インプラントの材質が知りたい!各材質のメリット・デメリットや費用

インプラントと一口に言っても、色々な材質があります。さらに、歯科医院によって扱っている材質が微妙に異なるため、利用される材質に不安があるなら、治療を受ける前にまずは詳しく知っておくのがおすすめです。この記事では、各材質の特徴や費用の相場感などをご紹介します。これからインプラントをしようと考えている方は、ぜひ検討の材料にお使いください。
- インプラントには色々な材質があると聞いたが、材質によって違いはあるのか?
- インプラントを入れたいと思っているがどの材質がいいのか知りたい。
- インプラントの材質の費用の差はどのくらいなの?と思っている。
インプラントの材質はパーツごとに異なる

インプラントは本体・接続パーツ・人工歯の3つの構造からなります。パーツに使われる材質はそれぞれ異なり、歯科医院の方針や考え方などによって選ばれています。多くの場合、パーツの形状がメーカーによって異なるため、同じメーカーが出している製品の中から選ぶことになります。

歯科医院によって取り扱っているメーカーが異なるんです。
なるほど。自分が希望するメーカーを言っても取り扱っていない場合もあるんですね。

そうなんです。だからはじめに取り扱っているメーカーを調べておくといいですよ。
メーカーから歯科医院を決めるという考え方ですね。
インプラント本体の材質の種類
では、各パーツでよく使われる材質をご紹介します。まずはインプラント本体です。
もっともポピュラー「チタン」

チタンはもっともよく使われている材質です。チタンは骨と結合しやすく金属アレルギーを起こしにくいため、現在の主流となっています。チタンは鉄に比べると2/3ほどの重さ。また、金属の中では溶ける温度が高いので溶けにくく、塩分や酸などによる腐食にも強いので錆びにくいという性質を持っています。
メリット | デメリット |
---|---|
骨と結合しやすい | チタンアレルギーの人もいる |
軽くて強い | 100%溶けないわけではない |
錆びにくい | ごく微弱だが磁力を持つ |

アレルギーが心配な人は事前に検査を行います。
それなら安心ですね。
別名人工ダイヤモンド「ジルコニア」

ジルコニアはジルコニウムという金属が酸化して出来た、白い粉末状のものです。セラミックの一種で宝飾品にも使われており、人工ダイヤモンドとも呼ばれています。白色顔料にも使われるほど美しいので、万が一歯ぐきから透けてしまっても天然の歯根と見分けがつかないほどです。
メリット | デメリット |
---|---|
通常のセラミックより頑丈である | 強度があるが絶対破損しないとは言い切れない |
審美性に優れている | ― |
金属アレルギーの心配がない | ― |

ジルコニアは比較的新しい材料です。
技術は日々進化してるんですね。
骨と同じ成分「ハイドロキシアパタイト」

ハイドロキシアパタイトは、主成分が骨と同じリン酸カルシウムです。歯科で用いられるのは、人工的に作られたハイドロキシアパタイトです。骨と同じ成分で作られているので、骨との結合がよりしやすいのが特徴です。ただし、成分が天然歯に近いため、インプラント周囲炎にかかりやすいのが難点です。
メリット | デメリット |
---|---|
生体親和性に優れている | インプラント周囲炎になりやすい |

チタンにハイドロキシアパタイトをコーティングしたものを使っている医院もあります。
詳しく調べればもっと色々ありそうですね。
人工歯の材質の種類
次は、被せものと呼ばれる人工歯の材質です。
陶器のような白い歯「オールセラミック」

セラミックとは歯科用の陶材を焼き固めたもので、陶器や磁器にちかいというとイメージしやすいでしょう。オールセラミックはセラミックだけで出来た人工歯です。長年使ってもすり減らず変色もしませんが、歯ぎしりや食いしばりなどの強い力が加わり続けると、割れてしまうことがあります。
メリット | デメリット |
---|---|
強度がある | すべてセラミックなので割れるリスクが高め |
審美的に優れている | やや高価である |
個人の天然歯に近づけて作れる | 長く使い続けると艶がなくなることがある |
金属アレルギーの心配がない | ― |

