ダラダラ食べはダメ!子供が虫歯にならないおやつのあげ方とは?

おやつにチョコレートやガムをあげると子供が虫歯になりやすいというイメージがありますが、問題は「おやつそのもの」よりも「おやつのあげ方」にあることをご存知でしょうか?
おやつは子供の情緒を育てる大事な存在ですので、禁止するのではなく、適切に与えたいものです。
そこで今回は、歯科医の解説とともに、子供への虫歯にならないおやつのあげ方を学んでいきましょう。
- 子供が虫歯にならないよう、おやつを禁止すべきか悩んでいる方。
- 子供に虫歯にならないおやつのあげ方を知りたい方。
- 虫歯にならない子供のおやつの選び方を知りたい方。
- 子供に虫歯ができてしまい、おやつのせいではと心配している方。
- ジュースやスポーツドリンクで子供に水分補給させている方。
子供が虫歯にならないおやつのあげ方とは?

子供が虫歯にならないためには、砂糖が少ないおやつをあげればいいんですよね?

そうですね。でも、おやつはこどもにとって大事なものですので、甘いものを全面的に禁止するというよりもおやつのあげ方に気を付けることが大事なんですよ。
え、おやつのあげ方ですか?それってどういうことなんでしょう……?
子供を虫歯にさせたくないから、とにかく甘いものを避けているという保護者の方は少なくないでしょう。
チョコレートやケーキを食べると虫歯になるかといえば、必ずしもそういうわけではありません。虫歯のなりやすさは、食べるものそのものよりも「食べ方」が大きく影響するといえます。
それでは、子供が虫歯にならないおやつのあげ方について説明します。
おやつの時間を決める
おやつはダラダラ食べるのではなく、時間を決めておきましょう。
子供が胃が小さくて、1回の食事でたくさんの量を食べられません。
発育のために必要な栄養をしっかり摂るため、1~2歳くらいの小さい子供なら午前10時と午後3時の2回、3歳くらいになって食事の量が増えてきたら午後3時の1回というように、あらかじめ時間を決めておやつをあげましょう。
長くても15分以内で食べきる
口の中にいつまでも食べ物が入っている状態が、最も虫歯リスクを高めます。
甘いおやつを禁止するというよりも、サッと食べ終わることが大切です。
長くても15分くらいで食べきり、食べ終わったら歯磨きやうがいをするようにしましょう。
食事をしっかり食べる
おやつを食べておなかがいっぱいになってしまい、食事が摂れなくなるようでは意味がありません。
甘いおやつはカロリーが高くおなかがいっぱいになりやすいので、注意が必要です。
食事をしっかり食べてカルシウム、タンパク質、ビタミン類などをバランスよく摂り、虫歯になりにくい強い歯をつくりましょう。
子供が虫歯にならないおやつの選び方とは?

甘いものはあげちゃダメなのかと思ってました~。全面的に禁止にしなくてもいいんですね。

そうですね。ただ、できれば3歳くらいまでは甘いおやつは避けたほうがいいですね。
3歳まで?どうしてですか?

そうすることで、お子さんが一生虫歯になりにくい可能性があります。
3歳くらいまでにお口の中に虫歯菌が少ない環境を保てると、生涯にわたって虫歯になりにくい口内環境を手に入れられるといわれています。
また、早くから甘味のおいしさを覚えてしまうと甘いものばかり食べるようになって味覚が発達せず、食事を食べなくなる傾向があります。
身体の発育に大事な時期に、バランスよく栄養を摂れなければ、健やかな成長に支障が出て、10年後20年後に後悔することにもなりかねません。
あぁ、やっぱり3歳くらいまでは甘いものを避けたほうがいいんですね~。健康に育ってほしいですもん。

そうですね。お子さんの将来の健康と幸せを考えるなら、幼い頃の食生活はしっかり管理してあげることが大切ですね。
おやつは第4の食事。栄養になるものを!
おやつは大事な栄養補給のチャンスです。小さい子供は1日3回の食事では、心身の発育に必要な栄養が不足します。つまり、おやつは第4の食事という位置づけになります。
そのためにも、身体をつくる栄養になるおやつをあげるようにしましょう。
- 1~2歳:1回150kcal(1日2回)
- 3歳~:1回250kcal(1日1回)
- カルシウム:牛乳、乳製品、小魚など
- ビタミン類:豚肉、野菜、いも類、くだものなど
- 炭水化物:ごはん、めん類、パン、いも類など
- タンパク質:たまご、大豆製品、肉、魚など
- 鉄分:レバー、海藻、魚、野菜など
- 食物繊維:さつまいも、キノコ類、海藻、野菜など
- 脂質:植物油、肉、魚など

日本人はカルシウムが慢性的に不足しています。これは日本の水がミネラルが少ない軟水であることも関係しているといわれています。毎日牛乳を飲む、ヨーグルトや小魚を食べるなど、意識して補足するようにしましょう。
口の中に長く糖分が残るものは避ける
おやつを選ぶ時は、口の中に長く糖分が残るものは避けるようにしてください。
キャラメル・あめ・ガムなど長く口に含んでいるものはもちろんですが、クッキーやパイのように、歯と歯のすき間に挟まって残りやすいものには要注意です。

口の中に糖分が長く存在すると、それをエサにして虫歯菌が活発化します。特に子供の歯は弱いので、歯を溶かす時間が長くなると、あっという間に虫歯ができてしまうのです。
ジュース、スポーツドリンクで水分補給しない
ジュースやスポーツドリンクは、砂糖がたっぷり含まれています。飲物とはいえ、甘いおやつをダラダラ食べているのと同じです。水分補給は水やお茶でする習慣をつけましょう。
特に野菜ジュースは身体に良さそうな印象がありますが、糖分が含まれているので気を付けてください。
哺乳瓶やストローマグに野菜ジュース入れてあげていたため、幼い子供に虫歯ができてしまった、というケースは珍しくありません。

子供の頃から甘い飲物の味を覚えてしまうと、水やお茶を飲めなくなってしまうことも。味覚は3歳頃までにベースができ、10歳くらいまでに確立されます。甘い飲物はなるべく避けるといいですね。
子供が虫歯にならないように寝る前に歯を磨こう!

ほかに、子どもが虫歯にならないために気を付けることはありますか?

歯の磨き方ですね。食後の歯磨きは大事ですが、特に寝る前の歯磨きが大切です。
えっ、寝る前ですか?

睡眠中は口の中が乾燥して虫歯菌が活発になります。虫歯が進行しやすい時間帯ですので、その前にできるだけ口の中の細菌を減らしておきましょう。
わぁ、晩ご飯のあと、疲れて寝ちゃうことがあるから気をつけます~!
- 子供のおやつは、大事な栄養補給の機会。
- 子供を虫歯にしないために、おやつのあげ方に工夫を。
- ダラダラ食べはNG!サッと食べることが大事。
- 口の中に糖分が残りやすいおやつは避ける。
- 食べた後は歯磨きを。就寝前は必ず歯磨きしよう。