インプラントがグラグラする!インプラントを撤去する時の条件や費用

グラグラする、違和感があるなどでインプラントを撤去したいとき、すぐにやってもらえるのか、費用はどれくらいかかる?など不安になる人は多いでしょう。治療から年数が経っていて引っ越して治療した病院が遠くにある場合や、すでに病院がなくなってしまっている場合は困ってしまいますね。また、別の歯科医院で取り除いてもらいたいということもあると思います。今回は、インプラントの撤去に際して気になることについて、詳しく説明していきます。
- インプラントがグラグラする。
- インプラントを入れたところに違和感がある。
- インプラントを抜きたいけどどうしたらいいかわからない。
- インプラントを取り除くには何か手順が必要なのか不安。
インプラントで起きるトラブルとは?

インプラントを撤去したい理由は、だいたい以下のようなものではないでしょうか。
- 違和感がある
- グラグラする
- インプラントの周辺に痛みがある
- インプラントが欠けた・折れた
インプラントのトラブルは、治療して数ヶ月後のものと10年以上経ったものとでは扱いが異なります。手術して数カ月後に上記のトラブルがあった場合には、治療した歯科医院に相談しましょう。ほとんどの医院では10年程度の保証期間を設けているので、無料で相談に応じてくれる場合が多いです。
ただし、保証期間が過ぎた後では、はじめからやり直すケースがほとんどです。インプラントは骨に直接固定するので、理論的には動くことはありません。しかし、下記のような口内環境の変化があった場合には、新たに作り直すことも考慮しなければならないでしょう。
作り直すことなんて考えもしなかったなぁ。
噛み合わせが変化した

インプラント治療をした時はなんともなかった歯があとになって虫歯などになり治療した場合、歯全体のかみ合わせが変化することがあります。全体のかみ合わせが変わるとインプラントにかかる負担も異なってくるため、不具合が生じることがあります。

インプラント自体に問題はなくても、他の歯に問題が生じるケースです。
なるほど。長年のうちにはそういうこともありえますねぇ。
インプラント周囲炎になっている

インプラントは骨に人工歯を埋める治療法ですが、骨は細菌感染に弱いという特徴があります。インプラント治療をした人がもっとも気をつけなければならないのが、このインプラント周囲炎です。磨き残しなどがあると、インプラント周辺にプラークが溜まり、そこから細菌に感染してインプラント周囲炎に発展してしまうのです。
インプラント周囲炎とは

インラプンと周囲炎とは、インプラント周辺の歯肉が歯周病になってしまう病気です。歯周病は、口内細菌や体全体の免疫力の低下、歯ぎしりや食いしばりなどから引き起こります。
インプラントと骨のわずかな隙間に細菌が入り込むことで、炎症から化膿と徐々に症状が悪化します。細菌は、歯周ポケットから入り込みます。細菌は歯周ポケットにプラークを作り、プラークを温床にして菌を増殖させつつ、より内部に侵入していくのです。
また、糖尿病や貧血などの人も、血液と骨の関係からインプラント周囲炎にかかりやすいです。タバコを吸う人は、ニコチンが歯ぐきの血流を悪くするため、やはり周囲炎になるリスクが高いといえます。

インプラントを入れたら、その後のケアがとても重要なんです。
なるほど、よくわかりました。
インプラント周囲炎の症例

インプラント周囲炎になると、以下のような症状がみられます。
- インプラント周辺の歯茎の腫れや出血
- 歯ぐきから膿が出る
- インプラントがグラつく
- インプラントが露出する
- インプラントが脱落する
軽度のインプラント周囲炎は、歯ぐきの腫れや出血がみられます。症状が進むと、歯周ポケットから膿が出るようになり、さらに重度になると歯周ポケットが深くなり、骨が吸収されてなくなってしまいます。すると、インプラントを支えるものがなくなってグラついたり、ついには脱落してしまうのです。
脱落するって相当ですね。

そこまで放置しておくと、元通りにするのは難しいです。
インプラント周囲炎の対処法

インプラント周囲炎は自然治癒しないので、もしもかかってしまった場合にはできるだけ早く対処する必要があります。
軽度の場合は歯科医院で洗浄や除菌などをします。方法は症状によって異なりますが、軽度の場合は月に1回程度の洗浄が多いです。さらに徹底したクリーニングが必要な場合には、麻酔をして歯肉を広げ、特殊な器具で深部まで洗浄します。
しかし、歯肉の奥深くが感染されている場合や、骨がなくなってしまっている場合には、インプラントを撤去しなければなりません。撤去した際には、移植などで骨再生をして再びインプラントを埋入する場合と、入れ歯やブリッジを選択する場合があります。それぞれの状況に応じて対処方法が異なるので、医師とよく相談しましょう。
インプラント周囲炎、厄介だなぁ。

