インプラントが割れたら|原因や応急処置の方法と費用について

インプラントが割れたら|原因や応急処置の方法と費用について
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インプラントが割れてしまった場合に考えられるのは、上部に取り付けている人工歯が破損してしまったという現象です。人工歯はいくら丈夫な素材を使っていても、硬いものを噛んだ拍子スポーツや不慮の事故などで、欠けたり割れたりしてしまうことがあります。

ここではインプラントが割れてしまった際の原因や応急処置の仕方、気になる費用などについてお話します。

INDEX
  1. インプラントが割れたら手術は必要?
  2. インプラントが割れた時の応急処置
  3. インプラントが割れたらどの病院に行くべき?
    1. 受診までに気をつけること
    2. インプラントが割れた時の費用
  4. インプラントが割れた原因
    1. 強い力がかかった
    2. 噛み合わせが変わった
    3. メンテナンスを怠った
    4. 経年による劣化
    5. 事故による損傷
  5. インプラントが割れないようにするには
    1. 定期メンテナンスを受ける
    2. 歯磨きを怠らない
    3. 硬すぎるものを噛まない
    4. 歯ぎしり・食いしばりを改善する
  6. インプラントが割れたら早めに病院へ

インプラントが割れたら手術は必要?

インプラントが割れた場合のほとんどは、人工歯の欠損によるものです。治療は人工歯を修復したり新しいものと交換するだけなので、基本的に手術は必要ありません

インプラントが割れた時の応急処置

インプラントが割れてしまった時は、できるだけ早く治療中の主治医を受診する事が重要です。すぐに受診できる場合は良いですが、日数が空いてしまう場合は電話で連絡した際の指示をよく聞き、汚れなどがたまらないようにしましょう。もし割れたり欠けたりした部分が残っているようであれば、保管して病院に持っていきます。

また、自分で詰め物をしたり舌や手で触ったりすると、雑菌が入る恐れがあります。受診までできるだけ触らないようにすることが大切です。

インプラントが割れたらどの病院に行くべき?

治療中であれば、治療中の病院に行きます。もし年数が経って保証が切れている場合には、同じインプラントメーカーを取り扱っている歯科医を探して行くのがおすすめです。インプラントには多数の種類があり、自院で取り扱っていないメーカーの治療はできない場合も多いからです。

受診までに気をつけること

受診までに気をつけることは、清潔を保つことと保証期間内かどうかを確かめることです。インプラントの手術後数ヶ月〜数年であれば、保証期間内であることがほとんどです。一般的にはインプラント治療には保証が設けられていますが、ごくまれに保証を設けていない場合もあります。

インプラントが割れた時の費用

上部の人工歯が割れてしまった場合は、保証期間内であれば無償で治療してもらえる可能性が高いです。インプラント治療は自由診療ですが、もし有償の場合でも人工歯ならそれほど高くはつかないでしょう。使う材質によっても費用は異なりますが、割れた部分が小さければ研磨して整えるだけで済む場合もあります。

インプラントが割れた原因

インプラントが割れる原因は様々です。人工歯はセラミックジルコニアが使われるのが一般的ですが、セラミックは強い力がかかると割れることがあり、セラミックよりも強いジルコニアでも100%割れないということはありません

強い力がかかった

人工歯になんらかの強い力が加わると、割れることがあります。例えば歯ぎしりや食いしばりは、通常の噛む力の何倍も強く、一度に歯に加わる力は100kgを超えます。相撲取りの全体重が1本の歯にかかるとイメージすると、相当な圧がかかると分かりますね。

また、硬いせんべいやフランスパンを無理して噛み切ろうとしたり、氷を噛み砕こうとしたりする場合にも歯が欠けたり割れたりする恐れがあります。

噛み合わせが変わった

インプラントを作る際には、その人の噛み癖や噛み合わせなどを見て、予め将来を見越して設計されます。しかし、長年の間に虫歯や歯周病になって治療したりすると、噛み合わせが変化することがあります。なんらかの病気などで姿勢が変化し、噛み合わせが変わった場合なども同様です。

噛み合わせが変化すると全体のバランスが崩れてインプラントに加わる力が変わり、割れたり欠けたりする原因となります。

メンテナンスを怠った

インプラントの手術後は、定期的なメンテナンスが必要です。最初は3ヶ月おき、半年おきと順調にメンテナンスに通っていても、間が空いてくると忘れてしまったり、つい忙しくて行かなかったりすることがあります。しかし、定期メンテナンスはインプラントの状態をチェックして、クリーニングしたり不具合がないか確かめたりする重要なものです。

