インプラントは「食いしばり」に弱い!インプラントをダメにしない方法

インプラントは「食いしばり」に弱い!インプラントをダメにしない方法
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食いしばりや歯ぎしりの癖を軽くとらえていると、せっかく入れたインプラントをダメにしてしまう恐れがあります。
「えっ、食いしばったくらいで?」と驚くかもしれませんが、インプラントは食いしばりの強い圧力に弱いという特徴があります。
食いしばりが癖になっている人は、寝ている時だけでなく昼間も無意識のうちに食いしばっているのではないでしょうか?なかなか自分では気づきにくいかもしれませんが、スポーツをしている時や考えごとをしている時、一心不乱に集中している時に、つい食いしばりの癖が出てしまいがちです。
今回は、食いしばりがインプラントに与えるリスクと、その対策について説明します。
INDEX
  1. 食いしばりはインプラントに悪い影響がある?
    1. 食いしばりは100キロもの圧力がかかる
    2. インプラントは食いしばり・歯ぎしりに弱い
    3. インプラントが破損することも
  2. 食いしばりが起こる原因(はっきりとした原因はわかっていない)
    1. 過度なストレスによるもの
    2. 睡眠中の歯ぎしりは体温を上げるため?
    3. 顎のズレ・噛み合わせの乱れによるもの
  3. 食いしばり・歯ぎしりを予防する方法
    1. 根をつめない
    2. 深酒・喫煙をやめて睡眠の質を改善する
    3. 逆流性食道炎を改善する
    4. 歯並び・噛み合わせを改善する
    5. 歯の付け根に舌を着けるように意識する
  4. 食いしばり・歯ぎしりからインプラントを守るには?
    1. ナイトガード(マウスピース)でインプラントを保護

食いしばりはインプラントに悪い影響がある?

食いしばりの癖は、インプラントを傷めてしまいます。その理由について説明します。

食いしばりは100キロもの圧力がかかる

「たかが、食いしばりで?」と思うかもしれませんが、歯が食いしばる力は相当強く、100キロもの力がかかることもあるのです。歯ぎしりの場合は、約60キロの力がかかるといいます。

インプラントは食いしばり・歯ぎしりに弱い

インプラントが食いしばりに弱いのには理由があります。天然歯は、土台となる顎の骨との間に歯槽骨という柔らかい骨の組織を挟んでいます。それがクッションになって圧を受け止めるので、強い力がかかっても壊れにくくなっています。
インプラントは人工の歯ですから、歯そのものの強度は天然歯よりインプラントの方が強いはずなのですが、歯槽骨というクッションがないためダイレクトに顎の骨に力が掛かってしまうことになるのです。

インプラントが破損することも

インプラントに100キロもの圧が長年に渡ってかかり続けると、経年疲労が重なってインプラントが破損することがあります。

食いしばりが起こる原因(はっきりとした原因はわかっていない)

食いしばりがインプラントを危険にさらす癖だとわかったら、その癖をなんとかしたいと考えるかもしれません。ですが、食いしばりが起こる原因は、はっきりとわかっていません。原因がわからないので、癖を直すということは、なかなか難しい問題です。しかも、日中だけでなく、主に就寝中の無意識の時に起こる癖なので、改善するのは難易度が高いといえるでしょう。
現時点で、いくつか食いしばりの原因として考えられることは次の通りです。

過度なストレスによるもの

過度なストレスが原因で食いしばりが発生することを「クレンチング」といいます。食いしばりの癖が起こる原因は、ほとんどがストレス、疲労、睡眠不足が原因ではないかと推測されています。
食いしばりで100キロもの圧がかかることがあるわけですから、歯槽骨というクッションを備えている天然歯であっても削れたり、ヒビが入ったりしますし、ひどい時には折れたり砕けたりしてしまいます。
インプラントの場合は、クッションがないのでダイレクトに圧を受けます。天然歯よりも破損のリスクが高いといえます。

睡眠中の歯ぎしりは体温を上げるため?