もし他院で希望する場合はインターネットで検索するのがおすすめです。
医師がインプラントの撤去が必要と判断する4つの条件
インプラントの撤去を医師が判断する条件としては、以下の4つの項目があります。
1.重度のインプラント周囲炎になっている

インプラント周囲炎が進んで骨が吸収され、インプラントが支えきれなくなると判断された場合です。
判断も何も、そのままにしておいたらグラついたり抜けちゃったりしちゃうんだもんなぁ。
2.インプラントが破損している

まれに、インプラントの本体部分が割れてしまうことがあります。インプラント上部の人工歯のみなら修繕が可能ですが、本体が破損している場合には取り除かなければなりません。

そのままにしておくと口の中を怪我する心配があります。
3.合併症がある

インプラント治療となんらかの合併症が認められた場合です。例えば、ごくまれですが、インプラントが上顎洞を突き抜けてしまっている場合や、神経にあたっている場合などです。

上顎洞とは目の下、鼻の横にある空洞のことで、副鼻腔炎(蓄膿症)になる場所です。
い、痛そうですね…。
4.患者が希望した場合

医師が状況を説明した上で、それでもなお患者が撤去を希望する場合には撤去されます。
医者が大丈夫って言ってるのに撤去したがる理由ってなんだろう…。
インプラントを抜く手順

- 歯ぐきを切開する
- 部分麻酔をかけ、骨を削る
- 骨とインプラントの間にわずかな隙間を作り、摘出する
骨の吸収が進んでいる場合は、骨を削らずに取り除ける場合もあります。

インプラントは骨と結合しているので、切り離す必要があります。
抜くというより摘出っていう言葉がピッタリですね。
インプラントを取り除くのにかかる費用

インプラントを取り除く費用は、保険が適用されるかどうかで異なります。
保険内でできる場合
保険内でできる場合は、はじめにインプラント治療をしたのとは異なる医療機関で撤去する場合です。ただし、事前に診断で「インプラント不適」と認められなければなりません。
インプラント摘出の費用はインプラントの種類にもよりますが、人工歯根タイプは自己負担3割で、1本14000円程度です。診察料やレントゲン撮影の費用などは別途かかります。
ふむ。撤去してもその後の治療費もかかりますよね。

そのとおりです。
保険内でできない場合
インプラントを埋めた同じ医院などで撤去する際には、保険適用外となります。自費での治療は医療機関によって異なるため、歯科医院や病院に問い合わせてみてください。

インプラントには基本的に自費なので保証がついているし、ケアすれば周囲炎にもなりにくいので保険がきかないんです。
それはごもっとも。
注意!インプラントの成功率は100%ではない

現在、インプラント治療の成功率は、約95%以上と言われています。しかし、人間の体はロボットではないので、どんな思わぬ事態に遭遇するかわかりません。医師がいくら綿密に計算し予測して治療したとしても、完璧な治療はありません。そのため、手術後も定期的にメンテナンスを行い、ケアを続けていく必要があるのです。
インプラントの手術には高度な技術が要求されます。歯肉にかかる力やかみ合わせの具合、別の歯からの影響など、多角的に計算して治療します。しかし、メンテナンスに通うのを怠ったり、ケアを怠ってプラークが作られたりすると、頑丈なインプラントでも撤去やリカバリーが必要になってしまうのです。

インプラントを入れている人は歯周ポケットや歯間ケアも大事です。
それとタバコもですね。
インプラントは撤去する前に医師とよく相談しよう
インプラントの撤去は、自分で判断するのは難しいものです。必ず専門家にチェックしてもらいましょう。治療した医院に相談するのが難しい場合は、リカバリーを取り扱う歯科医院を探すのもおすすめです。
- インプラントを入れて数年以内なら保証で再治療できる
- インプラントのトラブルの多くはかみ合わせの変化とインプラント周囲炎
- 撤去の条件はインプラント周囲炎、破損、合併症など
- 医師が不適合と診断がすれば別の病院で、保険内で治療できる
- インプラント治療後はケアがとても重要