【保存版】インプラントと全身疾患の関係、治療後の全身へのリスク

【保存版】インプラントと全身疾患の関係、治療後の全身へのリスク
この記事の監修医情報を見てみる

「インプラントにしたいけれど、持病があると無理?」と悩んでいませんか?

症状が落ち着いていれば、インプラント治療を受けられる可能性があります。しかし、実際に難しいと諦めたケースもあります。

この記事では、全身疾患がインプラント治療に与える影響を、一つひとつ説明しています。全身疾患があっても治療できる最先端のインプラントの方法も紹介しますので、最後までご覧ください。

この記事がおすすめな人
    • 持病があるとインプラントにできない?と悩んでいる。
    • 全身疾患がインプラント治療に影響があるのか知りたい。
    • どんな病気だとインプラント治療が難しいのか知りたい。
    • 持病があるがインプラントにしたい時、誰に相談すべき?
    • 体への負担が最小限で済む最先端の治療について知りたい。
INDEX
  1. インプラントでリスクが考えられる全身疾患
    1. 高血圧
    2. 心疾患
    3. 脳血管障害
    4. 糖尿病
    5. 骨粗鬆(こつそしょう)症
    6. 消化器疾患
    7. 腎機能障害
    8. 気管支喘息
    9. 慢性閉塞性肺疾患
    10. 1貧血
    11. 1自己免疫疾患
    12. 1金属アレルギー
    13. 1精神疾患
  2. インプラント治療後になる可能性のある病気

インプラントでリスクが考えられる全身疾患

ライオンさん

持病があるとインプラントできないことがあると聞いたのですが、本当ですか?

櫻井先生

そうですね。インプラントは外科手術を伴いますから、全身の基礎疾患がある場合、インプラント治療が難しいケースもありますね。

ライオンさん

そうなんですね。どんな病気がインプラント治療できない可能性がありますか?

櫻井先生

高血圧、心疾患、糖尿病、骨粗しょう症などですね。厚生労働省が発表している指針「インプラントでリスクがある全身疾患」を下記にまとめました。

タイトル
    • 高血圧
    • 心疾患
    • 脳血管障害
    • 糖尿病
    • 骨粗鬆(こつそしょう)症
    • 消化器疾患
    • 腎臓機能障害
    • 気管支喘息
    • 慢性閉塞性肺疾患
    • 貧血
    • 自己免疫疾患
    • 金属アレルギー
    • 精神疾患

1.高血圧

高血圧の人が外科手術を受けると、飲んでいる薬の影響で出血が止まらない可能性があります。インプラントの手術を受けるというストレスから、血圧が上がることも考えられます。しかし、対策を講じれば手術を受けられることがあります。動脈硬化の改善のために処方されている血液の流れを良くする薬(抗血栓薬・抗血小板薬、「ワーファリン」など)を飲み続けていれば、症状が安定します。そうなれば、手術できる可能性があります。

ワーファリンを飲んでいるとインプラントできない?薬とインプラント

櫻井先生

もうひとつ、うたた寝している間に手術が終わる「静脈内鎮静法」も有効です。精神をリラックスさせる薬を点滴で入れる麻酔です。

ライオンさん

それはいいですね。気分的にも負担が少なくて済みそうです。

2.心疾患

心疾患の場合、術中に血管に障害が起こると、心臓へ血液や酸素が行き届かなくなる恐れがあるためインプラント手術にはリスクが生じます。

対策としては、処方されている薬を継続して服用し、合併症が起こらないよう十分に配慮して手術を進めます。

3.脳血管障害

脳梗塞や脳出血、クモ膜下出血などの病歴がある人も、高血圧の人と同様に、血液をサラサラにする薬を飲んでいます。

その薬の影響で術中に出血が止まらないリスクが高いのですが、合併症への対策をしっかりと講じれば手術できる可能性があります。

櫻井先生

病気の後遺症で運動麻痺がある患者さんは、術後、口腔清掃をきちんと行えるかどうかも大切です。お口の中を清潔にしておかないとインプラント周囲炎を発症する恐れがあるからです。

ライオンさん

インプラントにしたからといって歯磨きをおろそかにすると危険ですね。

櫻井先生

通院が難しい場合は、訪問歯科を利用するといいですよ。地域に訪問歯科を行っている歯医者があると思いますので、探してみてください。

インプラントも歯周病になる?感染・炎症・膿…危険なインプラント周囲炎

4.糖尿病

糖尿病の場合は、手術中術後経過の両方にリスクがあります。

糖尿病は血糖値が不安定になる、骨がもろくなるといったことから手術が難しくなりますし、免疫の力低下による感染リスクも高まります。

医師の指示を守り、体調管理が行き届いている場合はインプラント治療が可能ですが、重度の糖尿病ではできない場合もあります。

5.骨粗鬆(こつそしょう)症

骨粗鬆(こつそしょう)症の人は、骨に強度がない場合、術後にインプラントと骨が結合しにくいため失敗する恐れがあります。

櫻井先生

骨粗鬆(こつそしょう)症のビスホスホネート系などの薬を飲んでいる人は、インプラントができません。術後の治癒を阻害するため、顎骨の壊死や、顎骨の骨髄炎といった症例が報告されています。