自分の歯に近い微妙な色合いが出せるのが特徴です。
自然な見た目はいいですね。
セラミックより強い「ジルコニア」

ジルコニアは本体と同様、被せものとしても使われる素材です。金属アレルギーの人がよく選択する人工歯の1つで、広義の意味ではセラミックの一種です。歯に似た美しさと金属と同等の強度が備わっているため、近年ではセラミックに代わるものとして使用されることが多くなりました。
メリット | デメリット |
---|---|
審美的に優れている | やや高価である |
セラミックより強度がある | ― |
金属アレルギーの心配がない | ― |

ジルコニアは強度と見た目のコストパフォーマンスが良いので選ぶ人が多いです。
費用は高いけど長く持つというわけですね。
汚れがつきにくい「メタルボンド」

メタルボンドは、金属の表面にセラミックを焼き付けた被せものです。比較的安価で変色することがなく、プラークがつきにくいのは長所です。ただ、金属にセラミックを焼き付けていると、どうしても強度が落ちるので欠けやすいという特徴があります。
メリット | デメリット |
---|---|
強度が高い | 経年劣化により金属が溶け出し歯ぐきが黒ずむことがある |
天然歯に比べると着色しにくい | オールセラミックより透明度が落ちる |
天然歯に比べてプラークがつきにくい | 金属アレルギーの人は注意が必要 |

アレルギーに関しては、金属が内側だから大丈夫という先生もいますが、心配な人は避けたほうが無難です。
現在はあまり使われなくなった「銀歯」
昔は被せものというと銀歯でしたが、奥歯などに使用すると笑ったときに銀色がちらりと見えるため、最近ではあまり好まれません。また、歯ぐきの黒ずみの元にもなるため、治療したはずなのにかえって見た目が悪くなる可能性があります。

後から金属アレルギーになることもありますしね。
そういうものなんですか。
材質別でみるインプラントの費用

インプラントの費用はメーカーなどによっても異なります。同じハイドロキシアパタイトを使っていても、海外製品と国内製品ではかなり違います。また、郊外の歯科医院と銀座の歯科医院では、同じ材質でまったく同じインプラントを作ったとしても、店舗家賃などが加算されるため銀座で作ったほうは割高になるでしょう。それらを踏まえた上で、材質別の相場は以下のようになっています。
インプラント本体 | 人工歯(被せもの) |
---|---|
チタン:7〜20万円程度 | オールセラミック:8〜17万円程度 |
ジルコニア:10〜30万円程度 | ジルコニア:10〜15万円程度 |
ハイドロキシアパタイト:10〜20万円程度 | メタルボンド:8〜15万円程度 |
インプラントは自由診療(保険適用外)なので、治療費は歯科医院が自由に設定できます。インプラントパーツの費用の他に、診察料や検査料、技工料などが加算されるのも考慮に入れておくと良いでしょう。
これは実際に地域の歯科医院をいくつか調べるのが良さそうだなぁ。
安いインプラントにはご注意を!

時々「10万円以下でできるインプラント」「1日で完了できるインプラント」などを見かけますが、安いインプラントは粗悪な材質を使っていることが多く、長年使えずにトラブルになったりすることも多いです。また、インプラントは骨と結合するまでに時間がかかり、経過もじっくりと見なければならないため、1日で完了するのは不可能といえます。インプラントには高度な技術が必要なうえ、治療後のサポートも重要です。

施術だけしてトラブルに対応しない悪質なところもあるので、医院選びは注意してくださいね。
そんな残念な歯科医院があるなんて困りますねえ。
自分に合った材質のインプラントを選ぼう!
インプラントの材質は、体質や料金などによって選ぶ必要があります。インプラントを入れたいと思ったら、まずは複数のインプラント歯科医院のホームページなどを見て、取り扱っている材質や価格などを調べ、後悔しない治療を行いましょう。
- インプラントの材質はパーツごとに異なる
- 素材によってアレルギー対応や見た目、強度などが違う
- チタンとハイドロキシアパタイトは生体親和性が高い
- セラミックやジルコニアは強度が高く審美性に優れる
- 費用は材質だけでなく地域によっても異なる場合がある