インプラントでありえる8つのデメリットとリスク回避のための注意点

失った歯の代わりにインプラントを入れて幸せを感じている人は大勢いますが、インプラント治療は手術を伴う治療のためリスクも伴います。これからインプラントを検討している人は、メリットだけでなくデメリットにも目を向けて判断をする必要があるでしょう。ここでは、インプラント治療で考えられるデメリットやリスク、トラブル例などをご紹介します。
- インプラントの具体的なトラブル例が知りたい。
- インプラントって本当に安全なの?
- インプラントのリスクを減らすための方法を知りたい
- インプラントのトラブルを未然に防ぐ方法ってあるの?
インプラントの満足度は98%

「インプラントにして暮らしが快適になった!」と満足する人は、実に約98%にものぼります。日本口腔インプラント学会が実施した調査結果でも、「よく噛めるようになった」「食事がおいしい」「歯がきれいに見える」「手入れが楽」「発音がしやすくなった」などの感想がみられます。

インプラントは生活を豊かにします。
歯がなくなってもまた自分の歯のように噛めるなんて最高ですね。
一方デメリットも!歯科インプラントで起きたトラブル例

人生が一変するほど快適をもたらすインプラントですが、下記のようなデメリットもあります。
- 健康保険が効かない
- 治療期間がブリッジや入れ歯よりも長い
- 費用がブリッジや入れ歯よりも高い
- 外科手術を伴い、術後に痛みや腫れが出る場合がある
- 手術の後はメンテナンスが欠かせない
成功率の高いインプラント手術でも、絶対に失敗がないとはいえません。現に、国民生活センターにはインプラント手術を受けて困った人からの相談が寄せられています。2017年には、全国の6万8000を超える医療施設から、毎年60〜80件のトラブル事例の報告があると発表されました。
とはいえ、日本顎顔面インプラント学会の調査によると、インプラント治療におけるトラブル件数は、2012〜2014年は前回調査した2009〜2011年よりも減少しているということです。

技術の進歩や医師全体のインプラント治療への意識も向上してきています。
インプラント治療のリスクやデメリット
では、インプラント治療において考えられるデメリットをご紹介します。
痛みが出ることがある

インプラント手術後は痛みや腫れが出ることがあります。2〜3日で自然にひいていきますので、処方された抗生剤や痛み止めは医師の指示にしたがって服用しましょう。痛みや腫れが気になるときは外側から軽く冷やすと緩和できます。
ただし、人によっては激しい痛みが生じることもあります。その場合にはすぐに医師に相談しましょう。
また、タバコは骨との結合を妨げ、アルコールは傷の治りを悪くするので、控えるようにしましょう。手術直後は湯船に浸かる入浴や激しい運動も避けてください。

麻酔が切れるとどうしても痛みが出やすくなります。
切開したり縫ったりするので、ある程度は仕方ないですね。
インプラントがグラつく・抜ける

“インターネットやチラシなどで格安のインプラント治療を探して手術を受けたところ、インプラントがグラつき、ひどい場合には抜けてしまった”というトラブルもあるようです。
格安なのは、十分な検査や設備を用いない・粗悪な材料を使っていることなどが考えられます。インプラント治療はとても高度な技術が必要ですが、なかには経験や技術不足の医師が行っている場合もあります。歯科医院選びは価格ばかりにとらわれず慎重に行いましょう。

インプラント治療は専門資格を持っていなくてもできるのです。
そうなんですね。それはよく調べないといけませんね。
腫れや炎症が引かない

腫れや炎症の相談も多く寄せられます。術後のある程度の痛みや腫れはつきものですが、度を超える痛みや出血がある場合は、なんらかの別の理由が考えられます。そんなときはセカンドオピニオンを求めるのもおすすめです。
ある事例では、インプラント治療の後に痛みが引かないので相談すると、治療した医師から「歯ぐきが固まるまで我慢してください」と告げられました。しかし、別の歯科医院で診てもらったところ、インプラントが鼻の空洞に刺さっていると判明したというものがありました。
あまりにも痛みや腫れがひどいようなら、我慢しないで別の歯科医院で診てもらいましょう。

