インプラントは何本必要?全歯をインプラント6本で補えるって本当?

インプラントは何本必要?全歯をインプラント6本で補えるって本当?

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杉田大先生
杉田 大 先生
所属:杉田歯科医院(千葉県船橋市)
専門:保存修復
2013年 東京歯科大学卒業。現在は杉田歯科医院での臨床のほか、株式会社DoctorbookでDental事業部のマネージャーを務める。
「インプラントにすると快適」「インプラントで生活が変わった」というけれど、初めて治療を考える方にとって、疑問が多い分野でもあることは確かです。
例えば、総入れ歯のかわりにインプラントを入れるとなると何本必要なのか、気になりませんか?インプラントは決して安価なものではないので、入れる本数によって予算が大きく変わってきます。
患者さんのお口の状態によって、実際に必要な本数は変わってきますので、一人ひとり異なります。ここでは一般的にはインプラントは何本必要なのか、目安についてお伝えします。
INDEX
  1. インプラントは「何本」必要?
    1. 「歯が抜けた本数分」のインプラントはいらない?
    2. 「3本以上並んだ歯」をまとめて失った場合は?
    3. 歯が全部なくても「最低6本」で良いって本当?
    4. たくさん抜けた歯を1本のインプラントでカバーするのはハイリスク
    5. 上顎は下顎よりも、たくさんの本数が必要?
  2. 全部の歯を失った時のインプラント治療の方法とは?
    1. ブリッジタイプの固定式インプラントは8~12本
    2. 取り外し式総入れ歯「オーバーデンチャー」は6本~
  3. 検査・診断の上、最適なインプラントの本数を決定
    1. 治療期間は3カ月~、1年以上かかることも
    2. 骨が少ないと診断された場合は…

インプラントは「何本」必要?

たくさんの本数のインプラントを埋め込んだほうが良いというわけではなく、検査をして、患者さんのお口に合った、インプラントが長持ちする本数を決めることが大切です。
インプラントを何本埋め込めばしっかりと噛める状態になるのか、患者さん一人ひとりの骨格や、骨の質、残存歯の状態によって異なります。お口の状態を診ないで「インプラントが何本必要です」と一概に言えることではないのですが、ここでは一般的には「こういうケースが考えられます」という一例を紹介したいと思います。その前提で参考にしてみてください。
ポイント
インプラントを埋め込む場合、隣接する歯の根と接触しないように、間隔を保つ必要があります。
残存歯とは1.5mm、インプラント同士とは3㎜以上開けて埋め込むことになっています。そのため、お口の中を診断して、何本必要かを診断します。

「歯が抜けた本数分」のインプラントはいらない?

歯を失った時、失った歯の本数同じ本数のインプラントを埋め込まなければならない、というわけではありません。

もちろん、お口の状態にもよりますので、失った本数と必要なインプラントが同じ本数というケースもあります。
例えば、1本だけ歯を失った場合は、失ったところにインプラントを植え込むだけなので1本ですし、隣り合った2本を続けて失った場合もインプラントは2本植えることになるでしょう。1~2本の場合は、失った本数と植え込むインプラントの本数が同じになることが多いといえます。

「3本以上並んだ歯」をまとめて失った場合は?

隣り合った歯を3~4本続けて失った場合は、植え込むインプラントが同じ本数でなくても良いケースが多いです。
インプラントを2本埋め込んで、それを支えにしてブリッジの状態に繋がった人工の歯を被せます。5本~13本の歯を連続して失った場合も、1本飛ばし、2本飛ばしでインプラントを埋め込み、ブリッジの状態の人工の歯を被せます。失った歯の半分くらいの本数のインプラントで、十分しっかりと噛める状態に回復できるケースが多いといえます。

歯が全部なくても「最低6本」で良いって本当?

すべての歯を失った場合、いったい何本のインプラントを埋め込む必要があるのか不安になる方もいるかもしれませんね。
その場合、埋め込む本数は、お口の状態によりますが、インプラントは上下合わせて、最低6本で済むこともあります。
それぞれのケースをチェックしていきましょう。

たくさん抜けた歯を1本のインプラントでカバーするのはハイリスク

たくさんの歯が抜けているのに、大幅に少ない本数のインプラントを埋め込むだけで噛む力をまかなおうとすることはリスクを伴います。
ブリッジタイプにする場合は、2本・3本といった少数のインプラントで、人工の歯がついている上部構造を大きく支えることになります。たくさん抜けているところを1本だけで支えるのは、そこだけに負担がかかりすぎるので危険な場合があります。残っている歯や、土台となる顎の骨にも負担がかかりすぎて、周辺組織を傷めてしまうことがあります。 
残存歯や周辺組織を長持ちさせたいなら、歯科医師の診断に沿った必要な本数のインプラントを埋め込むようにしましょう。

上顎は下顎よりも、たくさんの本数が必要?

