インプラントのメーカー徹底比較!金額や材質の差の疑問を解消します

インプラントのメーカー徹底比較!金額や材質の差の疑問を解消します
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インプラントは国内外で100種類以上ものメーカーが存在します。インプラント専門医が取り扱うメーカーは、歯科医の考え方歯科医院の方針によって異なります。そのため、一概にどれが良くてどれが悪いとは言えません。

しかし、インプラント治療をする際には、どのメーカーを使っているかは気になるところです。そこで、ここではインプラントのメーカーの製品を比較し、材質や特徴などについて説明します。

INDEX
  1. インプラントの基礎知識
    1. インプラントの構造の種類
      1. 2ピースタイプ
      2. 1ピースタイプ
    2. インプラントの材質と表面処理の種類
    3. インプラントの形状の種類
    4. 自分のインプラント・メーカーを知っておくと良い理由
  2. インプラント4大メーカー
    1. スイス「ストローマン社」
    2. アメリカ「ジンマ―・バイオメット・デンタル社」
    3. スウェーデン「ノーベルバイオケア社」
    4. スウェーデン「アストラテック社」
  3. その他の海外インプラント・メーカー
  4. 国産のインプラントメーカー
    1. 「京セラインプラント」
    2. 「AQBインプラントシステム」
    3. 「GCインプラント」
  5. インプラントの価格に差が出る理由
  6. インプラント・メーカーのまとめ

インプラントの基礎知識

メーカーを知る前に、おおまかなインプラントの構造や材質などについて知っておきましょう。インプラントは製造するメーカーによって規格が異なります。そのため、他のメーカーの製品と組み合わせて使うことはできません。もし、治療後に修理などが必要になった場合には、同じメーカーの部品しか使えないので注意が必要です。

インプラントの構造の種類

インプラントの構造には大きく「2ピースタイプ」「1ピースタイプ」の2種類があります。この場合、上部の人工歯は除いて考えます。

2ピースタイプ

2ピースタイプはインプラント本体(フィクスチャー)にアバットメントをネジで留めるタイプのものです。インプラントの手術法には1回法と2回法がありますが、2ピースタイプの場合には1回法でも2回法でも対応可能です。

アバットメントにトラブルが発生した場合、2ピースタイプならアバットメントだけの修理で済みます。

1ピースタイプ

1ピースタイプは、インプラント本体とアバットメントが一体化したものです。1回の手術で済みますが、アバットメント部分が折れたり欠損したりした場合は、本体ごとの交換が必要となります。

インプラントの材質と表面処理の種類

インプラントの材質はチタンが主流です。最初にインプラントを開発した人が、金属の中でもチタンは光学顕微鏡レベルで骨と結合することを発見したからです(オッセオインテグレーション)。しかし、近年は人工歯に近い審美性を持ち、チタンよりも骨に馴染みやすいジルコニアを使う病院も多くなってきています。

また、表面には様々な処理がなされていますが、大抵の場合は以下の4種類が組み合わさって処理されています。

    • ブラスト処理:もっともポピュラーで、鋳造物内面の酸化膜を取り除き結合力を向上させる
    • 酸処理:ブラスト処理によって発生したブラスト材を洗浄する
    • 酸化処理:チタン表面に酸化チタンをつけて表面に凸凹をつける
    • 機械研磨処理:現在ではネック部分のみに使用される場合が多い

また、最近ではインプラントの表面にハイドロキシアパタイト(HA)をコーティングする方法が注目されています。ハイドロキシアパタイトは歯の成分にも含まれるため結合が早いですが、成分が天然歯に近いため細菌感染には弱いという特徴も持ちます。

インプラントの形状の種類

現在使われているインプラントの形状は、スクリュー、シリンダー、バスケットの3種類です。

スクリュータイプ螺旋状のネジのような形状で、回転させながら埋め込み、骨に結合しやすいという特徴があります。

シリンダータイプは螺旋がついていない円筒形です。ハンマーで叩いて埋め込みますが、骨と接する表面積がスクリューに比べて少ないため初期固定が弱く、2回法に使われます。

バスケットタイプは外見がスクリュータイプ、内側は空洞で穴が空いているため、内部にまで骨が入り込み、結合力に優れています。

自分のインプラント・メーカーを知っておくと良い理由

「インプラント治療に関しては信頼している医師に任せてあるので、自分はメーカーなどを知らなくても良い」と思っていると、後で困った事態になることがあります。転居など何らかの事情で元の病院で修理などが受けられなくなった場合、同じメーカーのインプラントを扱う医療機関を探す必要が生じるからです。

多くの病院が取り扱う主流のメーカーなら、どんな地域でも探しやすいかもしれません。しかし、あまり取り扱いのない特殊なメーカーの場合、移転先に病院が見つからない場合があります。また、修理の必要がない場合も、インプラント治療後は治療した病院定期メンテナンスに通わなければなりません。そのため遠方などでは通うのは不可能です。

定期メンテナンスはインプラント周囲炎不具合などが発生しないよう、チェックする機能があります。また、定期メンテナンスを受けていないと、もしもの時に保証が使えません。特にインプラントを摘出して再治療する場合には、保証が効かないと再度一から費用がかかります。

インプラント4大メーカー

現在、インプラント歯科で使われている主な4つのメーカーをご紹介します。

スイス「ストローマン社」

スイスのストローマン社は、歯科業界の先駆者として画期的な技術や手法を世界に広めているグローバルリーダーです。ブランド名は「ITI」で、純チタン+ジルコニウムの結合力の高い素材などを採用しています。