食いしばりと同時に歯ぎしりの癖がでることもあります。一説では、身体を冷えから守るため、体温をあげようとして歯ぎしりが起こっているともいわれています。
食いしばりや歯ぎしりをなるべく防ぐためには、寝具を整えたり、冬の場合は湯たんぽを入れたり、体が冷えを感じないように環境を整えて就寝することも大切です。

顎のズレ・噛み合わせの乱れによるもの

上下の顎の噛み合わせが悪く、バランスが乱れているせいで食いしばりや歯ぎしりが起きているケースがあります。噛み合わせを調整すれば、多少なりとも改善できることもあります。

食いしばり・歯ぎしりを予防する方法

食いしばりや歯ぎしりは、無意識の時におこりがちな癖です。予防するのはなかなか容易ではありませんが、それでもさまざまな予防法があります。一度、試してみてください。

根をつめない

根をつめずリラックスを心がけることが大切です。心身ともにストレスを溜めないようにしましょう。口の周りの筋肉がストレスでこわばっているようなら、マッサージをして軽くほぐすようにしましょう。特に眠る前に、口周りの筋肉をほぐすと改善できるようです。
ストレス緩和のためには、深呼吸して、酸素を胸いっぱいに採り入れることも大事です。

深酒・喫煙をやめて睡眠の質を改善する

過度なアルコール量ややタバコの成分は、睡眠の質を著しく悪化させます。眠りの質が悪くなると、歯ぎしりや食いしばりが起こりやすくなります。
無意識の癖が出ることなくぐっすりと眠るために、深酒・喫煙はやめて深く眠れるように心掛けましょう。

逆流性食道炎を改善する

ストレスや生活習慣の影響で、逆流性食道炎を発症すると、食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなります。逆流性食道炎とは、胃液が食道へ逆流してくる状態で、胃もたれや胸やけなどを伴います。逆流性食道炎の場合は、喉元に上がってきた胃酸を中和するため、無意識に唾液を飲みこもうとする動きが生じ、歯ぎしりや食いしばりとなって身体に現れるといわれています。

歯並び・噛み合わせを改善する

歯を治療した後の被せ物の高さが合っていない、上下のどちらかを失って嚙合わせる歯がないといった状況も、食いしばりや歯ぎしりが起きやすくなります。全体の噛み合わせを調整し、矯正治療で歯並びを改善すると、食いしばりの癖が直る場合があります。

歯の付け根に舌を着けるように意識する

上下の歯は、普段はくっついていません。緊張感が高まったり、ストレスが溜まったりすると、人は無意識のうちに上下の歯をくっつけます。これは普通のことで、ほとんどの人がやっているといいます。
実は、上下の歯がくっついているだけで特に圧力がかかっていない状態でも、歯には食いしばりのような負担が掛かります。こうした癖を回避するために、歯の付け根に舌を着けるように意識します。
これで、上下の歯がくっついたり、食いしばったりする癖を回避できます。

食いしばり・歯ぎしりからインプラントを守るには?

眠っている時に無意識のうちにやってしまう食いしばりや歯ぎしりからインプラントを守りましょう。

ナイトガード(マウスピース)でインプラントを保護

就寝用のマウスピース「ナイトガード」で、食いしばりや歯ぎしりでインプラントを傷めてしまうのを防げます。
歯型を採り、お口にぴったり合ったマウスピースを作ります。就寝中に着用すると、噛んだときに歯や顎の骨にかかる力をやわらげますので、負担が軽減できます。強く食いしばろうとしても硬いアクリル性のマウスピースがツルツル滑り、クッションになって力が分散されます。もし強く食いしばってしまっても、マウスピースが削られるだけなので、インプラントを守ることができます。
 ナイトガードは、かかりつけの歯科医院で作ることができます。インプラントが破損する前に、ナイトガードで保護できないか相談してみましょう。