インプラント治療はデメリット大?8つのトラブル例と6つの注意点

インプラント治療はデメリット大?8つのトラブル例と6つの注意点

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柿木辰美先生
柿木 辰美 先生
専門:一般歯科
2013年 明海大学歯学部卒業。卒後は東京都内の歯科医院に常勤歯科医師として勤務。 現在は複数の歯科医院で非常勤歯科医師として、インプラントや歯内療法を軸に一般歯科診療を日々行なっている。
人生が明るく快適に変わるというインプラント治療。インプラントにして幸せを感じている人は大勢います。
ですが、インプラント治療は手術を伴う大がかりな治療です。成功するためには、メリットばかりでなくデメリットにも目を向けて治療を受けるかどうか検討することが大切です。
ここでは、インプラント治療について考えられるリスクやデメリット、お困りごとの相談やトラブル事例などを紹介します。
INDEX
  1. 満足度なんと約98%のインプラント。トラブルも多い?
  2. 歯科インプラントで起きた困ったことは?
    1. ①痛みがでることがある
    2. ②インプラントのぐらつきや脱落
    3. ③腫れた・炎症がおきた
    4. ④治療前の説明・確認が不十分
    5. ⑤骨粗しょう症はインプラントできない
    6. ⑥歯肉炎になった
    7. ⑦口周りの骨が割れた
    8. ⑧見た目が気に入らない
  3. インプラント治療のリスクを回避するための注意点
    1. ①外科手術を伴うこと
    2. ②治療後のケアが必須(歯周炎のリスク)
    3. ③身体に適用しないケースがあること
    4. ④専門資格のある歯科医師が在籍しているか?
    5. ⑤CTはあるか?専用設備が重要であること
    6. ⑥しっかりとしたメーカーのインプラントであること
  4. 注意点を理解してリスク&デメリットを回避しよう

満足度なんと約98%のインプラント。トラブルも多い?

インプラント治療を受けた多くの人が、「インプラントにしてよかった!」「生活が変わった!」と喜んでいます。それもそのはず。インプラントの満足度は、なんと約98%にものぼるのです。
    • よく噛める
    • 食事がおいしい
    • 歯がきれいに見える
    • 発音しやすい
    • 笑顔になれた
…など、多くの人が人生がガラリと変わるほどの快適さを手に入れています。
インプラントをしてどんな風に生活が向上したのか、幸せを感じているのかは、下記のページをご覧ください。

インプラント治療をして人生が変わった!8つの大きなメリットとは?

また、日本口腔インプラント学会が実施した調査結果も、その下のリンクからご覧いただけます。
「非常に満足している…79.6%」「やや満足している…18.0%」
データからみるインプラント | 公益社団法人日本口腔インプラント学会」より引用

歯科インプラントで起きた困ったことは?

人生観が変わるほど快適なインプラントといっても、下記のようなデメリットはあります。それをデメリットと感じるかどうかは、人によるともいえます。
    • 健康保険が効かない。
    • 治療期間がブリッジや入れ歯よりも長い。
    • 外科手術を伴う治療であること。
    • 手術の後はメンテナンスが欠かせない。
    • 術後に痛みや腫れが出る時がある。
そのひとつに、インプラント治療は手術を伴う大がかりな治療であることがあげられるでしょう。
手術の成功率は極めて100%に近いのですが、失敗しないとはいえません。現に、国民生活センターには、インプラント手術を受けて困ったという人からの相談が、些細なことから大きなものまで寄せられています。そういったリスクについて十分検討してから治療を受ける必要があります。
2017年には、全国の6万8000をこえる医療施設の中で、毎年60~80面の困った事例が報告されていると発表されました。
とはいえ、日本顎顔面インプラント学会の調査によると、インプラント治療におけるトラブルの発生は、2012年~2014年の間は前回に調査した2009年~2011年よりもトラブルが減少しているということです。どんどん改善されているということがわかります。

①痛みがでることがある

インプラント治療でお困りの内容として、最も多いのが「痛み」についてです。
インプラント治療は手術を伴うので、人によっては術後の傷口がひどく痛んだり、腫れがなかなか引きにくいこともあります。抗生物質や痛み止めを処方されますので、歯科医師の指示に従って服用し、軽く冷やすようにしていると数日で引きます
喫煙すると傷の治りが悪くなるので控えるようにしましょう。飲酒や入浴、激しい運動なども、避けてください。

②インプラントのぐらつきや脱落

インターネットで格安のインプラント治療をできるところを探して手術を受けたところ、インプラントがグラついたり、酷い時には脱落してしまったり、といったトラブルもあるようです。
格安なため、しっかりとした検査ができる設備や歯科医師の技術不足で、そういった失敗につながることがあります。
治療にかかる費用は大切な検討材料ではありますが、価格ばかりにとらわれず、きちんとした治療を受けられる施設なのか、インプラントの専門資格などがあるのかなどの観点でも歯科医院を選ぶようにしましょう。

③腫れた・炎症がおきた

腫れや炎症についての相談も多く寄せられます。インプラント治療は外科手術なので、術後はある程度の痛みや腫れはつきもの。それでも度を越える痛みや出血がある場合は何らかの理由が考えられます。そんなときは、セカンドオピニオンを求めることも考えましょう。
ある事例では、インプラント治療の後、痛みがひかなかったのですが、治療した歯科医師には「歯ぐきが固まるまで我慢するように」と指示を受けていました。別の歯科医院で診てもらったところ、鼻の空洞にインプラントが刺さっていることがわかったというものがありました。あまり痛みがひどいようなら我慢しないで別の歯科医院で診察を受けましょう。

