インプラントの成功率は約97%!残り3%の手術に伴うリスクとは?

インプラントの成功率は約97%!残り3%の手術に伴うリスクとは?
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インプラントの成功率は、約97%というデータがあります。
これを「成功率が高い!」と、安心材料として受け取るのも良いでしょう。ですが、残りの3%にはどんなリスクがあるのか気になりませんか?
ここではインプラントの成功率と、インプラント治療で起こるかもしれないトラブルについてお伝えします。
INDEX
  1. インプラントの成功率は、97%って本当?
  2. インプラントの成功の基準とは?
  3. インプラント治療のリスク・デメリットとは?
  4. インプラント治療で起こる主なトラブルについて
    1. 感染
    2. 神経の損傷
    3. 出血
    4. 痛み
    5. インプラントの破損や脱落
    6. 骨吸収による審美障害
    7. 周りの歯の摩耗
  5. インプラント周囲炎とは?
    1. 「セルフケア」と「プロケア」で予防

インプラントの成功率は、97%って本当?

インプラント治療の成功率は、95~99%といわれています。インプラント治療を専門的に行っている歯科医院では、おおむね95%以上の成功率を示しています。
また、インプラントシステムでトップシェアを誇るストローマン社では、スイスのベルン大学で行われた臨床研究において自社製品の成功率は97%、生存率は98.8%というエビデンスを発表しています。
ストローマン社
創業1954年、日本国内でのシェア3本指に入るスイスのインプラントメーカーです。
世界500万人以上の患者さんに1000万本以上のストローマン社のインプラントが埋入されています。世界シェアナンバーワンともいわれており、極めて高いインプラント手術の成功率を誇ります。
多くの歯科医師からも「インプラント周囲炎になりにくく、長持ちする」という評価を得ています。インプラントの権威である非営利団体ITI学会による徹底したエビデンスが発表されているため、化学的根拠に基づく厚い信頼をもつインプラントメーカーです。

インプラントの成功の基準とは?

インプラント治療の成功の基準が決められています。
現在の基準は、1998 年のトロント会議で決められた内容です。
また、安心・安全なインプラント治療を実現するために、治療前後の患者さんの状況や治療目標の達成状況を記録・確認できる「インプラント治療のためのチェックリスト」が、口腔インプラント学会と厚生労働省との共同で出されています。インプラントの治療は、この指針に沿って安全に留意しながら行われます。

インプラント治療の成功の基準(1998 年トロント会議)
口腔インプラント治療指針2016より

●インプラントは、患者と歯科医師の両者が満足する機能的、審美的な上部構造をよく支持している。
●インプラントに起因する痛み、不快感、知覚の変化、感染の徴候などがない。
●臨床的に検査する時、個々の連結されていないインプラント体は動揺しない
●機能開始1年以降の経年的な垂直的骨吸収は1年間で0.2mm 以下である。
日本口腔インプラント学会」より引用

インプラント治療のリスク・デメリットとは?

インプラント治療は、外科手術を伴うことに対する心身への負担が、一番のリスクといえるでしょう。ほぼ失敗することはない手術ではありますが、成功率100%というわけでもないので、治療を受ける際の覚悟はしなければなりません。
また、術後の経過によっては腫れ・痛みが出ることもあります。
治療期間は3カ月~1年近くかかりますし、治療費も、まとまった金額が必要となりますので、事前の確認や準備をしておきましょう。

インプラント治療で起こる主なトラブルについて

インプラントは、成功率が95~99%といわれ、治療後は生活が快適になる優れた治療です。それでもわずかのトラブルがおこっています。
トラブルを回避するための秘訣は、まずは歯科医師の説明にきちんと耳を傾けることです。
歯科医師がわかりやすく説明しているつもりでも、専門用語などが出てくることによって患者さんには理解が難しくなっているケースがあります。そんなときは、話をさえぎってでも聞き返して、しっかり理解してから治療を受けるようにしてください。
「こんな些細な質問なんて…」といった遠慮は不要です。歯科医師にとっても、患者さんが説明を理解できていることが大切です。むしろ、理解できていない状態で治療を受けて、後でトラブルになる方が困ります。わからないことがあれば、どんなことでも気後れすることなく、どんどん質問していきましょう。

それでは、およそ97%の成功率といわれるインプラント治療の、わずか3%のトラブルの内容を見ていきましょう。

感染

インプラントの治療で細菌感染を起こし、術後になかなか腫れが治らないケースがあります。
細菌感染を予防するためには、
①手術前にしっかりと歯周病の治療を行っておくこと。
②手術後に口内を不潔にしないこと(清掃できれば歯ブラシ、難しければ専用のうがい薬を使用する)。
③しっかりと感染対策をしている医院を選ぶこと。

