インプラントは何本必要?全歯を6本のインプラントで補えるって本当?

「総入れ歯のかわりにインプラントを入れる場合、何本のインプラントが必要?」
インプラントは決して安価なものではないので、入れる本数によって治療費が大きく変わってきます。
総入れ歯となると相当な治療費がかかりそうなイメージがあるかもしれませんが、実は最低6本のインプラントで十分なのです。
インプラントは、患者さんのお口の状態によっても必要な本数が異なります。今回は、一般的にインプラントは何本必要なのかお伝えします。
- もし全歯をインプラントにするなら、何本必要なのか知りたい。
- たくさん抜けた歯を1本のインプラントでカバーしてもいい?
- 総入れ歯がよく噛めない。インプラントにしたいが何本必要?
- 3~5本ほどの部分入れ歯をインプラントにする時は、何本必要?
- 総入れ歯をインプラントにすると莫大な費用がかかるのではと不安。
インプラントは「何本」必要?

例えば、総入れ歯をインプラントにする場合、何本入れる必要がありますか?全歯となると、相当の本数になりますから費用面も心配です。

歯は親知らずを含めると全部で32本ですが、失った歯と同じ本数だけインプラントを入れる必要はないんですよ。
そうなんですね。具体的には何本くらい必要ですか?

最低6本でいいケースもありますよ。
6本でいい場合もあるんですね。そう聞いて少しホッとしました。
インプラントは歯が抜けた本数分いらない

抜けている歯がたくさんあると、インプラントが何本必要なのか気になりますね。
ですが、失った歯の本数と同じ本数のインプラントを埋め込まなければならない、というわけではありません。
それぞれのケースに合わせて、何本必要なのか見ていきましょう。
3本以上並んだ歯なら半分の本数でOK

1本だけ歯を失った場合は、必要なインプラントの本数は1本、隣り合った2本を続けて失った場合もインプラントは2本必要です。
しかし、3本以上並んでいる歯をまとめて失った場合は、インプラントを植え込む本数は、失った歯の本数より少なくてもよいケースが多いといえます。
治療法は、インプラントを2本埋め込み、それを柱に見立ててブリッジの状態に繋がった人工歯を被せます。
5本~13本の歯を連続して失った場合も同様で、1本飛ばし、2本飛ばしでインプラントを埋め込み、ブリッジの状態の人工歯を被せます。
こうすると、失った歯の半分ほどの本数のインプラントで、しっかり噛める状態まで回復できます。
全歯を失っても最低6本のインプラントで補える
すべての歯を失った場合は、もっと画期的な方法があります。
上下合わせて最低6本のインプラント埋入で済む治療法、インプラント義歯「オーバーデンチャー」を検討できます。
お口の状態にもよりますので、医師の診断の上、適用するかどうか確認が必要です。
大幅に少ない本数でカバーするのは危険
たくさん歯が抜けているのに、1本のインプラントだけで支えるのはハイリスクです。
残存歯や顎の骨にも負担がかかりすぎて、周辺組織を傷めてしまうことがあります。
残存歯や周辺組織を長持ちさせたいなら、歯科医師の診断に沿った必要な本数のインプラントを埋め込むようにしましょう。
上顎は下顎よりも多い本数のインプラントが必要
上顎は、下顎より土台となる顎の骨が柔らかかったり、薄かったりすることが多い傾向です。
土台の支えが弱い分、下の歯を失った時よりも上の歯を失った時の方が、インプラントを埋め込む本数が多く必要になると考えられます。
歯をすべての失った時のインプラント治療法

すべての歯を失った場合、インプラントは最低6本でもいいということですか?

そうですね。インプラント義歯「オーバーデンチャー」なら上顎4~5本・下顎2~4本のインプラントで支えられますので、上下合わせて最低6本で済むケースがあります。
総入れ歯みたいなものですか?

その通りです。総入れ歯をインプラントで支えているイメージですね。支えが強固なインプラントですので、よく噛めます。
親知らずを含み32本の歯すべてを失った場合、総入れ歯をインプラントで固定するタイプの「インプラント義歯」にできます。
インプラント義歯には、ブリッジタイプの固定式と、取り外し式の2種類あります。
これまでは、上下各4本、上下合わせて計8本のインプラントで固定式の上部構造を支えるAll-on-4(オールオンフォー)という特殊なインプラントに注目が集まっていました。
All-on-4(オールオンフォー)は、治療期間が比較的短く、治療費も抑えられる人気のインプラントです。
All-on-4(オールオンフォー)についての詳細は、下記の記事を参照してみてください。
ところが最新のインプラント義歯「オーバーデンチャー」なら、上顎なら最低4本、下顎なら最低2本(上下合わせて最低6本)のインプラントで済むようになりました。
最新のインプラント治療についての詳細は、下記の記事をチェックしてみてください。
では、それぞれのケースにおける治療法をチェックしていきましょう。
ブリッジタイプならインプラント8~12本
ブリッジタイプのインプラント総入れ歯は、固定式で取り外しできません。
上顎・下顎に8~12本の人工歯根を埋め込み、12~14本の人工歯がついた上部構造をしっかりと固定します。
総入れ歯タイプならインプラント6本~

取り外し式のオーバーデンチャーなら、インプラントを埋め込む本数が圧倒的に少なくて済みます。
お口の状態によりますが、上下合わせて最低6本で済むこともあります。
上顎に4~5本、下顎に2~4本のインプラントの人工歯根を埋め込んで支えにして、総入れ歯タイプのインプラントを固定します。
インプラントの総入れ歯は、一般的な総入れ歯よりもよりも小さく、口内になじみやすいので、噛むときに痛みや違和感が出にくくなります。
しかも自分で取り外すことができるので、清掃性が高く、清潔に保てるのも大きな魅力です。
最適なインプラントの本数を入れよう

何本のインプラントが必要なのか、どうすればわかりますか?本数が少ない方が、治療費も安くなりそうと考えてしまうのですが…。

何本のインプラントが必要なのかは、お口の状態を検査・診断して決定します。
必要な本数より少なくすると周りの組織に負担をかけてしまい、骨や残存歯の寿命を縮めることにもなりかねません。
治療費を安くしたいからといって本数を減らすのは得策ではないということですね。

そうですね。適正本数があります。顎の骨の検査を行って、自分自身に適したインプラントの本数を決めるようにしましょう。それが、長持ちさせる秘訣です。
インプラント治療にかかる費用は、インプラントを何本入れるか、また上部構造の素材や手術の方法などによって違いがあります。
埋め込むインプラントの本数が増えると、1本あたりの単価が下がりますので、費用面についても悪いことばかりではありません。
歯科医師と相談して、自分自身に合ったインプラントの適正本数を決めるようにしましょう。
- 失った歯と、同じ本数のインプラントが必要なわけではない。
- 1~2本の歯を失った時は、同じ本数のインプラントが必要。
- 3本以上の隣接する歯を失った時は、ブリッジ式にして間引ける。
- 全歯なら、固定式のブリッジにするとインプラント8~12本必要。
- 全歯なら、取り外し式の総入れ歯にするとインプラント6本でOK。