セカンドオピニオンは患者さんの当然の権利なので、遠慮しないで言ってください。
「悪いかな」と思って言いにくいですけど。

重大な問題に発展しないとも限らないので、そこは思い切って言いましょう。
説明が不十分で不安なまま手術した

説明が不十分なまま手術を受けて、不安が残る・納得できないというケースも多いです。医師は患者に対して丁寧かつ詳しい説明をする義務があります。メリットだけでなくデメリットやリスクもきちんと説明しなければなりません。
医師は極力分かりやすく説明をするよう心がけていますが、それでもつい専門用語が出てしまったりする場合があります。説明を受けていて分からないところがあったら、途中でさえぎってでも質問しましょう。
また、なかには薄利多売を目的にインプラント治療をしている歯科医院もあります。そういった歯科医院では患者に時間をかけられず、説明も不十分になりがちです。リスクや治療後の定期検診の説明が十分になされず、せっかく入れたインプラントがすぐにダメになってしまったというケースもあります。

自分が納得できるまで、じっくりと説明を求めることが重要です。
高額な治療だし、ここはしっかりと押さえておきたいですね。
見た目が気に入らない

インプラント治療を行ったものの、見た目が気に入らないといったトラブルも起きています。この場合も、医師と患者とのコミュニケーション不足によって起こるトラブルです。
面倒でもしっかりと説明を聞いて、頭の中に仕上がりイメージができてから治療を受けるようにしましょう。

一度治療をすると元には戻せないので、イメージを聞いておくのは重要です。
これもメモしておこう…。
インプラント周囲炎になった

インプラント周囲炎とは、歯周病に似た病気です。インプラントそのものは病気にかかりませんが、骨や周辺組織がインプラント周囲炎にかかりやすいという特徴を持っています。
インプラント周囲炎にならないようにするには、毎日の歯みがきや歯間ケア、定期メンテナンスでプロによるクリーニングを行うことが何よりも大切です。

清潔を徹底すれば、インプラント周囲炎を防げます。
なるほど、それでメンテナンスが欠かせないんですね。
顎の骨が割れた!

インプラントは元の自分の歯と同じようによく噛めます。ただ、天然歯のように弾力を吸収する組織がありません。インプラントは骨に直接負担がかかりやすいので、硬すぎるものを噛むとヒビが入ったり割れてしまったりすることがあります。
また、かみ合わせがうまくいっていないと、顎の骨に負担がかかりすぎて割れてしまうこともあります。インプラントはただ入れればいいというものではなく、かみ合わせも考慮して緻密に計算しなければなりません。
インプラント治療には歯科医師の技術や経験がどれほど大切であるかということが分かりますね。

そうなんです。インプラントは全身に影響するので、安易に決めてはいけません。
インプラント治療のリスクを回避するための注意点

インプラント治療で失敗しないために、以下のようなことに注意しましょう。
1.外科手術が伴うことを知っておく
インプラント治療は一般的な歯科治療とは異なり、外科手術をするということを理解して臨みましょう。
2.治療後はケアが何より大切
治療を受けた後は、定期的に検診やメンテナンスに通う必要があります。これを放棄するとインプラント周囲炎にかかりやすくなり、インプラントの寿命を縮めてしまいます。
3.インプラントができない場合もある
骨粗鬆症や重度の全身疾患がある場合には、インプラントが体に適応できずに治療が受けられないことがあります。事前に医師によく相談してから治療しましょう。
4.メーカーと保証の有無を確認する
扱っているインプラントシステムは歯科医院によって異なります。なかには粗悪品もあるので、しっかりとしたメーカーかどうかを確認しましょう。ものによっては修理するときの部品が手に入らない、アフターケアが不可能、保証がついていないものなどもあります。
5.CTなど専用設備は整っているか確認する

インプラント治療には、立体的なデータを採れるCT検査などが欠かせません。院内にCT設備が整っているかどうか確認しましょう。インプラントは難易度の高い治療なので、専門資格や豊富な知識と経験を持つ医師のいる歯科医院を探して受けることをおすすめします。
これ、最重要な気がするなあ。

そうですね。どれもとても大切です。
注意点を理解してデメリット&リスクを回避しよう
インプラント治療を受ける際には、今回ご紹介した様々なデメリットやリスクがあることも把握しておかなければなりません。リスクをできるだけ回避するには、価格のやすさにとらわれず、信頼できる医師を探すことが重要です。まずは医師としっかりと話し、耳障りの良い話だけにとどまらないかどうかに注意してみてください。
- インプラントは外科手術を伴うため直後は痛みや腫れが出ることがある
- 手術直後は定着していないためグラつくことがある
- 治療後もメンテナンスを続けないと周囲炎になる可能性がある
- 医師の説明が不十分で見た目が気に入らないなどのトラブルが起こることがある
- インプラント治療はしっかりとした設備やメーカーを扱う医療施設で