インプラント手術は痛くないって本当?痛みが少ない治療法とは

インプラントは快適と聞いて、「やってみたい」と思う人は年々増えています。しかし、同時に「虫歯の治療でさえ痛いのに、インプラントはもっと痛いのではないか?」と不安を持つ人もいるでしょう。ここではインプラント治療に伴う「痛み」に焦点を当てて説明していきます。
- インプラント治療は普通の歯科治療と違うと聞いたけど痛みもすごいのでは?
- インプラント手術って痛みが残るの?
- インプラント治療でできるだけ痛みを回避したい。
- もし痛みが少ない治療法があるならぜひ知りたい!
- 痛くないインプラント手術をしてくれる病院を探したい
インプラント手術は痛くないの?
多くの歯科医院では「インプラント治療はほとんど痛みがありません」と言っています。しかし、実際は手術の内容によっては痛みが出ることもあります。
手術中の痛みはほとんどない

インプラントの手術中は局所麻酔を施しているため、痛みはほとんど感じません。顎の骨は歯肉に覆われているので麻酔がよく効きます。注射自体に関しても、まずはジェリー状の表面麻酔を塗って歯肉に麻酔をしてから手術用の麻酔注射を打つことで、針が刺さる痛みを和らげるという方法をとっている歯科医院もあります。
また、不安や恐怖が強い人には、麻酔入りの吸入ガスや点滴を用いてうたた寝のようにリラックスした状態で手術を行える「鎮静法」を採用している歯科医院も多いです。

ほかの外科手術と同じで、手術中は痛みを感じません。
それを聞いて安心しました。
治療後の痛みや腫れは2〜3日程度

外科手術ですので、どうしても術後2〜3日程度の痛みや腫れは起こりやすくなります。また、インプラントを数多く埋入したり、骨や歯ぐきを移植したりするなど大がかりな手術ほど、痛みが長引くことが考えられます。もちろん手術後は鎮痛剤や化膿止めなどが処方されますし、痛みは徐々に引きます。

外科手術では皮膚や骨をいじるので、どうしても痛みは生じてしまいます。
子どもの頃大怪我をして縫ったことがありましたけど、やっぱり数日は痛かったです。
2週間以上痛みや腫れが続くとき

感じる痛みには個人差がありますが、なかには2〜3週間経っても痛みが消えないという人もいます。原因としては以下のようなことが考えられます。
- 骨に穴をあける際に骨の硬度の関係で摩擦が起こり、やけどしてしまった
- なんらかの事情で傷口が大きくなり治療に時間がかかっている
- 細菌感染を引き起こしている
処方された抗生物質や痛み止めを服用してもあまり痛みが引かない場合は、なんらかのトラブルが起こっている可能性があります。我慢せずに担当医に連絡をしましょう。
つい遠慮しがちですけど、連絡してもいいんですね。

もちろんです。むしろ早めに相談してください。
痛みが少ないインプラント治療

痛いのが苦手という患者さんが圧倒的に多いことから、ほとんどの歯科医院では痛みが少ない治療の工夫を取り入れています。インプラント治療は専門性が高い治療なので、専門知識と技術、豊富な手術経験を持っている歯科医師が、痛みを抑えたインプラント治療にも精通しているといえるでしょう。
無切開無痛手術(フラップレスサージェリー)
無切開無痛手術とは、歯ぐきを切開せずに小さな穴をあけてインプラントを埋入する方法です。出血や痛み・腫れが少なく、傷跡を最小限にできることが特徴です。手術の負担が軽減できることから、これまで難しいとされてきた既往歴のある人や高血圧の人も、インプラント治療が可能になりました。
ただし、歯科医師なら誰でもできる治療ではないため、この手術を希望する場合は対応している歯科医院を探さなければなりません。実際に切開をして骨の状態を診ることなく治療を行うため、難易度が高い手術です。十分な経験を積んだ歯科医師の治療を受けられる歯科医院を選びましょう。
実際には何を基準にして選べばいいんですか?