ライオンさん

そうなんですね。それは危険ですね。

6.消化器疾患

肝機能に障害があると、血が止まりにくく免疫機能も下がるので、傷口の治癒が遅くなるというリスクがあります。

また、胃・十二指腸潰瘍の病歴がある人は、インプラント治療の後に処方される痛み止め薬や抗生物質などで、病気が再発してしまう恐れがあります。

かかりつけの内科と連携し、手術後の投薬などに注意すれば、インプラントの治療を受けることは可能です。

7.腎機能障害

腎機能疾患がある人は、免疫力が低下しており、感染症のリスクが高くなります。

また、重い腎不全で透析治療をしている場合は唾液量が少なくなってインプラント周囲炎にもかかりやすくなるため、インプラント治療はできません

8.気管支喘息

気管支喘息アスピリン喘息などの呼吸器系の疾患がある人は、さまざまな重要なリスクがあるため、あまり手術はおすすめできません

まずひとつは、手術に使用する薬剤などが刺激になって喘息の症状が出る恐れがあります。

また、ステロイド系の治療薬を服用している場合は、感染症のリスクが高くなります。

アスピリン喘息の人は、非ステロイド性抗炎症剤禁忌のため、万が一、誤って術後に痛み止めとして服用してしまった場合、死に至る危険があります。

9.慢性閉塞性肺疾患

長年の喫煙肺疾患などの病気を発症した人は、歯ぐきの血行が悪いため、インプラントの骨結合が難しくなります。細菌感染にも弱いので、インプラント周囲炎のリスクも高まります。

気管支喘息と同様に、手術で使う薬剤が刺激になってしまい、手術が困難になるリスクも考えられます。

10.貧血

貧血の人はインプラントの手術後の治りが悪い細菌感染しやすいといったリスクがあります。

貧血になると、酸素が全身にうまく運ばれなくなり、免疫力や治癒力が低下するからです。

症状によっては手術できるケースもあります。

11.自己免疫疾患

この病気がある患者さんは、インプラント手術が難しいです。

ステロイド薬を長く服用していることが多いため免疫が弱まり、手術による急な体調変化対応できない恐れがあるからです。

自己免疫疾患には、膠原病や関節リウマチ、シェーグレン症候群、潰瘍性大腸炎といった病気があります。

12.金属アレルギー

基本的には金属アレルギーの人もインプラント治療を受けられますが、チタンという金属のアレルギーの人は注意が必要です。

多くのインプラントには、チタンが使用されています。

チタンは硬く体内に溶け出しにくい性質があり。生体親和性の高い金属なので、金属アレルギーの人も比較的対応しやすいのが特徴です。

櫻井先生

気になる時は事前にアレルギーテストを受けておきましょう。もしチタンアレルギーであれば、チタンではなくジルコニアを使用した金属不使用のインプラントを選べます。

ライオンさん

なるほど。メタルフリーのインプラントもあるんですね。

【歯科医監修】インプラントは金属アレルギーにならない?不安を解消!

13.精神疾患

うつ病、統合失調症、神経症、認知症などの精神疾患のある人は、インプラント治療は避けるべきとされています。術後に症状が悪化するリスクがあるためです。

症状が安定している場合は、処方薬や口内清掃を自己管理できる場合のみ、治療が可能です。少しでも不安がある場合は、回復するまで止めておくほうがよいでしょう。

櫻井先生

毎日の歯磨きや、歯科へ定期メンテンナンスに通えることが、インプラント治療の大前提となります。これは、どの疾患のある人も同じです。

ライオンさん

なるほど。手術そのものだけではなく、術後のケアが大切ということですね。

インプラント治療後になる可能性のある病気

ライオンさん

インプラントの治療後に起こる可能性がある病気ってあるんですか?

櫻井先生

インプラント治療後に気分がふさぎ込む、顔がピリピリする気がするといった、うつ症状や心身症が発生する場合があるんですよ。「歯科心身症」と呼ばれています。

ライオンさん

インプラント治療は成功しているのに、そんな症状が起こるのですか?

櫻井先生

お口は顔面や脳に近い位置にありますからね。口内の粘膜や神経は、とても敏感なのです。知覚神経や脳との関係で、そういった自覚症状が起こるといわれています。

インプラントの手術後に違和感を感じたら、まずは内科と歯科かかりつけの医師に連絡しましょう。

インプラント治療後になんとなく気分が塞ぐ、違和感が取れないなどの不調が続くようであれば、近年多くなっている「歯科心身症」かもしれません。

もし「歯科心身症」の可能性が出てきたら、大学病院などの口腔外科や、「心療歯科」「心身医学」をかかげている歯科で相談することをおすすめします。

必要があれば、主治医から専門の医師や病院を紹介してもらえることもあります。

ライオンさん

持病があると、インプラントにはリスクが伴うことがわかりました。

櫻井先生

そうですね。ただ、症状の程度や状態によっては、インプラントの手術ができる可能性もありますよ。全身疾患があるからと諦めず、まずは主治医やインプラントの歯科医に相談してみるといいですよ。

ライオンさん

なるほど。まずはかかりつけのお医者さんに相談ですね。

フラップレス法ならインプラントできる可能性あり

最近では、最小限のわずかな穴をあけるだけでインプラント手術が可能な「フラップレス法」があります。ほとんどの歯科では、全身疾患がある患者さんには慎重を期して、あまりインプラント治療をおすすめしていませんが、「フラップレス法」なら治療の可能性が高まるといえます。

ライオンさん

そんな画期的なインプラントの治療法があるのですね。

櫻井先生

フラップレス法は、実施している歯科とそうでないところがあるので確認が必要です。詳しい内容は、以下の記事も参考になさってくださいね。

フラップレス・インプラントは痛くないって本当?メリットとデメリット

記事の重要ポイントをチェック!
    • インプラントは外科手術が伴うので、全身疾患があると高リスク。
    • 該当する全身疾患は高血圧、心疾患、糖尿病、骨粗しょう症など。
    • 症状が安定していれば、インプラント治療が可能なケースもある。
    • 疾患の治療薬が手術の経過を悪くする場合は、インプラント不可。
    • 最先端のフラップレス法なら、インプラント治療の可能性が高まる。