例えば、定期メンテナンスで人工歯の摩耗を発見できていれば早期に修復できます。しかし、メンテナンスを怠ってしまったばっかりに不具合に気づかず、割れてしまう可能性があります。

2019年に国民生活センターが実施したアンケートによると、インプラント治療後に定期メンテナンスを受けていない人は36.6%、そのうち医師から説明をされていないと答えた人が50%でした。通常は医師から説明がありますが、万が一ない場合には、定期メンテナンスについての説明を求めましょう。

経年による劣化

セラミックやジルコニアは頑強な素材ですが、やはり人工物なので長い間口の中で食べ物や唾液にさらされていれば、経年劣化してしまいます。

また、天然歯には力が加わった際に緩衝材となる周辺組織がありますが、インプラントには緩衝材になるものがありません。そのため、どうしても噛み合わせ部分となる上部の人工歯部分の減りが早いのです。

インプラントの上部は経年劣化に加えて減りが早く、個人の生活スタイルなども異なるため、必ず寿命が来ます。

MEMO
インプラントの寿命は人によりますが、保証はおおかた10年ついています。つまり、10年くらいはもつということです。しかし、それ以上になると経年劣化や個人差から、寿命は異なります。25年問題なく使えているという人もいれば、15年で割れてしまったという人もいます。

事故による損傷

スポーツや不慮の事故でインプラントに強い力が加わった場合にも、人工歯が割れる可能性があります。事故による損傷が原因のインプラントの欠損は保証が効く場合がほとんどですが、保証内容によっては事故の内容が細かく指定されていることがあるため、インプラント治療の契約時には保証内容をしっかりと確認することが大切です。

インプラントが割れないようにするには

インプラントが割れないようにするには、以下のようなことへの注意が必要です。

定期メンテナンスを受ける

定期メンテナンスで炎症や何らかの不具合などがあれば、医師はすばやく対応することができます。インプラントはインプラント周囲炎にかかりやすく、インプラント周囲炎になると顎の骨が痩せて、インプラントのグラつきや割れなどの原因にもなります。

また、定期メンテナンスに通っていれば、万が一インプラントが割れた場合にも、保証期間内であれば保証が適用され、無償で治療が受けられます。しかし保証期間内に保証が適用される条件として、「定期メンテナンスに通うこと」が必須項目のため、定期メンテナンスに通っていないと保証は適用されません。

歯磨きを怠らない

定期メンテナンスに通うと同時に大切なのが、毎日のセルフケアです。セルフケアといっても特別なことをする必要はなく、毎日きちんと歯磨きを行うだけです。インプラント周囲炎は、口内のほんの少しの食べカスの残りから細菌が繁殖して、炎症を引き起こす、いわばインプラントの歯周病です。細菌が増殖するのはプラークの中なので、プラークを作れない環境にしておけば、インプラント周囲炎を防ぐことができます。

プラークを作らせないためには、デンタルフロス・歯間ブラシなどを併用した毎食後の歯磨きや、夜寝る前の丁寧な歯ブラシが効果的です。

硬すぎるものを噛まない

日頃から、インプラントが割れる原因である「硬いもの」を噛まないようにすることが大切です。ちょっと硬そうだと思ったら、無理をして噛まないようにしましょう。

歯ぎしり・食いしばりを改善する

歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、改善すればインプラントが割れる確率をかなり下げられます。歯ぎしりや食いしばりは、夜寝ている間だけしている人もいます。家族などと同居している人は、夜間歯ぎしりをしているかどうか確かめてもらってみてください。また、口内の頬の裏に線ができている人は、食いしばりの可能性があります。

歯ぎしりや食いしばりの原因は、噛み合わせやストレスと関係があります。歯ぎしりや食いしばりは無意識のうちにしてしまうものなので、自分で改善するのが難しいようなら歯医者さんに相談してみましょう。最近ではマウスピース治療のほかに、認知行動療法による治療などをしている病院もあります。

インプラントが割れたら早めに病院へ

インプラントが割れたら、治療中の病院に連絡しましょう。インプラントが割れたときに注意するポイントを以下にまとめました。

    • 触らないようにする
    • 保証が効くかどうか確認する
    • 保証期間外なら同メーカーを取り扱う病院に相談する
    • 放置しないようにする

割れたままにしておくと、そこから細菌が入ってインプラント周囲炎になる可能性があります。できるだけ早く病院に行き、治療しましょう。