インプラントにしたら耳鳴りがする?考えられる原因と対処法

インプラントをしてから耳鳴りがするようになったという人は一定数います。耳鳴りは日本人で約1200万人が抱える病気といわれ、加齢とともに増える悩みでもありますが、インプラントとはどのような因果関係があるのでしょうか。ここでは、インプラントによる耳鳴りの原因や対処法をご紹介します。インプラントを入れてから耳鳴りにお悩みの方は、ぜひ参考になさってください。
- インプラント治療の後に耳鳴りがするようになった
- 耳鳴りが起こるようになったのはインプラントのせいかもしれないと不安
- インプラントにしたあと耳鳴りが起きた人がいるかどうか知りたい
- インプラントを入れた後に起こるトラブルって他にもあるの?
- インプラント治療後にもし不調が出た場合、どうすればいい?
インプラント手術後の耳鳴りで考えられる原因
インプラントに関係なく、耳鳴りが起こる原因は長いあいだ謎に包まれてきました。しかし、近年では「かみ合わせの影響」「お口の中の金属の影響」「ストレスによるもの」などであることが分かってきています。
金属を使うインプラントは、上に挙げた耳鳴りの原因に共通する項目が多いですね。耳鳴りの原因が分かってきたことで、インプラントによる耳鳴りも、ほとんどのケースが治療で改善できるようになりました。では、インプラントが直接関係していると思われる耳鳴りの原因を説明していきます。
長時間の開口による顎関節の炎症

インプラント手術の際は、長時間に渡って口を大きく開くことになります。そのため、顎の関節に問題が発生している可能性があります。日常生活では歯の治療中のような大きな口を開けてキープすることはほとんどありません。日頃あまり使わない顎関節に負担がかかり、炎症が起きて耳鳴りが発生していることが考えられます。
確かに歯の治療の後は、顎や頬が疲れるなぁ。

手術の前日などに頬のマッサージや口を開ける練習をすると良いですよ。
かみ合わせのバランスの崩れ

インプラントを入れると、その部分の噛む力が非常に強くなり、かみ合わせのバランスが乱れることがあります。歯科医師は事前の検査で緻密に計算してインプラント埋入後のかみ合わせを打ち出していますが、まれに予測どおりにならないことがあるのです。
噛み合わせがズレると、耳鳴り・頭痛・肩こり・腰痛などが慢性的に起こりやすくなり、ひどいときには顔がゆがむ人もいます。

この場合は再治療が必要となります。
なるほど、そういうこともあるんですね。
金属による影響

口の中に2種類以上の違った金属が入っていると、弱い電流が走ることがあります。これをガルバニー電流といい、体に痛みや耳鳴りなどの不快な症状を起こす原因です。
お弁当の中に入っているアルミホイルを誤って噛んでしまい、なんとも不快な思いをしたことはありませんか?それは、口の中に入っている被せものの金属とアルミホイルが反応して、ガルバニー電流を起こしているためです。
インプラントは金属アレルギーをほとんど起こさない材質が使われていますが、絶対にアレルギーを起こさないともいい切れません。まれに、金属アレルギーが原因で、耳鳴りや不快感を引き起こす場合があります。
インプラントの素材はチタンが主流でしたっけ?

はい。チタンは金属の中でもアレルギーを起こしにくい素材ですけど、まれにアレルギーを起こす人もいます。
インプラント手術後の耳鳴りの対処法
インプラント手術後は耳鳴りや頭痛などの症状が出る人もいますが、大抵は1〜2週間でおさまります。ただし、2〜3週間経っても痛みや違和感などが続くようであれば、担当医に相談するようにしてください。
耳鳴りの対処法としては、以下のようなことを行います。
かみ合わせの調整を行う

かみ合わせのバランスが乱れて体調不良が生じている時は、かみ合わせを調整する必要があります。かみ合わせは上下の歯だけでなく、関節や顎の骨、や筋肉、神経などが複雑に影響します。
口の周りには筋肉・神経・血管・リンパなどの重要な組織が集まっているので、緻密に計算して治療を行っていかなければなりません。インプラント治療をする歯科医師は、豊富な知識・技術・経験を併せ持った高いレベルが要求されます。各学会から専門医や指導医といった専門資格が付与されるのはこのためです。
インプラント治療は、ただインプラントを埋入して閉じるといった外科的な腕前だけでなく、口周りの様々な組織を知り尽くし、治療後のかみ合わせを整え口元をきれいにするまでの高度なスキルが必要なのです。

ですから、価格だけですぐに飛びつくのは非常に危険です。
医師選びはじっくりとしないとダメですね。
金属が原因の場合は取り除く

診断を受けてガルバニー電流や金属アレルギーが耳鳴りの原因だと分かったら、耳鳴りの元になっている金属を口の中から取り除くよりほかありません。歯科材料を替えるなど、歯科医師と相談して治療の方法を決めましょう。

インプラントで初めて金属アレルギーになる人もいます。
そういうこともあるんですか。それは驚きですね。
ストレスの緩和やリラックスを心がける

インプラント治療にあたり、慣れない外科手術や痛みが続くことで、心身がストレスを感じている可能性があります。日頃からストレスを感じやすい人はもちろんのこと、インプラント治療の後は慣れない外科手術を乗り越えた自分をねぎらって心身をいたわり、休息をとりましょう。
耳鳴りなどの不調が気になって食事が喉を通らなかったり、なかなか寝付けずに睡眠不足になっていたりしませんか?まずはゆったりとリラックスしてストレスを溜めないことが大切です。

手術中に体に力が入ったことから、肩こりや背中のこりが抜けない人もいます。
固まった体はほぐさないとですね。
インプラント手術後で起こりうる体調不良

インプラント手術は比較的かんたんにできる小さな手術ですが、れっきとした外科手術の一種です。外科手術の後は、何らかの生体反応が出ると考えて良いでしょう。歯茎や骨を切開するので、傷口が治るまでにも時間がかかります。
麻酔が切れた時からしばらくは痛みが出ますので、医師の指示にしたがって痛み止めや抗生物質を服用しましょう。インプラント治療後は、今回取り上げた耳鳴りの他に、下記のような不調が現れる場合があります。
- 耳鳴り
- 頭痛
- 顔の変形
- 身体がだるい
- 背中が張る
- 肩こり・首の痛み
- 腰痛
- 息苦しい
- うつ状態
インプラント治療後に耳鳴りがしたら医師に相談しよう
インプラント治療後は、人によって色々な不調が出ることがあります。耳鳴りもそのひとつですが、多くの場合は今回ご紹介したような治療で改善することが可能です。あまり気にしすぎるのもよくありませんが、辛いときは我慢せず、担当医に相談しましょう。
- 耳鳴りはストレスやかみ合わせ、金属が関係している
- 手術中に口を開け続けて炎症を起こしている可能性がある
- インプラント手術後に耳鳴りが起こったら、かみ合わせを改善する
- 大抵は1〜2週間で自然になくなる
- 金属に問題がある場合は金属を取り除く
- インプラント手術後に体調不良が起こったら、我慢しないで医師に相談する