インプラント手術は痛くない?トラブルに遭わないためのリスク回避法

インプラント手術は痛くない?トラブルに遭わないためのリスク回避法
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よく噛めない歯をインプラントにした人は、「すごく快適になった!」「見た目もきれいで若々しくなったと言われる」などと嬉しそうです。口コミ満足度が高く、成功率も95~99%のインプラント治療ですから、それもそのはずですね。
とはいえ、インプラント治療は外科手術を伴う治療。「痛みがないって本当?」「手術の後は痛むって聞いたけど、実際どうなの?」「失敗することはないの?」といった疑問もあることでしょう。
ここでは、気になるインプラント治療の痛みについてお伝えしていきます。
INDEX
  1. インプラント治療に痛みはないって本当?
    1. 手術中の痛みはほとんど感じない
    2. 治療後の痛みや腫れは2~3日程度
    3. 2週間以上、痛みや腫れが引かない時は?
  2. 腫れや痛みが起こりやすい治療について
    1. 骨の再生治療
    2. 骨の移植
    3. 歯ぐきの移植
  3. 痛みが少ない治療について
    1. 無切開無痛手術
    2. サージカルガイド
    3. 腫れや痛みを抑える工夫
  4. インプラント治療は満足度が高いが不満もある?
    1. 血管や神経の損傷
    2. 手術の失敗
    3. 細菌感染しやすく周囲炎になりやすい
    4. インプラントの破損
    5. 専門医でなくても治療できる
  5. 要注意!既往症や服用薬の確認をしない歯科医院
    1. 危険!メンテナンスを勧めない歯科医院

インプラント治療に痛みはないって本当?

「インプラント治療は、ほとんど痛みがありません」と、多くの歯科医院の公式サイトから発信されています。実際にどうなのでしょうか?

手術中の痛みはほとんど感じない

インプラントの手術は、局所麻酔を施して行われます。顎の骨は歯肉に覆われているだけですので、麻酔がよく効きます。手術の最中に痛みを感じることは、ほとんどありません。
また、麻酔注射も、痛みをできるだけ感じさせないように工夫しています。
まずはジェリー状の表面麻酔を塗布して歯肉に麻酔を効かせてから、手術用の局所麻酔の注射を打つ方法をとっている歯科医院もあります。そうすることで、麻酔注射の針が刺さる痛みを和らげます。
また、鎮静法といってガスを吸い込み、うたた寝しているかのようなリラックス状態に導く麻酔もあります。手術への恐怖感が強い人に向いている麻酔といえます。

治療後の痛みや腫れは2~3日程度

インプラントを数多く埋入したり、骨の移植を行ったり、インプラント手術が大掛かりになるほど、どうしても術後2~3日程度は痛みや腫れが起こります。徐々に引いていくとはいえ痛みが2週間くらい続くこともありますが、インプラント治療は外科手術なのである程度は避けられません。

2週間以上、痛みや腫れが引かない時は?

個人差はありますが、中には2~3週経過しても変わりなく痛みがある、という人もいます。原因としては、骨に穴をあける際、骨の硬度のせいで摩擦がおこり、火傷を負った状態になってしまったというケース。もしくは、何らかの事情で傷口が大きくなってしまったため治癒に時間がかかっているケース。さらには細菌感染をひきおこしていることも考えられます。
処方された抗生物質や痛み止め薬を服用しても、あまりにも痛みが引かない場合は、異常事態が起こっている恐れがあります。我慢せずに担当の歯科医師に相談しましょう。

腫れや痛みが起こりやすい治療について

インプラントの本体を埋め込む手術には、痛みや腫れが起こりやすい治療があります。

骨の再生治療

骨が少ないと診断された場合、そのままではインプラント治療ができません。日本人は、もともと顎が小さめですが、インプラントシステムの主流は海外製なので、欧米人の顎に合わせて作られています。
ほかにも、長く入れ歯を使っていると、土台の骨が薄くなってしまっていることがあります。
こうして顎の骨が痩せている状態のままではインプラント治療ができないので、骨の再生治療を行います。
インプラントを骨に埋め込むだけでも外科手術なので、術後は痛みなどの負担を伴うことが多いですが、さらに骨の再生治療まで行うとなると手術がかなり大掛りになって、痛み伴うリスクが高まります。

骨の移植

骨の移植や骨造成を行うと、術後にどんな外科手術にも伴う痛みや腫れがでるのはいたしかたない、といえるでしょう。骨移植・骨造成には、ソケットリフト、サイナスリフト、GBR(骨誘導再生)法など、いろいろな方法があります。
骨の移植・造成を行って、骨の状態が安定するのを待ち、半年後くらいにインプラント本体の埋入手術をするというのが本来の流れです。ですが最近では、1回の手術で抜歯・骨造成・インプラント埋入まで行えるケースもあります。
もちろん患者さんのお口の状態によるところが大きいですし、歯科医師によってベストと考える治療方針があります。どこの歯科医院でも対応できるわけではないので、治療の進め方についてはしっかりと歯科医師の説明を聞いて相談の上で決めるようにしてください。