上顎は、下顎より土台となる骨が柔らかかったり、薄かったりすることが多い傾向にあります。
土台の支えが少ない分、下の歯を失った時よりも上の歯を失った時の方が、インプラントを埋め込む本数が多く必要になることが考えられます。

全部の歯を失った時のインプラント治療の方法とは?

上下それぞれ14本の歯をすべて失った時、歯の機能を補うインプラントは、失った歯の本数と同じ本数を入れる必要は、ほとんどのケースでありません
治療方法としては、インプラントでブリッジを固定するタイプ、取り外し可能な総入れ歯をインプラントで支えるオーバーデンチャー、また最近では、上下各4本のインプラントだけで固定式の上部構造を支えるAll-on-4(オールオンフォー)という特殊なインプラントにも注目が集まっています。

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ブリッジタイプの固定式インプラントは8~12本

オーバーデンチャーとは違い、埋め込んだインプラントに上部構造をしっかりと固定してしまうブリッジタイプの総入れ歯もあります。
上顎・下顎に8~12本のインプラントを埋め込み、12~14本の人口の歯がついた上部構造を支えます。

取り外し式総入れ歯「オーバーデンチャー」は6本~

オーバーデンチャーという総入れ歯タイプのインプラント義歯なら、埋め込む本数は圧倒的に少なくて済みます。
インプラントを埋め込む本数は、お口の状態によりますが、上下合わせて最低6本で済むこともあります。
上顎が4~5本、下顎に2~4本、インプラントを埋め込んで、総入れ歯タイプのインプラントを固定します。
このタイプは、総入れ歯よりも小さくて違和感が少なくできるので、噛むときに痛みが出にくくなります。しかも自分で取り外すことができるので、清掃性が高く、清潔に保てるのも大きな魅力です。

検査・診断の上、最適なインプラントの本数を決定

インプラント治療にかかる費用は、インプラントを何本入れるか、また上部構造の素材手術の方法などによって違いがあります。
何本のインプラントを埋め込むのかは、お口の状態を検査・診断して決定しなければなりません。治療費を安くしたいからといって、1本だけで済まそうなどと考えると、周りの骨や残っている自分の歯に負担を掛けてそれらの寿命を縮めることにもなりかねません。
きちんと顎の骨の厚みや質などの検査を行い、自分自身に適した、永続性を期待できるインプラントの本数を決めるようにしましょう。

また、埋め込むインプラントの本数が増えると、1本あたりの単価は下がりますので、費用面についても悪いことばかりではありません。歯科医師と相談して決めるようにしましょう。

治療期間は3カ月~、1年以上かかることも

インプラントの治療にかかる期間や通院回数は、手術方法や方式によって異なります。
基本的には、短くて3カ月、長くて1年程度かかります。症例や治療法によっては、1日で終わることもあります。
インプラント治療の流れ
    • 検査・診断
    • 治療計画の提案
    • 精密検査
    • 治療の事前準備(歯垢の除去、歯周病や虫歯があれば治療を優先してお口の中を清潔にする)
    • 1次手術(インプラント本体を埋め込む)
    • 1週間程度で抜糸
    • インプラント体と骨の融合まで2~6カ月
    • 2次手術(インプラント本体に、上部構造との連結部品の取り付け)
    • 仮歯の装着
    • 型取り・人工歯(上部構造)の製作
    • 定期メンテナンス

骨が少ないと診断された場合は…

インプラントを埋め込む顎の骨が痩せてしまい、骨が薄く量が少なくてインプラントを埋め込むことができないと診断された場合、1次手術に入る前に、骨造成や骨移植の手術を行います。
この手術は難易度が高いため、どこの歯科医院でもできるわけではありません。もし、骨の量が少ないという理由でインプラントの治療ができないと診断を受けても、技術や設備が整っている歯科医院なら、治療を受けられることがあります。
どうしてもインプラント治療を受けたい場合は、諦めず、セカンドオピニオンを受けることを検討してみると良いでしょう。