き込んでぽろりと出ることもあります。

それでも状況が変わらない場合は、かかりつけの歯科医院に相談または耳鼻咽喉科を受診しましょう。

飲み込んだ後胃にむかつきがある場合

ごく稀にですが、飲み込んだ仮歯が胃や食道を傷つけることがあります。胃にむかつきがある場合は、直ちに内科で胸部レントゲンを撮ってもらいましょう。飲み込んだものを取り除く必要があります。また、レントゲンに写りにくいことがあるため、飲み込んだものをできるだけ詳しく医師に説明してください。

飲み込んだ後体調不良が起こった場合

体調不良が起こった場合は、すぐに内科に行きましょう。腹痛等がある場合には、飲み込んだ仮歯を取り除かないと誤嚥肺炎になる恐れがあります。また、咳込みが止まらないときは、耳鼻咽喉科に行きます。いずれの場合にも、飲み込んだものを詳しく説明してください。

インプラントで仮歯が必要なワケ

「飲み込む恐れがあるものなら、仮歯など入れないですぐに人工歯を入ればいいのに」、と思うかもしれません。しかし、仮歯を入れるのには、以下のような理由があります。

スペースの確保

インプラント本体を骨に埋めてからしばらくは、骨とくっつくまで不安定な状態です。そのまま人工歯を入れてしまうと歯並びを乱してしまう可能性があるため、インプラント本体が定着するまでは仮歯を入れておきます。

インプラント本体が骨に結合するまでは一定期間を要します。その間歯列に空間ができると、空いたスペースを埋めようと歯全体が移動してしまうのです。元の歯並びで設計した人工歯を予定通りしっかりと入れるようにするため、しばらくの間は仮歯を入れてスペースを確保しておきます。

細菌感染の防止

口内にはたくさんの細菌が存在します。骨は歯よりも細菌感染しやすいため、インプラント本体が結合するまでに感染してしまうというリスクがあります。細菌に感染するとインプラントの骨への結合を阻害するため、仮歯を入れて守る必要があるのです。

また、仮歯を入れておけば、食べ物を噛む時にインプラントにかかる力の負担を軽減できる他、喋りづらさ見た目もカバーしてくれます。

仮歯を入れる期間

インプラント本体が骨にしっかりと結合するまでには、一般的に3ヶ月以上かかると言われています。骨密度や骨の量、口内環境などの個人差や、治療法によっても異なるため、大体3ヶ月〜6ヶ月は人工歯を装着できないと考えてください。インプラントが骨や周辺組織としっかり結合したと認識できたら、人工歯を入れることになります。実際どのくらい仮歯を入れているかは、かかりつけ医に直接聞いてみると良いでしょう。

仮歯を入れている時の注意

骨や周辺組織とインプラントが結合しているかどうかは、仮歯を外して確認するため、仮歯は弱めの接着剤を用いて外しやすくしています。とはいえ、通常の生活ではよほどのことがない限り、外れない程度のギリギリのところで接着しています。しかし、あくまでも仮のものということを頭に入れ、仮歯を入れている時は以下のことに注意しましょう。

手術直後の食事は柔らかいものにする

手術後はインプラント本体がまだ固定していません。手術後2〜3日は噛まなくて済む食事を摂るようにしましょう。例えばおかゆや雑炊、柔らかく煮込んだうどん、スープ、ヨーグルト、ゼリー状のものなどです。

また、激辛料理や、酸味・甘みの強いものも傷口にダメージを与える可能性があるため、手術後1週間程度は控えます。

硬すぎるものを噛まない

仮歯は後から入れる人工歯より柔らかいプラスチック素材でできています。そのため硬いものを噛むと欠けたり割れたりしてしまう可能性があるので、硬すぎる食べ物は食べないように注意しましょう。硬いせんべいやナッツ類、フランスパン、氷を噛み砕く行為などは避けるのが賢明です。

歯磨きは優しく丁寧に

インプラントの仮歯が入った場所を歯ブラシでゴシゴシとこすると、仮歯が外れてしまったり傷をつけたりしてしまいます。ただ、同時にプラークコントロールも重要です。口内に微量の食べカスが残っていると、プラークができて炎症や歯周病の元になります。口内に歯周病の歯があると、菌が感染して人工歯を入れた後もインプラント周囲炎になるリスクが高まります。

こすらなければいいからといって歯磨きをおろそかにするのではなく、仮歯が入っている場所は優しく丁寧にということを心がけ、口内の清潔を保ちましょう。

歯ぎしり・食いしばりを改善する

歯ぎしりや食いしばりは、仮歯に大きな圧力をかけて外れや欠けの原因になってしまいます。また、夜間寝ている時に、知らない間に歯ぎしりをしているという場合もあります。同居している家族がいる人は、夜中に歯ぎしりしているか確認してもらいましょう。夜間の歯ぎしりがある人には、ナイトガード(夜間用のマウスピース)を使って対応する場合もあります。

インプラントを飲み込んだ際の対処法のまとめ

インプラントの仮歯を飲み込んでしまった場合は、状況に応じて以下の対処をしましょう。

    • 特に違和感がない場合:特に必要なし
    • 喉に違和感がある場合:指を突っ込み嘔吐する、病院に行く
    • 腹痛や咳込みなど不調がある場合:病院に行く

また、飲み込んだまま放置しておくと、そこから細菌感染する可能性があります。仮歯が取れてしまった場合は治療中の歯科医に連絡をして、飲み込んでしまったことを報告しましょう。