インプラントの手術後で考えられるリスクとは?インプラント治療Q&A

「人生が変わった!」「生活が快適になった!」など、インプラントは非常に満足度の高い治療です。メリットばかり見聞きしますが、デメリットやリスクについてもきちんと把握しておきたいもの。この記事を読むと、インプラント治療についての疑問や手術後に起こり得るリスクなどを、まとめて知ることができます。
- インプラント治療後に起こったトラブルを色々知りたい
- インプラント手術の後、気をつけることは?
- インプラント治療をしたら禁煙しなければならないと聞いた
- インプラント治療をしたらアルコールを飲んではいけないと聞いた
- インプラントにするとかかりやすい病気があると聞いたけど大丈夫?
- インプラント手術は何歳まで受けられるのか知りたい
インプラント手術後のトラブルについてのQ&A

インプラント治療は95%~99%と極めて高い成功率を誇ります。一般的な歯科治療と異なり、歯科大学を卒業した後も専門知識や技術の研さんを続けた歯科医師による、質の高い治療を受けられるからです。ですが、中には質の悪いインプラントシステムを安価で提供している歯科医院もあるため、しっかりとした見極めが大切です。また、いくら質の高い治療でも、一般的に避けられない事象もあります。
手術後に痛みやしびれが出るって本当?

インプラント手術は外科手術ですが、術中は局所麻酔が効いているためほとんど痛みを感じません。ただ、一般的な手術と同様に、麻酔が切れると傷口に痛みや腫れが出ることがあります。体質による個人差などがあるので、痛みの程度は様々です。痛みや腫れが引くまで2〜3日くらいかかるのが一般的ですが、増骨や複数本の埋入など大がかりな手術をした場合には痛みが出やすいといえます。
初めてインプラント手術を受けると「この痛みは普通なのか失敗なのか分からない」と不安になることも多いでしょう。激しい痛みやしびれがあったり長引いたりした場合は、異常事態が起こっている可能性もあります。無理をせず医師に相談しましょう。

問題が発生しているかどうか検査をします。
それは診てもらうと安心ですね。
頬が腫れた人の話を聞いたことがあります…

口の中は狭いので、手術中に器具が当たって頬の内側に内出血を起こして腫れたりすることがあります。大抵の場合は数日の間に自然に引きますが、腫れが大きい場合には医師に相談しましょう。
インプラント治療は繊細かつ高度な治療のため、CT画像や3Dレントゲンなどで立体的に口内を把握し、緻密な計算によって治療を進めていきます。専門資格や豊富な手術経験を持つ医師と、患部を立体的に撮影できる専門設備が整っていることが、インプラント治療を安全に行える最低条件と考えて良いでしょう。

残念ながら、現在ではインプラントは国家資格ではないので色々な医師が施術できます。
ええ!それはけっこう衝撃ですね…。
手術後に気をつけることはある?

インプラント手術を受けた直後や翌日は、以下のようなことに気をつけましょう。
- 頻繁に口をゆすがない
- 入浴や運動は避ける
- 喫煙・飲酒はしない
- 入れ歯を使用しない
- 唾液に血が混ざる程度の出血があることも。止まらない場合はガーゼを30〜60分程度噛む
- 枕を高くして寝る
- 鼻を強くかまない
- 指示通りに薬を服用する
- 傷口には2週間くらいは歯ブラシを当てない
- 当分の間は禁煙・禁酒
- 傷口が治るまで入れ歯は使わず、歯科医師と相談して使用を再開する
- 食事は柔らかいものにし、患部では噛まない
- 出血や痛みは我慢しすぎず、担当の歯科医師に相談する
けっこう色々あるなあ。

傷口が治癒しないと様々な問題が起こってしまうので、ここはきっちりと守ってください。
インプラントにしたら食べてはいけないものはある?

インプラント手術をした後しばらくの間は、できるだけ柔らかい食事にしてください。お粥やうどん、スープなどがおすすめです。下記のような歯に負担がかかるものは、なるべく避けましょう。
- 硬いもの・弾力のあるもの・粘着性のあるもの
- 刺激があるもの(激辛・コーヒーなど)
- 極端に熱いもの
- アルコール、炭酸飲料

傷口が治癒するまでは痛くて普通の食事は難しいと思います。
しばらくは忍耐ですね。
一度治療をすれば半永久的に使えるの?

