インプラントのメーカーを徹底比較!費用・材質の違いが分かります

インプラントを入れようとインターネットで歯科医院を調べると、かかる費用に差があり、扱うメーカーも実に豊富です。これからインプラントをしようと思っている人は、悩んでしまったのではないでしょうか。そこで、この記事では複数のメーカーを取り上げて、費用や材質の特徴を比べました。インプラントを検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
- インプラントはどれも同じじゃないの?と思っている。
- どうして歯科医院によって扱うインプラントが違うの?と思っている。
- インプラントはメーカーによって何が違うのか知りたい。
- 自分のインプラントの特徴を知りたい。
- 歯科医院に勧められたインプラントの詳しい特徴を知りたい。
- インプラントの費用ってメーカーによってどれくらい差があるの?と思っている。
インプラント・メーカーで費用に差がある理由

インプラントのメーカーは国内外で100種類以上あります。また、インプラントの治療費は主に材料費と技術費です。治療は自由診療なので、金額の設定は医療機関に委ねられています。さらに、各医療機関によって方針や治療方法が異なるため、同じメーカーを用いていても価格設定が異なる場合があります。

インプラント治療は高度な技術で設備も治療法も様々なので、費用も異なるんです。
なるほど、単純に材料費の差だけではないわけですね。
自分のインプラント・メーカーを知っておくと良い理由

インプラントはメーカーによって形状が異なるため、なるべく元の医療機関で治療するのが望ましいです。仮に10年以上経ってからなんらかのトラブルで再治療が必要になったとき、自分または歯科医院が転居していたりすると、元の病院で治療することができません。
しかし、同じインプラントのメーカーを取り扱う医療機関であれば、再治療してもらえる可能性は高いです。

クリニックが独自で作っているインプラントもありますが、将来のことまでよく考えることが重要です。
たしかに、ずっとその歯医者さんに通える保証はないですよね。
インプラントの基礎知識をサラッとおさらい
メーカーの作るインプラントは材質や形状など特徴に違いがあります。違いを比べるにはまず、インプラントの構造などについて知っておきましょう。
インプラントの構造と種類

インプラントは大きく、骨に埋める本体部分、上部の人工歯(被せもの)、本体と人工歯をつなぐ接続パーツからなります。インプラント本体は現在おおまかに2種類の形状が主流で、本体と接続パーツが一体化したワンピースタイプと別々になっているツーピースタイプなどがあります。
なんだかややこしいですねぇ。

そうなんです。どれを良しとするかは医師や病院の判断で決定します。
インプラント本体の形状

骨に埋入するインプラントの本体部分は、スクリュー、シリンダー、バスケットの3タイプが主流です。
スクリュータイプ | ネジのような螺旋状。体面積が広いので骨に融合しやすい |
---|---|
シリンダータイプ | 円筒状。叩いて埋め込む |
バスケットタイプ | 中が空洞で表面に穴が空いている。内部に骨組織が入るため結合力に優れる |
開発しているメーカーによってどのタイプを採用しているかも違うということですか?

そのとおりです。しかも、別のメーカーのパーツ同士は使えないことが多いです。
インプラントの材質や表面の加工

材質は、インプラント本体・本体表面・人工歯部分などによって異なります。本体の材質で現在主流なのは、チタンです。チタンは光学顕微鏡レベルで骨と結合しやすいことが分かっており、溶けにくく金属アレルギーも発生しにくいとされています。近年ではチタンよりも骨に馴染みやすいジルコニアを取り扱う病院も増えてきました。また、人工歯には主にセラミックやジルコニアが使われています。セラミックやジルコニアは強度が高く、天然歯に近い自然な見た目が特徴です。
表面の処理もまた、酸化処理や機械研磨など様々です。最近では骨や歯と同じ成分からなるハイドロキシアパタイトのコーティングが注目されています。生体親和性が高い反面、インプラント周囲炎になりやすいという性質も持っています。
セラミックやジルコニアは永久的に使えるんですか?

やはり経年劣化や欠けたりすることはあります。そのために長期保証がついているんですね。
なるほど。
インプラントの主要4大メーカー

現在日本でよく使われているのは、これからご紹介する4社です。また、海外製品だけでなく、近年開発された日本の製品は、精度が高いことで取り扱う医院が増えてきています。
スイス「ストローマン社」
歯科業界の先駆者として画期的な技術や手法を世界に広めているストローマン社。ブランド名は「ITI」で、純チタン+ジルコニウムという結合力の高い素材を採用しています。
また、製作したインプラントのサイズ・ロット番号などの情報が記載された患者パスポートを発行し、公式サイトで調べることもできます。取り扱い病院検索などの機能もあるため、転居しても安心です。
アメリカ「ジンマー・バイオメット・デンタル社」
ジンマー社は歯科だけでなく、筋骨系の製品を取り扱う会社です。インプラントの種類が豊富でジルコニアの接続パーツやハイドロキシアパタイトをコーティングしたインプラント本体などを開発しており、性能にも定評があります。ブランド名は「ジマー」「カルシテック」です(旧 バイオメット3iジャパン株式会社)。
スウェーデン「ノーベルバイオケア社」
世界初のインプラントを発明した老舗で、臨床実績が豊富で信頼も厚い会社です。ブランド名はインプラント治療を初めて行った博士の名を冠した「ブローネマルクシステム」などがあります。
スウェーデン「アストラテック社」
様々な適応症に対応することができ、初期固定や結合スピードの速さが特徴なのはアストラテック社です。接続パーツのネジが緩みにくいことにも提供があります。ブランド名は「アストラ」「オッセオスピード」です。

クリニックのホームページには社名とブランド名のどちらかが表記されています。
だからなんだか複雑に感じるのか…。
国産のインプラント・メーカー

「京セラインプラント」
京セラは多分野にわたる機器を開発していますが、歯科医療業界では1978年に日本ではじめてインプラントを発売したことでも知られています。アジア人の骨格にあった形状や、治療期間を短縮できるハイドロキシアパタイト製品を製造・販売しています。
「AQBインプラントシステム」
特殊技術により結合時間を飛躍的に短縮できるインプラントシステムを開発した会社です。手術が簡単になり感染のリスクも低いため、インプラントに適さない全身疾患の患者さんも治療が可能になり、注目を集めているメーカーです。
「GCインプラント」
歯科用製品を広く取り扱う会社で、開発から製造まで一貫して国内で行っています。品質も高く、骨の状態によって使い分けられる豊富なタイプが揃っています。
国産っていうとどうしてか安心しますね。

一貫というところで安心するというのはありますね。
自分に合うインプラントメーカーを探そう!
インプラントの製品やサイズなどは、診断する医師が適切な判断のうえ決定します。そのため、予め希望するインプラントメーカーから主治医や医療機関を探せば、自分の希望に近い治療を受けることができるでしょう。
インプラントは治療後も定期メンテナンスに何年間も通わなければなりません。そのため安心して任せられる医療機関にかかることをおすすめします。
- インプラント費用に差があるのは治療方法やメーカー、材質などの違い
- インプラント治療を受ける際は、将来転居の可能性なども考えるのが良い
- インプラント本体だけでも形状が3種類ある
- 主要メーカーはストローマン、ジンマー、ノーベルバイオケア、アストラテック。
- 国内製は日本人に合う形状で品質の良さも評価されている