また、サイズ・ロット番号などの情報が記載された患者パスポートの発行などもしています。公式サイトにはこの情報を元に調べることができる製品確認ツールや、取扱い病院検索などの機能があるため、転居しても安心です。最近では、ブラジルのネオデント社の製品も取り扱うようになりました。

インプラント治療と歯科医院に関する総合情報サイト ストローマンパートナーズ

インプラント治療と歯科医院に関する総合情報サイト ストローマンパートナーズ

アメリカ「ジンマ―・バイオメット・デンタル社」

「ジンマ―・バイオメット・デンタル社」は、アメリカに本社を持つメーカーで、筋骨格系の製品を取り扱っています。インプラントの種類が豊富で、ジルコニアのアバットメントやハイドロキシアパタイト・コーティングのインプラントなどがあり、性能にも定評があります。ブランド名は「カルシテック」「ジマー」です。旧:バイオメット3iジャパン株式会社。

スウェーデン「ノーベルバイオケア社」

スウェーデンの「ブローネマルクインプラント」は、世界初のインプラントを発明した会社です。そのため臨床実績が豊富信頼性が高いことが特徴です。チタンと骨が結合することを発見し、1965年にインプラントを初めて行ったブローネマルク博士の名が使われています。ブランド名は「リプレイスインプラント」「アクティブ」「スピーディ」などです。

スウェーデン「アストラテック社」

「アストラテック社」は、様々な適応症に対応することができ、初期固定結合スピードが速いことが特徴です。アバットメントトのネジの緩みにくさにも定評があります。ブランド名は「アストラ」「オッセオスピード」です。

その他の海外インプラント・メーカー

4大メーカー以外の海外インプラントメーカーは、以下のようなものがあります。ただし、ここに挙げるのはほんの一部です。また、カッコ内はブランド及び国名です。

    • BIOHORIZONS社(バイオホライズン、アメリカ)
    • カムログ社(カムログ、ドイツ)
    • バイコン社(バイコン・インプラント、アメリカ)
    • トーメンメディカル社(SPIインプラント、スイス)
    • ネオバイオテック社(ネオバイオテック・インプラント、韓国)
    • オステム・インプラント社(オステム、韓国)

最近では韓国のメーカーが注目されています。ネオバイオテック社はストローマンやブローネマルク、アストラテックと相互性のある製品を、オステムは世界70カ国にまでシェアを伸ばし急成長しているメーカーで、いずれも品質の高さを誇っています。

国産のインプラントメーカー

国産メーカーの強みは、海外からの送付を待たなくて良いということです。そのため型を取ってからインプラントが出来上がるまでの待ち時間が少なくて済みます。国産のインプラントメーカーもたくさんありますが、特に多くの病院で使われている2メーカーをご紹介します。

「京セラインプラント」

京セラは他分野にわたる機器を開発している信頼性の高い老舗メーカーですが、歯科医療業界では1978年に日本初のインプラントを発売したメーカーとして知られています。アジア人の骨格に合った形状や、治療期間を短縮できるハイドロキシアパタイトの製品を製造・販売しています。

「AQBインプラントシステム」

AQBインプラントシステムの特徴は、特殊技術によって結合時間を飛躍的に短縮したことです。歯ぐきと親和性の高いチタンとハイドロキシアパタイトのいいとこ取り再結晶化HA(ハイドロキシアパタイト)独特な形状のスパイラルシリンダーを開発しています。

医師側の手術が簡便になったうえ感染のリスクが低いので、インプラントに適さないとされる全身疾患を持つ人にも治療が可能となり、注目されているメーカーです。

「GCインプラント」

GCは、歯科用歯ブラシなど歯科用製品を広く製造販売している会社です。開発から製造まで一貫して国内で行っており、その品質の高さは多くの歯医者さんに大きな信頼を得ています。骨との結合を高いレベルで良好にする製品と、骨の状態によって使い分けられるタイプが豊富に揃っています。

インプラントの価格に差が出る理由

インプラント治療の費用の内訳は、主に材料費と技術料です。インプラント治療は自由診療のため、技術料は各医療機関に委ねられます。さらに、医療機関によって方針や治療方法も異なるため、同じメーカーのインプラントを使っていても、価格が違うのです。

中にはインターネットで検索すると、同じメーカーのものでも材料費まで異なるものがあります。これは、1つのメーカーによっても多種類の製品を販売していること、材料費と技術料を合算して記載していることが考えられます。また、一般的な治療費の相場は30〜50万円程度(1本)ですが、難易度の高い治療は相場よりも高い治療費が必要となることもあります。

インプラント・メーカーのまとめ

インプラント・メーカーは国内外で様々な会社がありますが、信頼できるインプラント・メーカーはそれなりの実績や症例が豊富な大手メーカーです。また、「安い」「早い」と謳う病院は材質が悪い製品の使用や長期的な保存まで考えていない場合があるので、注意が必要です。

自分の希望するインプラントのメーカーから主治医を探すのは良いことですが、サイズや製品を指定することはできません。医師は顎骨や粘膜など、口内の様々な状態を診察して適切なインプラントを選択するからです。インプラント治療はその後何年にもわたり定期メンテナンスが必要となります。納得のいくインプラント治療をするには、安心して任せられる信頼できる医師を探すことをおすすめします。