インプラントはまるで自分の歯が蘇ったかのように快適ですが、長持ちさせるにはメンテナンスがなによりも重要になります。メンテナンスに通わないと、不具合や病気などが起こった時にいち早く発見・対応できません。また、強い圧力がかかる・事故などで破損するなどの可能性もあります。
定期メンテナンスはどのくらいの頻度で通うんですか?

だいたい年に2回から4回程度です。
インプラントにするとかかりやすい病気って?

インプラントは「インプラント周囲炎」という病気にかかりやすいという特徴を持っています。インプラント周囲炎とは、歯周病のようなものです。インプラント周辺の歯ぐきなどにプラークがたまると細菌が繁殖し、インプラントと骨の間に侵入して骨を溶かしていきます。骨は細菌感染しやすいため、一度インプラント周囲炎になると進行が早く大変やっかいです。
インプラント周囲炎になるとどうなるんですか?

重症になると骨が吸収されてインプラントを支えられなくなり、ひどくなると抜けてしまうことがあります。
インプラント周囲炎を予防するには、日々の歯みがきが大切です。ただ、セルフケアでは全体の4割程度しか落とせないため、定期的にクリーニングを受けましょう。適切なケアを行えば、インプラントを長持ちさせることにつながります。
インプラントは何歳まで手術できるの?

インプラント治療に年齢の上限はありません。手術に耐えられる体力と、手術後にセルフケアができること、定期メンテナンスに通うことができれば何歳まででも受けられます。ただし、骨の量が十分でない場合や、既往歴がある場合は受けられないケースもあります。それぞれのかかりつけ医と相談しながら治療することも可能ですので、まずは歯科医院で相談してみましょう。

闘病中でも程度によっては受けられることがあります。
自分で判断しないで相談してみるといいんですね。
インプラントで後遺症になったケースは?

インプラントの手術は骨に穴をあけて本体を埋め込むため、周辺の神経や血管を傷つけてしまったことによる神経麻痺などが発生する場合があります。傷が血管に及ぶと出血多量を引き起こす可能性もないとはいえません。底まで重症な例でなくても、削る範囲を少し間違えただけで腫れや炎症につながるケースもあります。

血管や神経の位置は事前に確認しますが、手術方法は歯科医院によって違うので、最初によく説明を受けてください。
うーん、それで判断するのは難しいなぁ…。

複数の歯科医院で説明を受けるのもアリですよ。
なるほど!
トラブルに遭わないためにできること

インプラントは高額な治療のため、少しでも安く提供しているところに惹かれがちです。大量に仕入れて価格を下げるなどの企業努力をしている良心的な歯科医院もありますが、なかには悪質なところもあるので見極めが必要です。
例えば安全性を追求し、事故防止に注力したインプラント治療には、コンピュータ制御されたガイドを使用して確実な位置と角度にインプラントを埋入するシステムなども存在します。
基本的なこととしては、歯科医師の説明をしっかりと聞き、理解・納得してから治療を受けるかどうかを決めましょう。

医者任せにすると後で何か起こった時に後悔することになりかねません。
自分でもしっかりと理解することが大切なんですね。
インプラント治療は歯科医院と医師選びが重要!
インプラント治療は、はじめに歯科医師から詳しい説明があります。分からなければかみ砕いて分かりやすく説明してくれるでしょう。高額な治療でもありますので、あとで後悔しないように信頼できる経験と知識が豊富な医師と、しっかりとした設備が整った歯科医院を選ぶことが何よりも重要です。
- インプラント治療に伴う痛みや腫れは想定内
- 手術後は医師の指示に従う
- 手術前後はタバコやお酒を控える
- 手術後しばらくは柔らかい食事にする
- インプラント治療後はメンテナンスが最重要
- インプラントはインプラント周囲炎になりやすい
- インプラントは高齢でもできる
- インプラント治療は専門医や施設が充実しているところで行うべき