歯ぐきの移植

歯ぐきが痩せて下がってしまい、インプラントを支えることができないと診断された場合、歯ぐきの移植手術を行うという方法があります。この治療は専門性が高く、対応している歯科医院が少ないですが、「歯肉退縮治療」ができる歯科医院を探してみるのも手です。
手術のあと1~2週間後に抜歯を行い、治癒を待ってからインプラントの埋入手術を行います。
こちらも外科手術に伴う術後の痛みや腫れは、ある程度は仕方がないでしょう。

痛みが少ない治療について

「痛いのが苦手」という患者さんが圧倒的に多いことから、ほとんどの歯科医院で痛みが少ない治療について工夫されています。
インプラント治療は専門性が高い治療なので、専門知識・技術があって手術経験が豊富な歯科医師が、痛みを抑えたインプラント治療についても精通しているといえるでしょう。

無切開無痛手術

無切開無痛手術(フラップレスサージェリー)は、切開せず、小さな穴をあけてインプラントを埋入する手術です。傷跡が最小限になるため、痛みや腫れ、出血がほとんどないのが特徴です。
手術の負担が軽減できることから、これまでは難しかった高血圧や糖尿病などの既往症があった人も、インプラント治療が可能になりました。
ただし、歯科医師なら誰でもできる治療ではないため、この術式を希望する場合は対応している歯科医院を探さなければなりません。
実際に切開して骨の状態を診ることなく治療を行うため難易度が高い治療です。十分な経験を積んだ歯科医師の治療を受けられる歯科医院を選びましょう。

サージカルガイド

CT画像と3Dスキャナーで口内のデータを採取し、インプラント埋入位置を示すガイドを作製します。ガイドに沿って的確な手術が行われるので、ズレることなく、理想的な埋入ができます。

腫れや痛みを抑える工夫

インプラント手術中は麻酔が効いているので痛みに対する心配はいりませんが、術後に痛みが出ることがあります。
痛み止め、抗生物質など、薬を処方されますので歯科医師の指示に従って服用しましょう。
術後の痛みには個人差があり、痛み止めが効きにくい人もいます。痛みや痺れが気になる時は我慢せず、担当の歯科医師に相談しましょう。

インプラント治療は満足度が高いが不満もある?

インプラント治療は、満足度の高い治療ですが、中には、期待したほどの満足が得られなかったという人もいます。

血管や神経の損傷

インプラント治療は、一般的な歯科治療と比べると専門的な知識や技術を要する治療です。手術中に誤って血管や神経を損傷すると、痛みや痺れが出るだけでなく麻痺が残ることもあります。

手術の失敗

インプラントを埋入したものの、骨と融合せずにグラついている、よく噛めないといった失敗や、しばらくして脱落してしまうといった失敗も、実際に起こっています。
原因としては、適切な位置に埋入されていない、顎の骨と結合しない、骨にダメージを与えてしまった、細菌感染を起こしたなどが挙げられます。

細菌感染しやすく周囲炎になりやすい

インプラントは人工の歯なので虫歯にはなりませんが、歯周病に似たインプラント周囲炎にかかりやすいのが特徴です。天然歯のように自浄作用がないので、細菌感染に非常に弱いのです。

インプラントの破損

インプラントはしっかりとメンテナンスしていれば、長く使えるものですが、時には早い時期に破損してしまうといった事例もあります。
噛み合わせの調整がうまくいっておらず、偏った圧力がかかってしまったり、結合部分が緩くて外れてしまったり、といった理由が考えられます。

専門医でなくても治療できる

インプラントは難易度が高く専門知識や技術、経験を要する治療です。そのため、インプラントの専門医・認定医といった資格が存在します。
しかしながら現在の日本では、専門資格がない歯科医師でもインプラント治療を行えます。十分な知識や技術がなく、アフターケアの責任ももたずに格安でインプラントの埋入だけ数多くこなしているような悪質なやり方も横行していますので気を付けてください。

要注意!既往症や服用薬の確認をしない歯科医院

インプラント治療には、既往症や服用薬によって適応しないことがあります。現在では、状態さえ安定していれば、かかりつけの医師と相談しながらインプラント治療を進めることが可能なケースも増えてきました。とはいえ、そういった確認をしない歯科医師にインプラント治療を任せるのは非常に危険です。

危険!メンテナンスを勧めない歯科医院

インプラント治療は、術後のメンテナンスが欠かせません。お手入れをサボったために5年くらいでインプラントを付け替えなくてはならなくなった人もいます。
インプラント治療を安全に進めて長持ちさせるために、手術の前には歯科医師から術後の定期検診やセルフケアの重要性についての説明が行われます。
メンテナンスの重要性について話をしない歯科医院は、要注意です。インプラント埋入の本数にばかりこだわっていて、患者さんの経過やアフターケアに興味をもたない様子であれば、そこでインプラントの治療を受けることは考え直したほうがよいでしょう。