インプラントの専門知識や技術に優れた歯科医院では、オペ室や専用の治療室を確保しています。そうした特別な部屋がない場合は、同じ時間帯に他の患者さんの予約を入れずに歯科医院を貸切状態で治療を行うなど、院内感染を防ぐ対策をしています。
インプラント治療では一般の歯科治療よりもさらに感染リスクが高まりますので、手術後の口内は清潔に保つようにしましょう。

神経の損傷

神経に影響が出て、麻痺や感覚の鈍さが残るケースです。こうしたトラブルは、事前にCT撮影といって顎の周りの組織を立体的に撮影できるレントゲンを撮らずに手術を行った際、実際に起こっています。
インプラント治療を受ける際は、CTなど、精度の高いインプラント治療を行える設備が整っている歯科医院であるか、確認しましょう。

出血

インプラントを入れて5年くらいたってから、周囲の歯肉から出血するというケースがあります。
これは、インプラント周囲炎を起こしている可能性があります。
インプラント周囲炎は、治療のトラブルというよりもメンテナンス不足によって起こります。インプラントを入れると定期的にクリーニングをする必要があるので、歯科医院では、必ずその重要性を説明しなければなりません。
質のよくない治療を提供しているところでは、インプラント手術を数多くこなすことに注力していてアフターケアのクリーニングを軽視している場合があります。
歯科医師や歯科衛生士から術後の定期検診についての説明がない場合、「治療が終わったら通院しなくて済むから楽」と思うのではなく、「アフターケアまで責任をもって診てもらえない」とリスクヘッジするのが正解です。

痛み

インプラント手術は、手術中は麻酔が効いていますので特に痛みの心配はありませんが、麻酔が切れると多少の腫れや痛みがでることがあります。
できるかぎり痛みや腫れが出ないように工夫をしていますが、大がかりな治療になるほど難しいといえます。骨移植や骨造成といった骨量を増やす手術を伴う場合は、ある程度の腫れや痛みは仕方がありません。ステロイドの局所投与や抗生物質の前投与などの配慮をしながら治療を進めます。
こうしたインプラント治療に伴う痛みなら痛み止めなどを処方されて抑えているうちに次第に引いていきますが、時に治療が適切でなかったり、感染や火傷が生じたりしたせいで異常疼痛が起こるケースがあります。

インプラントの破損や脱落

インプラントを埋入する際に、本体が破損する、十分な深さまで埋め込めない、といったケースがあります。また、土台と上部構造をつなぐ部分や、被せ物が欠けたり割れたりすることがあります。
原因としては、噛む力がかかりすぎることや、歯ぎしり・食いしばり癖の影響などが考えられます。インプラントの配置や精度が悪く、土台の骨との結合がなくなって抜け落ちてしまうというケースもあります。

骨吸収による審美障害

年月の経過とともに、歯を支えている歯槽骨が骨吸収といって痩せていき、形状が変わることがあります。歯ぐきが下がったり、口元の状態が加齢とともに変化したりで、治療をした当初と見た目が著しく変わるケースがあります。

周りの歯の摩耗

インプラントの噛む力が強いため、嚙合わせる反対の歯など、周りの天然歯が摩耗していくケースがあります。

インプラント周囲炎とは?

インプラントは人工の歯なので、歯そのものは虫歯に侵されることはないのですが、歯周病のような症状になることがあります。それがインプラント周囲炎です。
インプラントと歯肉の間に歯垢が溜まり、そこから炎症が起こり、血や膿が出ることもあります。どんどん歯槽骨を破壊していき、ひどくなるとインプラントがグラついたり、脱落したり、といった事態に陥ります。

「セルフケア」と「プロケア」で予防

インプラントは、天然の歯のように自浄作用がないので、細菌感染に弱いという特徴があります。
インプラント周囲炎にかかると、初期の軽い歯肉の炎症程度なら改善することもできますが、ひとたび歯槽骨の破壊が始まってしまうと、元通りに修復することはできません

インプラント歯周炎にかからないよう、予防を徹底することが大切です。
そのためには、毎日の歯磨きという「セルフケア」はもちろん、歯科医院での定期検診&クリーニングを受けるという「プロケア」も欠かせません

インプラントは、メンテナンスをしっかりと行えば、長く使い続けられるものです。10年以上持つのがほとんどですが、人によっては埋入してから亡くなるまでの40年間に渡って、生涯使い続けたという人がいるほどです。
きちんとメンテナンスを行って、インプラントを長持ちさせましょう。