④治療前の説明・確認が不十分

価格重視でインプラントを選ぶと、丁寧な治療が受けられない場合があります。有名メーカーのインプラントを使用していて、粗悪品を使って安くしているわけではないケースでは、なかなか見極めるのが難しい場合も。そういったケースでは薄利多売をモットーにしているため、一人ひとりの患者に時間をかけられず、歯科医師からの説明を受ける時間が短縮されてしまう場合もあるようです。また、メリットだけでなくデメリットについてもしっかりとした説明をしなければならないのですが、急ぐあまりに十分にデメリットの説明を受けられないことがあります。手術の後の定期検診が必要なことをきちんと説明されず、定期検診の重要性を把握していなかったので、せっかく入れたインプラントがすぐにダメになってしまった、というケースがあります。
最初の治療費を安くしていても治療のやりなおしになってしまえば倍以上の治療費がかかります。安さよりも、しっかりとした説明がうけられる歯科医院を選ぶようにしましょう。

⑤骨粗しょう症はインプラントできない

骨粗しょう症の薬を飲んでいる場合は、インプラントの治療を受けるのが難しくなります。できないわけではないのですが、薬をしばらく休む必要があったり、専門的なメンテナンスを受ける必要があったりと、一般の人よりも注意が必要です。
通常は骨粗しょう症の薬を服用していないか確認を受けるのですが、トラブルになったケースでは確認がなされずに治療が進んでしまったようです。そうなってしまうと、骨が腐食することがあるので注意が必要です。

⑥歯肉炎になった

インプラントは、天然の歯よりも細菌感染に弱いという特徴があります。インプラントそのものは虫歯にはなりませんが、歯周病に似たインプラント歯肉炎にかかることがあります。毎日の歯磨きと、歯科医院での定期的なクリーニングをしっかりと行って予防を徹底しましょう。

⑦口周りの骨が割れた

インプラントは、よく噛めるようになります。つまり、噛む力がとても強いということです。しかも、天然の歯のように、土台となる顎の骨との間に、歯根膜という靭帯のような組織を挟んでいません。歯根膜はクッションのような役割を果たしているのですが、それがないのでダイレクトに噛む力が顎の骨にかかります。
もし、噛み合わせがうまくいっていなければ、顎の骨に負担がかかりすぎて割れてしまうということが起こります。インプラントは入れるだけでいいというものではなく、噛み合わせがうまくいくように調整しなければなりません。それを計算にいれて治療を進めていかないと、こういったトラブルにつながるのです。
このことからは、インプラント治療には、歯科医師の技術や知識がどれほど大切であるかということが解ります。

⑧見た目が気に入らない

インプラント治療を行ったものの、見た目が気に入らないというトラブルも起こっています。
これも、十分な説明や確認、歯科医師と患者のコミュニケーションがうまくいかなかったことから起こるリスクです。面倒でも、治療を受ける前にしっかりと説明を聞いて、仕上がりのイメージをつけから治療を受けるようにしましょう。

インプラント治療のリスクを回避するための注意点

インプラント治療で失敗しないために、次のようなことに注意しましょう。

①外科手術を伴うこと

インプラント治療は一般的な歯科治療とは異なり、手術を伴う治療であることを理解して臨むようにしましょう。

②治療後のケアが必須(歯周炎のリスク)

治療を受けたあとは、定期的に検診やメンテナンスに通うところまでがセットです。治療後に放置してしまうとインプラントの寿命を縮めてしまいます。

③身体に適用しないケースがあること

骨粗しょう症など、インプラントが身体に適応しない人もいます。しっかりと診断を受けてから治療しましょう。

④専門資格のある歯科医師が在籍しているか?

インプラントは、難易度の高い治療なので、専門資格をもつ歯科医師に治療を受けるとよいでしょう。さまざまな学会による専門医や認定医の資格があります。

⑤CTはあるか?専用設備が重要であること

インプラント治療には、立体的なデータを採れるCTによる検査が欠かせません。院内にCTの設備を整えているところ、もしくは大学病院などでCTを撮影できるところを選ぶようにしましょう。

⑥しっかりとしたメーカーのインプラントであること

扱っているインプラントシステムが粗悪品でないか、しっかりとしたメーカーのものであるかを確認しましょう。ものによっては修理する時の部品が手に入らなかったり、アフターケアが不可能だったりというケースがありますので注意が必要です。

注意点を理解してリスク&デメリットを回避しよう

インプラント治療におけるリスクを回避するためには、なによりも、メリットだけでなく、デメリットや注意事項をきちんと説明してくれる歯科医院で治療を受けることが大切です。
価格の安さに囚われず、まずは歯科医師と話をしてみて、耳ざわりのよい話だけに留まらないか注意してみてください。インプラントは外科手術なので、デメリットやリスクについての話題は欠かせないものなのです。インプラント治療で失敗しないためには、きちんと歯科医師の話を聞いて、デメリットやリスクの面まで事前に把握してから治療に臨むようにしましょう。