ホームページに多数の症例や実績を載せている歯科医院なら間違いないでしょう。
あと口コミなんかも参考になりますね。
サージカルガイド
サージカルガイドとは、インプラントを埋入するために医師が使うガイドです。CT画像や3Dスキャナーで口内のデータを採取し、埋入位置や角度を割り出して作成します。ガイドに沿って的確な手術を行えるので、ずれることなく理想的な埋入ができます。

オプションでサージカルガイドを設定している医院が多いです。
多少高くついても安心には変えられないかもなぁ。
その他の痛みや腫れを抑える工夫
手術中は麻酔が効いているので痛みに対する心配はありませんが、術後は痛みが出ることがあります。痛み止めや抗生物質などの薬を処方されるので、医師の指示にしたがって服用しましょう。痛みには個人差があり、体質などによっては痛み止めが効きにくい人もいます。痛みが強い場合には我慢せず、担当医に相談しましょう。
痛みを我慢しながら仕事や家事をするのは辛いですね。

薬を変えるなどで対応できますので、ぜひ相談してください。
痛みや腫れが起こりやすい治療

インプラント体を埋め込む手術には、痛みや腫れが起こりやすいものがあります。
骨の再生治療
骨が少ないと診断された場合は、そのまま手術をすることができないため骨の再生治療を行います。
主要なインプラントシステムは欧米人の骨格に合わせて作られていますが、日本人はもともと顎が小さめなので骨が足りないケースも多いです。また、長く入れ歯を使っていると土台の骨が薄くなってしまっている場合などもあります。
顎の骨が足らない人は骨の再生治療を行って、インプラントを埋入するのに十分な骨ができてからインプラント手術をすることになります。インプラントを骨に埋め込むだけでも体への負担がありますが、さらに骨の再生治療まで行うとなると手術が大がかりになり、痛みを伴うリスクが高まります。

どうしても手術の規模に比例して痛みの強さも大きくなります。
骨の移植
骨の移植や骨造成を行うと術後に痛みや腫れを伴うことは致し方ないといえるでしょう。骨移植・骨造成にはいくつかの種類がありますが、いずれも施術後は骨の状態が安定するのを待ち、半年後くらいにインプラントの埋入手術をするというのが一般的な流れです。ただ、最近では1回で骨造成からインプラント埋入まで行えるケースもあります。

患者さんのお口の状態やそれぞれの医師が得意な方法があるので、よく説明を聞いてください。
なるほど、ますます医師選びは重要だ…。
歯ぐきの移植
歯ぐきが痩せて下がってしまい、インプラントが埋入できないと診断された場合は、歯ぐきの移植手術をして歯ぐきの量を増やす方法があります。この治療は専門性が高く、対応している歯科医院は少ないですが、「歯肉退縮治療」ができる歯科医院を探してみましょう。
移植手術をし、治癒を待ってからインプラントを埋入します。こちらも外科手術に伴う術後の痛みや腫れは、ある程度しかたないでしょう。
歯ぐきも増やせるんですね。

はい。「歯肉退縮治療」というキーワードで探してみてください。
インプラント治療で起こりうるトラブルとは

インプラント治療は満足度の高い治療ですが、なかには以下のようなトラブルが発生する場合もあります。
- 血管や神経の破損
- 手術の失敗
- 細菌感染
- インプラントの破損
インプラント治療はとても繊細な手術です。手術中に誤って血管や神経を損傷してしまうと痛みや腫れだけでなく麻痺が残ることもあります。ごく稀なケースですがインプラント埋入後に骨と融合せずにグラつきなどがあり、しばらくして脱落してしまうこともあります。原因としては適切な位置に埋入されていない・顎骨と結合しない・骨にダメージがあったなどが考えられます。
また、インプラントは人工歯なので虫歯にはなりませんが、歯周病に似たインプラント周囲炎にかかりやすいのが特徴です。天然歯のように自浄作用がないので、細菌に感染しやすいのです。

ほかにもかみ合わせの調整がうまくいかずに、インプラントが破損してしまうこともあります。
インプラント治療って、本当にデリケートなものなんですね。
インプラントは専門医でなくても治療ができる!?

インプラント治療は難易度が高く、専門知識や技術、経験を要する治療です。以下のような医師や歯科医院には気をつけましょう。
- 既往歴を確認しない
- 服用している薬を確認しない
- 治療後のメンテナンスの重要性を説明しない
怖いなぁ。よく覚えておこう。
正しい知識で安心してインプラント治療をしよう
インプラントは外科手術なので、どうしても術後には痛みが生じます。痛みの感じ方は人それぞれなので、我慢できない痛みや痛みが長引く場合には担当の歯科医師に相談しましょう。
- インプラント治療の痛みは外科手術に伴う痛み
- 手術中は麻酔で痛みを感じない
- 痛みが起きやすいのは増骨や歯ぐきの移植などが必要なとき
- 痛みが少ないのは無切開手術やサージカルガイドの使用
- インプラント手術はトラブルも起こることがある
- 専門医以外の医師は避けたほうが良い